立花登青春手控え3

原作/藤沢周平
音楽/羽岡佳
語り/篠田三郎


第一回 「奈落のおあき」 2018.11.9

 囚人・嘉吉の頼みをきいてやった登、感謝されまくるもそれが物騒な展開を呼び、結局荒事に巻き込まれる。
ちえとの関係がしっとり落ち着いたさまが描かれ、いい感じ。

三井寺

ロケ地

  • 出勤する登が歩む町角、三井寺唐院前参道。露店をたくさんあしらい、大道芸人も出して賑やかに演出。患者の露天商に挨拶されるシーンも。画面奥に金堂の大屋根が見えている。 このシークエンスは、第三シリーズのオープニングとなる。
  • 牢名主の「遅い」告白により嘉吉は殺されたと確信した登が藤吉親分に相談するくだり、聞きこんできた直蔵の報告を聞く町角(藤吉親分の店で話すことを憚り、外へ出て三人でゆくシーン)大覚寺石仏前・護摩堂脇〜裏手。

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 佐七/中島広稀 おあき/樋井明日香 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 鴨井佐仲/峰蘭太郎 園井/石志望 おせん/園英子 嘉吉/水澤紳吾 お豊/菜葉菜 伊勢蔵/深水元基 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/古田求 演出/山下智彦

※牢名主は谷口孝史、原作とは名前を変えてある。
※鴨井先生は引退を決意、後継ぎの婿がねは決まっているらしいと久坂談。


第二回 「秋風の女」 2018.11.16

 女囚に篭絡され、道を踏み外しかけた青年を、見捨てておけぬ登。師から会得したばかりの大技で、事件の裏にいた悪漢を豪快に投げ飛ばす。

大覚寺

ロケ地

  • 佐七を問い詰め諭す登、奥石神社摂社。参道脇の稲荷の、重ね鳥居の下。参道に通行人を演出。
  • 叔母に頼まれた大荷物を持った登、通りかかる帰り道の堀端は八幡堀、石積際の汀。
  • おきぬの家へ行ってみる登、渡る橋は中ノ島橋(見上げ)。おきぬ宅は薬研堀近く設定。
  • 杉野屋について調べてきたことを登に話す直蔵、八幡堀明治橋下手右岸河川敷。
  • おきぬの「本命の用事」を果たしに他出する佐七、桂川河川敷(中州の岸辺、夕景で雑踏演出)を歩み中ノ島橋を渡る(上空を白鳥っぽいでかい鳥が羽搏くが、作り物くさい)
  • おきぬ宅から取ってきた「ブツ」を喜三郎に届ける佐七、礼に奢るなどと言われ誘い出され始末されかかるくだり、大覚寺五社明神(舞殿脇、奥に塔・ライトアップ)。尾行していた登が助けに入り、喜三郎と大立ち回りを演じるのは大沢池船着(大)上、登の決めポーズの背景に、どどんと花火が上がる趣向。原作設定、喜三郎宅は竪川の南の御船蔵町の、元岡場所付近。
  • 釈放されたおきぬ、佐七を待つが来たのは登という「大木の下」、奥石神社拝殿前の御神木。二人の芝居の間、手水舎や蔵など映り込み、おきぬは参道の方へ去る。原作設定、小伝馬町の牢獄の東北の隅、欅の大木(練塀の内と記されている)

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 佐七/中島広稀 おあき/樋井明日香 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 鴨井佐仲/峰蘭太郎 園井/石志望 おせん/園英子 おきぬ/黒川芽以 喜三郎/菅原永二 およね/宍戸美和公 伊勢蔵(回想)/深水元基 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/古田求 演出/服部大二

※原作と違い、杉野屋の始末は藤吉親分に委ねる次第。また、おあき訪問のニュアンスも違う。師の技も違うが、アレは映像化難しいし今回の裏投げ(?)に通じる演出だし。


第三回 「白い骨」 2018.11.23

 世話を焼いた囚人の哀れな末路を知り、彼を死に追いやった者どもに対し怒りを爆発させる登。しかし、十七年も放置した女房の胸に抱かれた小さな骨壺を見て、経緯を何ひとつ話せずに終わるのだった。

南禅寺

ロケ地

  • 往診のあと、おむらの家へ赴く登、塀際に物売りなど出ている道は南禅寺僧堂坂。おむら宅は福富町、ここは蔵前通り設定か。辰平の遺骨を抱いて川越へ行くおむらと行き会うシーンが後段に出る。
  • 釈放された辰平を連れ、おむらの待つ茶店へ行く登、大原野神社参道。
  • ちえのお稽古につきあっての帰り道、妙心寺海福院北西角クランク〜雑華院前。弥次郎が潜んでいて、登を呼ぶ路地は福寿院道。
  • 弥次郎と行ってしまった登に腹をたて団子をやけ食いするちえ、妙心寺法堂基壇。祭りの境内は法堂と東海庵西塀の間に設営。お下劣なまねをした日下が痛い目に遭う。
  • 弥次郎から聞いた、辰平殺しの件を藤吉たちに話す登、上御霊神社本殿裏手〜絵馬舎。この間挿まれる、辰平の死体発見現場の竪川は松尾橋上手桂川右岸河川敷。ここはこの後、登が陽の傾いた汀に立ち尽くすシーンや、辰平殺害の夜のシーンでも出る。

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 辰平/きたろう おむら/渡辺梓 弥次郎/小林隆 忠助/兼松若人 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/小林政広 演出/服部大二

※辰平とおむらを会わせるくだり、原作設定では両国橋そばの、おしんの勤める水茶屋。
※弥次郎が接触してくるくだり、原作設定では新谷弥助宅からの帰り、両国橋の東の橋詰。ドラマ設定は道について触れず、祭りは「ちょうえんじ」…市ヶ谷の長縁寺?浅草の長円寺?あと芝とか高輪とか千住とか。


第四回 「影法師」 2018.11.30

 幸薄い娘が、牢を出たあと頼ったおじさんは、とんだ悪人。彼女が暗い影につかまるところを皆で掬い上げる情話に、登の若先生ぶりをしっとりからめて描く。

仁和寺

ロケ地

  • 入牢したおちせの処遇について話す登と久坂、仁和寺鐘楼前石畳。
  • 釈放されたおちせが失踪したあと、藤吉に相談する登、大覚寺護摩堂脇。
  • 加賀屋を訪ねた帰り、登と久坂がくぐる門、仁和寺中門。南から上がってきて、背景に二王門が来る構図。
  • 森田屋について調べてきた直蔵、待っている登のところへ息せき切って駆け付けるシーンは大覚寺五社明神舞殿。

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 杉蔵/落合モトキ おちせ/川添野愛 加賀屋伝助/渋谷天外 森田屋佐兵衛/坂本あきら おらく/遠山景織子 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/田村恵 演出/前原康貴

※久坂はおちせが加賀屋にとどめをさすところへ通りかかって阻止する役回り、登が加賀屋に会いに行く段で橋渡しをする。加賀屋は「縊死した」おちせの母・おくらを囲っていた材木商で、店は深川元町にある。


第五回 「影の男」 2018.12.7

 登が囚人から聞いた話が、冤罪を焙り出す。それは、巧妙に仕組まれた企みが綻びた果てのことであった。
原作の持ち味を損なわない結末が、芝居巧者によって表現され渋い。
婿がねとしての登を、遊学に出す話が出ていることが語られる。

日吉大社

ロケ地

  • 喜八から聞いた、甚助は無実という話を藤吉に告げる登、大覚寺参道石橋(御殿川に架かる橋)。二人、欄干に腰掛けての画もある。東望の図。
  • おつなが渡りかけては引き返す、六間堀町の橋、日吉大社大宮橋。左岸側からのぼってきて橋半ばまで行くが戻る、という所作で、見張りの際は走井橋方面から見上げる図。男に会いに、ついに渡り切るシーンは夜間撮影。劇中「六間堀町の橋」と語られ、河岸の道を北に歩くという原作通りの画は無いので、北ノ橋中ノ橋を分けての表現も無し。
  • 渡りかけて戻るというおつなの行為について話し合う藤吉と登、日吉大社東本宮境内。奥の「樋口」の石垣から神輿庫前、舞殿前(舞殿越しに楼門望む図)

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 鴨井佐仲/峰蘭太郎 園井/石志望 おせん/園英子 奥野研次郎/岸田タツヤ 喜八/松田悟志 おつな/宮地真緒 甚助/小宮孝泰 房吉/仁科貴 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/古田求 演出/前原康貴


第六回 「女の部屋」 2018.12.14

 大店の奥で起きた事件に、腥い事情があると知る登。しかしめざましい進展も立ち回りも無く、登の思いが行き場をなくす展開。
遊学の具体的な話が出る。

大覚寺

ロケ地

  • 牢へ差し入れをしてきた帰りのおむらが佇む小川のほとり、上賀茂神社ならの小川。登は神事橋を渡ってきて、顔見知りの女将に声をかける。橋下手の川中には子らが入り遊ぶ演出。
  • 槌屋の調べを終え報告に来た藤吉親分、牢屋敷の外へ出て話すくだりは仁和寺塔前石畳〜参道(南へ歩き、石段をおりる)
  • 槌屋の百両についておむらを問い詰める登、二人歩きながら話すくだりは大覚寺心経宝塔基壇際〜天神島朱橋たもと〜放生池堤(ここから流人船を見る運び、大沢池堤の南東部分消して海に演出、船の中に新助を幻視するシーンもあり、船の中から登を見る画もある。囚人を乗せていない空の船は、蓮の群落のそばを通ってゆく。大沢池の汀に、鵜や鷺が群れている画も挿まれる)
  • おむらが若い男と密会するのを見た登、忸怩たる思いを抱えくぐる門は仁和寺中門。中へ入ってくる動きで、開口部から二王門がのぞく。

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 おせん/園英子 おむら/中山忍 新助/篠田光亮 大黒屋吉兵衛/遠山俊也 槌屋彦三郎/飯田基祐 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/小林政広 演出/山下智彦

※大黒屋の女将は充分にエロいが、登が違和感を覚えたくだりは原作と少しニュアンスが違うような。


最終回 「別れゆく季節」 2018.12.21

 おあきの情夫がらみで関わった凶賊は処刑されたが、残った手下から魔手が伸びてくる。遊学間近の登、あわやという危機を乗り越え、おちえと「言葉ではない約束」を交わして、新天地へと羽ばたいてゆくのであった。

保津小橋

ロケ地

  • 夜道で襲撃されたことを藤吉らに話す登、仁和寺九所明神本殿前。
  • 大坂へ向け道中する登、渡る橋は保津小橋(北から南へ渡る。右岸も左岸も遠景をいじってある)。おちえが呉れた弁当を食すくだり、毘沙門段丘林際の坂(坂の上に黒毛和牛?と富士山合成、坂下に地蔵あしらい・ここでお昼をつかう…地蔵の頭にテープ貼る小芝居も)。ナレ被る田畦?も段丘付近か。

立花登/溝端淳平 ちえ/平祐奈 松江/宮崎美子 平塚平志郎/マキタスポーツ 土橋桂順/正名僕蔵 直蔵/波岡一喜 おあき/樋井明日香 豊太/ドロンズ石本 久坂道之丞/渡辺佑太朗 水野徳次郎/山岸門人 鴨井佐仲/峰蘭太郎 おせん/園英子 園井/石志望 奥野研次郎/岸田タツヤ 兼吉/金井勇太 伊勢蔵(回想)/深水元基 仁助(回想)/八田浩司 黒雲の銀次(回想)/上西雄大 きよ/鷲尾真知子 藤吉/石黒賢 小牧玄庵/古谷一行

脚本/古田求 演出/山下智彦

毘沙門


参考文献 藤沢周平著「獄医立花登手控え」四冊合本版 講談社

→ 立花登青春手控え(第一シリーズ)

→ 立花登青春手控え(第二シリーズ)


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