ひばり捕物帖 かんざし小判

沢島忠監督作品  1958.4.1東映


 阿部川町のお七親分も参加したミスコンで変死体、次いで殺された芸者、共通項は簪。謎に挑み、恐れ気も無く悪の内懐に飛び込んでゆくお七。彼女の危機にいつも駆けつけてくれる、大酒飲みの喧嘩屋の正体が泣かせる、歌と踊りを賑やかに挿んだ人情劇。

仁和寺参道

ロケ地

  • 江戸美人番付コンテスト会場の浅草寺、清凉寺。例の提灯をあしらった山門越しの絵から、本堂前へ。花駕籠に乗って退場した札差小町が殺されて見つかるのは参道石畳。
  • 兵馬と出会うくだり、猫目の親分にぶつかられた五郎八が滑落する土手、長岡天神八条池堤。対岸の錦水亭東屋も映り込む。
  • 老中・阿部伊予守邸、仁和寺本坊表門。殿さまが用人に妹姫の事で苦言を呈されるくだり。
  • 柳橋芸者・清葉の死体入り駕籠を置き去ったイカ頭巾たちを追った五郎八、囲まれて川に叩き込まれる橋は不明。酒蔵みたいな建物や、酒樽など映り込むところから、伏見あたりか。他にも古い映画で見たような。
  • 伊賀の源次が乗った赦免船が着く港、琵琶湖東岸(木の桟橋、河口の地形)。源次を鍵付きの駕籠に乗せ連れ去る侍たちのシーン、西方寺(背景に湖面)
  • 源次が斬られる墓地、不明(背景に竹林)
  • 用済みとなり始末されかかる田宮大介、広隆寺東塀際か(裾に笹の茂み、木立点在)
  • 阿部邸近くを歩く、編笠姿の兵馬、仁和寺参道(中門映り込み)。見遣る阿部家の門は本坊表門。
  • 将軍家御台所の使者の尼を装い松永藩邸へ乗り込むくだり、掻き集めた衣装を急遽集めた人数に着せて行列の大路は仁和寺参道。得意満面で供先をつとめる五郎八を見て首を傾げる猫目の親分(土下座中)が大笑い。
  • 事後、暁の土手で笑いあい歌うお七と兵馬、不明(八条池か)

 お七は美空ひばり、大甘な兄上の目こぼしで市井に暮らす。なりは町娘や岡っ引のほか、潜入の際に若衆に化けたり尼に化けたり。コンビを組む五郎八親分は堺駿二、寄宿先の師匠は松風利栄子、兄老中は尾上鯉之助で用人の爺さまは杉狂児。顔なじみの猫目の親分は山口勇、下っ引は富久井一朗。喧嘩屋のご浪人・佐々木兵馬は東千代之介、彼と同じ長屋に住む按摩は星十郎。
簪を三本揃えて埋蔵金のありかを求める松永藩家老は薄田研二、もちろん金は私するつもりの悪党。彼に与する、でっぷり肥えた道場主は阿部九州男。前家老の子息で、現家老に騙されている若者は里見浩太郎、彼の恋人の家老の娘は円山栄子。
松永藩へ入った賊の生き残りの源次は沢村宗之助、妹の芸者・清葉は北村曙美。残りの簪を持つ、獄門になった賊のかしらの娘は広沢浩美。彼女が簪を渡した太夫は若水美子で、ラス立ちが浅草奥山の一座の舞台に。


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