川を訪ねる旅

竜鎮渓谷

−  渓谷沿いの山道  −

 滝を見たあとは渓流沿いに室生の里を目指して歩きだす。道の両側は植林の杉林で昼なお暗い。
滝を過ぎていくらも行かないうち、ふと足元を見るとぬかるみにくっきりと残されたクマらしき足跡を発見、慌てふためいて鞄に付けた二つの鈴をちゃりんじゃらんと懸命に鳴らしながら熊笹覆う山道を駆け抜ける。こんな山道を走る馬鹿もそうそういまいが怖いものは仕方がない。引き返そうとせず闇雲に前に走るのが我ながら軽薄である。進めば進むほど山は深くなるというのに(注・熊らしきと思っただけでクマそのものは見ていません)

道はこのあとも倒木あり渡渉ありのなかなかのものだった。また、先年の台風で倒れたスギが放置されている個所も多く、全般に山は荒れていた。

水量はそう多くない 熊笹の道 橋上には杉が倒れたまま
道は遂に熊笹に覆い尽くされる 流木で堰かれた川 木橋は歩くとぎしぎし
木の間から見上げる空 一面切り株の崖 道の真ん中に大切り株
渡渉点 コンクリに三筋の溝 台風の爪あと? 晴天に感謝
渡渉点 ゴロ石連なる登り 丸太橋を渡る
錦繍 幾つか目の渡渉 滑滝と甌穴
大きな滝壺を持つ滑滝 不法投棄された車両 谷を彩る木々
こんな道も 散り敷く落ち葉 上流が三面張り

 写真はだいたい時系列に沿って挙げた。
渡渉はあるものの深さは無いし谷筋をゆくのでそんなにきつい登りも無い。
ただ人が少なく、荒れている個所も多いしクマの気配もあるしぬかるみは多いし案内板の無い分岐もあるしで、山を歩いたことの無い人には積極的にはおすすめできない。
川が三面張りとなる頃、室生の里への分岐となる天王橋へ出る。
山道が林道となり轍が刻まれる付近に二つの滝があった筈なのだが見落とした。かつかつ早足で歩くからいけないのだが癖は治らない。
次章は室生の山里。

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