川を訪ねる旅
古より若狭から海産物を京に運ぶ道があった。
18世紀後期より鯖が多く運ばれたことから「鯖街道」と呼ばれるようになった古道・若狭街道には古い宿場や古刹が点在する。
そこには水にゆかり深い地が多く、道の脇を常に清冽な川が沿う道で、小浜に焼き鯖を求めての帰路は「水を訪ねる旅」となった。
1. 小浜へ
盆のこの時期、混雑の予想される名神高速を避け大阪から清滝街道を越え奈良へ入り京奈和道を北上、巨椋から山科を抜け蹴上から京都市内に入り白川通を北上、上高野から国道367号へ入る。ここからは八瀬・大原を抜け花折断層沿いに若狭へ通じる、いわゆる鯖街道である(左図、赤で示したルート)。
道沿いを流れる高野川がだんだん流れを細くしてゆき、途中峠を越えると滋賀県大津市へ入る。更に花折峠を越えると安曇川沿いの道となる。
葛川(かつらがわ)の集落を抜け安曇川沿いを北上すると朽木村に入る。谷底平野は明るく開けてくる。
朽木村の中心集落・市場には今「道の駅・くつき本陣」があり、周辺には鯖寿司や焼き鯖を商う店も並びいよいよ「鯖街道」を実感する。道の駅の裏手には安曇川が流れ、鮎友釣りの長竿が並び立つ。浅瀬には渓流魚のカジカが群れている。清流に足を浸すと、青々と高い夏空が広がっていた。
ここから更に国道367号を北上し檜峠を越え今津町に入る。程なく琵琶湖のほうへ行く道との分岐がある。そちらも鯖街道のひとつである。367はここで終わり、国道303号を若狭へ。水坂峠を越えるともうすぐに福井県。ここからは明るく開けた北川沿いの平野を一路小浜へ。国道303号は三方のほうから来る丹後街道・国道27号にスイッチする。
道の駅くつき本陣裏手を流れる安曇川 干天続きで水量は幾分少なかった |
本流脇の細流にはカジカが山ほど 魚影の濃い川 |
撮影地 滋賀県高島郡朽木村市場 撮影日 2001.8.14
1.小浜へ 2.小浜・魚と名水 3.北川と南川 4.鵜の瀬 5.瓜割ノ滝 6.熊川宿 7.鯖街道・帰路