時代劇拝見日記
2019年3月

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2019/3/29

■ 水戸黄門 第四部 第9話「ごますり剣法免許皆伝」1973.3.19TBS

 山形城下の米問屋の若旦那は剣術狂い、食客の浪人を打ち負かしてご満悦だが、実のところはからっぺた。彼をおだてて持ち上げているのは指南役狙いの道場主、そのうしろには、豪商から大金を引き出そうと企む大鼠も控えていた。

ロケ地
  • 荷船や渡し船がゆく水郷の情景、近江か(はじめの一枚は大川橋蔵版銭形平次「黒い魔手」で出た水路と同じ。水路まわりは開けた田園地帯で、近くには集落も見える。また、遠景の山なみは湖西の山にも似ていて、一部は冠雪?)。水路端の畦に、老公一行が立ち寄る茶店が設営されている。ラスト、見送りも同所。
  • 山形城イメージ、彦根城天守を石垣越しに望む図。
  • 北野屋の女将・お梅がお百度を踏むやしろ、走田神社本殿。具合を悪くするところ、老公らが通りかかり助ける運び。その後、女将を送ってゆく道は境外社叢脇の道(田んぼにははさ木多数)、このとき現当主の倅が剣術狂いで困っていると聞かされる。
  • 北野屋に逗留することになった一行、助さんが女中・お七に若旦那の腕前について聞かれる庭はどこかの民家ロケか。

2019/3/27

■ スローな武士にしてくれ 京都 撮影所ラプソディー  2019.3.23BSP

 冬の時代に入って久しいものの、いまだカツドウ屋が息づく「京映」に、最新機器を駆使してチャンバラを撮るという企画が持ち込まれる。
時代劇オタクの技術者に見込まれた、往年の名監督とスタッフたちは、溢れんばかりのパッションをもって作品を作り上げてゆく。
映画・蒲田行進曲へのオマージュをフレームに、太秦名物の人々をパロりつつ話は進み、名優怪優の演技は熱を帯び、テレビを観ている「ジダオタ」の袖を絞らせるのであった。

ロケ地
  • ドローンの操作テストが行われる大覚寺大沢池、現地撮影。オペレータは船着(大)にいて、降下してきたドローンをしっかり掴むカメラマンの親方・武藤は天神島朱橋に立つ。境内には雪溶け残る。
  • 勤王志士に襲われる近藤勇のシーンが撮られるロケ現場、わらびの里竹林。導入は広沢池北西端から俯瞰で竹林にスイッチ。里見先生がシゲちゃんに斬られる感動のシーンが、八村所長の立ちションでリテイクに。
  • 13人斬りの撮影を控えたラオウがランニングをする小径、嵐山竹林の小径
  • 池田屋階段落ちの撮影を前に、ラボ主任・田所が座禅を組みにゆく寺、毘沙門堂。帰り際に薬医門下の石段を滑落し、ワイヤーアクションを発想する。残雪あり。

2019/3/25

■ 水戸黄門 第四部 第8話「忍び狩り」1973.3.12TBS

 上杉十五万石に危機、先殿のご落胤とされる若君は、藩政を壟断しようとする城代の隠し子だった。これを疑う次席家老と、彼の娘と恋仲の若侍が話にからむが、その男実は里入り忍だったりして複雑。おまけに、老公らが馬鹿な経緯で伊賀忍の大物と誤認されてタイヘンなのであった。

ロケ地
  • 忍び狩りが隠密を斬る御成山、砕石場か(すっぱり断たれた山稜、坂には轍。全体に白っぽい「裸地」)。忍び狩りについてのナレーションが入る一幕の立ち回りは酵素河川敷で。
  • 上杉氏の居城・米沢城、大阪城青屋門から天守を望む図。ここでは登城風景。殿さまが城代に跡継ぎの若君について下問するくだり。このとき城代が語る、先殿が鷹狩の折立ち寄った小野川村の庄屋宅は走田神社社務所。後段、隠密だった尚古堂が調査に来るシーンでも出る。
  • 米沢入り前にして道に迷う老公一行、植林杉の山か。このあと御成山へ入り込み、山伏(実は隠密)の死体を見つけ運んでやり、忍び狩りたちに「柘植の大猿に違いない」などと誤解されてしまう。
  • 御成山で出会った沢本に話を聞くため、登城時に話しかける助格、大阪城青屋門前。このあと沢本は極楽橋を南に渡ってゆく(ローアングルで天守大写し)。後段、隠密の仕事をして露見、弥七の助けを借りて逃れるシーンでは、天守付近の石垣際も使われる。そしてラスト、上杉綱憲に見送られ発つ老公が極楽橋を南に渡る。
  • 隠密であることを告白し去った沢本を追うお袖(次席家老の娘)、転ぶ野道は北嵯峨農地小丘そば。俺を斬ってくれと沢本が申し出るところへ、老公が介入。
  • 「御落胤」を取り上げた乳母の娘が帰郷するというくだり、里イメージに穴太の里遠景(ロングの画、「発射台」からか)。その娘を呼び止め問いただす老公は大覚寺大沢池堤(水門そば。この頃は池堤が北嵯峨農地とゆるやかにつながっている感じ)、ここへ忍び狩りや城代が出で大立ち回り。
  • 当地を去る一行、平の沢池中堤

2019/3/20

■ 忠臣蔵 1926年日活(大正15年)

 目玉の松ちゃん・尾上松之助が大石を演じた作品、ウィキペディアには「実録忠臣蔵 天の巻・地の巻・人の巻」と書かれているが、拝見した立命館の資料には「忠臣蔵」と記されていた。
スチルからすぐ判るのは、彦根城天秤櫓と、仁和寺大玄関に宸殿。天秤櫓は、内匠頭刃傷と貼りだされ騒然とするさま。大玄関は勅使の行列が傳奏屋敷に着いたところ、宸殿は同じく傳奏屋敷で、幕府要人が勅使を出迎えているところが前縁で撮られていて、アングルは池泉越し。
上映は浅草富士館、4/1と記載。
他にも、妙心寺の塔頭や境内路地っぽいのが見えるが、断定には至らず。
2019/3/18

■ 水戸黄門 第四部 第7話「消えた雛人形」1973.3.5TBS

 新発田の城下へ入って早々掏摸に遭い、なりゆきで食い逃げ犯にされかける老公だが、上品なご婦人に助けられる。勧められその女性の店に逗留するうち大事出来、預かっていた殿さまの家宝の内裏雛が盗まれてしまうが、番頭の目が泳いでいるのを、老公は見逃さないのだった。

ロケ地
  • 新発田へ二里の街道、谷川沿い山道で片方は崖が露出。行先で意見わかれ、助格が行ったほうの獣道は山中の林。
  • 主家から盗んだ内裏雛を「依頼主」吉岡浪人に渡す番頭・己之吉、大覚寺護摩堂前。ここで始末されてしまうが、箱の中も石くれというオチ。尾行していた助格と、吉岡の立ち回りもあり。
  • 新発田城イメージ、伊賀上野城天守。姫様の輿入れ道具の雛上覧がなされるくだり。
  • 当地を発つ一行、おきぬに梅里の文を届けに行った弥七が追いついてくる街道は谷地田沿い、竹林や葦原が見える。

2019/3/15

■ 必殺仕事人2019  2019.3.9テレビ朝日

 ボランティアで物々交換を斡旋して回る好青年、その才をとんだ悪党に見込まれてしまう。染まったか、はたまた元より栖む魔が目覚めたか、彼はもっとも嫌っていた者どもの側に立つ男となってゆく。そして大事な珠をみずから砕いた愚者に、闇の仕置きが下されるのであった。

ロケ地
  • おたねを家へ送ってゆく弥吉、仁和寺中門まわり(石段をおりる画では、二王門映り込み)西の湖園地八幡堀堀端。夕景仕立てで、長屋はセット。
  • 本町奉行所、妙心寺慈雲院門。門番付き。
  • 長屋追い立てに逆らい殺されたおたねの母の塚、土手か河原か・大きな夕日が印象的。足元は礫かバラス?疎らに草生える。
  • 仕置きを依頼するため料金を取り始める弥吉、溜息をつきながら貯まった金を確かめる川端は上賀茂神社ならの小川
  • 上総屋の意を受け献残屋となった弥吉、立派に建て直したおたねの母の墓は仁和寺塔そば塀際。
  • おたねと会い新しい櫛をプレゼントする弥吉、仁和寺茶所。ここへ金次郎が現れ、土下座するシーンでは中門が映り込んでいる。
  • 弥吉について密談する上総屋と老中、金戒光明寺方丈前庭。
  • 深川長屋襲撃後、弥吉が佇む夜の川端、西の湖園地。その後わたる橋は流れ橋(シルエット、見上げ)
  • 母の墓に嘆くおたね、仁和寺塀際。神竜組に襲われ逃げるシーンは塔まわり。
  • 長屋へ戻ってきたおたね、弥吉と逃げる船は八幡堀、セットにスイッチしたあと「心中」の川端は上賀茂神社ならの小川
  • 勤め先の医師に助けられたおたね、不自由な体を引きずって三番筋へ向かうくだり、木の生えた土手は木津か。
  • 仕置きに向かう前、弥吉が棄てた刀を探し出すリュウ、上賀茂神社ならの小川神事橋下の河床。
  • 事後、自刃しようとしたおたねを止める小五郎、広沢池池底。

2019/3/9

■ 水戸黄門 第四部 第6話「越後血風録」1973.2.26TBS

 清雅の正体と目的が明かされる話、折しも越後高田では、酔って郷士を嬲った上士が斬られるという騒動が起きていた。
郷士たちが開墾した土地を狙う家老、老公らに向けた身内の刺客も消す悪辣さだが、弥七に全て見られていて悪運は尽きるのだった。

ロケ地
  • 謙信公ゆかりの春日山神社参拝を終え坂をおりてくる老公一行、豊国廟石段。坂下に茶店を設営、甲州商人と茶店の親爺が信玄・謙信で大喧嘩しているのを老公が仲裁。清雅と合流するはずだったこの茶店で、旅の女・久美が「もしや水戸の」と接触してくる。
  • 久美が一行を案内して行く谷川沿いの道、清滝あたりか。
  • 高田城下で上士を斬り逃げる郷士二人、追っ手に囲まれてしまう道は北嵯峨農地竹林際。ずっと事態を見ていた弥七が介入、生き残った郷士を連れて逃走。
  • 久美に案内されて行く老公らを取り囲む「以前からの追っ手」、鳥居本八幡宮鳥居前。立ち回りは広場で。ここへ馬を駆って水谷(馬子姿)が介入、小柴垣の径も映る。
  • 久美が一行を招き入れる小屋、山中の崖際か。
  • 若侍の暴発を諫め、家老・但馬に「頼まれて」郷士らとの話し合いに赴く高隈老人、郷士らの差し金を標榜し襲ってくる玄蕃らに斬り立てられ落とされる崖は保津峡落合落下岩。水谷が大隈を見つけ保護する谷川は落合河口付近か(水谷は馬を洗っていて、流されてきた高隈を発見)
  • 大隈老人が清雅(実は高田郷士・山田左膳と老公に告白済み)に保護されたあと、城の様子を探りに行く弥七が走る道、不明(山中の坂)
  • 高田城イメージ、大阪城天守。黒っぽく仕上げてある感じ?
  • 水谷が野良仕事中の郷士たちに集合と呼ばわってあるく農地、不明(高台?)。「一領具足」よろしく、田畦には武具を結わいた槍が突き刺さっている。
  • 逆茂木を置き柵を閉め軍勢を待ち構える郷士たち、山道に設営。ここで立ち回りもあり、殿さまがやって来て戦闘は中止。左膳たちに見送られ去る一行も同所か、切通しの崖道が見えている。植生は、高い松が目立つ。

2019/3/6

■ 水戸黄門 第四部 第5話「黒いひげの黄門さま」1973.2.19TBS

 小千谷へ入った老公だが、町衆は顔を見るなり罵声を浴びせる。阿漕な縮緬問屋の丹後屋が老公に生き写しなのが原因で、以降彼とその家族に降りかかる災難にも関わることに。
自分そっくりの鬼を諄々と諭した老公、外道退治にお城へも乗り込んでゆく。タイトルは、災難を避けるため清雅プランで髪と髭を黒く塗る老公から。

ロケ地
  • 小千谷手前、信濃川沿いをゆく一行、木津川べり。
  • 丹後屋に乗っ取られた機屋の婆さんに追いかけられる一行、大覚寺大沢池畔(と思う)〜護摩堂前。
  • 長岡の情景、信濃川は木津川、船着場は湖か。
  • 長岡藩城イメージ、彦根城天守(林越し遠望)。牧野侯に献上の反物披露とナレ入るが、お城とは言ってなかった。
  • 当地を去り高田へ向かう一行、街道は川堤か(見上げ)

2019/3/4

■ 水戸黄門 第四部 第4話「鬼と呼ばれた娘」1973.2.12TBS

 沼田藩の剣術指南をつとめる父が病臥、娘に婿をとってという話だが、この娘強すぎて婿がねの門弟を打ち据える始末。ためにながく武者修行に出ていた蔵人だが、また負けてしまう。弱い訳ではないと見た老公、必勝の「まじない」を授けるのであった。

ロケ地
  • 須貝道場へ走る侍たち、随心院長屋門前を西へ(長屋門は映さず、北西角の塀越しに東望の図)。老公らと行き会うシーンはセット撮り。
  • 小野道場、随心院長屋門。蓬髪浪人態の蔵人が頼もう、と立つシーンは門に寄った画。負けて出てくる際は大乗院塀越しに俯瞰の画。
  • 助さん一人連れて三国峠へ向かう老公、溜池端の道〜谷地田の畦道(格さんたちと落ち合う筈だった茶店を設営)〜山賊が出る山道(崖っぷちの画なども出てくる。けっこう高い山。幼松を植え出してあるのも見かけられる)
  • 沼田藩城イメージ、彦根城天守。触れ太鼓が鳴らされ、御前試合がはじまるくだり。
  • 当地を発つ一行、谷内田の道。

2019/3/2

■ 小吉の女房 最終回「小吉、隠居して夢酔となる」2019.3.1BSP

 奢侈禁止令に乗じ、民を苛める町方に怒った小吉、女房にも手伝わせ芝居を打ち、赤っ恥をかかせて留飲を下げる。もちろんただでは済まず、小吉の隠居で手打ち。
そしておばば様の死、己を筋金入りの武士・本物の男と称えてくれた「おっかさま」の死に、豪傑は声を上げて泣くのだった。
〆にお習字「小吉の女房」。

ロケ地
  • 男谷家イメージ、妙心寺天祥院(見上げ)。彦四郎の薫陶を受ける麟太郎、禁令についてご政道に疑義を呈するくだり。
  • 江戸城イメージ、大阪城濠越しに六番櫓望む図。石垣上に櫓や塀を「描き足し」、濠外には町並み合成。鳥居が禁令の徹底を申し渡すくだり、「みだりに町人とまじわる旗本」に石川が反応。
  • 南町奉行所門、セットかありものか(控所付きの内事門みたいな一件)。青木失脚のくだり。
  • 易者が喜八に八方塞がりと見立てる町角、大覚寺五社明神境内(奥に心経宝塔ちらり)。こちらも失業のくだり。

2019/3/1

■  水戸黄門 第四部 第3話「人情・榛名おろし」1973.2.5TBS

 老公が渡し場で見た陽気な侍は、三年もの間高崎のだるま市へ通い、不可解な行動をとり続けていた。彼が背負った仇討ちという重い枷は、追っ手に囲まれた土壇場で老公によって除かれ、長き韜晦の日々は終わるのであった。

ロケ地
  • 高崎宿手前の柳ケ瀬渡し、大堰川か。聞多との出会いのほか、絵師が身を隠す、追っ手の会話を弥七が聞くなどの芝居もある。
  • だるま市会場、どこかの境内か。植込み際に露店設営、立派な懸魚付きの破風ちらり。
  • 聞多がだるまに目を入れて流す川、犬飼川か(法面が似ている)。汀には演出と思われる小屋。
  • 公一郎の切腹を止めに行く聞多、ここへ追っ手が殺到し逃れる夜の神社、長谷八幡宮。鳥居〜本殿まわりで大立ち回り。苦戦するうち郡奉行と手勢が押しかけ絶体絶命のところへ、老公が駆け入り、印籠の出番と相成る。
  • 武士を捨てた聞多、仇討免状を流す川、さきのだるま流しと同所。今回は、見送られて発つ一行が木橋を渡ってゆく(これが下河原橋の旧態とも思われるが、見返りの土手に河畔林が見当たらないので?のまま。橋脚に漂着物がからみついている)

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