あばれ八州御用旅  第2シリーズ   1991TX/東映

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第1話「姫君抹殺指令!対決!白頭巾VS黒爪根来衆・第一部」

 下野・黒羽藩の内紛、藩政を壟断する国家老は、殿の側室である我が娘の産んだ姫に婿を迎え乗っ取りを企む。邪魔な正室腹の姫君を狙うが、これを八州カルテットが守るお話。その過程で藤堂が敵の忍の毒針にやられ危機に陥る場面などあり緊迫。第一部は「しまった謀られた姫が危ない」で中程。
 ロケ地、渡世人に身をやつし進発の藤堂、下鴨神社糺の森。くの一に毒針を受ける林、鳥居本八幡宮鳥居下。藤堂を介抱する荒れ寺、西明寺山門。虚無僧に扮した味方と接触の姫、梅宮大社境内(夜)
*EDロケ地、糺の森〜笹舟流れる泉川(渡世人姿の藤堂)南禅寺三門僧堂坂(医者姿・総髪の藤堂)
*国家老に菅貫、その用人に中条きよし。OPに福ちゃんいて海老反り。


第1話「姫君抹殺指令!対決!白頭巾VS黒爪根来衆・第二部」

 陽動にはまったと取って返す藤堂ら、姫を庇って撃たれる娘を皮切りに死屍累々、最後は姫一人残る悲惨な戦い。敵方となっている藤堂の幼馴染・左門がさらわれた藤堂の妻女と姫らを逃がし、藤堂と立会いわざと斬られて自死を遂げる一幕のあと、白頭巾が国家老のもとに現れる運びとなる。
 ロケ地、僧形の忍群が藤堂らを襲う際、左門が国家老の手下に藤堂襲撃を示唆される、大覚寺放生池堤。勘定奉行一行が襲われる城下、五社明神。姫一行が休む茶店にさらわれた藤堂の妻の袖付き矢文が射込まれる、下鴨神社馬場。姫を受け取りに来た有志の藩士たちが藤堂らと別れる、大覚寺護摩堂前。しずの受け渡し場所に指定の源正寺、西明寺(山門を内側から、前回で藤堂療養の荒れ寺と区別するためアングル異なる)。事後、藤堂らが姫に招かれる黒羽藩の城、彦根城天守。江戸、お参りのトリオ(しずも一緒)北野天満宮(本殿まわり)


第2話「みちのく母娘旅

 賞金稼ぎの山崎浪人が主体のお話。旅の母子と関わった山崎は、妻子を持った疑似体験に舞い上がりなにくれとなく世話を焼く。女は仕官決まった男から身を引き密かに子を産んだ日蔭の身、そして男は真岡に希代の悪代官として君臨するワルに雇われ心腐す日々、再びの邂逅は身を挺して我が子を救ったがゆえの男の死によって瞬く間に終わってしまう。
病の女のため薬代欲しさに悪代官に刺客として雇われるも、ターゲットが八州トリオで果たせない山崎浪人の苦衷が描かれる。
 ロケ地、峠の茶店でなけなしの銭を女児に奪われる山崎、谷山林道。追いかけるコミカルなシーンは酵素ダート〜河川敷。病の母が臥す小屋は降り口付近にセット。ラスト、旅立つ母子を見送りベソかき山崎、谷山林道切り通し。
*ラス立ち福ちゃん、代官所お仕着せのベスト着込んで登場。


第3話「五六八なみだ旅

 中山道を荒らし回る盗賊あり、五六八参上と大書した紙を残してゆくほか、次は板橋と予告までする。命を受け板橋へ赴く一行、怪しの賊の正体は弟妹と一緒に暮らすことを夢見る青年ただ一人の犯行で、人質をとられ強要されていたものだった。
 ロケ地、板橋行きをツナギの八州トリオ、集合の茶店は大覚寺護摩堂前にセット。怪盗を警戒し用心棒集めの富商、採用試験は五社明神。角兵衛獅子のトレーニング、天神島。五六八を操っている元湯沢藩家老のアジトの荒れ寺、西明寺山門。賊・辰造の回想、越後で角兵衛獅子のおさらい中家老に声をかけられる、丹波国分寺(門、境内、石仏を使用。門外にははさ木無し、ラストの見送りもここ)


第4話「からくり峠あばれ越え

 大名貸しでブイブイの富商・江戸屋抹殺の指令が下る。江戸では斬れないその商人が取引相手の岩見領へ赴くところへ八州トリオ、藩をまるごと手中にし骨までしゃぶる悪行を見たあと白頭巾は国境の峠で待っているのだった。
 ロケ地、トリオ集合の茶店、大覚寺心経宝塔前にセット。江戸屋が大名家差し回しの警護に守られ行く情景、大門放生池堤。岩見藩領国境のからくり峠、谷山林道。家老邸、大門
*岩見領で睨みをきかす江戸屋番頭に小沢象、江戸屋には江見俊太郎、二人して思い切り憎さげな悪徳商人を好演。*今回白頭巾は白昼峠道に出る。ひるまの白装束はなんだかちょっと間抜けっぽい。アレはやっぱり夜のもの。


第5話「親泣かせ手車道中

 江戸へ戻る藤堂らが拾った老婆は、江戸へ息子を訪ねる途中。盗賊の一味の女に引っ掛かって職もしくじり消息不明のその息子は無惨な死体となって見つかる。そして一味の裏には、これの上前をそっくりハネるワル旗本がいた。
 ロケ地、道草の新兵衛くんが餅つきの手伝いの萱葺き百姓家、不明。小仏手前の街道、老婆から金を盗るごまのはえを懲らしめる藤堂、大覚寺大沢池堤(遠景に心経宝塔)。首無しの留吉らしい死体が上がる川端、不明(桂と思われる激流)。留吉の母がお参りの宮、梅宮大社本殿。賊の隠れ家、大覚寺五社明神舞殿(壁をセット)。仲間が旗本に殺されたのを見て逃げ去るおこん、放生池堤。童謡を歌う老母、賊から取り上げた金を舟に移す旗本等の一連の葦原は広沢池西岸湿地。
*今回は江戸で話が展開、藤堂も医者している。山崎浪人は酒場で呑んだくれてるだけ、この酒肆の女将がいい味。*タイトルの手車は留吉が弄ぶヨーヨー。


第6話「地獄へ送る一万両

 小田原藩に貸付の御用金が強奪された件について、勘定奉行が藤堂を呼び探索を依頼。しかし奉行が賊の黒幕というトンデモ、もちろん真相を知った藤堂は白頭巾となってワルを成敗する筋立て、これに生き別れの父子の出会いが絡む人情話。勘定奉行とつるむ実行犯の道場主の息子の乱行も挿まれる。
 ロケ地、御用金強奪の平塚付近の街道、どこかの砕石場っぽい。現場検証の八州トリオが休む茶店は谷山林道か。
*ラス立ち福本先生入り、縁先で白頭巾に斬られてクタクタと崩れ折れる。


第7話「上州からっ風怨み節

 舞台は板鼻代官領、若い手代の青木は悪を憎むこと人一倍で暴走気味。ここへ峰岡藩士が入り込み、藩内で盗みを働いたとして百姓の青年らを裁きもせずに斬り捨てる騒ぎが持ち上がる。なにやら不審な行動の裏には、藩主の弟が仕出かす無体を隠蔽する企図があった。
不自然なまでの青木の峻烈さは母を野盗に殺された経緯からきており、この犯行が実は「弟ぎみ」の仕業と知れ、単身峰岡領に斬り込んだ彼は膾となって死ぬ。白頭巾は現れ、弟ぎみを二刀流で成敗。
 ロケ地、代官領平田村、直訴の百姓を追う峰岡藩目付衆、大覚寺天神島。彼らに事情を聞く青木、摩気神社参道。青木村、聞き込みに回る青木、摩気民家北側農地。負傷した直訴百姓を見つけるおりつ、摩気神社社務所脇。この男が目付衆に追われ川に落ちる橋、中ノ島橋。青木の母のことを藤堂に話す新兵衛、大覚寺護摩堂。助平目的でおりつを拉致の弟ぎみに追いつく青木、峰岡藩との境の橋、摩気橋(馬で駆けつける青木の来る道に宍人へ通じる地道も使用、現在は舗装路)。橋上での戦いに新兵衛も参戦、川に落ちるシーンは中ノ島橋に切替。新兵衛が流れ着くのは中州舳先の河原。
*手代・青木竜弥に渋谷哲平、往年のアイドルと聞く。福本先生、峰岡藩士で立ち回りに登場、摩気橋のシーンやラス立ち(これはちょっと自信ないけど声は似ている)に出るほか、青木の宿改めの際のヤクザにも。


第8話「平八郎を仇と狙う女

 野州一帯を荒らす凶賊を探索に出張る八州たち、目撃された男の長屋を訪ねた藤堂は、口封じに消された死体を見る。これで男の女房に犯人と誤解されてしまい、以降付け狙われることとなる。金で雇ったならず者が強盗に変じ斬られるのを藤堂に助けられたり、旅の途で亭主が盗っ人だったことを知ったり、女の気持は次第に解けてゆく。しかし前を向いて人生をやり直そうとしたその矢先、亭主を密殺した賊の手にかかり女は野末に露命を散らし、ブチ切れ白頭巾はワルのアジトに乗り込む運びとなる。
 ロケ地、今回の事件について新兵衛からあらましを聞く山崎、広沢池東岸(水無)。亭主との思い出を回想のおきち、大沢池(バックに心経宝塔)。大田原から白沢宿にかけての野面、ほぼ不明。


第9話「隠密無残!骨箱の謎

 大田原藩で進行する悪事を暴くお話。材木を横流しし巨利を貪る藩の勘定役頭取、江戸家老が差し向けた隠密を二人ながら密殺するも、八州トリオに関わられてしまいおじゃん。
新兵衛くんは、消された隠密から託された骨箱持って旅をする羽目に。また、隠密二人の妹で許婚者の盲目の娘に肩入れし、彼女の死を見て嘆くことひとかたならずの若い新ちゃんなのだった。
 ロケ地、江戸へ帰還すべく奥州街道をゆく八州トリオ、谷山林道切り通し。新兵衛に草鞋をくれた「隠密」が斬られるくだり、八州たちが剣戟を見るのは保津峡落合落下岩から、チャンバラは崖下の河口部。藤堂が誘いを掛けるも追っ手は乗ってこず、小百合が報告に来る「寂しい」鎮守、鳥居本八幡宮鳥居下。平沢宿の無住の寺・観照寺、西明寺(山門、本堂)。横流しの証拠書類を持って江戸へ向かおうとする「隠密」の妹、危ないと追う八州トリオ、。妹と下僕が追い詰められ斬られる、丹波国分寺(門、境内)。事後、まだ非業に死んだ「妹」を思いメソ入り河畔に佇む新兵衛くんの肩を叩く藤堂、西明寺下清滝川河畔。その後藤堂がのぼる石段は参道。
*勘定役頭取に南原宏治、つるむ材木商に江見俊太郎、頭取の手下に小沢象と遠藤征慈と悪役てんこ盛りの一作、ラス立ちには福本先生が派手な呻き声をあげてスピンする。


第10話「もち肌の女連続殺人事件

 かなり怪しいタイトルながら、福本先生出張りまくりで、サイレント・サムライならぬよく喋る浪人を演じる貴重な一作。ここまでセンセイの台詞が多いのはあんまり見ない保存もの。
殺されて見つかる娘の太腿が剥がされている猟奇事件が続いて起こるが、目的は植皮手術。殿様のお目にとまり御側に上がる予定の娘の火傷の跡を隠すため、医師が浪人を雇って肌の合う娘をさらわせているもの。福ちゃんはその浪人団の頭目、もう悪い悪いひょっとして医師を操ってかねない勢いで悪事を重ねるし、潜入した哲之介に酒を勧めるが毒入れてたりする。そして大元の手術の依頼者は、医師たちの所業にビビり福ちゃんたちに捕われの身となった挙句「ワシがみんな悪いの」と自刃しちゃったりする。白頭巾はこれで発動、蘭方の悪用にもかなり怒ってる模様。
 ロケ地、冒頭福ちゃんがさらった娘の腿剥ぎ死体が見つかる、大覚寺天神島。その隣村で起こる同様の事件、広沢池東岸。藤堂が芝居を打って医師を往診に来させる辻堂、大覚寺有栖川畔〜護摩堂


第11話「三吉馬子の唄なみだ唄

 山中藩で持ち上がる後継を巡る騒動。世子死亡を受け、藩主が望むは昔狩りの折手をつけた女が産んだ野育ちの落胤、しかし側室の父・城代家老はこれを阻むべく刺客を差し向けてくる。殿の命で十年も母子を見守り、その母に恋情を抱くも押し殺してきた侍がワルの手により落命するにおよび、八州のおじちゃん怒りマックスとなり白頭巾で城代屋敷に乗り込み。
 ロケ地、奥州街道をゆく八州トリオ+1、山中藩領手前で馬子の少年に声を掛けられる峠道、谷山林道。馬に揺られゆく道、幼児が殺された現場に行き会う、罧原堤下汀。馬子・三吉の家、酵素河川敷にセット。三吉がお城に上がるか、母と暮らすか決断を迫られる石段、神護寺石段(上に藩主、下に母子、藤堂は中ほど)。母子を守り抜き果てた望月の墓、酵素木の傍。


第12話「愛を切り裂く高瀬舟

 舞台は常陸土浦、大町宿。のっけから荷の強奪あり、船頭が落命。船頭の店には山崎がバイトに入っており、殺された男とかなり親しく、藤堂らにライバル店の仕業と予断を与える。しかし探るうちおかしな動きが次々見られ、代官とつるんだ真の悪が焙りだされてゆく。
 ロケ地、大町へ向かう八州トリオお休みの利根川畔の茶店、罧原堤下河原にセット。船頭が荷を襲われ刺されるのも同所。殺された船頭の妹がライバル店の若旦那と密会、走田神社(参道、本殿外塀際)。船頭と父の墓、広沢池畔。


第13話「檜舞台の罠!旅役者涙の晴れ姿

 大奥にはびこる禁制品、阿片まで蔓延する事態に立ち上がる八州トリオ。一方、賞金稼ぎはドサ回りの一座に拾われもぎりのバイト。病み付き、生を終える前に江戸の檜舞台を踏みたいと渇望する座頭に禁制品を運ばせようとしたワルの陰謀は、藤堂らに阻まれる。裏切られ虫けらのように殺された座頭の亡骸を抱き嘆く哲之介を見た藤堂は、白頭巾となり現れる。
 ロケ地、大奥の女が身投げを偽装されて殺され、漁師の網にかかる、保津峡落合。御側衆・神保豊後守邸、大覚寺大門。抜け荷が密かに運ばれると聞き馬を飛ばす新兵衛、谷山林道。摘発にかかる六郷川・登戸の渡し、桂川(亀岡盆地)。哲之介がバイトの花村菊之丞一座が小屋掛けの宮、平岡八幡宮参道。江戸へ赴く一座、谷山林道


第14話「炎の地獄に見た人情

 お話は、沼田藩郡奉行が川場村で働く無体を白頭巾が出て闇に裁くものだが、村に老人保養施設をとアジる先生や、過去を忘れて二人の子と暮らす酒肆の女将の哀話がメインテーマ。
郡奉行と組んでるワルときたら、売り惜しみの漆問屋や、乱暴極まりない地回りで、しまいには一村を召し上げて一大歓楽地建設に邁進したりと極悪。これらに蹂躙される民、奉行の配下に消されまくるが、若い二人が残り新しい人生を紡いでゆく。
 ロケ地、片品川沿いの会津街道を川場村さしてゆく八州トリオ、谷山林道。奉行の贄に供された娘の死体上がる河原、亀岡盆地の桂川畔。酒肆の娘・お市がさらわれかかる、神護寺鐘楼下石段。小百合が煙玉を投げつけて阻む、和気公廟所入口。酒肆の女将に過去の経緯を聞く藤堂、広沢池北西畔。事後、藩公の声掛かりで老人保養施設の縄張りがなされる、酵素河川敷
*今回、白頭巾の送り状は酒肆の女将の元亭主のゴロツキの背に小柄で縫いとめられてぴろーんと開陳。登場の際は影が三様で表現され勿体をつける。


第15話「女三度笠涙の迷子札

 賭場をしくじって追われる男を助けた小百合、断末魔の男から故郷の母へと金と遺品を託される。伊勢崎へ現れた小百合は股旅姿、遺族に金を届けるが献上手織を巡る騒動に巻き込まれるのだった。
 ロケ地、街道荒らしの賊をお縄にして中山道をゆく藤堂と新兵衛、小休止の倉賀野外れの川辺、保津峡落合崖下巖頭。小百合が負傷した旅人に金と遺品を託される、落合崖道。新兵衛くんが賊を括った縄持って鵜飼状態になってるのは清滝河原(見下ろし)。伊勢崎宿、ルーレットで野博打を開陳の哲之介、今宮神社境内。遺品を届けた先の娘に糸不足と聞く小百合、東門内石橋上。旅立つ八州トリオ合流の街道、大覚寺放生池堤
*今回の見ものは小百合の旅人姿、夏樹陽子キレイすぎ。伊勢崎の地回りとやりあうくだりでは、助けに入った藤堂に「おや平さんかい/雑魚は頼んだよ」とやるのが傑作。これはカルテット揃う宿で自分たちでネタにしてたり。


第16話「阿片地獄に散った華

 江戸へ帰る道で阿片の噂を聞いた藤堂は、岩淵宿の名に反応。そこには彼の学友が医院を開いているのだった。岩淵で時を過ごすうち事態の核心に迫ってゆく藤堂、友人の医院が爆破され、せっかく助けた阿片中毒の芸者も暗殺されてしまい白頭巾発動、見たくなかった真実が暴かれる次第となる。
 ロケ地、江戸へ戻るトリオが休む茶店(岩淵の噂を聞く)酵素ダート。岩淵宿入口の土橋、不明。藤堂の長崎時代回想、高台から見える海、琵琶湖か。阿片の栽培をしている北山、酵素(ちらっと河川敷、哲之介が上がってくるのは降り口、待避所に小屋の壁セット)。宗庵に阿片中毒の芸者を見たと話す藤堂、大覚寺天神島祠裏の汀。呑んだ帰り、宗庵夫婦と藤堂が襲撃される道、五社明神。阿片を抜くため芸者を込める水車小屋、酵素木の裏手にセット、川の水量常より多し。
*宗庵に西田健、敵わぬと見るやへいつくばり「俺が悪かった・諦める・これからは貧しい者のために・無二の親友じゃないか・魔が差した・見逃せ」と息つく間も無くまくし立て、隙見て発砲という姑息ぶりが小気味よい。善良そうな医師とワルのおかしらとの演じ分けもなかなか。爆破のくだりと芸者の中毒んとこちょっとかなりアレだけど西田健がいいので許す。*宗庵の銃撃で白頭巾の衣装に初めて血がにじむ。


第17話「女郎花は咲かず

 舞台は浅間山麓の草ヶ根宿、事件は悪代官が絹の織元や地回りと組んでの私腹肥やし。前の織元の遺児二人がそれぞれ賞金稼ぎと小百合に絡んでくる。渡世人となっている織元の息子と、女郎に叩き売られた妹の悲哀に、賞金稼ぎの純愛の思い出が被る人情ドラマが紡がれる。
 ロケ地、草ヶ根宿手前の茶店、谷山林道。小百合が負傷した渡世人を見つける、保津峡落合河口左岸汀。小百合が渡世人を養生させている宿場はずれの水車小屋、広沢池西岸湿地にセット。


第18話「過去を捨てた逃亡者

 新兵衛くんの剣友が、侍を捨てて生まれ育った地に戻り新たな人生を始めるお話。
父が開墾した山に骨を埋める覚悟の矢野大助、遺志を継ぎ温泉湧く山あいの地を湯治場にしようと鍬をふるう。これに邪魔が二方から入り、ひとつは斬ってしまった汚職上司の息子たちで、これは仇討ち免状も無い「仕返し」。いまひとつは当地の代官が温泉使って企む一大歓楽地建設計画「山の吉原」。なんとか矢野を追い出そうとする代官の策謀のすえ犠牲者が出るにおよび白頭巾が発動し、藤堂は温泉に名をつけて立ち去るのだった。
 ロケ地、佐竹宿手前の街道筋、茶店で休むカルテットは谷山林道。温泉の出る楢山、酵素河川敷(木の前に小屋セット、川にドライアイス置いて温泉を演出)。江戸へ戻った新兵衛が道場仲間に矢野の経緯を聞く橋、大覚寺参道石橋


第19話「女渡世人緋牡丹お絹

 舞台は中山道馬鍬宿、養蚕をめぐって地回りと代官が欲をかき民を苦しめる。私財を投じて桑を植え殖産につとめた篤志家の親分が消され、娘は遺志を継がんと肌に緋牡丹の墨を入れ孤剣をふるうがワルの魔手は身内に伸び、この無惨を見て白頭巾発動の運びとなる。
 ロケ地、桑畑、不明。代官所に探りを入れてきた哲之介と藤堂が密談、大覚寺五社明神
*ワルの貸元んちの用心棒に福本先生、お絹をハメようとした盆勝負の場で藤堂とやりあい片腕を落とされる。役名は阿久津。


第20話「水郷に咲いた夫婦花

 舞台は下総佐倉、頼母子講の金を丸奪りし抜け荷の資金に流用する悪徳商人、ヤバくなると佐倉藩勘定奉行の懐に逃げ込み官憲の手から逃れる巧妙さ。こやつらの悪謀の道具に使われ密殺された番頭、残された女房の悲痛を見た藤堂は白頭巾となって「越権」成敗。
 ロケ地、下総佐倉イメージに西の湖太鼓橋付近。講の金を持ち逃げした番頭が縊死死体で見つかる、鳥居本八幡宮舞殿脇。番頭の無実を訴える女房の言葉に嘘は無いと話し合うカルテット、八幡掘明治橋下堀端。番頭の浮気相手とされた起請文の女郎を見てきて、釣りの藤堂に報告の哲之介、大覚寺放生池堤。女郎に名を騙っていた入墨の男のことを話す藤堂、八幡掘白雲橋−明治橋間左岸上段の道〜明治橋下堀端。ラスト、旅立つ藤堂を見遣るおまさ、西の湖太鼓橋上。藤堂の船は湖上へ漕ぎ出してゆく。
*悪徳商人の尻を叩く悪女の女将、ラス立ちでは殺さない藤堂。賞金稼ぎに女に優しいとからかわれるが「どうせ獄門それまで苦しめ」とけっこう辛辣。


第21話「旅人平八郎怒りの賭場荒らし

 舞台は下仁田宿。二足の草鞋を履く親分は、郡奉行や南牧関所代官と組んでか弱き庶民の生き血を啜る凶悪なワル。ツブレ寸前で娘を売りに来た百姓を、あるときは博打に誘いあるときは街道に襲わせ、娘を売った虎の子を奪うという血も涙も無い悪行を重ねていた。事実を知ったカルテットの怒り炸裂、女郎屋で小百合と哲之介が大暴れのあと、哀しい父の死を見て白頭巾発動「叩っ斬る」。
 ロケ地、中山道倉賀野宿の南、鏑川沿いの下仁田街道をゆく藤堂と新兵衛、桂川亀岡付近か。南牧関所、酵素ダート。下仁田宿、身売りを前に祠に祈る父と娘、大覚寺五社明神本殿と舞殿。お尋ね者にされた藤堂が隠れるのは本殿内陣〜大沢池畔。


第22話「恋女房が消えた!怒りの裏街道

 凶盗のかしらを捕縛し江戸へ向かう一行、手下どもはこれを取り戻すため藤堂の妻をさらうという挙に出る。新兵衛くんのフライングで凶盗を逃がした挙句志津も戻らない最悪の事態、しかし医師として真摯に立ち回る彼女に打たれた盗っ人の手下が情報をリーク、悪企みは潰えるのだった。凶盗が哲之介の「大事な人」の仇、というエピソードも挿入される。
 ロケ地、江戸、野末のきぬの墓に参る哲之介、酵素河川敷。哲之介の回想、道で伏せるきぬを助ける川辺、保津峡落合河口。きぬが投宿の湯治場、日吉山荘。志津が往診に出てさらわれる屋形船繋留の汀、広沢池東岸。新兵衛くんが独断で凶盗と志津を交換の田無宿・総持寺、大覚寺五社明神。黒頭の千蔵一味が目をつける田無宿−青梅宿間の名主邸、摩気民家(北面)。一味の手下を追い詰める藤堂、鳥居本八幡宮(本殿前、広場)。志津の交換場所に指定される豊鹿島神社、摩気神社。事後、志津を連れ街道をゆく藤堂、谷山林道


第23話「ご赦免花の咲く日迄

 島抜け男を匿う藤堂夫妻、無実と訴える彼のため「私用」で動く。偽証で彼を罪に落とした幼馴染の同僚との哀話があり、ここから町奉行所与力と組んだ前橋宿の金貸しの悪行が明るみに出る。
 ロケ地、金を掏られて難渋の巳之吉に声をかける上州屋、鳥居本八幡宮鳥居脇。牢内で巳之吉に故郷の話をする喜三郎、祭礼の村イメージに鳥居本八幡宮、谷イメージに保津峡落合。巳之吉の島送り、広沢池東岸(柵セット)


第24話「凄絶!新兵衛死す!

 事件は矢木藩の鉄砲密造、事に関わっていそうな名鉄砲鍛冶の親父と知り合う一行、そこの娘に岡惚れ新ちゃん、複雑な家の事情にも深入りしいたく同情、フライングしての乗り込みは失敗し膾となって大童、若い命を散らしてしまう。
 ロケ地、矢木藩の試射場、酵素河川敷。新兵衛の最後の死闘も同所。鉄砲鍛冶・七兵衛の家、「あの」庄屋屋敷、不明。出奔した兄のことを新兵衛に話す七兵衛の娘・絹、広沢池西岸湿地。兄が密かに絹を呼び出す神社、大覚寺五社明神裏手天神島(五輪塔などあしらい墓地設定)。その後その兄に接触の新兵衛、放生池堤。新兵衛の遺骨を抱いて旅立つ藤堂らを見送る七兵衛一家、五社明神


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