あばれ八州御用旅

1990TX/東映

 キャスト
 藤堂平八郎/西郷輝彦
 田村新兵衛/新田純一 小百合/夏樹陽子 山崎哲之介/竜雷太
 水野忠邦/中村梅之助

OPロケ地 騎馬で街道をゆく藤堂、流れ橋上〜木津堤。ED、柿をとる藤堂、木津河原広沢池

 藤堂平八郎は蘭方医で、家督を継がず開業しているところに八州回りの話が降ってきて妻に診療所を預け出張る。彼の妻は子が無いせいで危険な仕事を仰せつかるのだとして下男とともに子作りを迫り、平八郎は辟易して逃げ回る。八州であることを隠して各地に出張るゆえ、なりは着流し。時に渡世人に身をやつすこともある。そしてワルに陥れられた哀れな被害者が出るや、白頭巾に白装束でワルの前に現れ「上意!」と叫び斬奸状を投げつけ、鴨居などに小柄で留めつける。それには「地獄送り 影の八州」と大書されている。そしてワルどもに顔を見せ、閻魔の使いと称し大立ち回り。「影」の闇裁きなもんだから、まだるっこしい峰打ちなど一切なしの皆殺し、そのくせ白い衣装には返り血なんか絶対つかない。刀の白い柄巻きにも染み一つ付くもんじゃない。熱の入った立ち回りの最中、はじめはぴんと張っていた白頭巾の角がだんだん垂れてきてポチみたいになるのもご愛嬌。
 田村新兵衛は藤堂の剣弟、真面目で下戸で大食らい。彼はちゃんと八州としてなりを整え旅をゆき、事あれば十手をかざし名乗りを上げる。藤堂が影の八州として闇裁きをしているのを最終話まで気付かない設定。
小百合は水野老中差し回しの忍び、いつもにこやかな明るい忍者、堅物の新兵衛をからかって遊んだりもする。アクションは暴れん坊将軍第一シリーズのお庭番だけあり迫力。
山崎哲之介は賞金稼ぎの浪人、事件の匂いを嗅いで八州トリオにまとわりつく。陽気で酒好き、裏事情を探ってきたり、大事な場面にはちゃんと現われる凄腕の豪放磊落な剣客。

→第2シリーズ  →第3シリーズ  →第4シリーズ


第1話

 「国定忠治を斬れ!」第一部

 老中・水野忠邦は、子飼いの八州が消された後釜に家督を継がず蘭方医となった藤堂平八郎を抜擢する。
はじめの一話は、「前任者」である親友の亡骸を受け取りにゆくことからはじまり、まだ任命を承諾していない状態で進行する。親友を殺したとされる忠治の人柄を見た平八郎は裏事情を探り当てるが、夫の仇をひとり取ろうとした妻は凶刃に斃れ、双親を亡くした「遺児」一太郎に仇をとらせる段で中程。

 ロケ地、渋川代官所、。野川村名主邸、。青木の妻がお百度を踏むやしろ、鳥居本八幡宮(石段、本殿)。名主捕縛を聞き駆けつける朝吉、。青木の妻が大和田一家の用心棒に返り討ちに遭う、木津川流れ橋下。

 「国定忠治を斬れ!」第二部

 水野老中に復命し、改めて八州の御役を受ける藤堂から再開。
上州では、ますますつのる代官と大和田一家の悪行、作った反物を全て年貢とされる挙に名主藤右衛門は直訴を決意、しかしこれは謀殺され更に忠治に魔手が伸びる。一旦八州として正体を明かし忠治を白州で裁く藤堂、その後白頭巾となって現れワルを成敗。藤堂に乞われ八州となった剣友の田村くんはつんぼ桟敷で、代官以下が殺されたと騒ぐのであった。
お話の前と後に、前回同様藤堂の妻と下男が床を敷き雨戸をくる、お笑いピンク場面が描かれる。

 ロケ地、名主・藤右衛門邸、。名主の野辺送り、亀岡付近の堤か。


第2話「非情・黒田槍

 舞台は高崎、藩の御用金を奪い私腹を肥やす郡奉行。こやつは、福岡藩で理不尽な人殺しを働いた兇状持ちの甥を匿っており、これを夫の仇と狙う妻女と忠実な槍持ち、これに加え己の女房のその妹まで始末する暴虐に白頭巾参上。「貴様たちは人間じゃない。許さん」とどこかで聞いたような決め台詞ののち「見たいか」と顔を見せ、皆殺しの大殺陣。後には田村くんの「タイヘンだ郡奉行が影の八州に」がつく。

 ロケ地、郡奉行のもとに田村くんを遣わし、御用金強奪について調査を申し入れさせた直後出る刺客、走田神社参道・稲荷社前。郡奉行について藤堂に報告の小百合、中ノ島橋中州側高水敷(その前に法華の太鼓が通るのは橋上)


第3話「義賊!?ねずみ小僧の謎を斬れ!

 凶盗の仲間となっていた役者くずれの男、足を痛め退いた賊のあとを継ぎ盗み働きをするが、盗った金は庶民にばらまく義賊となる。そして捕縛、男は自ら鼠小僧と名乗り罪に服すが、これは人生をあきらめた男が最後の花道と選んだ死に場所だった。彼を隠れ蓑に盗賊として再び悪行を重ねようとするワルの前に白頭巾、闇八州の裁きが下る。

 ロケ地、粕壁宿から水戸へと馬をやる新兵衛、日光街道をゆく藤堂、谷山林道。幸手宿、賞金首を探す山崎と行き会う藤堂、大覚寺有栖川畔。役者殺害について藤堂に報告の新兵衛、天神島。次郎吉について報告の小百合、五社明神(本殿に吉蔵が潜み盗み聞き)


第4話「巨悪の罠!消えた隠し金山を探れ!!

 甲府金が江戸に流入、インフレの危機に甲州行きの八州トリオ。そこには、勘定奉行が探索を命じた山師をとっ捕まえ金山を私する甲府勤番支配がいた。トリオのほか、勘定奉行普請役が同じ目的で潜入するが、土壇場で「世の中銭じゃ」に転じる奉行に裏切られ、けちょーんの一幕も。

 ロケ地、甲州街道に谷山林道。勘定奉行普請役が偽装の測量をするくだりの川辺は保津峡か。金山から逃げる鉱夫らのシーンに広沢池畔湿地。
*今回も最後は白頭巾が出てワル皆殺しで解決、新兵衛くんはまた影の八州がと怒気を発し、藤堂に「影の送り状」を丸めて投げつけるのであった。
*TXらしく、「測量」手伝いの山崎が温泉出歯亀シーンで、唐突に意味の無い女の裸が出てくる「サービス」あり。


第5話「唐丸破り!!人情切り裂く三千両

 佐渡送りの老盗の護送を襲う賊、目的は隠し金三千両のありかを聞きだすこと。
当地の代官から岡っ引までグルになっており、これを阻もうと動く老盗の忠実な配下、とうに足を洗っていた蕎麦屋の親父も巻き込まれる羽目に。
今回、ここでバイトの山崎浪人が経緯にぶち切れ、代官所の門を叩き「代官出て来ーい」と激する一幕あり、主題歌が被る。

 ロケ地、疾風の伊三郎の唐丸が襲われる松井田宿脇街道、酵素ダートと降り口。伊三郎の忠実な配下・磯吉が蕎麦屋の親父とツナギをとる、大覚寺五社明神。磯吉を尾ける途中の藤堂が、刺客に襲撃されている新兵衛の斬り合いに介入、天神島。伊三郎らが殺されたあと、蕎麦屋の親父が案じられる旨報告の小百合、五社明神本殿


第6話「用心棒の目に涙 哀れ母子の絆

 上州を荒らし回る世直し強盗団。犯行を目撃の山方手代は遺留品の印籠を押さえ、これが出世の糸口と喜ぶが、それは妻の昔の男と対の品なのだった。
まだ昔の男を思う自分を処理しきれず妻は自害、茫然の男の背には矢が突き立つという悲劇に白頭巾、強盗団の親玉の郡奉行のもとにずかずか踏み込み皆殺し。

 ロケ地、強盗団に賞金の高札が張り出される忍藩領、大覚寺五社明神本殿前。峠の茶屋でお休みの八州トリオ、谷山林道頂上付近にセット。山方役人の青江が襲われ、のち人質交換場所となる馬頭の辻(馬頭観音の祠セット)谷山林道切り通し。山崎浪人が子供の焼き魚をとる川べり、清滝か。


第7話「旅人平八郎 涙を隠す三度笠

 北関東・奥州街道の大田原宿が舞台、宿場は荒牛の長五郎が仕切る。彼は大親分の仏の六蔵を謀殺しシマを奪い、無法の限りを尽くしていた。
六蔵の遺児は父の無念を幼い胸に刻み、長五郎に言い寄られる母を苦々しく思い暮らす日々、たまたま見掛けた腕っ節の強い渡世人に目をつけ家に引っ張り込み用心棒にしようと画策。その旅人は藤堂平八郎の化けた姿、影の八州は息子を堅気にとの母の思いを汲み、わざと情けない姿を見せつけヤクザに嫌気さすよう仕向けるのだった(子供が消えてから白頭巾登場)

 ロケ地、藤堂が山崎に賭場荒らしを依頼のお堂、神光院か。大田原を去る藤堂、坊主に正体バレかかる街道、谷山林道切り通し(茶店セット)


第8話「街道の風も泣いてた女郎うた

 諏訪明神祭礼の利権をめぐり対立する鬼石の捨五郎と寄居の滝蔵。
この親分二人の間を立ち回りごっそり金をいただく腹の浪人あり、その過程で彼に虫けらのように殺される女郎と三下を見た藤堂、白頭巾となって前に立つ。

 ロケ地、黒木市之進が仲間の盗っ人を斬り殺し金を奪う河原、および鬼石一家と滝蔵配下の出入りの河原、木津川流れ橋下の河原。設定は神流川。介護するも飛び出したおさよを追って中山道をゆく藤堂の妻、追い越してしまう山道は保津峡落合付近。


第9話「哀れ!薄幸の美姉妹 折鶴の謎

 15年前父を謀殺された姉妹が、壬生藩勘定奉行になりおおせているワルと一味を付け狙う。
その妹はたまたま出会った新兵衛に親しみ、仇討ちに緊張していた心を和ませるが、幸福に手の届く際でワルの手におち落命。彼女の危機に間に合わなかった新兵衛は、遺骸を掻き抱き号泣するのだった。

 ロケ地、藤堂らが旅の投げ刃一座と行き会う日光街道壬生道、大覚寺大沢池堤。小屋掛けは五社明神。新兵衛が小梅と話す水辺は放生池堤。新兵衛が捕まり監禁される宿場はずれの船小屋、広沢池東岸。一座の姉のほうと接触の藤堂、中ノ島橋
*女を失ったショックで今回は新兵衛くんの「また影の八州が」はナシ。落ち込んでる新兵衛くんを励まし行く藤堂と小百合で幕。


第10話「暗闘に死す!忍びの恋の最期

 関八州を荒らしまわった凶盗の逮捕、箱根に出没と聞き赴く八州チーム。
難なく捕えるが手下が奪還に来るほか、凶盗の隠し金に目が眩んだ小田原郡代が唐丸を狙いやがる始末。
この過程で、郡代に飼われているかつての恋人と巡りあい心揺れ、忍びとしての己を見失いかける小百合のエピソードがお話の要諦。

 ロケ地、木更津で凶盗・野分けの久兵衛の報告に来る小百合、神護寺石段中程(座って団子食ってる新兵衛くん)。箱根の湯治場で久兵衛を捕え護送の八州チームが襲われる山道、谷山林道切り通し各所。久兵衛に擬した死体上がる早川の岸、桂川と思われるが確証なし。
*郡代に飼われている元忍びに荒木しげる、暴将IIのお庭番・才蔵。小百合は暴将第一シリーズのお庭番・おその。


第11話「東州斎写楽を斬れ!

 八王子に出る凶盗・天狗党は改易になった秩父藩の残党で、お家再興資金を得るため盗みを働く。
彼らが江戸で活動していた時期と、写楽が活躍した時期が重なるとして八王子入り(十返舎一九の黄表紙の挿絵から所在を推理)の藤堂たち、子供に絵を教える侍と会う。その生徒の子供は赤い花を見るも黒く塗りつぶすという奇行を見せるが、師の正体を見たことから心に深く傷を負っていたのだった。

 ロケ地、八州トリオ集合の渡し場、罧原堤下河原。絵を描く子供・主税、園部川法面(摩気民家下)。天狗党に脅える名主に請われ警護に入る新兵衛、「庄屋屋敷」、不明。天狗党の一人をやっつけた賞金を貰った山崎が出てくる八王子代官所、走田神社社務所。写楽と目される斉藤市兵衛が暮らす山寺、丹波国分寺(山門、本堂)。主税の家、摩気民家(田んぼ側の北面を主に使用)。回想シーン、スケッチ用の花を盗って怒られ逃げる主税と斉藤、摩気橋(橋脚は木製)
*「写楽」斉藤に森次晃嗣、天狗党一味であることを教え子に知られ嫌われたことで、首謀者の家老に盗み中止を言上するも始末されてしまう哀れな役どころを演じる。
*東「州」斎の表記はママ。


第12話「白頭巾危機一髪!

 水野老中失脚を狙う元若年寄の陰謀、影の八州を暴きそのネタにしようとグルの大目付の魔手が藤堂らに伸びる。
これが、白頭巾が食いつきそうな事件を仕立ててかかるという周到さ、思惑を承知の上で渦中に飛び込む藤堂、「仲間」の前にヒミツの頭巾姿を晒して獅子奮迅の働きを見せる。

 ロケ地、上尾へ出立の八州トリオ集合の板橋宿手前の茶店、大覚寺天神島(もう大目付が大木の陰から見張っている)。「事件」の当事者、鉄砲密造を探っていた夫を謀殺された妻が真相を知るべく上尾代官と結託の岡っ引を誘い込む汀、広沢池東岸。これを捕えて詰問の河原は流れ橋(上で水門を明けたと脅迫・岡っ引は橋脚に縛られ)。縁日ででんでん太鼓を二つ購う藤堂、神護寺和気公廟所前。元若年寄からの援軍が上尾入りの橋、流れ橋上。消された密偵の妻のことを報告の小百合、愛宕念仏寺
*第一シリーズ最終話にして、新兵衛くんに影の八州の正体がバレる。怒る新兵衛に「白状する間が無かったんだよー」の言い訳が傑作。でもすぐに「仲間にして下さい」の新兵衛くんで、三人は一蓮托生と合意。
*大目付配下の一人「境」に福本先生、台詞もたくさんあり。*妻の懐妊に藤堂「俺はもう二度と八州回りなぞ」と発言するも門前に次の指令持って小百合が現われる。


*話数は、冒頭二話を前後編ととらえ一話としました。時代劇専門chで視聴した実際の放映回数は13回です。本放送時の形態については、第1話がスペシャル枠だったか前後編だったかは不明です。


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