時代劇拝見日記
2016年5月

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2016/5/31

■ 遠山の金さん捕物帳 第150話「我が子に殺しを教えた男」1973.5.20NET/東映

 父の死後、一人でみごとに母の仇を討ったかにみえた若者だが実は、というお話。
お奉行は、些か誤った「士道」に囚われていた彼に事実を突きつけ、明るいほうへ導いてやるのだった。

ロケ地
  • 浪人・竹本源之丞が、一子・新一郎に仇討ち遂行のための剣術を教え込む夜の荒れ寺、丹波国分寺。後段、八熊が皆を連れてきたり、虎さんがお咲から話を聞くくだりでは昼間の画。乳銀杏のシルエットが不気味さを強調。本堂や門内側が映り込んでいる。
  • 仇の御家人・大塚に仕掛ける新一郎、大塚が出てきた料亭(柳橋の梅垣)は嵐山公園・。闇からの投石にひるんだ大塚に一太刀浴びせ逃げ去った新一郎、中ノ島橋上でやっと刀を納める。このあととどめをさしに戻ると、もう岡っ引が来ていて検分がはじまっている寸法。

2016/5/30

■ 遠山の金さん捕物帳 第149話「替玉に惚れた女」1973.5.13NET/東映

 将軍家の姫さまと、松平家の次期様が曲折を経て結ばれる王道ストーリー。姫さまは兄弟が54人もいるせいで男嫌い、松平家は後継問題でお家騒動の真っ最中、二人とも縁談にはそっぽを向いているため、お見合いには替え玉が駆り出される。これがタイトルの腰元で、若様の身代わりはなんと虎さん。どたばたコメディが展開されるが、姫さまと若様のしんみり話もある。

ロケ地
  • 家斉の息女・末姫が薙刀の荒稽古をする西の丸の庭、阪口か(芝地の端に萱葺の茶亭らしき建物、立地が高台っぽい)
  • 松平家(三州吉田藩十万石)江戸屋敷、大覚寺大門。若様が失踪中で、用人がぶつくさボヤきながら門から出てきて、見つからず帰ってきた藩士を叱るのは参道石橋。このとき、飴売り営業中の虎さんが子らと御殿川にいて、若様とそっくりなことから身代わりを頼み込まれる次第。
  • 花見の宴、大覚寺宸殿前あたりに設営か。夜の画なうえ、幔幕がめぐらされており、見えるのは御殿の手すりくらい。
  • 末姫付きの老女が、腰元たちに姫さま捜索を命じる庭、阪口か(池泉端)
  • 姫さまを捜しに出た侍女・さくらが疲れて座り込むやしろ、大覚寺五社明神本殿階。ここへ虎さんが現れるが、二人ともまだ互いが身代わりとは知らず。若様狙いの暗殺者が殺到する。
  • 互いの思慕の情を語り合うさくらと虎さん、大覚寺大沢池堤。桜開花、この前に大沢池をすべる屋形船が映し出される。実は身代わりなことを告白しあう場面。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • 輿入れする末姫の駕籠が着く松平家門、大覚寺大門。姫に付き従ってきたさくらは、塀際にいる虎さんをみとめ手を振る。その虎さんに近寄る金さん、二人帰る道は大沢池堤。このくだり、半分ED被り。

2016/5/29

■ 立花登青春手控え 第三回「女牢」2016.5.27BSP

 女牢に知った顔をみる登、それはかつて診た患者の女房。亭主の暴力にも耐え尽くしていた女、なにゆえと調べ始める登だが、悲しすぎる事情を知ることに。裁きは既に下っていて、してやれることは限られているのだった。

ロケ地
  • 猿屋町甚内橋、日吉大社大宮橋。回想シーン含め、季節のうつろいを表現してある。時次郎の治療のため通った際渡った橋、帰る登をいつもおしのはこの橋まで見送っていた次第。
  • おしのの「犯行」について藤吉と話す登、奥石神社摂社〜参道(拝殿望む図)
  • おしのが処刑されたあと、時次郎からおしのを買ったヒヒ爺・能登屋をシメに行く登、店から連れ出して用心棒らもまとめて懲らす竹林は大覚寺竹林。その後篠突く雨に打たれ立ち尽くす水辺は遣水跡(ヤナギ傍〜大沢池畔へ移動。大沢池堤に桜開花、水面にはマジ雨)

2016/5/27

■ 遠山の金さん捕物帳 第148話「殺しを引受けた女」1973.5.6NET/東映

 それが知られると身の破滅な秘密を持つ、か弱き町衆を守ろうとする姐御だが、殺し屋を使うという手法に、金さんは待ったをかける。
何も悪くない民が苦しむなら制度の方が悪いと言い放つ、姐御と金さんの思想が渋い。

ロケ地
  • 幼児とその母に無礼討ちと凄む侍(出水憲司)に啖呵を切るお京親分、不明(神社境内と思われるが、モブで要素見えず)。設定は深川八幡。
  • 甲州屋の主人が脅迫者・竜三に殺されたあと、「仲間」の山形屋や伊丹屋がこっそり駆け付け遺族の母子と協議、これを天井裏で聞いていた虎さんが金さんに報告を上げる町角、御香宮本殿脇・摂社前。彼らの重大な秘密のことや、お京が介入したことも告げられる。
  • お京が殺し屋を依頼するくだり、宇治公園橘橋を渡って左岸河川敷に降り、河原で釣りをしていた「畳針の才三」に接触。姐御をつけてきた金さんは橋上から見ている。橘橋は改修後間もない感じで、木がまっさら。才三がいるのは頭首工近くの丸い一件。中州西側の流れが映っているが、流速はけっこう早い。宇治橋橋脚の下部がちらっと映り込んでいる。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/26

■ 遠山の金さん捕物帳 第147話「獄門台が招く女」1973.4.29NET/東映

 大店のあるじと番頭が河豚に中って頓死、讒言により女将の仕業とされてしまい獄門の沙汰が下る。しかし女将に仕えていた爺やは只者でなく、伝馬町の牢を破る挙に出るものの、悪党どもがタッグを組み万事休す、ここへ桜吹雪の登場となる。

ロケ地
  • 越後屋の女将・おそのに仕えていた爺や・宇平が、牢破り協力者の盗っ人仲間・岩五郎に礼金を渡すため隠し金を掘り出す墓地(かしら夫妻の墓、おそのの実親)大覚寺大日堂と聖天堂の前に墓地設営。夜間撮影。ここへ現れた金さん(この時点では越後屋飯炊き下男、潜入中)とのやり取りが渋い。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/25

■ 遠山の金さん捕物帳 第146話「毒で出世する男」1973.4.22NET/東映

 どうした訳か、ならず者や半端者に優しい兄哥には、そうせずにはおられない、忌まわしい過去があった。彼は、大川に次々上がる奇妙な土左衛門を見て、かつての師が再び非道を働いていると知る。許しておけぬと暴発する兄哥を止めた金さん、粋なはからいで「罪」を償わせてやるのだった。

ロケ地
  • 文三らが手配書を手に座り込んでいる石段、金戒光明寺参道坂。お光らが来てからかい、茶所の方に行くと半次がついてきて、通行人にぶち当たると手配書の男、「ご用だ!」で男が逃げるのは長安院下坂。もちろん取り逃がし。
  • 体中に赤斑が出た土左衛門が上がる両国橋下、宇治公園河原(朱色の欄干は朝霧橋か、河原は中州端の岸辺?)
  • 度重なる奇妙な土左衛門、栄吉が意を決し訪ねてゆく医師・佐野玄庵邸は京都御苑拾翠亭門。下男に門前払いされたあと、帰ってゆくのはその南塀際、尾行していた金さんが誰何に応えおりてくる土手は御苑南側の「土手」、樹木越しに丸太町通に面した「町屋」がちらり。弟分になりたいとか言って金さんが栄吉を連れてゆく茶店、御苑厳島神社に設営、池端に床几。二人が話している最中に「土左衛門が」の声、人々は高倉橋の上を走ってゆく。
  • その土左衛門が上がる河原、宇治公園橘橋下手の右岸河川敷(頭首工近くの丸い一件)。死人は、文三に追われていた、栄吉が逃がしてやった男。
  • 医師・笹川栄舟を矢場に訪ねてきた武家娘・おふさ、栄吉に拒否され泣き崩れる橋は金戒光明寺極楽橋。金さんが現れ、栄吉の過去を聞く。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • 石川島寄場で二年間医師として働くため「出発」する「栄舟」、宇治公園の宇治川左岸堤を鉄砲洲の河岸に見立てて使う。ED被り。

2016/5/24

■ 遠山の金さん捕物帳 第145話「金さんを殺した女」1973.4.15NET/東映

 恋する乙女、思い人の危機を夢に見るの巻。お光の悪夢が成就されかける、再現シーンみたいな演出が妙。
お話の本筋は、お上を逆恨みする盗っ人×2。心根の違いが明暗を分け、すかっと終わる痛快話。

ロケ地
  • 津軽藩下屋敷(賭場開帳)を出てきたお銀をつけるお光、相国寺大光明寺(お光は方丈塀際に)。金さんの仇と斬りつける夜道は広隆寺東塀(境外、木あり)、丑三の手下が出てお光危機のところ、「生きていた」金さんが現れて介入。
  • 豊島屋が発句の会に出かけてゆく寺、轉法輪寺。鐘楼門前石畳で、「皆さんお待ちかねです」と小僧に声をかけられる。内部描写はセット撮り。参道西側の駐車場はまだ無い。
  • 実は盗っ人の寄り合いだった会合から帰る豊島屋(丑三ツの半兵衛)、手下の千助と別れる町角は大覚寺五社明神。このとき祠裏からお銀が現れ、人目を気にした豊島屋たちがよそへ引っ張ってゆくシーンは大沢池池底(葦原の向こうに護摩堂が見えている)
  • 町をゆくお銀を呼び止め、金さん殺しを急かす丑三ツのおかしら、大覚寺放生池堤に露店とぼんぼり設営、半兵衛はその一つの茶店にいる。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/23

■ 遠山の金さん捕物帳 第144話「海の向うから来た女」1973.4.8NET/東映

 熊と八が助けた女はなんと唐人、彼女を捜し当ててきた男もカタコト。悪辣な人身売買組織に振り回された異国の男女哀れ、言葉のわからぬ女に対し、男の裏切りを秘す奉行なのであった。

ロケ地
  • 尾州屋の手の者に追われる麗花と張、追いつかれてしまう夜の橋は中ノ島橋。橋上で張が戦う間、麗花は橋たもとの石積護岸からドボン(ここに祠が置かれていて、朱玉垣が壊れて一緒に落ちる)
  • 夜釣りの熊と八、中州下手の川岸か(流水から右岸汀と知れる。朱玉垣の破片が流れてくる。船着場設定)。後段、張が聞き込みに来る段では昼間の画。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • ED被り、清国へ帰る麗花たちが乗った船、琵琶湖か(映画か何かからの流用と思われる/対岸に山なみ、前景に棕櫚か椰子のシルエット)

2016/5/22

■ 立花登青春手控え 第二回「善人長屋」2016.5.20BSP

 しつこく無実を訴える吉兵衛にほだされた登は、いろいろ聞いて回り、ついに藤吉親分が動く。しかし吉兵衛親子の暮らす「善人長屋」実は名ばかり、どころか吉兵衛本人のとんだ過去が明らかとなる。

ロケ地
  • 吉兵衛を逮捕した清助親分の回想、追い剥ぎに遭って吉兵衛が返り討ちにしたという大工の死体が取り片付けられる小名木川の河原、中ノ島橋下手右岸河川敷(セピア仕立て、堰堤の落水が映り込んでいる)
  • 吉兵衛含む「四人組」の強盗のことが知れ、よそへ避難させてある「吉兵衛の娘」おみよが危ないと走る登、本所割下水の新谷の奉公人の老女の家へ向かう道は上賀茂神社ならの小川畔〜神事橋を渡る。
  • 長屋の気のいいおかみさんに手を引かれ戻ってゆくおみよ、上賀茂神社神事橋〜ならの小川畔。神事橋下の川中に、子と遊んでやる父親を配してある。
  • おみよが戻ってゆくのを見届けた登と新谷、駆けっくらの坂は金戒光明寺永運院下坂(駆け上がる)

2016/5/21

■ 遠山の金さん捕物帳 第143話「岡っ引が惚れた女」1973.4.1NET/東映

 もう十年も、大盗「梟の伝吉」を追っていた岡っ引は、あまりに長いあいだ接してきた彼の娘を愛するようになっていた。
亡父の贖罪を志し盗品を返してまわる娘、それに乗じて欲をかく元手下の島抜け男、そして追う相手を恋する目明し、全てはお白州で名奉行によって運命を割り振られるのであった。

ロケ地
  • お島を張り込み続ける鬼辰、使いに出たお島についてゆき、二人雨宿りするやしろは木島神社舞殿脇。傘もささずついてきた辰吉が体を壊すと案じるお島、しかし辰吉はお島を邪険にあつかい、落とした櫛を踏みつける。
  • お島につきまとい鬼辰に捕縛された金さん、責め問いののち釈放された帰り道で政次の手下の浪人が接触してくる町角、大覚寺五社明神
  • 伝吉が盗んだ拝領の香炉を返しに行く黒田藩上屋敷、大覚寺大門。門脇の塀を乗り越えて政次が侵入、お島は塀外で見届ける。政次が正体を現し、辰吉が飛んできて、金さんが桜吹雪を開陳する一連の芝居は大門前で展開、高崎さま率いる捕り方は参道石橋を来る。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/20

■ 遠山の金さん捕物帳 第142話「七万石を拾った男」1973.3.25NET/東映

 人足の辰三が拾って育ててきた倅は利発な子、ごっこ遊びでも殿さま役。これが実はご落胤だったというよくあるパターンで、もちろんお家騒動がくっついてくる。坊とおやじの涙の別れのほか、悪家老に通じる裏切者とか、間違ってよその子さらってくる間抜け部下など、王道要素が詰め込まれており、お奉行のはからいで善人報われてめでたし。

ロケ地
  • 沼津藩の腰元・雪路が、恋人の藩士・森田と会うやしろ、京都御苑厳島神社。森田が家老と通じていないか問うが丸め込まれ、情報を吸われたあと殺される運び。
  • 沼津藩江戸屋敷・用人(中山三太夫)役宅イメージ、相国寺光源院門。森田がとぼけて報告するくだり。
  • 鶴坊らが釣りの武士に放尿して怒らせる橋、犬飼川下河原橋(橋標にはっきり下河原橋と読める。橋は半ばで落ちているもよう)。釣りの侍は橋下の河原に。このあと、侍が子らを成敗すると騒ぐ町角はセットを挿み小幡神社境内へ(脇参道を入ったところ)
  • 沼津藩江戸屋敷・家老(笹山兵庫)役宅イメージ、相国寺林光院門。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/19

■ 遠山の金さん捕物帳 第141話「孔子を裏切った男」1973.3.18NET/東映

 昌平黌の試験不正、八熊の与太話につきあって行ったのではなく、ちゃんと目当てがあった金さん、いきなり「それ」がらみの殺しに遭遇。以降、話は不正に憤る、馬鹿をみた学生を中心に進む。
無茶をしたその青年には、面白い裁きが下ることとなる。

ロケ地
  • 昌平坂学問所、相国寺林光院。門内外を使う。
  • 昌平坂脇道で刺され、金さんに言伝を頼みこときれた笹屋手代の義助、相国寺鐘楼脇。義助は奥村直人の屋敷に勤めていた中間、笹屋には潜入中だった設定。
  • 奥村直人が行きつけの湯島天神の茶店、石座神社参道「踊り場」の建物前に設営(建物前には葭簀が立て掛けられ、向かいにも露店あしらい)。学問所帰りの学生たちに因縁をつけているところへ虎さんが現れ「言伝」をするくだりや、笹屋から連れ出した女中のお初と話すくだりなどで出る。義助の恋人だったお初に経緯を打ち明け、協力を要請するシーンでは、本殿裏手も使われている(本殿裏の崖は今と違い石積)。お初が掠めとってきた「最中に仕込まれた試問書」を見るシーンは本殿前。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/18

■ 遠山の金さん捕物帳 第140話「白州で離縁した女」1973.3.11NET/東映

 妾の情夫が思いつく強請りだが、芝居をさせた女の子がマジで死んだのを皮切りに、事態はどんどん物騒な方へ雪崩をうってゆく。しかもからまる人間模様が複雑怪奇、お白州ではその一つがきれいに解かれ、愛をあきらめていた男女が再出発するのだった。

ロケ地
  • 留吉が秋田屋の女将・おゆきに金を持ってこさせる、夜の業平橋の森、大覚寺五社明神
  • 絶望したおゆきが入水をはかる夕暮れの川端(?)大覚寺大沢池船着(小)。まず正吉が現れて止め、今度は二人一緒にというところで金さんが現れて止める。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/17

■ 遠山の金さん捕物帳 第139話「悪夢に追われた男」1973.3.4NET/東映

 盗みに入った先で、主が殺されるのを目撃した青年は、何の罪もないお店者が犯人にされるのも見る。根っからのワルではない七太郎が、苦悩の果て自首し、お白州にて温情を受けるに至るプロセスを丁寧に描く。

ロケ地
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/16

■ 遠山の金さん捕物帳 第138話「天井天下に命を張った男」1973.2.25NET/東映

 いつか城を手掛けるのが夢の、頑固一徹の棟梁。その彼が建てて間もないお屋敷の天井が落下、寝ていたご家老が頓死。得心ゆかぬ親爺はとことん調べ上げるが、暴かれては困る向きがぞろぞろと現れるのだった。

ロケ地
  • 立岩藩下屋敷増築が成り、大工たちを労う宴が張られるくだり、新築の御殿と幔幕は大覚寺五大堂の西側に設営。幔幕のこちら側はセットにスイッチ。
  • 立岩藩邸の塀を乗り越えて出てくる不審者を目撃する、夜回り中の文三親分たち、大覚寺大門と続きの塀。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守を三国濠端から望む図。老中・土井が大目付・望月を呼び出し、立岩藩の調査を命じるくだり。
  • 立岩藩邸の天井が落下した夜、屋敷から出た「不審者」が金を受け取る段で始末される川べり、下鴨神社泉川畔。検分の際、虎さんが「忍び」と断じる。
  • 立岩藩邸へ押しかけようとした東兵ヱを止める金さんたち、下鴨神社河合社裏手。糺の森からは、大きな木が倒れて突き出している。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/15

■ 立花登青春手控え 第一回「雨上がり」2016.5.13BSP

 牢屋敷の仕事を押し付けられてしまった登、初めての夜勤の日にさっそく急患が出る。しかし診てやったその男は仮病、女に金を届けて欲しいと懇願される。登は、己の腕をつかんだ勝蔵の力の入りように、思いのたけを知るのだった。

ロケ地
  • 出羽・亀田の里、不明(谷底平野に広がる田地と里の俯瞰、河畔の在所風景)。母に見送られ出立する登のくだり、叔父について聞かされる縁先、ありものの民家か。また、門も同所と思われる(民家庭の「中門」?)。歩み出す里の道、民家南塀(西望の図、手前は「崩落個所」か)、南側石垣際に地蔵あしらい。旅ゆく登、雪嶺を背景にした街道、不明(前景は菜畑)、ロング。母の弁当を手に街道をゆく登の近景は大堰川堤、旅人等あしらい。お昼をつかう河原は大堰川河川敷(粗い礫の河原、釣り人あしらい)
  • 江戸へ着いた登、町を見渡して息をつく坂は金戒光明寺永運院下坂、善教院の南側に町を合成。
  • 勝蔵からの金を届けに行った登、帰り道にくぐる門は仁和寺中門。追っかけてきたおみつに気付き立ち止まるのは茶所前。おみつの「言い訳」を聞くシーンは参道のステップ。おみつの回想で出てくる、勝蔵にプロポーズされた場所は中門。
  • 流人船を見る町衆、中ノ島橋上。勝蔵を含む流人たちが小船に乗せられる万年橋・征木稲荷の桟橋、大覚寺大沢池船着(大)、池畔に柵あしらい、登と藤蔵が見送る。少し離れた土手で船を見送るおみつ、放生池堤。勝蔵の船からおみつのいる土手を望む図もある。また、放生池と放生池堤越しに船を望む図では、大沢池堤を途中で「消して」広い水面を作り、海に近い大川を演出してある。

2016/5/13

■ 遠山の金さん捕物帳 第137話「匂い袋の女」1973.2.18NET/東映

 品川で植木屋の主人が殺され、江戸では水茶屋の女が殺される。無関係に見えた二つの殺しは、謎に迫ると犯人の一方が消され、意図が露わとなるのであった。
遠山裁きのあと、暴れ者の青年が亡き姉との約束通り立派に店を開き、いい話で終わる。

ロケ地
  • 赤不動の仁吉が匂い袋を出せと迫られ田島浪人に斬られかかるやしろ、石座神社本殿前。危うい所へ現れる金さんは、本殿前の石段を登ってくる。
  • 田島浪人が婿入りする筈だった小笠原家御用人の娘、小笠原邸は相国寺林光院。金さん、ここの賭場の常連で、中間から全部聞き出す。
  • 姉・お市の墓に参り、金さんの供花を見る仁吉、くろ谷墓地か。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/12

■ 遠山の金さん捕物帳 第136話「泣きぼくろに惚れた男」1973.2.11NET/東映

 恋人の仇を討って逐電した男が立ち戻り、恋人に瓜二つの女が同じように苦しめられていることを知る。再びの幸せは手に入らないが、男の行動によって泣きぼくろは福に転じ、泉下での再会が果たされるのだった。

ロケ地
  • 大工の忠吉がはめられ橋板を踏み抜いて落下した新大橋の普請場、宇治公園橘橋。改修中を借り受けたか、欄干は真新しい木。渡世人の常次郎は橋下に寝ていて、山崎屋の男衆が細工を施すのを目撃する。
  • お甲の墓、くろ谷か。上総屋の小頭・六兵ヱと再会。ラストシーンも同所、新しい卒塔婆が一つ隣に立つ。
  • 常次郎の回想、お甲と会った川端、大覚寺天神島(庭湖石が見えている。島は菊ヶ島か、草ぼうぼう)。お甲は清二との結婚を前に、泣きぼくろがまた不幸を呼ぶと怖じる。

2016/5/11

■ 遠山の金さん捕物帳 第135話「冥土から帰った男」1973.2.4NET/東映

 怪しの回船問屋の船・紀州丸に、水夫に化けて潜入する南町同心。しかし彼の上司は当の悪徳商人と通じており、捜査官は熊野灘の藻屑と消え、絶望した恋人は身を持ち崩し美人局…これがハッピーエンドになるのが脚本の妙。

ロケ地
  • 辻同心の上司・南町与力斎藤十兵衛邸、相国寺光源院
  • 辻が恋人のお菊といつも会っていた池之端、京都御苑厳島神社。九條池畔の鳥居まわりで芝居が行われ、立ち回りもある。高倉橋も映り込んでおり、辻の危機を見る虎さんが橋上に。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)
  • 京都町奉行所与力に抜擢され、お菊を伴い東海道をゆく辻、不明(谷地田脇の道、路傍に土壁瓦葺の小屋あり。酒屋神社付近か亀岡か)

2016/5/10

■ 遠山の金さん捕物帳 第134話「過去を失った男」1973.1.28NET/東映

 金さんが首を傾げた、どう見ても三十そこそこなのに総白髪の謎めいた川漁師、果たして大いに訳あり。「いま」の人柄と暮らしを知っているお奉行は、「盗っ人のほう」は死んだことにして裁くのであった。

ロケ地
  • 川平が溺れた子を救う川端、瀬田橋竜宮脇・唐橋下手の瀬田川左岸河川敷。金さんが道具をひやかす釣り宿は竜宮の玉垣際に仕立ててある。唐橋からと思われるビューもあり、かつての様態が判り易い画になっている。川端のシーンでは、唐橋の橋脚や雲住寺も映り込んでいる。見物の町衆がいる橋はセットの橋、その中に賊のかしら・蝮の弥七がいて川平を見かけ、かつての手下・獺の三次と知る運び。
  • 川平を取り囲み拉致しかける弥七一味、御香宮本殿脇。金さんが助け、平八へ保護して話を聞き、彼が記憶喪失と知る。
  • 平八を出て家へ帰る川平をつける伝次、大覚寺大沢池堤。虎さんは伝次のあとを尾行。川平を見失ったあと、伝次は堤法面を外側へ駆けおりる。
  • 川平の家、犬飼川下河原橋下手左岸に設営。橋は真ん中が落ちていて、標が結われている。設定は、石神井川の流れ橋。
  • 弥七らに拉致される川平、後から出た渡海屋に弥七が殺されたのを見て逃げる川平だが、大八の車輪の音を聞き苦しむところを追いつかれるくだり、大覚寺大沢池畔。荷車は放生池堤を来る。追い詰められた川平は、川設定の大沢池に飛び込んで逃げる。
  • 子供をさらわれ渡海屋に捕まる川平、思い出させるため前回同様拷問される水車小屋は泉川に設営か。流水と、根方が曲がった大木が確認できる。
  • 「獺の三次」が翡翠の香炉を隠してあった川端、広沢池東岸。水から上がってきた川平を金さんが説得するが、この場は逃げられてしまう。

2016/5/9

■ 果し合い  2015.10.31スカパー/時代劇専門チャンネル/松竹

 その昔、果し合いにより前途も愛も全て喪い、部屋住みという名の生ける屍として無為徒食の日々を送ってきた男。老境にさしかかった厄介者の彼をただ一人気にかけてくれる、孫同然の甥の娘が、昔日の悪夢をなぞるかのように「果し合い」によって悲劇の淵に沈もうとしていた。「二の舞はさせぬ」と決意した大叔父は、あれ以来たばさむこともなかった大刀を取り出すのであった。

ロケ地
  • 庄司家、美山町かやぶき美術館・郷土資料館。回想シーンも含め全編に出ていて、母屋も「離れ」もここ、水車も映り込んでいる。
  • 美也が従姉妹と行く茶会、関西セミナーハウス茶室・清心庵
  • 大叔父と美也が参るみちの塚、龍潭寺墓地(裏山の山腹、甍を見下ろす図)。草に覆われた石塚を清める間、大叔父とみちとの悲話が語られる。帰りに大叔父が立ち寄る橋川家の立派な墓はありものか(そなたの二の舞はさせぬと誓うシーン)。原作設定、「庄司家の墓がある浄光寺は、城下町で一番西端れにある大工町に」。
  • その墓の主について美也に問われ語る大叔父のくだり、二人が立ち止まって眺める、能が演じられている神社は油日神社舞殿。
  • 家に戻る途中、今日は天気がなどと言い突然大叔父を置いて走り出す美也、民家塀際(南塀際・東望、美也は「路地」を南の方へ)
  • 美也を追ってゆく大叔父、美也の思い人・松崎信次郎の家は日本民家集落博物館・越前敦賀の民家。途中、信濃秋山の民家近くの、石仏群の前の坂を通る。美也は一言も告げられず走り去る。原作設定、松崎の家は日吉町。
  • 今夜にでも縁組の話は断るがいいと美也に告げる大叔父、二人歩く夕暮れの野原は大堰川緑地(土手下の草原、ヒメジョオン群生)。断ってもすんなり行く話でもない、手はひとつと言う大叔父のシーンは汀に移動、「桟橋」設営。原作設定、「日吉町の外れを流れる中川」。
  • お城イメージ、彦根城天守。縁談を仲介した上司・黒川に平謝りの美也の父・弥兵衛、城内居室は金戒光明寺方丈虎の間
  • 「碁にうつつをぬかす大叔父」、得てきた金を歌うように数えつつ、次の指南はと呟く城下の道、油日神社参道(石積と石積の間)
  • 縁談を断った相手・縄手達之助と行き会い、手荒くからまれる美也、雨の竹林は大覚寺竹林。大叔父が駆け付けて戦うもフクロにされその場はおさまる。大叔父の手当てをする神社は大覚寺五社明神舞殿(ここでも雨演出)。原作設定、長源寺横塀際、人通り少ない場所。
  • 相手が縄手の倅と知り、押し入れから大刀を取り出す大叔父のくだり、ここに挿入される回想シーン、祝言を間近に控えた庄司佐之助と牧江がデートの祭りの広場、不明(草原、火焚いて夜間撮影)。その後二人寝転んで睦む船は広沢池東岸葦原近くに浮く(夕景)
  • 果し合いを挑まれ仕方なく赴く佐之助、決闘場所に指定の熊野神社は摩気神社裏手谷地田(草ぼうぼう、野焼きで煙もうもう)。一撃で討ち果たすも、相手の刀が折れ佐之助の腿に突き刺さる。原作には具体的な場所設定無し、劇中では果し状に記載あり。
  • 大叔父が刀を振りに行く野原、酵素河川敷
  • 牧江が旅支度して佐之助を待つ夜の街道並木、大覚寺大沢池堤(桜散り初め、花びらで来る来ない/六地蔵もあしらわれている)。時の鐘が撞かれる寺院、金戒光明寺鐘楼(坂下から見上げ、手すりあり/ここにも散る桜演出、桜はここに生えている一件)
  • 街道へ行かず約束の刻限まで酒肆で呑んだくれていた佐之助、街道へ行かず家へ戻る際通る堀端は八幡堀、桜満開。突っ伏して嘆くシーンは二段のところの下の段汀へおりて。グリーンスリーブスが流れる。原作設定、「茶屋酒に酔い痴れる」と表現。
  • 信次郎が達之助と斬り合う夜の河原、大堰川河川敷か(本流を奥に見て手前湛水域?)。信次郎の危機に大叔父登場、達之助は川中に倒れ伏す。原作設定、「中川の柳の河原」。
  • 信次郎と美也がゆく、明けそめてきた街道、大堰川堤
  • 二人は国境を越えた頃と呟いた大叔父、「ゆうべ達之助と果し合いをした」としたためた大目付宛ての奏上文を書き上げ、「支度」して出てゆく朝日差す城下の大路、二条城二の丸御殿南塀際(東望)

2016/5/6

■ 遠山の金さん捕物帳 第133話「いかさまに命を賭けた男」1973.1.21NET/東映

 表題の男は二人、博打で失ったものを博打で取り戻そうとする親爺と、足を洗ったはずのイカサマ細工に再び手を出す青年。彼らに翻弄された娘は恋人のもとへ落ち着き、男伊達は面目を失った挙句仕置きを受けることになるのだった。

ロケ地
  • 営業中の虎さんが、甲州屋の人数にボコられている行商仲間の粂吉を見て介入する神社、今宮神社。虎さんは売り声をあげながら楼門から入ってきて、走り寄った子らの一人が、大人たちの狼藉を告げる。粂吉が殴られていたのは稲荷社裏・摂社前。
  • 博徒に化けた金さんの仕掛けに連動して、甲州屋の壺振りを「始末」する虎さん、中ノ島橋を中州側に渡ってきた奴らを橋たもとで待ち受け大立ち回り、目当ての男を川に叩っ込む。
  • 事後、赦されておもちゃ売りに復した粂吉が店を出す神社、今宮神社稲荷社裏手。虎さんが南からやって来る。

2016/5/4

■ 遠山の金さん捕物帳 第132話「白州で歌った男」1973.1.14NET/東映

 「本格の盗賊」の情話。稼業ゆえ実の娘を手元に置けなかったかつての大盗は、娘の相手が実は盗っ人と知り足を洗わせようとするが、彼らのお盗めは今まさに進行中なのだった。
白州へわざわざ盗っ人装束で闖入し罪に服そうとする男に、遠山桜の温情が下る。

ロケ地
  • 仕事先の越前屋で格子に細工していた己之吉を見た竜斎、仕事帰りの己之吉の前に現れ、己の素性も告白したうえで娘と上方へ飛ぶよう示唆する林、下鴨神社糺の森。

2016/5/2

■ 遠山の金さん捕物帳 第131話「江戸の花を咲かせた女」1973.1.7NET/東映

 養父を殺しお店に火をつけたことにされる女だが、火事場から彼女を救ったガエンにより窮地を脱する。
時代劇では、たいてい悪者のガエンを、この話でも十分悪いのだが、江戸の華の男伊達として描いた珍しい一作。褌一丁で炎燃え盛る中に飛び込むため、酒と博打で紛らす真情を吐露する、内田良平以下の、ギラギラ裸男たちがかっこイイ+カワイイ。

ロケ地
  • 長崎屋の番頭がガエンの常に金を渡すのを目撃する金さん、その直後矢を射かけられる夜のやしろは上賀茂神社ならの小川畔摂社。矢は朱玉垣に刺さる。
  • 夜になって常が勤めるお屋敷を出る駕籠二丁(お七と、熊八入り)大覚寺大門。その後五社明神を過ぎ、林間で止まり始末されかかる。
  • 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)

2016/5/1

■ 冬の日  2015.12.6時代劇専門チャンネル/松竹

 風のつよい寒い夜、凍え切った仕事帰りの男が温もりを求めて飛び込んだ酒肆、そこに運命の女はいた。
心残りだった遠い日の思いが、その夜から動き出す。
男も女も運の悪さに鼻面を引き回され辛い目に遭い続け、この再会によっても不幸は舞い込み痛い目をみるが、二人一緒なら乗り越えていけると思うのだった。

ロケ地
  • 清次郎の回想、但馬屋の娘・おいしのお供をして道を行く丁稚時代の清次郎、大覚寺放生池堤。ここで悪ガキどもが出て、おいしが連れ込まれ無体をはたらかれかけるのは五社明神。大人たちが気付いてケダモノどもを追い払うが、清次郎はボコられて血だらけ。
  • 勤め先の呉服屋が潰れ、その際の騒動で入牢し百叩きにあった清次郎、その後古着の担ぎ商いであちこちを回るくだり、守山第一なぎさ公園(土手〜畑地、雪嶺がちらり)大覚寺心経宝塔(茣蓙を敷いて店を出す)仁和寺中門(お昼をつかう)神護寺石段(段に腰をおろし汗を拭き小休止、裸の子らが駆けあがってゆく)大覚寺天神島木の根方(店を出す)
  • おいしの長屋を訪ねる清次郎、行き帰りに通る細道は今宮神社稲荷社・摂社間。おいしの悪いヒモとすれ違う。

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