時代劇拝見日記 2004年6月

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2004/6/30

■ 名奉行遠山の金さん2 第5話「財テクの罠、狙われた美人画」1989テレ朝

 浮世絵で財テクが大はやり、寡作な画家・春重の絵が高騰するなか当の本人は変死を遂げる。春重を買い漁り、入手できぬ分は人を殺してでもコンプリートを目指す両替商、浪人を仕官で釣って画を奪取のところにお目付桜が舞う。
 ロケ地、春重の「土左ヱ門」が上がる大川、広沢池東岸
*今回のワルはお白州で「金さんがやった、金さんを出せ」と自ら遠山桜を懇願という馬鹿な仕儀に。ラス立ちには福本先生入り、浪人態で二回ヤラれている。

■ 暴れん坊将軍 II 第64話「天誅!窓ぎわの反乱!」1983-1987テレ朝/東映

 不本意な早期引退を目前にした南町同心、常々忠助の寛容な方針に反発しており、夜な夜な黒イカとなって天誅に走る。イカ仲間には元与力など四人のおっさんたち、世を正すと悦に入るが、実は裏にいた元南町奉行の使嗾。彼らが殺したのは元奉行とグルの悪徳商人で、賄賂授受の証拠隠しに利用されていたのだった。そして彼らが使い捨てられようとする場に新さん、元奉行と刺し違えた同心を殉職扱いにしてやる温情を見せる。
 ロケ地、黒イカのアジトの荒れ寺、不明(セットかも)。窓際同心に天誅騒ぎについて糺す与力、御室八十八ヶ所・大窪寺前池の石橋。その場を憤然と去った同心に声をかける新さん、仁和寺観音堂脇。ラスト、忠助の駕籠が襲われるのも同所、他に御室桜林なども使用。
*元奉行に井上昭文、でかい口ひげが偉そうで、憎たらしさを強調。

■ 暴れん坊将軍 11 第2話「め組から消えた少女」2001/7-12テレ朝/東映

 強奪された御用金を隠したボックスの鍵を隠密が奪取するも追いつかれ落命。この鍵を拾ったのがめ組のももちゃん、以降誘拐劇で大騒ぎ。その過程で、忠助が新さんにぺこぺこしている姿や、新さんとツナギをとっていた隼人が小屋根に飛び上がるところを見てしまう栄五郎、辰五郎を問い詰め正体を聞かされる運びに。
 ロケ地、御用金強奪の中山道・鴻巣付近、不明(地道の林道)。この件の報告を聞く弓のお稽古上様、二条城か(幔幕で壁面目隠し、バックに姫路城天守がどーんと合成)。有馬のじいと忠助が調査に赴く鴻巣付近の狩場、谷山林道頂上付近か(旗本を成敗に現れる騎馬の上様のシーンもだが、谷山にしては広いような)。ももちゃん監禁場所、不明(暗すぎ)

■ 丹下左膳 2004.6.30日テレ/松竹

 左膳にパンクっぽい元気のいい兄ちゃんを持ってきた意欲作。尺が長いので、チャンバラをたっぷり見せてくれるのも嬉しい。難しい左膳の殺陣を全身使ってこなす様は見もの。
 エピソードは「こけ猿の壺」、庭番総帥の陰謀で東照宮改築を命ぜられてしまう小藩のお話、先祖が残した百万両の隠し金の在り処を秘めた茶壺を巡っての大騒ぎが描かれる。
 ロケ地、江戸城、姫路城天守。愚楽が大岡越前に柳生の隠し金の話をする城の一室、相国寺方丈。柳生さして東照宮改築を仰せつかってしまったことを告げに走る早駕籠、琵琶湖西岸松原(村上昭二の「金魚ぉ〜」が笑わせる)。与吉から壺盗って逃げるチョビ安、逃げる橋は木津川流れ橋、途中に下へ降りる階が付けてあり、真下に左膳の寝ている小屋をセット。小屋周辺ではこのあと大立ち回りなどもあり、汀も使われる。与吉が持ってきた殺しの依頼、相手が伊賀の暴れん坊と聞いて嬉々として走り出す左膳、神護寺和気公廟所前〜僧形の源三郎とチャンバラは五大堂毘沙門堂。柳生へ着く早駕籠、谷地田は不明、柳生対馬守邸は山科の毘沙門堂薬医門周辺。源三郎にお家の大事を告げる早馬が走る、山室堤道。左膳の回想、自決した兄夫婦の件を家老に迫る左膳、随心院薬医門(内側から、大玄関も使用)。壺持って源三郎の待つ梅若寺へ赴く左膳、神護寺石段。立ち回りは金堂前。源三郎を柳生江戸藩邸に訪ねるお蓮、随心院長屋門。源三郎の居室、粟生光明寺方丈。壺のことで源三郎を連れ出すお蓮、屋形船に乗り込むのは嵐峡。庭番衆にとっ捕まり責め問いされる与吉、番所イメージに青蓮院長屋門。左膳に内緒で源三郎にチョビ安拉致の件を告げにゆくお藤、妙心寺大庫裏通用門。チョビ安を奪還すべく呼び出しの院念寺の石段を駆け上がる左膳、粟生光明寺石段
*EDに被せてチョビ安連れた左膳は現代の浅草寺へ。花やしきの遊具に乗る二人もあり。
2004/6/29

■ 名奉行遠山の金さん2 第4話「暴かれた二つの顔の美人妻」1989テレ朝

 勤続三十年の老従僕は、幼い頃より見守ってきたご主人様が大のご自慢。昌平黌をトップで出た秀才は遂に長崎奉行の内定を受けるに至るが、或る日強盗から逃れ走り寄ってきた娘を崖から落し死なしめるハプニングに遭遇、ここから苦渋のドラマが展開される。
 ロケ地、宴会の帰途主従が通りかかり娘を落としてしまう崖道、西明寺参道(指月橋や清滝河原も使われる)。死なせた女の妹を呼び謝罪する飛鳥山寮、中山邸(通用門、庭)。事後、妻を離縁し職を辞し巡礼となった大内兵庫のイメージ、神護寺石段
*タイトルの「妻」の父がトンデモ、兵庫を脅した「目撃者」の強盗を殺し屋差し向けて始末、しまいに謝罪の場に乗り込んで被害者の妹に加え従僕も殺せと指示の冷酷な札差、戸浦六宏。娘三人を典医、秀才(兵庫)、公家にそれぞれ嫁がせ閨閥を作り権力を握ろうとする野心ぎらぎらの闇将軍という設定。しかし妻の二つの顔って…最初からせんとりつ足したくらい旦那にガミガミ物言ってた気がする…顔、一個だよねぇ。テレ朝作品のサブタイって時々なんかヘン。

■ 暴れん坊将軍 II 第63話「女の戦 うわなり討ち!」1983-1987テレ朝/東映

 富商の後妻に入り込み緩やかに毒殺、身代を巻き上げる悪女たち。彼女らを操る旗本を成敗するお話の小道具に、古習・うわなり討ちが使われる。ドラマは水茶屋女にイカれた亭主に離縁された女房を主軸に、お笑いムード満点で進んでゆく。なんか大半例の「パパパーヤ」「ダバダバダー」というお笑いBGMが鳴っていて、それなりにシリアスな場面もあるものの、加納の爺さまの助平なツッコミまで入り、ラス立ちの福本センセイまで派手な金ぴか衣装を着ている悪ノリが横溢。
 ロケ地、旗本・加賀爪の情婦・お富についてツナギをとる庭番、仁和寺茶屋脇(バックに塔)

■ 暴れん坊将軍 11 第1話「吉宗、炎の生還」2001/7-12テレ朝/東映

 め組リフレッシュ・若手に交代の一話、お話の前後を新しい頭・栄五郎のお披露目で締める。のっけから大岡さま重傷を負い大ピンチのドラマは、スラムに巣食う大ワルとの対決を描く「濠外」もの。新さんと栄五郎の出会いはスラム潜入の中で果たされる。忠助襲撃犯にして江戸を荒らし回る凶盗・不知火の重兵衛は思い切り怪しげな暗黒街の大物で、幕府転覆まで企み武器弾薬を大量に貯め込む由比小雪ばりの悪者設定だが、ラス立ちではなんだかフツーの悪党になっちゃって、黒幕の老中と一緒によくあるパターンの「こやつは偽者の上様、出会え出会え」に至る。
 ロケ地、流鏑馬の上様、下鴨神社馬場。庭番に本所三笠町探索を命じる上様、二条城清流園。髪をほつれさせ浪人態で本所三笠町へと橋を渡る新さん、宇治・橘橋。スラムはずれの武器庫、酵素河川敷に小屋セット(派手に炎上)。船で逃れようとする新さんと「栄吉」、広沢池東岸
*栄吉はお披露目の席で忠助から「栄五郎」の名を貰い改名の運び。新さんって何よどういう人?と辰五郎に尋ねている段階。*新さんが「濠外」の橋を渡る際に突っかかってくるチンピラの一人に福ちゃん、ちゃっと片付けられる。
2004/6/28

■ 名奉行遠山の金さん2 第3話「風呂屋の亭主が謎の連続心中」1989テレ朝

 サブタイ通りの内容で、もちろん心中は偽装、狙いは高騰中の湯屋株。わざわざお上に願い出て湯屋の数を制限し、裏で悪どい真似をしてのける総元締を桜吹雪が黙らせる。
夫の心中を頭から信じない女将が潜入して危機一髪などのエピソードがあり、三つ目の心中はこの女将と桜湯のお紺をレズ仕立てで相対死のプランだったり。
 ロケ地、偽装心中用にさらわれる深川八幡の巫女、今宮神社本殿前。これと柳橋湯の亭主が死体で見つかる大川端、広沢池東岸汀。湯屋の総元締・赤坂林右ェ門の向島別業、中山邸通用門
*別業で金さんとやりあうちんぴらに福ちゃん、桜を見せてるうしろでこそこそ。ジャニ系同心不在、金さんの見せ場が多くなる。

■ 暴れん坊将軍 II 第62話「ほとんどビョーキの出たがり娘!」1983-1987テレ朝/東映

 絵師・寛斉がモデルとした美女が相次いで変死、裏には「出たがり娘」をうまうまと誘い出し大名の遊びに供する組織あり、黒幕には大名たちの弱味を握ってウハウハの大目付がいた。
絵師を演ずるはポルノ監督・山本晋也、グラサンかけて「総髪」の風体で、サブタイはお得意のフレーズの模様。
 ロケ地、絵姿を描かれた一人・おこうの死体上がる大川、罧原堤下汀。南町の取調べの帰途の寛斉を襲う口入屋の手下、大覚寺有栖川畔(河床から見上げ)。絵姿が出て以降行方不明のお秋が妹に新しい奉公先のことを話す茶店、有栖川畔(御殿川合流点に茶店セット)。絵師になった経緯を新さんに話しながらゆく寛斉、大沢池南堤下汀(水の少ない時期の撮りと思われる)心経宝塔前。
*口入屋の手下に福ちゃん、役名は仙八。女の死体を橋から投棄したり、言う事を聞かない女をささらで打ち据える、極めつけは監禁した絵師や娘たちを蔵ごと焼こうと嬉々として油撒いて回るというメチャ悪チンピラを熱演。最後は火をつけようとした腕に上様の小柄がぶっすり。

■ 暴れん坊将軍 VI 第50話「江戸自慢、吉宗うれしや天下餅!」1994-1996テレ朝/東映

 老中を追い落とし後釜に座ろうと画策の若年寄、気の毒な経緯で出戻りの姫にとんでもないスキャンダルを捏造して失脚を図る。噂に耐え切れず自死を図った姫を保護した新さん、若年寄が得たりと己の悪事をべらべら開陳する座敷に乗り込み成敗。
 ロケ地、釣りの男が浪人の土左ヱ門を見つける大川、広沢池東岸。に組の清吉が連れ込まれたという菊姫の屋敷、鹿王院(玄関を内側から見下ろすクレーンショット〜清吉が刺客に斬られるのは客殿と本堂を結ぶ回廊)。煽られた民衆が押しかけ騒ぐ老中・時山淡路守邸、大覚寺大門。菊姫が入水未遂、広沢池東岸。菊姫の回想、落馬事故で夫である吹上藩主を亡くした馬場、下鴨神社河合社脇。
*苦悩する姫の父老中に品川隆二、あんまり見せ場なくもったいない。

■ 水戸黄門33 第11話「おっかさんは村の太陽」2004.6.28TBS/東映

 舞台は岩国、生産した和紙に不当な評価を下され窮する民を救うお話。懲らしめられるのは悪代官と「上見取」役の男、低く評価した紙を横流しして丸儲けのワルども。直訴を企む村人を抑え献上品の織物に精をだす庄屋の未亡人には、上つ方へダイレクトに窮状を告げようとする深謀があった。
 ロケ地、錦帯橋は本物、人数を制限してのロケか。山中村庄屋屋敷、摩気民家(北面の外観、玄関)。直訴の相談をぶつ村の衆、摩気神社本殿裏手塀際。
*騒がしい庄屋の母に山田邦子。暴発の村人が捕われの牢の番士に福ちゃん、鬼若にボコられる。ラス立ちにも出ている模様だが、「回転」早過ぎで判然とし難い。
2004/6/27

■ 新選組! 第25話「新選組誕生」2004.6.27NHK

 新見の件で怒り心頭の勇、次は芹沢と言い放つトシ、目据わってる。実行メンバーには土方・山南のほか源さんに原田。沖田の申し出で源さんは抜け、結局四人で斬り込み。剣はちょっとヘタレかもの土方が妙にリアル、鴨居の刀痕の経緯がちゃんと描かれてるのも面白い。何より、最後まで狂犬設定で「いいヤツかも」エピソード無しで死んでゆく鴨を描ききったのがマル。ふくべに足とられて一巻の終わりもなかなか。血みどろの凄絶さがあんまり出てないのは、昨今テレビでは仕方ないのかな。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第11話「目刺し十匹うらみ武士」1975-1976日テレ/東映

 揃いの赤マフラーして馬を飛ばし、目に付いた娘を陵辱するは町で棒手振りを引っ掛けて殺すはの悪たれは奥祐筆組頭のどら息子とその取り巻き。娘の恋人の岡っ引の手柄にして仇も討たせてやろうと「表」に回す夢之介の気配りは、南町同心を出世で釣った奥祐筆組頭の陰謀で裏目に出る。同心を演じる石橋蓮司と、どら息子の父の藤岡重慶が凄すぎ。レンジが旗本に婿入りの話を持ちかけられる段の表情の変化が見もの、御大の針を額に受けて祝いの品に埋もれてのぴくぴく断末魔も凄い。
 ロケ地、竹森稲荷で馬を飛ばす「黒い稲妻」たち、下鴨神社参道(馬場からのショットと、二の鳥居を遠景の画)。お参りの娘に目をつけるのは河合社、連れ込むのは裏手の林。石川刑部邸、不明。上から探索中止の命令が来てクサる岡っ引と同心、罧原堤下河原。後段、再度娘を襲うどら息子たちのくだりでは漁師小屋と灯台があしらわれている。

*お詫び 妙心寺塔頭の衡梅院をこれまで「衛梅院」などと書いていました。衛生の衛ではなく平衡の衡、本日その前を通ってびっくりの大間違い。妙心寺の項や作品別の記事には直しを入れましたが、日記のほうはまだ修正できていませんのでご注意願います。
2004/6/26

■ 鍔鳴浪人 虎狼の巻 荒井良平監督作品 1939日活京都

 阪妻の幕末もの、貴重なロシア帰還フィルム。明るくなったり暗くなったり雨ざあざあの映りで音声聞き取りにくく、しかしものの五分ほどでお話に引き込まれてゆく。
 老中にとって都合の悪い異国との約定書をめぐり、初手から暗殺の銃声響く幕末の租界。阪妻演じる月太郎は、謎の「ふぉとぐらふ」を入手したことから事件の渦中に。そして唐突に親友の妹を「娶り」、因果を含めて奥医師・六庵の催す「娘の三回忌の宴」に送り込む。一服盛られちゃった千鶴がもうちょっとで露人・シェリコフの毒牙にかかるという時、怪しの中国人とこれまた異様に怪しいクルス侍が現れ、露人を縛り上げ約定書を出せと迫る。二度ほどムチをかまされた露人、あっさりと密書のありかを吐くがそれは奥医師の杖の中、聞くが早いか杖とって走り出す千鶴、ここから大騒ぎどたばたのチャンバラ→杖を手にした月太郎が追い詰められたところで中ほど。
 ロケ地、博打の借金を返せず船で連れ去られる浅吉、伏見・濠川か。奥医師宅の宴に招かれてゆく千鶴の駕籠がゆく道、松本酒造酒蔵脇堤道。一角と月太郎が踵を返し六庵宅へ向かう堀端、宇治川派流か(その前の帰途の野道は東高瀬川堤か)。なにしろ古いので確実なのは松本酒造の酒蔵のみ。
*阪妻の立ち回りはやはり見応えあり。くっと力を溜める足捌き、ぴょんと跳んでみせる所作、着流しの裾をつまむ手つきも見事。*日本の女目当てで六庵宅に来る露人、千鶴やおもん姐さんを見て「オゥ、ビューティフル」などとやに下がるヒヒ爺、よく見ると志村喬…。
2004/6/25

■ 名奉行遠山の金さん2 第2話「美少女を救え!隠密同心の怒り」1989テレ朝

 阿片摘発のお話、先に潜入の隠密回りが死体で見つかりのっけから緊迫。いよいよ隠密回りとして動く水木同心は総髪・袴姿で行動、潜入先の娘に惚れられたり恨まれたり。
焦点の諸産物問屋は、確たる信念で抜け荷はしているが実は篤志家、阿片を扱うワルは番頭で黒幕は大身旗本という捻りが入っている。旗本の白面の知識人を石橋蓮司が演じてなかなか、酷薄さも白州での憎態も良し。
 ロケ地、北町の隠密回りが死体で見つかる汀、広沢池東岸。水木同心を呼び出す金さん、仁和寺九所明神(文に「鷺神社・金」)。阿片中毒の女郎の死体が上がる汀、嵐山公園中州側岸辺。抜け荷の品を隠してある大黒屋の別業、中山邸通用門。大黒屋が孤児を養育している谷中・常念寺、西明寺山門。
*水木同心、捕物に到着の先輩に「ご苦労」、お裁きを陰で聞いて「甘い/あんなでよく奉行が務まるな」などと偉そうなのもご愛嬌。*牢で大黒屋を密殺しようとするヤクザの手下に福ちゃん、このあとラス立ちにもいるし、お白州でも後列にちんまり座っている。

■ 暴れん坊将軍 II 第61話「さぎりが覗いた暗殺命令!」1983-1987テレ朝/東映

 またぞろ持ち上がる将軍暗殺計画、今度は薩摩の江戸家老。浪人を集めて鉄砲玉にしようとするきったない企みで、その首領格の男とさぎりの悲恋が描かれる。彼とは長屋でお向かいさんのさぎり、忠助にきつく叱責されへこんでいる際浪人と急接近し幼い娘にもなつかれ、ひととき女としての幸福を夢見るのであった。
 ロケ地、お浜御殿の様子を見に行く島村浪人、大覚寺勅使門。その帰途新さんと行き会い浪士団のことを聞かれる、中山邸参道。島村を呼び出し暗殺計画について正す新さん、上御霊神社本殿裏手。お浜御殿へ向け出立の将軍の行列、二条城桃山門前。暗殺に赴いた島村を追うさぎり、追いつく松林は琵琶湖西岸松原。汀には浪人たちを乗せる船が置いてある。ラストのお庭逍遥、二条城清流園
*島村浪人に五鉄亭主・藤巻潤。薩摩の江戸家老に五味龍太郎、強面でメチャ怖。

■ あばれ八州御用旅2 第24話「凄絶!新兵衛死す!」1991TX/東映

 事件は矢木藩の鉄砲密造、事に関わっていそうな名鉄砲鍛冶の親父と知り合う一行、そこの娘に岡惚れ新ちゃん、複雑な家の事情にも深入りしいたく同情、フライングしての乗り込みは失敗し膾となって大童、若い命を散らしてしまう。
 ロケ地、矢木藩の試射場、酵素河川敷。新兵衛の最後の死闘も同所。鉄砲鍛冶・七兵衛の家、「あの」庄屋屋敷、不明。出奔した兄のことを新兵衛に話す七兵衛の娘・絹、広沢池西岸湿地。兄が密かに絹を呼び出す神社、大覚寺五社明神裏手天神島(五輪塔などあしらい墓地設定)。その後その兄に接触の新兵衛、放生池堤。新兵衛の遺骨を抱いて旅立つ藤堂らを見送る七兵衛一家、五社明神

■ 暴れん坊将軍 VI 第49話「天下を正す無頼漢」1994-1996テレ朝/東映

 事の発端は阿片中毒の侍が市中で大暴れ、これが縁で新さんは妙な浪人・深井清三郎と知り合う。彼は阿片のことを知るや、出所を探って強請ると言い出し新さんに協力を迫る。また、阿片中毒の侍を運び込んだ医者が強つくばりで二十両もの治療費を取るのを怒り、阿呆な芝居を打って金を取り戻すなどもしてのける。小金を得るには、大名の門前を借りて腹を切るパフォーマンスで涙金をせびり、真似をする浪人が多発したりする。そして極めつけは元の主家である海津藩に乗り込み無体を強いられている腰元を救い出す大芝居、寛永寺の使僧に化けてひとくさり。そんな彼には卑劣な上司と衝突して藩を退去した過去があり、その上司はいま海津藩江戸家老として幼君をよいことに藩政を壟断、阿片の密売までしているのだった。
 ロケ地、阿片中毒の侍が暴れる芝大神宮境内、上賀茂神社ならの小川畔に露店セット。田之倉邸に乗り込みハラキリパフォーマンスをやらかす深井、姫路城好古園夏木の庭門。介錯してやると言い出すじいから逃げる深井と新さん、好古園の路地を逃げ回り。事後、深井を召し出す上様、姫路城西の丸
2004/6/24

■ 名奉行遠山の金さん2 第1話「帰ってきた桜吹雪」1989テレ朝

 マルチで庶民から金をふんだくる西海屋、裏には次期町奉行を狙う大目付がいて、これを焙りだすためお奉行初手から行方不明に。仲間も平気で消すワルどもの跳梁と、彼らに母を殺され失語症に陥った幼女が立ち直る過程を描く。
 ロケ地、母を殺された現場で遺児・千代に聴取のお奉行、中ノ島橋(刺客出てドボン→生死不明。設定は面影橋、親柱にシール貼ってある)。荒くれ男たちを飼ってある浜町・一休庵、大覚寺東塀木戸。大目付・日向隼人正邸、大門(参道と御殿川も使用)。お紺たちとツナギの金さん、愛宕念仏寺(堂脇、石仏群前)。堀田摂津守と話しながらゆく金さん、大覚寺放生池堤護摩堂前。
*今回は新吾がやっと金さんの正体を知るお話。「あきれたもんだな」と言われちゃう遠山桜、「静まれ」なんて言い返すから笑える。半平と二八も健在、湯屋改装されちゃってるけど潜望鏡でノゾキ。

■ 暴れん坊将軍 II 第60話「易者新さんに万両の夢占い!」1983-1987テレ朝/東映

 ドケチ旗本が古記録を探り、横山町の長屋に明暦の大火の際富商が隠した二万両が埋まっていると妄想、追い立てにかかる。この欲ボケを皆してハメるお話、上様なんか白髪白髯の易者の大家に扮して旗本を振り回した挙句、最後にはべりべりと変装をはがし成敗のラス立ちになだれ込み。ドケチ旗本に藤岡重慶、手下の地回りに汐路章、これに対抗する女口入屋に西川峰子とキャストを見ただけで騒がしい一話、スラップスティックコメディなので殺陣もどたばた。
 ロケ地、お駒に話を聞く新さんのくだりや、お駒の子分が生計のため蜆採りの川、地回りと立ち回りのお駒の段など、上賀茂神社ならの小川が多用される。ラス立ちの護持院ヶ原は下鴨神社河合社脇〜糺の森林間。

■ あばれ八州御用旅2 第23話「ご赦免花の咲く日迄」1991TX/東映

 島抜け男を匿う藤堂夫妻、無実と訴える彼のため「私用」で動く。偽証で彼を罪に落とした幼馴染の同僚との哀話があり、ここから町奉行所与力と組んだ前橋宿の金貸しの悪行が明るみに出る。
 ロケ地、金を掏られて難渋の巳之吉に声をかける上州屋、鳥居本八幡宮鳥居脇。牢内で巳之吉に故郷の話をする喜三郎、祭礼の村イメージに鳥居本八幡宮、谷イメージに保津峡落合。巳之吉の島送り、広沢池東岸(柵セット)

■ 斬り捨て御免!2 第24話「鬼番所皆殺しの罠」1981

 息のかかった幕閣や商人が相次いで変死するのに業を煮やしたワルの総元締が、遂に三十六番所を突き止め総攻撃をかけてくる。やり口は手の込んだもので、白翁から依頼の大目付奥方の箱根療養の警護に罠が仕掛けられる。箱根へ出向いた一行はもちろん、留守を預かる伝さんにも魔手は伸び次々と非業の死を遂げるが、刺客団を指揮する浪人は出雲が息子の命を救ってくれた男と知り苦悩の果てわざと斬られ、黒幕の名を告げて死ぬ。
 ロケ地、会津市兵衛の息子が溺れるのを助ける大将、保津峡落合(巖上、河口、崖上)。奥方の駕籠が襲われ引きずり込まれる桜田大木戸手前の武家屋敷、相国寺光源院。誘き出された掘割で膾となって斃れる伝十郎、大覚寺大沢池堤。妙秀尼が持ってきた伝さんの遺髪を見せられる大将、護摩堂。ここを出た出雲が刺客と斬り合いは天神島への朱橋上。大殺陣の程ヶ谷宿はずれ・阿弥陀ヶ原、不明(饗庭の演習場みたいな高台の原っぱ)。石舟庵、不明(第一シリーズ一話で出たのと同じ萱葺き門)。白翁邸、中山邸(門、無畏庵前苔庭)。死んだ三人の墓、糺の森。街道筋は不明。
*リーダーの会津市兵衛にモロボシ・ダン、暴将などに出る際の情けない被害者づらはなくきりっとかっこいい役回り。出雲が単身乗り込みの石舟庵、警備手薄?冒頭番所の会話で音声が途切れるのは何なんだかよく判らない。

■ 暴れん坊将軍 VI 第48話「人斬り子守唄」1994-1996テレ朝/東映

 市中で斬りつけられめ組に保護された島帰りの男、かつて仕出かした殺しは縁薄い娘に金を残してやるため、しかし奇縁は巡り、殺した相手は娘の養父だった。彼を主の仇と狙う青年が娘の婚約者だったりもして、もつれた事情の果て男は娘の白無垢を見て死んでゆく。
 ロケ地、島帰りの時次郎が出島屋と会い五年前の事を語った件を報告の庭番、二尊院紅葉の馬場。時次郎の娘が勤める茶店、上御霊神社参道にセット(以降、恋人と会うくだりに合祀摂社も映る)。出島屋から出た船手奉行の駕籠がゆく武家屋敷街、妙心寺衡梅院(佐竹邸は不明)。佐竹のことをじいに聞く鯉に餌やりの上様、坂口(池の切石橋上)。母の墓参のお咲、大覚寺五社明神二尊院墓地。このあと時次郎が襲われるのは五社明神。刺客を撃退した新さんが時次郎に事情を聞く、放生池堤
2004/6/23

■ 斬り捨て御免!2 第23話「死を呼ぶ子守唄」1981

 公金横領の罪を着せられ詰腹の尼崎藩士の遺児が、二十年の雌伏を経て父を嵌めた家老とその手下に襲い掛かる。息子は役者に、娘は侍女として共に悪家老の娘の側室に近付くが、二人殺したところで敵に察知され敢無く斬殺。また、目撃者のおせんが巻き込まれ落命するに至り地下室へ。
 ロケ地、元尼崎藩勘定方だった中津屋の死体が見つかる、相国寺天界橋たもと。尼崎藩江戸屋敷、大光明寺(南東塀越しショット、方丈と前庭、通用門、門)。おせんに声を掛ける尼崎藩士、中ノ島橋(橋上〜橋下)
*市村梅之丞の芝居を見て感激・ぐずぐず涙する数馬、出し物を「こころなかてんあみしま」と読みとっつぁんに馬鹿にされる場面あり、おやつの白玉を盗み食いされたうえ代わりに碁石を入れられたりして弄られまくり。

■ 暴れん坊将軍 II 第59話「日本一のゴマすり坊主」1983-1987テレ朝/東映

 ゴマすりヨイショで大名に媚びを売りまくる茶坊主、福助。彼の恋人は錦絵に描かれるほどの美女で、猟官運動のギフトにと目を付けられてしまう。町で彼らと知り合った新さんは、福助に策を授け筆頭老中に媚び諂う大名どもを焙り出しにかかる。この間拉致など荒っぽい展開あり、救出の際にはめ組が入り込んでいるほか、美女に化けておさいが白無垢着ていたりとドタバタで終わる。
 ロケ地、箱根山中、老中へのギフトにするつもりで招ばれた公家の姫が撃たれる、琴滝。お仙が拉致されかかるのを阻む久ちゃんと新さん、大覚寺大沢池堤。お城の廊下を拭き掃除の福助、相国寺方丈縁先。城の太鼓台外観イメージに鐘楼。福助が同僚にシメられる、林間
*福助にうえだ峻、ヨイショ茶坊主も見ものだが、事後もう媚びは売らないとばかりにニコリともせず座っている姿が傑作。お仙の錦絵を見た加納じい、にまにま笑い「ワシはまだ生々しいぞ」…。なかなか場を去らないおさいに難儀するさぎり、上様の「カーン」も彼女が去ってからで後回しに。

■ あばれ八州御用旅2 第22話「恋女房が消えた!怒りの裏街道」1991TX/東映

 凶盗のかしらを捕縛し江戸へ向かう一行、手下どもはこれを取り戻すため藤堂の妻をさらうという挙に出る。新兵衛くんのフライングで凶盗を逃がした挙句志津も戻らない最悪の事態、しかし医師として真摯に立ち回る彼女に打たれた盗っ人の手下が情報をリーク、悪企みは潰えるのだった。凶盗が哲之介の「大事な人」の仇、というエピソードも挿入される。
 ロケ地、江戸、野末のきぬの墓に参る哲之介、酵素河川敷。哲之介の回想、道で伏せるきぬを助ける川辺、保津峡落合河口。きぬが投宿の湯治場、日吉山荘。志津が往診に出てさらわれる屋形船繋留の汀、広沢池東岸。新兵衛くんが独断で凶盗と志津を交換の田無宿・総持寺、大覚寺五社明神。黒頭の千蔵一味が目をつける田無宿−青梅宿間の名主邸、摩気民家(北面)。一味の手下を追い詰める藤堂、鳥居本八幡宮(本殿前、広場)。志津の交換場所に指定される豊鹿島神社、摩気神社。事後、志津を連れ街道をゆく藤堂、谷山林道

■ 長七郎江戸日記2 第32話「おれんの逆襲」1988.11.22日テレ/東映

 縁日で唐突に子供を預けられてしまうおれん、抜け荷騒ぎに巻き込まれる。ドラマは、おれんと少年が機微を通わせるに至るプロセスを描く。父の遺訓を守り誰も信じようとしない男児は、捨て身のおれんに次第にほだされてゆく。最後まで男児が着ている、ぶかぶかの父の法被が泣かせる。
 ロケ地、おれんが春吉を託される縁日、今宮神社参道にセット。子を奪いに来る侍たち、合祀摂社前。同じ日に死んだ人の墓へ春吉を連れてゆくおれん、神護寺墓地か。抜け荷取引の浜、広沢池東岸
*抜け荷の黒幕で次期勘定奉行を狙っている旗本の用人に福ちゃん、けっこう台詞もあるし劇中「ゴウダ」とか呼ばれてるのにクレジットに役名なし。一味の南町与力には立川三貴、ぎょろっと目をむいてなかなかワルい。

■ 暴れん坊将軍 VI 第47話「盗賊の娘」1994-1996テレ朝/東映

 父を盗っ人と知らなかった娘、知っていて原因は自分と心痛める母、本格のお盗めの老盗は手下に裏切られ無念のうちに死ぬ。彼らの思いを汲んだ新さんは、裏にいて糸を引いていた勘定奉行を探り当て成敗。
 ロケ地、言いがかりをつけ丁稚をいたぶる侍を懲らしめる新さん、仁和寺参道に縁日セット。これを見て新さんにボディガードを依頼のお清、御室八十八ヶ所・大窪寺前の石橋。父が盗っ人と知り荒れるお清を酒肆から連れ出し諫める新さん、走田神社本殿前、参道。お清を連れてゆく「父」の報謝宿の百姓家、。「父」の隠し金が隠匿されている本所満徳寺、不明。事後、奉行のことを怒る田之倉のじい、二条城清流園。所払いとなった母子がゆく街道、嵐山自転車道
2004/6/22

■ 斬り捨て御免!2 第22話「妖しく匂う無情花」1981

 奸計に落ち詰腹を切った老南町与力、家は改易となり娘も婿養子も孫も悲惨の極みに追いやられる。子を亡くし夫を斬られ自身も傷ついた女は、夜鷹に身を落とし復讐を期すが敢無く討たれ、子の骨箱を抱いて事切れる→地下室。
 ロケ地、釣りの出雲が普請場で人夫らに嬲られている浪人・岩崎に助け舟を出す、柊野堰堤下岩上〜左岸河川敷。とっつぁんが岩崎夫婦に金を貸していた御数奇屋坊主のことを報告も同所。南町奉行所、大覚寺明智門
*御数奇屋坊主に汐路章、ふさふさ眉毛がラブリー。志津に高田美和、とっつぁん一目惚れ。

■ 暴れん坊将軍 II 第58話「泣いて馬謖の怨み節」1983-1987テレ朝/東映

 大岡さま苦悩の一話。生き別れとなっていた腹違いの妹が凶盗の一味として捕われるが、彼女は空しく旅に散った母のことで大岡の家を怨み、忠相を失脚させようとの意図を持っていた。この盗っ人一味を飼っていたのは作事奉行、盗み金を猟官運動に使い、妹の件で忠相を辞めさせて後釜に座ろうと企むトンデモ男。彼らに消されかかった忠相の妹は改心するが時既に遅く、一味の浪人の凶刃に斃れるのだった。
 ロケ地、冒頭め組のお参り、上御霊神社本殿〜舞殿前参道。忠相の妹・おぶんの回想、巡礼の雪道に倒れる母、相国寺墓地入口門前。庭番に作事奉行の調査を命じる新さん、上御霊神社参道に茶店セット。凶盗一味と座敷で次の南町奉行はワシとブチ上げる作事奉行、料亭外観に錦水亭。妹と遊んだ谷中の墓地、塔下に佇み遊ぶ子らを見る忠助、金戒光明寺文殊塔。飼っていた小鳥を放すおぶん、一味の鮫三らが駆け寄り逃げろと示唆するもおぶん暗殺を請け負った仲間の浪人がずいと現れる、上賀茂神社神事橋たもと〜奈良社まわり。新さんに助けを求めたおぶん、忠助との想い出を話す神社、吉田神社竹中稲荷(舞殿まわり、石段、重ね鳥居下)。谷中墓地で浪人に刺されつつ忠助のもとに辿り着くおぶん、くろ谷墓地石段。事後、吹上御苑で桜花のもと酒盃を上げる上様トリオ、相国寺大光明寺石庭。
*ラス立ち福ちゃん入り。

■ あばれ八州御用旅2 第21話「旅人平八郎怒りの賭場荒らし」1991TX/東映

 舞台は下仁田宿。二足の草鞋を履く親分は、郡奉行や南牧関所代官と組んでか弱き庶民の生き血を啜る凶悪なワル。ツブレ寸前で娘を売りに来た百姓を、あるときは博打に誘いあるときは街道に襲わせ、娘を売った虎の子を奪うという血も涙も無い悪行を重ねていた。事実を知ったカルテットの怒り炸裂、女郎屋で小百合と哲之介が大暴れのあと、哀しい父の死を見て白頭巾発動「叩っ斬る」。
 ロケ地、中山道倉賀野宿の南、鏑川沿いの下仁田街道をゆく藤堂と新兵衛、桂川亀岡付近か。南牧関所、酵素ダート。下仁田宿、身売りを前に祠に祈る父と娘、大覚寺五社明神本殿と舞殿。お尋ね者にされた藤堂が隠れるのは本殿内陣〜大沢池畔。
*女郎屋の主が成敗され、それぞれに散ってゆく三人の女。あとに残ったお女郎さんたちはどうなったんだろう…嬉しそうに見送ってるけど。

■ 暴れん坊将軍 VI 第46話「帰って来た次男坊鴉」1994-1996テレ朝/東映

 恩ある名主が冤罪に落ち刑死、渡世人・藤十は仇を討つため江戸に帰還、そこは二度と戻らぬ覚悟で去った故郷だった。幼馴染の恋人が兄嫁となったことで武士を捨て江戸も捨てた藤十、仇の代官を斬るがこれが回りまわって兄の仕業と疑われる羽目になり、また兄は遺留品から弟の帰還を知りただ黙す。根幹には代官を使嗾し私腹を肥やしていた勘定奉行の悪行、兄が疑われる仕儀となった「果し合い」の一件も昇進を餌に妻女に悪さを仕掛けたこいつがらみ。藤十を暗殺させ、ワシの身は安泰と呵呵大笑の座敷には上様に乗り込まれてしまい一巻の終わり。
 ロケ地、神谷覚之進に妻女とお奉行が××と吹き込む代官・岩松、大覚寺勅使門橋。藤十が江戸入りの船、桂川罧原堤下。代官御用邸、大覚寺明智門。果し合いをすっぽかし酔って帰る岩松を襲う藤十、中ノ島橋上。神谷の妻女の噂について報告の小雪、相国寺宗丹稲荷。神谷邸、相国寺大光明寺(門、玄関先、東塀)。藤十を探し船宿へ向かう奉行の手下、大覚寺大沢池堤(朝右衛門に釣竿で追い払われる)。藤十の素性を話す朝右衛門と新さん、放生池堤上に茶店セット。船宿を出た藤十が奉行の手下に襲われる、相国寺大光明寺南路地〜湯屋西側の林間、塀越しに大光明寺方丈大屋根が見える珍しいショット。神谷の妻女に藤十の思いと神谷の真意を告げ去る新さん、帰途の風景は仁和寺中門(二王門背景)、塔。
*代官に五味龍太郎、勘定奉行に立川三貴、どちらもねっとりとワルい。朝右衛門登場、刀傷に堪能とか言って藤十の手当てさせる上様…ついでにボディガードも。
2004/6/21

■ あばれ八州御用旅2 第20話「水郷に咲いた夫婦花」1991TX/東映

 舞台は下総佐倉、頼母子講の金を丸奪りし抜け荷の資金に流用する悪徳商人、ヤバくなると佐倉藩勘定奉行の懐に逃げ込み官憲の手から逃れる巧妙さ。こやつらの悪謀の道具に使われ密殺された番頭、残された女房の悲痛を見た藤堂は白頭巾となって「越権」成敗。
 ロケ地、下総佐倉イメージに西の湖太鼓橋付近。講の金を持ち逃げした番頭が縊死死体で見つかる、鳥居本八幡宮舞殿脇。番頭の無実を訴える女房の言葉に嘘は無いと話し合うカルテット、八幡掘明治橋下堀端。番頭の浮気相手とされた起請文の女郎を見てきて、釣りの藤堂に報告の哲之介、大覚寺放生池堤。女郎に名を騙っていた入墨の男のことを話す藤堂、八幡掘白雲橋−明治橋間左岸上段の道〜明治橋下堀端。ラスト、旅立つ藤堂を見遣るおまさ、西の湖太鼓橋上。藤堂の船は湖上へ漕ぎ出してゆく。
*悪徳商人の尻を叩く悪女の女将、ラス立ちでは殺さない藤堂。賞金稼ぎに女に優しいとからかわれるが「どうせ獄門それまで苦しめ」とけっこう辛辣。

■ 斬り捨て御免!2 第21話「江戸浪人街の血闘」1981

 公儀御用の商家に連続放火、実行犯は藩を潰され浪々の身の侍たち。騒擾をもって水野老中を失脚させればお家再興成ると彼らを使嗾の富商、バックに若年寄。しかしこれは騒ぎの間に抜け荷を行うカモフラージュであった。道具に利用され使い捨てられる浪人たちの哀れと、数馬の友で放火犯摘発に燃える新米同心の横死が重なり、負傷した浪人を匿っていて一緒に消される夜鷹の悲劇が上乗せされる。
 ロケ地、町方の摘発で手傷を負った水沼浪人を匿う夜鷹、広沢池東岸に苫船繋留。友人の同心に犯行現場チェックシートを渡す数馬、南町奉行所前は大覚寺明智門。己の行動への疑問を同志に語る水沼、上賀茂神社ならの小川水場。彼らを諭し道具にされていることを示唆する大将は神事橋に腰掛け。苫船を襲われ水沼と夜鷹が殺されたと注進に走るおせん、桂川堤か。
*珍しく伝さん不在。勘兵衛が久々登場、浪人たちにボッコボコ。

■ 銭形平次 第11話「十手返上!罠に堕ちた平次一家」2004.6.21テレ朝/東映

 銭形の親分ハメられて危機一髪の巻。相手は平次にお縄にされ遠島となったことを恨んでいるほか、お静を「盗った」と思い込んでいる変態さん、しかも凶暴。じわじわと迫る魔手、遂に奸計に落ち牢に放り込まれる平次、留守宅のお静に迫る変態さん、絶体絶命の危機に笹野さまの英断で解き放たれた平次の投げ銭が決まる。
 ロケ地、御赦免船が着く浜、広沢池東岸(堤に柵をセット)。お静が旧知の菊蔵(正体は鮫蔵、島帰りの変態さん)と再会の縁日、仁和寺参道。牢内での平次の回想、保土ヶ谷宿での阿片売人・鮫蔵の捕物、広沢池東岸汀。
*平次捕縛を聞き留守宅へ押しかけお静を難詰する民衆、中の一人に福ちゃん。別段の台詞は無いが、殺陣のときのようなかさかさと後退する所作が笑える。

■ 水戸黄門33 第10話「やんちゃ姫の姉探し」2004.6.21TBS/東映

 舞台は宇和島、若衆姿で町をゆくお転婆姫に関わる老公、妾腹の姉を迎えとろうと動く健気さを見てヘルプに入る。これは、桟橋工事にからむ次席家老の悪企みを焙りだす仕儀となる。
 ロケ地、町でコソ泥を追っかける姫と老公、神護寺毘沙門堂〜石段。茶店で名乗りあう(互いに嘘)金堂前に床机セット。大桟橋工事の現場、琵琶湖岸(水制のある汀、湖畔にヤナギ)
*お転婆姫はよくある設定だが、今回の姫様は凄腕の女武芸者・楓を従えている。楓のアクション、殺陣もトランポリンもけっこう見せる。

■ 暴れん坊将軍 II 第57話「突っ張り娘の手毬唄」1983-1987テレ朝/東映

 切れ者の南町与力配下の密偵は娘壺振り。潜入先ではお色気で重宝され、探っていることがバレそうになると天然ボケをかますしたたかな彼女は、岡っ引だった亡父に反発しグレた経緯を持ち、いまその遺志を継ごうとしていた。抜け荷の証拠を掴んだ娘は与力に情報を上げるが、黒幕が老中と知った与力は彼女を密殺し証拠品を持って売り込みに走るのだった。
 ロケ地、地回りから禁制品が流れていると話す上様トリオ、枳殻邸印月池畔。おたかを尾ける新さんのうしろを尾けてきた龍虎が騒ぎターゲットに逃げられてしまう川岸、桂か。その船がゆく、大覚寺大沢池上。ツナギの御籤を結びにゆき地回りの手下に絡まれるおたかを助ける新さん、上御霊神社本殿裏手。賭場の客から鼈甲の櫛を贈られるおたか、本殿前。
*おたかには龍虎が惚れこんで入れあげる設定、純情親方が描かれる。賭場潜入の上様もけっこう天然っぽい。
2004/6/20

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第10話「死の影を追って」1975-1976日テレ/東映

 自死とされた大工の死に納得いかない、恋人の芸者からの依頼。勘定組頭と両替商が改鋳をめぐって企む陰謀を聞いてしまったゆえと知れ「許せん」のよくあるパターン、しかし実行犯に江幡高志、ワルの役人に田口計、用心棒の凶悪な浪人に天津敏など配され見どころ多し。気の強い芸者が御大の娘かもというエピソードも挿まれる。
 ロケ地、大工が投げ落とされる勝福寺の鐘楼(塔とも)相国寺鐘楼。掃除をしていて死体を見つける和尚のくだりに法堂も。江幡高志を始末した浪人がその足で役人を暗殺する夜道、大覚寺五社明神(本殿前、有栖川畔)。両替商・角屋小梅寮、中山邸通用門。ここから出た役人の前にずいと出る夢之介、湯豆腐嵯峨野朝鮮石人像前。
*役人をガードの用心棒の一人に福ちゃん、ラス立ち要員。

■ 新選組! 第24話「避けて通れぬ道」2004.6.20NHK

 腹黒トシちゃん炸裂の巻。動いた事項は局中法度公布と新見に詰腹。
新見をハメるくだりはテンポよく見せる。ちょっとカルいかもの展開も、新見の悪態と鴨の「次は俺」であひゃあひゃになってる演技がよく効いてマル。鴨に殴られた沖田の行く先も期待させ、山南に関しては後段への判りやす過ぎるくらいの伏線が引かれ、今回仲良しの土方との齟齬も楽しみ。鴨に運命を暗示する鸚鵡、傑作。

■ ぼくんち
 二太の外観がええとこのぼんぼんみたいでちょっとアレだが、可愛いので許す。なにより、福本清三と小峰隆司が手をとりあってのフォークダンスが見られるのは貴重。しかし、こういちくんはもちょっとでっぷりした人のがよかったな。舞鶴かどっかの廃坑跡のロケ、なかなか。猫婆、身世打鈴のおばちゃんかな。
2004/6/19

■ 必殺からくり人 血風編 第9話「小判が目をむく紅い闇」1976.12.24ABC/松竹

 いよいよ不安定な世相、官軍の密偵が商家に金を要求してもなんら不思議でない状況のもと、大騙りが出る。その事件の巨額の隠し金から女郎のヘソクリまで、隠匿方法がさまざまに描かれそれぞれに趣向が凝らされる。メインのお話は、ニセ官軍をでっち上げ兄の店を乗っ取る菅貫の陰謀。これに、兄と組んで美人局稼業を張る娘を慕う按摩の哀話がからむ。
 ロケ地、金を騙し取った男に追われるおさよが逃げ込む鎮守、鳥居本八幡宮。湊屋の墓所、相国寺墓地(前の主人の妾を伴うおりくは大光明寺南路地)。ラスト、ヘソクリ隠したお手玉を求め子らを追う女郎、中ノ島橋上。
*菅貫がおさよをねぶねぶのくだり、女優さんキレイなのに菅貫だからかなんかヘン。彼女に恋する按摩はすごくイイ人設定だけど、金隠した壺にはにょろにょろ毒蛇飼ってて、盗るほうが悪いとはいえちょっと怖い。

■ 必殺からくり人 血風編 第10話「とらぬ狸の紅い舌」1977.1.7ABC/松竹

 品川に官軍迫り、民衆は逃げ回り火災避けに家がはつられたり騒然。そんな情勢のもと、暴落した土地を買って一山当てようとする田舎のボン、きっちり詐欺に遭い有り金を無くしてしまう。挙句の果て官軍の先乗りの甘言にうまうまと乗せられ、大金詐取の芝居の道具に使われたうえ斬り殺されるという悲惨。これに裏で進行していたもうひとつのドラマ、ボン夫婦と同郷でボンを慕っていた女郎が、残された妻に夫の遺恨晴らしを示唆するお話が乗せられる。ドライな演技ながら、ねっとりと重いエピソード。
 ロケ地、土地ころがし屋に騙される栄吉が連れ込まれる龍泉寺、粟生光明寺阿弥陀堂。有り金なくし茫然と佇む夫婦、広沢池東岸。賭場にころがし屋を見つけ追う栄吉、相国寺回廊粟生光明寺石段上部(ここでころがし屋とグルの官軍につかまり、うまい話を持ちかけられる)。先乗りの男が勝手に金策と密書を受けた土左ヱ門が赴く総督府、相国寺大光明寺南路地法堂*官軍の先乗りが居座る寺として「龍泉寺」の名が宿場の旦那衆の口から出て、ピーターの寺で開かれている賭場と先乗りのいる寺とは同所のように描かれるが、今ひとつ細かい部分は不明。

■ 必殺からくり人 血風編 第11話「夜明けに散った紅い命」1977.1.14ABC/松竹

 品川には官軍が拠点を置き、「幕府の手先」を摘発しまくる。江戸城が既に無血開城され世の趨勢は定まったなかの摘発は、新政府におけるポスト狙いの汚い行為。しかし人はこれに媚び諂い、陰で泣くのは女たち。表稼業が立ち行かなくなった直次郎は、おりくを挟んだ土左ヱ門への反発もあってか官軍の首狩り犬となってしまい、女たちに嘆きを見せる羽目に陥った挙句裏稼業が露見し、血塗れの膾となって死んでゆく。その不本意とおりくへの思いを汲んだ土左ヱ門は、おりくの衣で彼を包んで送り、官軍へは戻らぬ覚悟で仇を討ちにゆくのだった。
 ロケ地、鈴ヶ森刑場、下鴨神社糺の森池跡・林間。直次郎をイヌに誘う仙吉、相国寺庫裏前。官軍の品川警備隊長に会いにゆく土左ヱ門、法堂回廊。直次郎の遺骸を海に放す土左ヱ門、保津峡。彰義隊の戦が勃発する上野の御山、金戒光明寺三門下に砲台セット。残された三人が別れゆく砲声届く荒野、砕石場か崩壊地形か、風化が激しい。
2004/6/18

■ 斬り捨て御免!2 第20話「女を漁る凶悪の牙」1981

 恋人の子を孕んだことでお店をしくじり、それでも健気に男の帰りを待っていた女。これを慰み者にし、虫けらのように始末しようとする無頼の旗本たち。運強く生き延びる女だが、魔手はしつこく伸びてくる。
 ロケ地、市中をオラオラ状態で闊歩し美人局でハメた商家を脅しにゆくゴロツキ旗本たち、今宮神社東門を出て一和へ。札差・上総屋の娘が墓参の折り、婿予定の旗本について考え直せと忠告のおせん、金戒光明寺石段。恋人を陵辱された友吉がゴロツキ旗本を付け狙うくだりのルート、今宮神社楼門〜東門内石橋〜一和。おしのと友吉がお参りに出た先で無頼たちと会ってしまう、吉田神社竹中稲荷(重ね鳥居下、舞殿脇)。駆けつける出雲は参道石段(見下ろし、両脇の木のシルエット印象的)。上総屋へ婿入りの旗本の駕籠がゆく道、随心院本堂北西角塀。立ちはだかる出雲は薬医門から出てきてここで殺陣。とっつあんの殺陣は拝観入口門前。山門のほうへ去ってゆく番所衆のシルエットが白壁に映える。
*事後、おしのの腹の子の命名のくだり、「吉右衛門」がいいと言い出す大将、年寄り臭いと却下されたり。

■ 暴れん坊将軍 II 第56話「たらちねの恋の歌留多の乱れ舞い!」1983-1987テレ朝/東映

 ちょっと「おじゃる」入りのお姫様は十津川郷士の娘、彼女を押し付けられた芝の宮大工とのラブストーリーが主軸で、ワルは増上寺普請を一手に握ろうと宮大工を消しにかかる。首魁は寺社奉行大検使の「母君」の御隠居、これが物凄いおばさんでワルの材木商とつるみ利権を貪るのだが、姫様に歌留多で負けてあっさり転換し反省しちゃうもんだからワル形無し。それでも力に訴えようとする向きは、上様に成敗されてしまう。
 ロケ地、二子多摩川の渡し、木津川か。仕事中の宮大工が刺客に遭う、仁和寺九所明神。叫び声に駆けつける新さんは前。宮大工の回想、十津川郷で大名主に娘を貰えと迫られる川辺、保津峡。歌留多の会が催される大検使・宮脇式部太夫の佃島別業、中山邸通用門。
*姫様はもちろん大検使の母君もおじゃる風味、感化されたか上様までラス立ちの際万葉歌を口にする妙なノリ。め組の悪ノリは蹴鞠。

■ あばれ八州御用旅2 第19話「女渡世人緋牡丹お絹」1991TX/東映

 舞台は中山道馬鍬宿、養蚕をめぐって地回りと代官が欲をかき民を苦しめる。私財を投じて桑を植え殖産につとめた篤志家の親分が消され、娘は遺志を継がんと肌に緋牡丹の墨を入れ孤剣をふるうがワルの魔手は身内に伸び、この無惨を見て白頭巾発動の運びとなる。
 ロケ地、桑畑、不明。代官所に探りを入れてきた哲之介と藤堂が密談、大覚寺五社明神
*ワルの貸元んちの用心棒に福本先生、お絹をハメようとした盆勝負の場で藤堂とやりあい片腕を落とされる。役名は阿久津。

■ 暴れん坊将軍 VI 第45話「涙を抱いた花乙女」1994-1996テレ朝/東映

 新さんにほのかな思いを抱いた花売り娘は、父の仇を討ちに江戸へ来ていた。彼女が返り討ちに遭い無惨な死を遂げたあと、その姉に事情と娘の思いを聞いた新さん、ウルっときて「恨みは俺が晴らしてやる」。仇の凶暴侍は藩重役や悪徳商人とつるみ、姉の恋人は密命を受け彼らを追っているというややこしい設定が挿まれる。
 ロケ地、花売り娘・おはつが新さんに別れを告げる、梅宮大社神苑汀。その後斬殺されて見つかる大川、嵐峡か。仇討ちの事情を探りに越後飯倉領稲田村へ赴く左平次、不明(本梅町で酷似の一件を見たような)。これを上様に報告の庭、二条城清流園。おはつの姉に形見の小太刀を渡す新さん、墓地(くろ谷か)金戒光明寺本堂前〜梅宮大社舞殿脇(茶店セット)。病の恋人の代わりに決着をつけにゆくおしま、深川八幡は梅宮境内。
2004/6/17

■ 斬り捨て御免!2 第19話「なさけ深川怨み節」1981

 道楽者の主人のため門付けまでして尽くす妻、返ってくるのはDVばかり。そしてイイとこのお嬢さんと出会えば即裏切り、離縁の理由を作るのに御家人仲間をけしかけて辱める。普通はここで三行半で終わり、しかし一味違う欲深さ、スーパーロジックで岡場所売り飛ばしのうえ最後は嬲り殺し。看取る出雲に託された言葉は「どうかこの怨みを」→地下室。
 ロケ地、釣りの出雲に声をかける妙秀尼、広沢池東岸。小沢と作事奉行令嬢の出会いの山門、不明。市中、小沢の内儀を呼びとめ「涼しいところ」で話す出雲、保津峡落合河口右岸に床机セット。岡場所を逃げ出した内儀、家に表札無いのを見て呆然と歩く橋、中ノ島橋。作事奉行本所別業、不明(竹垣)

■ 暴れん坊将軍 II 第55話「お駒かなしや島帰り」1983-1987テレ朝/東映

 数奇な運命の果て、岡場所で人を刺し遠島となった女は大赦で帰還。新さんやめ組の厚意で職を得るが、奉公先には彼女の産んだ娘が養われていた。名乗り出られず身を引く女、しかし娘に降りかかる危難には身を捨てて立ちはだかり死んでゆく。
 ロケ地、龍虎が患者の材木商・木曽屋に声をかける、今宮神社稲荷社前。刀に触れたと打擲される島帰りのお駒、東門内石橋たもと。木曽屋で同僚に陰口を叩かれ落ち込むお駒が佇む河岸、大沢池南堤(材木などあしらい)。木曽から帰った才蔵が木曽屋の娘はお駒の子であると報告、大覚寺五社明神内陣。木曽屋の娘が拉致される、大沢池東堤

■ あばれ八州御用旅2 第18話「過去を捨てた逃亡者」1991TX/東映

 新兵衛くんの剣友が、侍を捨てて生まれ育った地に戻り新たな人生を始めるお話。
父が開墾した山に骨を埋める覚悟の矢野大助、遺志を継ぎ温泉湧く山あいの地を湯治場にしようと鍬をふるう。これに邪魔が二方から入り、ひとつは斬ってしまった汚職上司の息子たちで、これは仇討ち免状も無い「仕返し」。いまひとつは当地の代官が温泉使って企む一大歓楽地建設計画「山の吉原」。なんとか矢野を追い出そうとする代官の策謀のすえ犠牲者が出るにおよび白頭巾が発動し、藤堂は温泉に名をつけて立ち去るのだった。
 ロケ地、佐竹宿手前の街道筋、茶店で休むカルテットは谷山林道。温泉の出る楢山、酵素河川敷(木の前に小屋セット、川にドライアイス置いて温泉を演出)。江戸へ戻った新兵衛が道場仲間に矢野の経緯を聞く橋、大覚寺参道石橋

■ 暴れん坊将軍 VI 第44話「大江戸あばれ主従」1994-1996テレ朝/東映

 田之倉のじいのもとに紀州から訪ねてくる姪、用件は母の決めた縁談がイヤだから叔父様どうにかして。この娘が、道中でお庭番の血染めの密書を預かってきたりするからややこしいことに。じいは別口で猟官運動しまくりの奏者番の恨みを買っており、消された忍びはこやつを追っていた。じいを襲う凶刃に上様が立ちはだかって毒にやられたり、姪がさらわれたりする荒っぽい展開ののち、上様は行き違っていた若い二人を結びつけてハッピーエンド。
 ロケ地、冒頭め組の女たちにからむ浪人を川に叩き込む武家娘、木津川か。高坂藩上屋敷、大覚寺大門。城の庭で田之倉に姪と会った話をする上様、二条城清流園。紀州、野遊びの律(田之倉姪)に馬上から声をかける「婿候補」沢井、山室堤道。浅草付近、江戸見物の律と舟遊びの新さん、大覚寺大沢池(船)。これを見て身を乗り出し水に落ちる沢井、大沢池堤。姪と沢井の話をしながら歩くじいと新さん、仁和寺鐘楼前〜手水場脇石段。差し込みを装ったくの一に襲われたじいを庇い斬られる新さん、観音堂脇の植え込み。奏者番・建部が律を拉致しじいを呼び出す吾妻の森、鳥居本八幡宮(広場、鳥居下)
*六郷の渡し船上でおさいに絡み、居合わせた律に投げ飛ばされる浪人、福本先生。水中でじたばたしながらフレームアウト。これでラス立ちにも出ているんだから侮り難い。
2004/6/16

■ 長七郎江戸日記2 第31話「同心物語 父ありき」1988.11.15日テレ/東映

 玉川上水改修をめぐるキナ臭い動き、これで娘婿を失った老同心は病を押して探索し、普請奉行らを突き止めるが返り討ちに。死にゆく男から事を託された長さんは、ワル揃って高笑いの座敷に乗り込み破邪の双剣を振り下ろす。
 ロケ地、無理矢理酒を飲まされ崖から落とされる太田屋の夜間シーン、西明寺参道を効果的に使用。現場を見に来た長さんが同心殺しを見るくだりでは山門石段も映る。遺留品の持ち主・巴屋の人足頭が普請方の三木に呼び出される龍泉寺裏手、金戒光明寺鐘楼裏手〜本堂脇。墓参帰りの同心の妻と話す長さん、放生池極楽橋上。老同心を介抱する長さん、経蔵。同心の墓もくろ谷と思われるが、真宗の戒名見えたので保留。
*老同心に佐野浅夫、はじめに長さんの刀を見て正体に気付いてた設定を微妙に演じマル。

■ 斬り捨て御免!2 第18話「すすり泣く尼寺」1981

 亡霊憑依もの。取り付く相手は首斬り役人、血に飢えた狂犬のような男。「出る」のは尼さんの集団、一人は狂犬の元妻女。所業に脅え出家していたのを見つけ出され、手ひどいやり口で他の尼さんごと惨殺され埋められて、出る。
幽霊騒ぎは誰かの仕組んだこと、などというよくある話でなくマジに出るお話。でも出るには出ても憎い相手がキョーレツに悪くて取り殺せず、出雲に頼むことにした幽霊ははつねに憑依してお願いに来る。半信半疑でいた大将、事実が裏打ちされ、再び憑依されたはつねが呼びに来るのに従い、たった一人で狂犬集団を退治に出るのだった。
 ロケ地、はつねが「尼」に呼び出され寺に赴く際、狂犬・長柄九十郎に道を聞く坂、金戒光明寺永雲院下坂。荒れ寺の尼寺(塀が瓦練り込み)、不明。尼寺で死体が掘り出されたと手下に聞く長柄、長安院下坂。河原で藁づと斬りの長柄、堤をゆく尼さん見て惑乱し斬殺、桂川亀岡付近か。春香尼の墓、不明(片方崖地)
*長柄に寺田農、目が病犬そのもの。四人セットで出る尼さんたちもコワいが、刀架の刀から夜中に滴る血の描写もコワい。霊界でも評判の鬼番所も怖い。

■ 暴れん坊将軍 II 第54話「恐れ多くも婿殿は上様!」1983-1987テレ朝/東映

 抜け荷と切支丹疑惑で磔になった長崎の商家、当時の担当与力は幼女まで殺すに忍びず匿い、養女として育ててきた。これが元長崎奉行・現大目付に知れ、娘をタテにとっての要求は将軍暗殺への加担だった。
 ロケ地、遠乗りの上様を襲う刺客、下鴨神社馬場(失敗)。匿われた娘とともに来たじいや(葛飾在住)が襲われ逃げる、中ノ島橋〜橋下河川敷(飛び込み)。翌日、江戸に辿り着いた老爺が新さんに看取られる、仁和寺観音堂脇。お波を呼び出し事情を聞く新さん、九所明神。上様の遠乗りを鉄砲方が待ち構える野、下鴨神社馬場。刺客との立ち回りは池跡
*平戸屋の遺児との関わりは、養父である鉄砲方の矢沢がたまたま出会った冷や飯食いの徳田新之助を婿にと願い出ることから。矢沢に長門勇、当初はコメディタッチのほんわかドラマ、大目付に因果を含められて以降は泣きの入る人情劇に。

■ あばれ八州御用旅2 第17話「女郎花は咲かず」1991TX/東映

 舞台は浅間山麓の草ヶ根宿、事件は悪代官が絹の織元や地回りと組んでの私腹肥やし。前の織元の遺児二人がそれぞれ賞金稼ぎと小百合に絡んでくる。渡世人となっている織元の息子と、女郎に叩き売られた妹の悲哀に、賞金稼ぎの純愛の思い出が被る人情ドラマが紡がれる。
 ロケ地、草ヶ根宿手前の茶店、谷山林道。小百合が負傷した渡世人を見つける、保津峡落合河口左岸汀。小百合が渡世人を養生させている宿場はずれの水車小屋、広沢池西岸湿地にセット。

■ 暴れん坊将軍 VI 第43話「八丁堀情話 悪名の女!」1994-1996テレ朝/東映

 阿片入りの妙な薬が流通、これを追う南町与力。彼の家庭で起こる人情劇を絡める。根幹のドラマは、「父の女」を許せない娘の反発と、先代から受けた御恩に報いようと体を張るその「女」の和解を描く。麻薬は旗本の名家の殿様が「お家芸」とかいってごりごり自分で調合していやがるトンデモ設定。
 ロケ地、旗本・安藤邸(上屋敷)、不明。与力の娘が麻薬製造・流通一味のならず者と密会の出合茶屋、錦水亭。前後の「天満宮」は長岡天神境内と思われる。先代の恩について新さんに話す与力の愛人、嵐山公園中州北岸(濁流が流れている)。事後、与力のその後を談笑の上様トリオ、二条城清流園
*堅物与力に伊吹剛、娘に反抗される親父を渋く演じる。ラストはぼろぼろに負傷、この人の見せ場にはなんか膾姿多いような。*ラス立ちに福ちゃん、都合三回「おわぁ」とのけぞり。おまけに旗本の手下の峰蘭太郎も同様にのけぞっていて笑える。

■ 必殺からくり人 血風編 第8話「帰らぬ愛に泣く紅い旅」1976.12.17ABC/松竹

 情勢更に緊迫、品川宿には箱根の戦の敗残兵が帰着。重傷を負い明日をも知れぬその一人が白濱屋に保護されるが、将来を誓い合った女は品川でジゴロの食い物にされる女郎と成り果てていた。同情したおりくが最後のひととき思う男と添わせたいと願う心も空しく、性悪なジゴロの手管で惰性に流れた女は、知られたくない身の上を瀕死の男に聞かれたうえ死に目に会えずに終わる。
 ロケ地、日々に倦む女が佇む浜辺、および狂女となって彷徨う多摩川べり、罧原堤下汀
*ジゴロに綿引洪、乱暴で冷血な色悪を熱演、もうドロドロ。
2004/6/15

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第9話「八百八町連続爆破」1975-1976日テレ/東映

 富商に爆弾が仕掛けられ、犠牲者多数。依頼はこれで子を亡くした母から来る。犯人は政治的不満分子と思いきや、新式火薬を作って騒擾の世に売り出そうという欲がらみ。師に裏切られ果てた若侍と恋仲になっていたおくみちゃん、兄と共に仕置に出向き仇を討つ。
 ロケ地、九丁堀稲荷、広沢池東岸。硝石会所焔硝蔵、大覚寺明智門。おくみと高木のデート、今宮神社(数回デートの場面あり、東門内橋、本殿、合祀摂社、稲荷社など各所を使用。祭神については出雲から勧請とおくみの発言あり)。向陽塾、中山邸門。仙波屋爆破実行犯の塾生が死体となって浮く大川、嵐峡左岸汀。
*高木塾生に河原崎建三、青い書生を好演。師匠には岡田英次、インテリの大ワルがなかなかハマっている。*爆弾の破片から向陽塾が浮上、山形大弐の柳子新論が書写された反故という設定。

■ 斬り捨て御免!2 第17話「女恨みの辻が花」1981

 連続殺人に見え隠れする女、挑発するかのように置かれるエキゾチックな遺留品。背後には十五年前に両親を謀殺された娘の深い恨みが潜んでいた。殺された側のほうがワルいと当初より踏んでいた出雲は娘に別の人生をと忠言するが、女は無謀と思える行為に突っ走ってゆくのだった。
 ロケ地、和泉屋殺害のあと追われ橋から船に身を躍らせる女、渡月小橋。船徳の船着場、広沢池東岸に桟橋セット。大目付・矢吹典膳邸、大覚寺大門。雨宿りの出雲がおりんと入る茶店、中ノ島橋たもとにセット。典膳の誘いに乗り裏河岸へ船をつけるおりんたち、大覚寺大沢池船着(小)。典膳と一味に斬殺されるシーンは大沢池畔。事後、流れ損ねた燈籠を押し出してやる出雲、広沢池東岸汀。
*長崎の記号にうんすんカルタなど。おりんの両親謀殺の理由づけの隠れキリシタン疑惑、これがタイトルの辻が花。絞り模様が十字に光るのをクルスとこじつけ。

■ 暴れん坊将軍 II 第53話「春に切ない夢芝居」1983-1987テレ朝/東映

 欠所物奉行が両替商と組んで働く悪事、濡れ衣着せて商家を滅ぼし財を横取り・加えて跡地も不正手段でゲットを狙う。この手立てに使う幽霊芝居、雇った役者が下町の人気女形で、彼を巡って離村せざるを得なかった農民の哀話が展開される。
 ロケ地、女形玉五郎こと仙吉と話す新さん、上御霊神社(舞殿でお神楽、脇に茶店をセット、仙吉を見張るならず者は本殿でお参り、逃げ去るのは本殿裏手)
*女形にせんだみつお、ちょっと乱暴だが妹思いのイイ奴を演じるが…「道中」の際胸毛毟ってるのはいったい…。ラストには有島一郎の女形のしぐさも…じい、上様の胸元をしなしなと触る。ラス立ちには福ちゃんが見えるが障子で半分以上隠れてる。

■ あばれ八州御用旅2 第16話「阿片地獄に散った華」1991TX/東映

 江戸へ帰る道で阿片の噂を聞いた藤堂は、岩淵宿の名に反応。そこには彼の学友が医院を開いているのだった。岩淵で時を過ごすうち事態の核心に迫ってゆく藤堂、友人の医院が爆破され、せっかく助けた阿片中毒の芸者も暗殺されてしまい白頭巾発動、見たくなかった真実が暴かれる次第となる。
 ロケ地、江戸へ戻るトリオが休む茶店(岩淵の噂を聞く)酵素ダート。岩淵宿入口の土橋、不明。藤堂の長崎時代回想、高台から見える海、琵琶湖か。阿片の栽培をしている北山、酵素(ちらっと河川敷、哲之介が上がってくるのは降り口、待避所に小屋の壁セット)。宗庵に阿片中毒の芸者を見たと話す藤堂、大覚寺天神島祠裏の汀。呑んだ帰り、宗庵夫婦と藤堂が襲撃される道、五社明神。阿片を抜くため芸者を込める水車小屋、酵素木の裏手にセット、川の水量常より多し。
*宗庵に西田健、敵わぬと見るやへいつくばり「俺が悪かった・諦める・これからは貧しい者のために・無二の親友じゃないか・魔が差した・見逃せ」と息つく間も無くまくし立て、隙見て発砲という姑息ぶりが小気味よい。善良そうな医師とワルのおかしらとの演じ分けもなかなか。爆破のくだりと芸者の中毒んとこちょっとかなりアレだけど西田健がいいので許す。*宗庵の銃撃で白頭巾の衣装に初めて血がにじむ。

■ 暴れん坊将軍 VI 第42話「黄金地蔵が呉れたお母ちゃん」1994-1996テレ朝/東映

 御用金強盗出る。こやつらが金を隠匿したお堂にたまたま入り金を発見した飛脚は、一部をガメ以降仕事もやめてしまい散財の日々。そんな父を案じ、また小判に不審を抱いた子らはめ組へ相談、これは上様の知るところとなり、御用金の件も放蕩親父の件も解決に向かう。
タイトルの「母」は、金の在り処を探るべく勘定奉行とつるむ富商から飛脚のもとへ送り込まれた芸者が、大岡裁きにより女房として納まるエピソード。「地蔵」は飛脚がガメた金を埋めた野末のお地蔵さん、新さんのお芝居で子らに仏の声が降ってくる。
 ロケ地、御用金強奪の東海道大森付近、不明。賊が金箱を隠匿する閻魔堂、御室八十八ヶ所御堂。勘定奉行・安西兵庫頭邸、相国寺大光明寺。飛脚が賊に金の在り処を迫られるくだり、仁和寺金堂脇〜鐘楼。子らが蜆採りの川、上賀茂神社ならの小川
*飛脚に島木譲二、パチパチパンチも披露。福ちゃん、二態で登場。飛脚が芸者を助けに来るくだりで浪人(フレームから体半分出てるが「おぅぁー」の呻き声で知れる)、ラス立ちで勘定奉行配下の家士(上様に二回ぶっ叩かれる)。
2004/6/14

■ 斬り捨て御免!2 第16話「三々九度殺しの盃」1981

 小唄の師匠が浮気をバラすと脅していた富商の後添え、女の秘密は浮気などという可愛いものではなかった。師匠が殺され、ご新造のまわりに不穏なストーカー、散らばる印を掻き集め出雲は富商の寮に駆けつけるが、時既に遅く富商の死体を見る→地下室(今回は罪状述べ立てナシ、みんな立ったままでそのまま出動。蝋燭斬りもナシ)
 ロケ地、夜の神社で女から金を受け取る小唄の師匠、下鴨神社楼門。その帰途二人の男に尾けられる師匠、ならの小川石橋二の鳥居河合社〜セットにスイッチ。山城屋根岸寮、中山邸通用門。旗本・小笠原典膳邸、大覚寺大門

■ 暴れん坊将軍 VI 第41話「陽気な剣客」1994-1996テレ朝/東映

 バイトに精出すアカるい侍・原田平八郎と知り合う新さん、一献傾けたあとはもう新さん平さんの仲。一方、め組の小頭は病の夫を助け健気に働く美人妻に入れあげ、世話を焼きまくる。しかし彼らは追う者と追われる者という悲しい運命を背負っていた。
夫妻が追われる理由は殿の意に逆らったゆえの上意討ち、乱行の噂ある藩主は天守に監禁されていたことが知れ、上様の殴りこみに。平さんは誤解のうちに若妻に刺されるは、家老の手先にめった刺しになるはで絶命。看取る新さんの姿に「夢灯り」鳴り出し、懐手して夜の町をワルのもとに向かうシーンにスイッチ。
 ロケ地、土木作業のバイトする平さんを見る新さん、桂川松尾橋上手河原(新さんのいる映画村日本橋と似た欄干を手前に置いて)。篠に追われる事情を聞く新さん、大覚寺放生池畔〜五社明神。平さんが篠夫婦の討手であることを打ち明ける、仁和寺九所明神。襲われる篠を助け、家老の手先を水に叩き込む新さん、天神島(平さんが刺されるのもここ)。め組を抜け出した平さんが藩士らに討たれる、南禅僧堂坂。事後、藩主帰還を告げるじい、二条城清流園

■ 銭形平次 第10話「切腹直前!殺人者にされた与力」2004.6.14テレ朝/東映

 笹野さま奸計に落ちるの巻。恩人の息子を遺言に従い厳しく諫めた結果は、逆恨みされたうえ己の悪行を誤魔化すため冤罪に落としにかかるというトンデモ。牢に入れられピンチの笹野さまを、平次が救い出す人情ドラマが展開する。
 ロケ地、奈良屋の番頭が首吊り、大覚寺天神島。奈良屋の向島寮、宝厳院参道〜通用門。奈良屋の女房が田宮の手下に消される、大覚寺五社明神本殿(刺客は有栖川脇の道へ逃走)
*笹野さまが奈良屋を殺った証拠とされる刀の血曇り、鯉を裂いてつけたもの。これを拭った懐紙に鱗付いててバレバレ。しかも奈良屋と笹野さまの文、筆跡でバレバレ。どこまでも粗漏なおぼっちゃまなのであった。*事後、平次へのお礼に酒と鯛持ってくる笹野さま、鯛が激しく養殖くさい色…こんなのに高価な天然ものは使えないだろうけど…あとで食べるのに着色避けてたりして。

■ 暴れん坊将軍 II 第52話「母よ喜べ親父が立った!」1983-1987テレ朝/東映

 普請方下役の山川六兵衛は昼行燈と侮られる気弱な男、しかし妄想パワーは物凄く、あらゆる場面できりっとしてかっこいい自分を夢想する。そんな彼が巻き込まれる普請奉行の汚職事件、上様は勇気を奮って告発せよとけしかけ、ラス立ちでは彼を庇っての大立ち回り。
*普請奉行と組んで人足費用を大幅にピンハネの口入屋、手下に福ちゃん、役名は勘助。め組の仕事にケチつける、新さんに懲らしめられる、奉行接待の席で大はしゃぎ、奉行を脅した侍をぶっすり刺すなど出まくり。最後はラス立ちで才蔵にばっさりやられて海老反る。*おまっちゃんに絡む人足に小船秋夫、これもいい味。

■ あばれ八州御用旅2 第15話「女三度笠涙の迷子札」1991TX/東映

 賭場をしくじって追われる男を助けた小百合、断末魔の男から故郷の母へと金と遺品を託される。伊勢崎へ現れた小百合は股旅姿、遺族に金を届けるが献上手織を巡る騒動に巻き込まれるのだった。
 ロケ地、街道荒らしの賊をお縄にして中山道をゆく藤堂と新兵衛、小休止の倉賀野外れの川辺、保津峡落合崖下巖頭。小百合が負傷した旅人に金と遺品を託される、落合崖道。新兵衛くんが賊を括った縄持って鵜飼状態になってるのは清滝河原(見下ろし)。伊勢崎宿、ルーレットで野博打を開陳の哲之介、今宮神社境内。遺品を届けた先の娘に糸不足と聞く小百合、東門内石橋上。旅立つ八州トリオ合流の街道、大覚寺放生池堤
*今回の見ものは小百合の旅人姿、夏樹陽子キレイすぎ。。伊勢崎の地回りとやりあうくだりでは、助けに入った藤堂に「おや平さんかい/雑魚は頼んだよ」とやるのが傑作。これはカルテット揃う宿で自分たちでネタにしてたり。

■ 水戸黄門33 第9話「痛快!チビッコの悪退治」2004.6.14TBS/東映

 千太の手違いで土佐へ。ここで抜け荷事件に関わる一行、当の品物を偶然拾ったやんちゃな男児を助けて動くアキちゃんに、運び屋の一味は阿呆な目に遭うのだった。
 ロケ地、運び屋・黒潮の鉄五郎たちが抜け荷のイヤリングを紛失する石段、神護寺鐘楼下石段
*やんちゃ次男坊に好かれる留じいに奥村公延、浦屋の女中も彼に心を許す設定、櫛届けに行ったり菓子買いに行ったりしてるだけなのに存在感が凄くて巧いの一言。*鉄五郎をシメにゆく老公、ヤクザの大親分を装って脅しにかかる。名乗りは雷の光右衛門…伝法な口調はけっこうお似合い。
2004/6/13

■ 必殺からくり人 血風編 第1話「魔窟に潜む紅い風」1976.10.29ABC/松竹

 時は慶応四年、官軍東征に緊迫の品川宿。臨時の検問所が設けられ、大砲の試し撃ちの音が響き騒然。そんななか、白濱屋に通行手形を頼みに来る旅の母子あり、身を売ってでもヤミの手形を入手しようとするが汚い役人たちの魔手に落ちてしまう。お話はこれが主軸で、チーム各人の個性が手際よく語られ、拾われて仕置に参加する土左ヱ門の経緯は事件にうまく絡めてある。
 ロケ地、三田の薩摩藩邸、相国寺林光院(内側からの撮り)。お寺で茶を運ぶ新之介について歩き「からくり人か」と口にする土左、黄檗山萬福寺天王殿から開山堂にかけての回廊。
*土左ヱ門参加の経緯がやはり見もの。官軍の密偵であることはおりくに看破されており、土左はスーパーロジックで強引に押し通す。からくり人たちが身構えるシーンも秀逸、おいねの鎌が見られるのは確かこの回だけ。

■ 必殺からくり人 血風編 第2話「非道にたてつく紅い刃」1976.11.5ABC/松竹

 土左ヱ門に榎本武揚暗殺の指令が短筒とともに来る。また、直次郎を育ててくれた女郎・お梅(現役・51歳)が転がり込む。着々と暗殺の準備をする土左の話と、お梅が貯めこんだ金を盗られて殺される悲話が描かれ、最後はお梅殺害犯に仕置が下される。奇しくもターゲットは土左の同志を殺した男で、憎悪は倍加され血の雨が降る。
 ロケ地、お梅が気弱そうな兵士と心中しに来る桟橋、広沢池東岸。直次郎の名で騙され呼び出されるお梅、広沢池東堤並木。消されるのは桟橋上。
*捨て子で、女郎に拾われ遊里で育った直次郎の過去が語られる。お梅には浅香光代、べったべたの女の性を熱演。同時にこれもベタの母性が描かれる。*土左の得物は支給された短筒、もう倒れてるのに四発も発射。

■ 必殺からくり人 血風編 第3話「怒りが火を噴く紅い銃口」1976.11.12ABC/松竹

 時代を読み官軍に投資しようとする商人。しかしその金はとてつもない汚いやり口で得たものだった。これに絡んで直の幼馴染が相次いで殺され、怒りに燃える彼におりくも単独行動を許可、官軍がらみと踏んだ直が土左をシメるシーンも描かれる。そして結局皆で薩摩藩士に決死の覚悟でかかってゆくが、ここに土左の援護射撃が来て味方をも撃ち貫くのだった。
 ロケ地、伊勢屋が金を隠匿する水車小屋、堀川河床(改修前の涸れ川)にセット。伊勢屋とツナギをとった帰り、行為の卑劣さをボヤく土左、降りた堀に直が待っていてびっくりは嵐山公園中州岸。その後船に乗った二人が着く木杭、桂川大堰(ここに直の幼馴染の死体が引っ掛かっている)。土左に一服盛られた直をおぶって歩く幼馴染の男が撃たれる汀、中州岸→撃たれて川にドボン。その後死体は流され水路の堰堤(桂川用水取水口の横)をずり落ちる。おりくへの思いのことで追っかけっこの直と土左、中ノ島橋上金戒光明寺石段中程(この部分は止め絵をコマ送り、石段では徐々に距離を縮めるさまが表現される)。水車小屋、不要となった者たちを射殺するスナイパー、土左が追い詰め刺殺し川へ投げ落とす、中州舳先付近。水車小屋から金が搬出されるところを襲う直たち、土左は中ノ島橋の橋脚にまたがり遠方から援護。小屋からの帰り、土左の背を見つめるおりくと直、中ノ島橋(土左はライフル担いで橋下)。事後、闘鶏に興じる土左、鳥居本八幡宮舞殿脇〜鳥居下。
*水車小屋内部の描写、普通の水ぐるまでなく、珍しいバッタン(唐臼)が使われているのも面白い。

■ 必殺からくり人 血風編 第4話「大奥の天下に挑む紅い声」1976.11.19ABC/松竹

 直が拾った捨て子は幻の16代将軍、この期に及んで後継がらみの陰謀を画策する大奥のお局さまが描かれる。仕事は直の個人的感情からのものでまたタダ働き、しかし実行には新之介の協力なくして不可能ゆえ直さん自腹切って十両を置く(でも借金)
 ロケ地、新之介の寺へ参詣のお局さま・染井、相国寺回廊。和尚に相手を頼まれ「誰があんな糞婆と」と毒づく新之介、方丈(内側から入口付近を見たショット)。ふりきって出てきて「可愛そうな新之介」と呟くのは法堂基壇南東角。長持に入れられ江戸城御局御門をくぐる新之介、大覚寺勅使門橋。イメージの天守、彦根城
*お局と結託の商人のもとへは直と土左、この際おいねが金を盗ってきて直さんに渡す、これをおりくも肯定。

■ 必殺からくり人 血風編 第5話「死へ走る兄弟の紅い情念」1976.11.26ABC/松竹

 おりくの元許婚者が現れる。別れた理由はからくり人稼業の継承、今その理不尽な別れの償いをと膝を折るおりくの姿が泣かせる。
洋妾がらみの事件で捕まった若侍が一人仕置場に晒され、兄は黙ってその前に座り続ける。その姿は民衆を動かし暴動が発生、やっかい払いに処刑が早められるところへ、からくり人たちが奇計を用いて奪取する。土左の「屋根からライフルで援護射撃」はあるものの、チームの殺しは無し。
 ロケ地、洋妾の駕籠と騎馬の異人がゆく道、下鴨神社馬場。このあと神社へずかずか入り土足で舞殿を闊歩、楼門を騎馬で出てくるところへ「天誅」、この騒ぎのなか洋妾にされた恋人をさらう紺次郎、林間へ逃れる。追い詰められ海にドボンは保津峡落合崖上の道〜巖頭。洋三と会い紺次郎奪還の依頼を出してくれと迫った帰り、土左にまつわりつかれるおりく、琵琶湖岸。彰義隊が籠る上野のお山、粟生光明寺山門〜石段上部(本堂大屋根バック)、この部分は止め絵で。

■ 必殺からくり人 血風編 第6話「悲恋を葬る紅い涙」1976.12.3ABC/松竹

 公にはできぬ仲の幇間と深川芸者の夫婦、女の晴れ舞台を飾ってやりたくて借りた高価な簪、この一本が二人を死地に追いやる。
舞台が深川から品川に移るとお話はいきなり殺伐、三十両の支度金欲しさに幇間は海軍に身を投じ、金を返すため芸者を身売りを決意する。別々に起こした行動、二人が再会するのは欲まみれの艦長のキャビンだった。
 ロケ地、賭場ですった帰りの土左が海軍兵士(新之介の寺が宿舎)と行き会う寺の回廊、相国寺方丈前。宇佐美の閲兵、方丈前庭。幇間と芸者の死体上がる浜、広沢池東岸汀。
*兵士姿の彦六(幇間)と白濱屋で交歓の土左さん、開洋丸に乗り込みライフルをぶっ放す際にはこのとき共に唄った戯れ歌を口にするのも面白い。

■ 必殺からくり人 血風編 第7話「恨みに棹さす紅い精霊船」1976.12.10ABC/松竹

 白濱屋で景気よく金をばらまく講の一団、おいねの客になった世間知らずっぽい若者は彼女に妙なユートピアを説き、遂には連れ去る。その後、一団がとんでもない悪辣にして凶暴な集団と知れる。
おいねが去って寂しくてヤケ酒を呷るおりく、男達がささっと寄ってくるのが笑える。また、謎の精霊村を探すくだりも凝っていて面白い。
 ロケ地、精霊村は常より派手な爆破シーンがあるので、いずこかの砕石場と思われる。うらごろしのガレ場にもよく似ている。ここから逃げた男が撃たれて海ドボンは保津峡落合巌頭。軍艦見張りがてら釣りの土左ヱ門、琵琶湖西岸・桟橋上(ここで三崎屋のどら息子の死体発見)。遠出を密偵仲間に告げる土左さんのシーンはこの桟橋の下。おりくが沖に船を出して精霊村へ届くよう精霊船を流す、琵琶湖(遠景に高島の岬)。精霊村を探し疲れた三人がへたりこむ崖、保津峡落合巌頭。流れついたおりくの精霊船を見つけ伝う岩場は落下岩(見上げ)

■ 新選組! 第23話「政変、八月十八日」2004.6.13NHK

 8.18の政変に際し容保公から格別のお言葉を賜る勇、あらためてうるうる目して感激。でも語られる内容ってば、容保公が孝明帝から賜った厚情についてで、勇に下命したとき帝のお気持ちが真に理解できたというもの。なんか人心掌握術っぽいぞ。
そして浪士組にも禁裏守護の持ち場が与えられるがやはり蚊帳の外、待ってただけ。これで決意固める土方、策謀炸裂の気配。沖田くんは相変わらず鴨べったりで鬼畜くさい。
しかし御所の建礼門あたりって、あんな狭いかなー。セット作らずにロケすればいいのに。甲冑つけて痒がる鴨に「何かの虫が湧いて」は聞くだけで鳥肌。
2004/6/12

■ OTSUYU 怪談牡丹燈籠 1998津島勝監督作品

 圓朝の怪談を翻案して描く、CGも派手な一作。
新三郎に取り憑くお露の妄執を時の流れの中に置き、時空を超えた情を表現。主軸のお話は江戸期設定、前後に戦国期と現代のエピソードを入れて仕上げてある。お露に従って「出る」のは妹、他に新三郎側の人間として元家来で友人の伴蔵を配し狂言回し的役割を持たせる。新三郎を悪霊から守ろうと法力を駆使する坊主を麿赤児が演じなかなかブキミ、お札ストームに梵字ビームなどの派手な技も披露。
冒頭「戦国期」のくだりで僧に指摘されているとおり、お露の執着は良い結果を生まない方向で話が進み、妹も不幸に落し「蛆たかれこころきた」姿で浅ましく新三郎に取り憑くさまが描かれるが、己が事態を悪化させた当人の癖に、亡霊の哀れに感応する伴蔵の一掬が泣かせる。
亡霊との「対決」は盂蘭盆が過ぎる迄の四夜を丁寧に描写、最後の日東雲かかる空に霊は結局新三郎を連れてゆくが、スイッチした現代の産院のくだりは些か未消化のきらいあり。
 ロケ地、戦国期から江戸期にスイッチの一幕、夢から覚める新三郎は大覚寺護摩堂縁先。渡し人足に嬲られているお露を助けるシーンは大沢池畔。おぶって渡る六郷川?は木津川。新三郎がお鈴と見合いの神社、今宮神社(参道に縁日セット、お鈴が待っているのは楼門下、若い二人の会話は高倉下に茶店セット、二人を見遣るお露が盆飾りの燈籠持って立ってるのは稲荷社)。お露が伴蔵にたばかられ連れ出されるやしろ、鳥居本八幡宮(鳥居下〜舞殿)
2004/6/11

■ 斬り捨て御免!2 第15話「闇夜になく母子鶴」1981

 欠所物奉行と膳問屋が組み、次々と大店を陥れ欠所に追い込む。目的は各店に収蔵されていた仁清・乾山・光悦などの家宝。潰された一軒の遺族の世話を焼く気のいい青年は、女将の薬代のため動き、その過程で抜け荷偽装のからくりに行き当たる。用心棒に刺された瀕死の彼を実母のもとに運びこむ出雲、涙の対面の直後事切れるのを見て地下室へ。
 ロケ地、おせん達が出ていて数馬をからかったり、懐に富山絵を持つ男と会うのは中ノ島橋(男が消されるのは橋下)。欠所物奉行宅へ赴く大津屋、相国寺大光明寺南路地〜邸は林光院(内側からの撮り)
*奉行が宝物ねぶねぶの座敷へ乗り込む番所衆、大将の剣は奉行の脇差を真っ二つにして額を割るが、この激しい殺陣にも茶碗とか壊れてない。

■ 暴れん坊将軍 II 第51話「走れ!盗っ人父子の千両旅」1983-1987テレ朝/東映

 賊の上前をハネる北町奉行、これに引っ掛かって息子をタテに脅される盗っ人を遠藤太津朗が演じる人情劇。父を庇うはねっかえりの息子も泣かせる一話、この子を親切面して引き取ろうとする奉行の手下に三島ゆり子が配されていい味(子供の顔をぎぎーってつねったり)。
 ロケ地、夜嵐の政五郎がおつとめに失敗し息子と逃げて潜む橋、下鴨神社瀬見の小川石橋(撮影当時は涸れ川)。金を埋める林、河合社裏。父の捕縛後、息子をめ組に預けようとして逃げられる新さん、探しに出る林、大覚寺大沢池堤。子が佇んでいるのは水門脇。急のお召しに参上の北町奉行、仁和寺宸殿。奉行にアガリを強要されている盗っ人をシメて連れてくる庭番、大沢池堤
*今回のワル・北町奉行は上様の断罪にも悪あがきしまくり、切腹か斬罪か迫られてどっちも嫌「この場にて死ぬのは上様あなた」とブチ上げるも家来は恐れ多いと尻込み、でこれをばっさりやる凶暴なヤツ。あとはフツーに立ち回りのすえ成敗される。*賊の息子の養子話に付き合い、ワルに消される岡っ引に「江戸を斬る」で閻魔の伊蔵の下ッ引やってた人。

■ あばれ八州御用旅2 第14話「炎の地獄に見た人情」1991TX/東映

 お話は、沼田藩郡奉行が川場村で働く無体を白頭巾が出て闇に裁くものだが、村に老人保養施設をとアジる先生や、過去を忘れて二人の子と暮らす酒肆の女将の哀話がメインテーマ。
郡奉行と組んでるワルときたら、売り惜しみの漆問屋や、乱暴極まりない地回りで、しまいには一村を召し上げて一大歓楽地建設に邁進したりと極悪。これらに蹂躙される民、奉行の配下に消されまくるが、若い二人が残り新しい人生を紡いでゆく。
 ロケ地、片品川沿いの会津街道を川場村さしてゆく八州トリオ、谷山林道。奉行の贄に供された娘の死体上がる河原、亀岡盆地の桂川畔。酒肆の娘・お市がさらわれかかる、神護寺鐘楼下石段。小百合が煙玉を投げつけて阻む、和気公廟所入口。酒肆の女将に過去の経緯を聞く藤堂、広沢池北西畔。事後、藩公の声掛かりで老人保養施設の縄張りがなされる、酵素河川敷
*今回、白頭巾の送り状は酒肆の女将の元亭主のゴロツキの背に小柄で縫いとめられてぴろーんと開陳。登場の際は影が三様で表現され勿体をつける。

■ 暴れん坊将軍 VI 第40話「吉宗、騙りを働く!?」1994-1996テレ朝/東映

 旗本御家人を脅迫し強請りを働く目付衆、献残屋と組んでウハウハ状態。悪事に気付いて消された徒歩目付の娘と、彼に恩を感じる浪人に仇を討たせてやる上様、ラストは二人の祝言で幕。浪人が探索のため「大岡越前守」を騙るのだが、エチゼンなんて言ってませんよイチゼンです、私の雅号です姓は大岡です邪な人が勝手に聞き違えるのですと強弁の浪人が傑作。目付に脅されていた旗本邸に証拠を取りに行く新さんが浪人に「上様を騙って」と思わせるのがタイトルの謂。
 ロケ地、徒歩目付暗殺の夜道、大覚寺五社明神心経宝塔への道(雨、塔はライトアップ)。残された娘に話を聞く新さん、茶店は大沢池南堤にセット(遠景に護摩堂と塔)。献残屋を尾行する浪人が刺客に囲まれる、上賀茂神社奈良社ならの小川。「騙り」設定で上様が入る腰物奉行邸、門は大覚寺大門、庭は鹿王院客殿前の庭。ラスト、婚礼にじいを誘う上様、二条城清流園
*献残屋に河合伸旺、証拠を残さぬため白扇を小道具に使うコスいやり取りの際も、さすがの憎態さでマル、白髪のちょん髷がよく似合う。*娘をさらう段、見張り役の浪人に福本センセイ、きょろきょろと落ち着かないふうにあたりを睥睨、め組が殺到するのに体を引いてビビってみせる。このくだりにも居て、ラス立ちにはファンキーなお顔で断末魔の小船秋夫もいい感じ。
2004/6/10

■ 斬り捨て御免!2 第14話「幽鬼が狙った瓦版」1981

 瓦版にネタを提供する早筆人・仁助は、姉からもたらされた情報をもとに勘兵衛に大店の娘のスキャンダルを書かせるが、当の二人は心中。その後ネタは姉の夫の仕込みと知れ、裏には札差を潰す御側衆の企みがあった。
 ロケ地、信濃屋の娘と手代の死体が上がる向島河岸、罧原堤下汀。御側衆・仲沢外記邸、相国寺大光明寺門。事後、ピクニックの番所衆、保津峡落合河口右岸側巖頭。

■ 暴れん坊将軍 II 第50話「女だてらの荒療治!」1983-1987テレ朝/東映

 暴れ馬から幼女を救い重傷を負う新さん、これが女医と知り合う導入で、医者はのちに「母上様」として出てくる玉緒ちゃん。お話は、小石川療養所のヘッドが行う高貴薬の横流しを摘発するというもの。正義感のつよい女医とともに療養所へ潜入の新さん、蔵に押し込められていた重症患者を救い、ワルをまとめて成敗。
 ロケ地、療養所へ潜入している忠相の密偵と女医の娘が将来のことを話す水辺、大覚寺大沢池堤。ワルのもとに騎馬で駆けつける上様、神護寺山門をくぐり石段上に駒を止める(ワルを断罪する上様の横で、白馬が耳をぴこぴこ動かしているのが可愛い)。ラス立ちは石段和気公廟所前。
*事後、女医のもとで修行しようとしていた吉宗だが、と終わるナレーション。画は幼女を怖がらせ泣かせてしまい治療にならない新さん…どういう意味なんだ。*療養所から持ち出す薬の荷を阻むめ組、警護の役人と争う。役人の一人に福本先生、樽に入った久ちゃんにかかってゆき手鉤でぐっさりヤラれて「うわぁ」。

■ あばれ八州御用旅2 第13話「檜舞台の罠!旅役者涙の晴れ姿」1991TX/東映

 大奥にはびこる禁制品、阿片まで蔓延する事態に立ち上がる八州トリオ。一方、賞金稼ぎはドサ回りの一座に拾われもぎりのバイト。病み付き、生を終える前に江戸の檜舞台を踏みたいと渇望する座頭に禁制品を運ばせようとしたワルの陰謀は、藤堂らに阻まれる。裏切られ虫けらのように殺された座頭の亡骸を抱き嘆く哲之介を見た藤堂は、白頭巾となり現れる。
 ロケ地、大奥の女が身投げを偽装されて殺され、漁師の網にかかる、保津峡落合。御側衆・神保豊後守邸、大覚寺大門。抜け荷が密かに運ばれると聞き馬を飛ばす新兵衛、谷山林道。摘発にかかる六郷川・登戸の渡し、桂川(亀岡盆地)。哲之介がバイトの花村菊之丞一座が小屋掛けの宮、平岡八幡宮参道。江戸へ赴く一座、谷山林道

■ 暴れん坊将軍 VI 第39話「死を呼んだ悲願花」1994-1996テレ朝/東映

 普請下奉行と材木商が結託し、架空取引をでっち上げ私腹を肥やす。この悪企みに用いる毒を作らされていたのは、左平次の幼馴染の医師だった。
 ロケ地、名義貸しの巳之助を追う普請方同心が用心棒に襲われる、仁和寺観音堂。釣りに来て同心と芸者の心中死体を見る新さん、大覚寺放生池堤。この際使われた毒について心当たりを報告の左平次、天神島。幼馴染の医師・永山を問い詰める左平次、天神島朱橋上。巳之助が始末される、相国寺鐘楼脇。毒を渡したことを後悔し、お甲を追う永山を紀州屋の番頭が阻もうとする、今宮神社合祀摂社前、境内。
*医師・永山が研鑽のすえ抽出に成功の毒は彼岸花の根汁。花は、上司毒殺の吉報を待つワルの座敷の床の間に派手に活けられていたりする。これが上様の放った正義の扇に散らされる趣向、あとに首ちょんぱの彼岸花が茎を林立させている画も挿まれる。*ラス立ちは福ちゃん入り、上様にぶっ叩かれ、左平次にばっさり斬られ、も一遍上様にばっさりでその都度派手にのけぞる。
2004/6/9

■ 長七郎江戸日記2 第30話「待ちわびて千鳥橋」1988.11.8日テレ/東映

 毎月七日、暮六つに千鳥橋に現れる娘。雨の日も風の日も一年以上そうしている彼女は、長崎から帰らぬ男を待っていた。男は当地で抜け荷の咎で捕まり、店は身代限りとなり贖罪は済んだ筈なのに帰らない。この裏には、男を陥れ高麗人参を一手に商い大儲けを企んだライバル店がおり、長崎奉行所支配組頭から異例の出世を遂げた勘定吟味役が後ろ盾についていた。
事件を洗い直し、男を生き証人として江戸に伴った徒歩目付は消され、男の行方を追う手下は病篤い母親をシメて死に至らしめる。この悲劇に、長七郎ぎみの双剣が悪をぶった斬る。
 ロケ地、徒歩目付が品川宿で失跡と報告の六さん、大覚寺大沢池畔に茶店セット。届け物のお紺が通る道、放生池堤。岡っ引に囲まれ清七の居所を手荒く迫られる、五社明神裏手。勘定吟味役について報告の六さん、大沢池船着き(大)
*勘定吟味役の手下に福ちゃん、次の間に控えてる姿も肩で判る。ラス立ちでは二回、派手に海老反り。吟味役は江見俊太郎。

■ 斬り捨て御免!2 第13話「血染めの千両富」1981

 富籤不正もの。箱にからくりを仕込み、自在に操ろうとして失敗のヤクザは当り札を探し出そうとする。当選者は大工の平太、頼まれて半分権利を買ったとっつぁん。このあとヤクザとのすったもんだには平太が身請けしようと頑張っていた妓が関わり、彼の幸運も純情も踏み躙られてしまう。男らしく女をあきらめた平太の肩をぽんぽん叩く大将は、ほとんど鬼平。
 ロケ地、富籤開催の回向院、ヨロキンの宿命剣鬼走りで出てきた、馬鹿たれ息子が斬られるとこ…不明。釣りの大将に富突きの際尾張の栄造が不審な態度をと告げる妙秀尼、広沢池観音島。栄造とつるむ寺社奉行、役所は大覚寺明智門。平太を欺いた妓が男と逃げる途中、やっぱり平ちゃんに悪いと逡巡の橋、中ノ島橋。この二人を消しに来た按摩偽装の殺し屋、出雲に斬られて水落ち。
*盗られた当り籤はラス立ちの際とっつぁんが大事に保護、しかし前祝の祝宴には千扇から料理人が来て、炭を熾していた。*栄造の情婦に白木万理、ねっとりとワルい。

■ 暴れん坊将軍 II 第49話「血涙!享保の巌窟王」1983-1987テレ朝/東映

 今回は旅もの、福井へやった才蔵からのSOSを受け出向く新さん。そこには、前家老を闇討ちし、藩主を監禁して藩政を壟断する悪家老がいた。
負傷した才蔵を保護していた前家老の姉弟を助けて動く新さん、海辺で派手な大立ち回りを演じワルを成敗、姉弟に仇を討たせ祝言まで世話してやるのだった。
 ロケ地、抜け荷船が着く三国港、間人海岸。藩主監禁の岩牢は立岩の洞窟という設定。才蔵が保護されていた入江の船小屋は広沢池畔にセット。
*巌窟王はちょっと言いすぎかもの福井藩主、髭ぼうぼうで月代は伸びてるが。これを救出したあとラス立ち移行、上様と仇討ち姉弟はお着替え済ませて晴れ姿、藩主はそのまま…巌窟王だもんな。

■ あばれ八州御用旅2 第12話「愛を切り裂く高瀬舟」1991TX/東映

 舞台は常陸土浦、大町宿。のっけから荷の強奪あり、船頭が落命。船頭の店には山崎がバイトに入っており、殺された男とかなり親しく、藤堂らにライバル店の仕業と予断を与える。しかし探るうちおかしな動きが次々見られ、代官とつるんだ真の悪が焙りだされてゆく。
 ロケ地、大町へ向かう八州トリオお休みの利根川畔の茶店、罧原堤下河原にセット。船頭が荷を襲われ刺されるのも同所。殺された船頭の妹がライバル店の若旦那と密会、走田神社(参道、本殿外塀際)。船頭と父の墓、広沢池畔。

■ 暴れん坊将軍 VI 第38話「名探偵!新井白石」1994-1996テレ朝/東映

 お話は、小判改鋳に際し不正を働く勘定奉行を追い詰め懲らしめるもの、これを調べていた勘定吟味役が金座に銅を納入した業者を乱心して殺す形で消され、遂には調査を命じた老中が城中で毒殺される。事件の闇に迫ろうとする新さん、ここに消された者たちと親交のあった老儒者・新井白石が関わってくる。
 ロケ地、新井白石邸門、不明。金座、大覚寺勅使門。勘定吟味役の不審死を受け老中と図る白石がゆく道、南禅寺僧堂坂。老中邸裏門は僧堂通用門。勘定奉行・萩原近江守邸、大覚寺明智門。刺客に襲われる白石、南禅寺僧堂坂。駕籠かきに急を聞く新さん、法堂前。老中頓死を聞く鯉に餌やり上様、二条城清流園。老中に茶を出した茶坊主の死体が上がるのを見たあと萩原の駕籠と行き会う白石、妙心寺涅槃堂前路地。白石と会った印象を忠相に話す上様、二条城内濠端。許婚者の娘に婚約解消を言い渡す白石の息子(作事奉行)梅宮大社神苑。息子の様子を聞いて駆け戻る白石、新さんとばったりは妙心寺福寿院道入口の四つ角。自刃しかける息子を止める白石、鹿王院客殿縁先。白石の息子が金沢藩の岡嶋仲道に材木の手配を頼みにゆくくだりで映る金沢城、本物。萩原邸へ潜入の左平次、御殿川河床に身を潜める。金座に向かった小雪、御殿川沿いの塀際をそろそろとつたう。
*白石に長門勇、暴将ではお馴染ゲストだが第6シリーズまで来ると、初期シリーズの浪人役とは違う使われ方をする。上様に「大久保彦左衛門のような爺」と称される如くの役回りで、ビジュアルも完全にお爺様。徳田新之助が上様と知れるまでは、持ち味のぶつぶつボヤく軽妙なやり取りが続く。
2004/6/8

■ 斬り捨て御免!2 第12話「女はかない哀れ花」1981

 仇討ちで負傷した男を助ける女、はじめ亡くした弟と重なり、甲斐甲斐しく世話するうち思う心募る。女の生業が提げ重と知れても男は去らず女との将来を夢見るが、実りかけた愛は上つ方の思惑により摘み取られて終わる。
 ロケ地、工藤栄之助が仇の今井正二郎を見かける茶店、今宮神社門前・一和(東門から和尚の相手を終えたおけいが出てくる)。今井に斬りかかり、共にいた用心棒に斬られ水に落ちる工藤、中ノ島橋。三十六番所からの帰り、瀕死の工藤を助けるおけい、中州岸。村松藩江戸屋敷、相国寺大光明寺門。同朋衆・千阿弥邸、林光院。おけいが潜入し中間に今井の姿を見せられるのは大光明寺中仕切り戸
*刺客が蹴散らしていったおけいのラッキーグッズの朝顔、出雲が持ち帰り「地下室」に置かれるほか、事後千扇の女将に世話が託される。今回とっつあん不在。

■ 暴れん坊将軍 II 第48話「初午に燃えた江戸っ子神輿」1983-1987テレ朝/東映

 お祭りにたかるハイエナ、タカマチの権利を詐取し既存の店を追い出しにかかる。これを巡る大騒動に、妹を愛してしまった兄の哀話が挿まれる。
 ロケ地、烏森稲荷、今宮神社境内各所(ヤクザが柵を立てて妨害は参道)。元のタカマチ・大島屋に事情を聞く新さん、大覚寺五社明神。兄がグレた訳が判らないと話すおきよ、護摩堂。奉行所へ非道を訴えようとした大島屋が消されドボンは大沢池。その死体を見に来る新さん、放生池堤。兄・佐吉をシメて家出の理由を聞く新さん、天神島
*実は兄妹に血のつながりなくメデタシのちょっと都合良過ぎの結末だが、佐吉が妹を意識するきっかけが行水覗きだったり、佐吉が捨て子と聞いての新さん発言「佐吉、自分を責めることはなかったんだー」って酸素の吸い過ぎぽいぞ上様。また今回乗り込みの際「天下の将軍吉宗と名乗っても」とやるのはいいが、お面のデザインがちょっとアレでなかなか笑える。*寺社奉行と組んで悪企みの口入屋に江幡高志、かなり憎さげなワルを演じるが、ラス立ち斬られ表情がコミカルでやっぱ江幡高志。*西崎みどり、今回も被害者…なんてよく似合うんだ。

■ 暴れん坊将軍 VI 第37話「冷や飯剣法恋囃子」1994-1996テレ朝/東映

 側室の子を世継ぎにと上州・安中藩で持ち上がるお家騒動、正室に子を生まれては困る一派が陰謀を仕掛けてくる。謂れ無き罪で藩主から致死を命じられる正室、乳母親子の献身とかつての恋人の助けに加え上様の「裁可」下り自由の身となり、幸福に向かって歩き出す。
 ロケ地、正室が殺した態を繕われ見つかる役者の死体、大覚寺放生池堤。安中藩江戸屋敷、妙心寺聖澤院。正室の役者殺しの件について伝播早すぎと庭番に調査を命じる上様、嵐亭(縁先越しに庭)。安中藩、お国御前が藩主に正室を讒言の庭、梅宮大社神苑。正室の身代わりとなって死んだ乳母の娘の弔いの寺、不明(妙心寺と推測されるも中から撮られては無理)。乳母の娘の墓、二尊院墓地。大目付に駕籠訴の乳母、大覚寺大門前。ラスト逍遥の庭は嵐亭(こちらは建物バックの庭)

■ あばれ八州御用旅2 第11話「三吉馬子の唄なみだ唄」1991TX/東映

 山中藩で持ち上がる後継を巡る騒動。世子死亡を受け、藩主が望むは昔狩りの折手をつけた女が産んだ野育ちの落胤、しかし側室の父・城代家老はこれを阻むべく刺客を差し向けてくる。殿の命で十年も母子を見守り、その母に恋情を抱くも押し殺してきた侍がワルの手により落命するにおよび、八州のおじちゃん怒りマックスとなり白頭巾で城代屋敷に乗り込み。
 ロケ地、奥州街道をゆく八州トリオ+1、山中藩領手前で馬子の少年に声を掛けられる峠道、谷山林道。馬に揺られゆく道、幼児が殺された現場に行き会う、罧原堤下汀。馬子・三吉の家、酵素河川敷にセット。三吉がお城に上がるか、母と暮らすか決断を迫られる石段、神護寺石段(上に藩主、下に母子、藤堂は中ほど)。母子を守り抜き果てた望月の墓、酵素木の傍。
*次期藩主の座を投げ捨て母と暮らすことを選び取る三吉、側室の子には罪なしとする藤堂の進言を容れる藩主。涙なみだの人情話だが、藩主と三吉の母の馴れ初めがちょっとアレ。狩りに出て雨宿りの殿様が野の小屋に入りお稲と出会うのはいいが、雷に脅えたお稲が殿様に抱きつくのがきっかけなのも別段いいが、「一つ屋根に閉じ込められたのも何かの縁じゃ」ってがばーって襲う殿様…それではケダモノ。矢とか背負ったままだし。
2004/6/7

■ 斬り捨て御免!2 第11話「忍びよる恐怖の影」1981

 子の薬代のため一夜身を売る女、間の悪いことにその連れ込み宿から強盗を目撃してしまい以後追っ手に脅える日々。せっかく寄場から夫が帰り再就職も決まったのに、出雲が悪者は任せておけと言ったのに、強盗一味に突き止められ刺される薄幸の女、ずっと節目がちの暗い顔から十分に予想された結末は、闇裁きのあとの後日談で想像を裏切る。
 ロケ地、一家揃ってお参りの弥生神社、わら天神(本殿、参道)。女を買った商人が殺されて見つかる神社裏、大覚寺天神島。後任の勘定奉行に決まった黒幕・黒田刑部邸、大門式台玄関

■ 暴れん坊将軍 VI 第36話「鬼同心が泣いた夢」1994-1996テレ朝/東映

 亡くした女房に酷似の女郎に肩入れする北町同心、侠気に感じた両替商から大金を都合して貰い身請けまでする。しかし太っ腹な両替商が凶盗に遭い、同心はガラのわるい口入屋に返済を迫られる。ここから道を踏み外す同心、押し込みの手伝いまで話が進むが彼に助けてもらった女郎の懇願に土壇場で翻心、しかしワルの刃は彼を刺し貫くのだった。
凶盗は職権濫用で見回り中「下見」という火盗改長官の仕業、女郎屋や口入屋とつるみ悪いことしまくり。
 ロケ地、筑後屋の死体を検分したあと、供養のため自分が捕えると気炎を吐く北町同心、仁和寺経蔵。火盗改長官がまた下見のための巡回と報告の小雪、金堂脇。同心・沢田の墓、くろ谷か。
*恋しい女のため銭に転び悪に身を投じる同心に大橋吾郎、湯治を約束の濡れ場に怖い顔がなかなか。

■ 銭形平次 第9話「八五郎の恋!姿なき殺人者!!」2004.6.7テレ朝/東映

 両替商の女将が殺された一件、物盗りと見える現場の状況が腑に落ちぬ平次。拘って遂に事実に迫る謎解きが主軸、女将の妹に岡惚れした八五郎の純愛ドラマが被される。
 ロケ地、自分の長屋へ来たおきみを送ってゆく八五郎、八幡掘堀端(見送りは船橋たもと)。稲葉屋の姉妹をならず者から助ける男(現当主)上賀茂神社ならの小川。稲葉屋の先代が溺死した堀、八幡掘堀端。平塚宿から帰る八五郎が走る浜、琵琶湖東岸・ヤナギ茂る岸辺。八丈送りのおきみ、船が出る浜は八幡掘新町浜八幡川曲折部。

■ 暴れん坊将軍 II 第47話「天下御免のじゃじゃ馬馴らし」1983-1987テレ朝/東映

 高慢ちきなお嬢様を改心させるよくあるお話、「母の死後女を囲う父が許せない」パターン。普通は意地悪な振る舞いをしたり遊興に耽ったりだが、今回のお嬢様は呑屋で桝酒を呷るは賭場に出入りするはの荒くれ娘。新さんは誘拐事件をでっち上げて彼女を懲らしめようと図るが、動きを見ていたならず者がホントに誘拐してタイヘン。このワルが素行の悪さゆえ御役につけぬ大身旗本だからたちが悪いのなんの、城中では加納の爺様を苛めたりする。最後には上様の苛烈な断罪が下るが、誘拐が本物になっちゃった新さんの不手際はなんか誤魔化されてるような気がする…暴将ならではの大らかさか。
 ロケ地、新さんが誘拐のお芝居を打ちお染を運び込むお寺、西明寺山門。本物のほうの誘拐の身代金受け渡し場の浅草、仁和寺塔前。受け取りに来たワルをぶっ叩く殺陣は金堂前。

■ あばれ八州御用旅2 第10話「もち肌の女連続殺人事件」1991TX/東映

 かなり怪しいタイトルながら、福本先生出張りまくりで、サイレント・サムライならぬよく喋る浪人を演じる貴重な一作。ここまでセンセイの台詞が多いのはあんまり見ない保存もの。
殺されて見つかる娘の太腿が剥がされている猟奇事件が続いて起こるが、目的は植皮手術。殿様のお目にとまり御側に上がる予定の娘の火傷の跡を隠すため、医師が浪人を雇って肌の合う娘をさらわせているもの。福ちゃんはその浪人団の頭目、もう悪い悪いひょっとして医師を操ってかねない勢いで悪事を重ねるし、潜入した哲之介に酒を勧めるが毒入れてたりする。そして大元の手術の依頼者は、医師たちの所業にビビり福ちゃんたちに捕われの身となった挙句「ワシがみんな悪いの」と自刃しちゃったりする。白頭巾はこれで発動、蘭方の悪用にもかなり怒ってる模様。
 ロケ地、冒頭福ちゃんがさらった娘の腿剥ぎ死体が見つかる、大覚寺天神島。その隣村で起こる同様の事件、広沢池東岸。藤堂が芝居を打って医師を往診に来させる辻堂、大覚寺有栖川畔〜護摩堂

■ 水戸黄門33 第8話「陰謀暴いた忍ぶ恋」2004.6.7TBS/東映

 舞台は淡路・洲本。公金横領の洲本領仕置家老の悪事を暴くべく、職も家も擲ち悪事の証拠を掴む旅の途次果てた男の遺志は、老公の助けによりその一子が果たす仕儀となる。舞台が阿波なもんだから、人形浄瑠璃が小道具に使われて面白いカラーを出している。
 路傍で浄瑠璃を語っていた「竹蔵」が頓死し葬られる寺、粟生光明寺阿弥陀堂洲本城、本物の天守。家老の悪事を暴く書付を隠してあった千勝寺、不明。早苗が入る尼寺、直指庵(本堂下石段、萱葺山門)
*道普請の工事に出る名主に暴将初期シリーズの小頭。
2004/6/6

■ 新選組! 第22話「屋根の上の鴨」2004.6.6NHK

 家茂が江戸に戻り、孝明帝大和行幸の策謀が進むなか、壬生では相撲興行。容保さま町人に身をやつして御臨席、勇を持ち上げるもんだから鴨暴発。商家を打ち毀し火付けまでして屋根に登り酒を呷る、このあとは「その際」誰が誰を斬るのかが焦点。
 ロケ地、京に残ると決心の勇の言葉に被せた京都イメージに東寺五重塔、カルガモ泳ぐ池越し。会津本陣に金戒光明寺小方丈。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第8話「鐚銭一文おいらの願い」1975-1976日テレ/東映

 小仏峠の近く、駒木野の里からぼろぼろになって歩き通し九丁堀へ願いを上げる少年。裏には、献上松茸を運ぶ賄方役人の横暴、彼らの伽をさせられ不幸のどん底に叩き込まれた娘たちの涙があった。
もうハナから九丁堀であることを曝して動くチーム、事情を聞いた途端「斬る!」と声を荒げる夢之介、松茸持って道を急ぐ一行を街道の橋を通れなくして渡河させ、待ち構えて大立ち回り。帰り道、松茸とってくるの忘れたと悔やむ御大が傑作。
 ロケ地、留吉が江戸へと歩く道、地道や土橋、川辺など不明。橋は暴将第一シリーズでも出てくるもの、年代的にちょっと難しいかも…本梅川に残る怪しい一件も既に通行止めになって久しく草ぼうぼうだし。江戸へ着く留吉が渡る橋は中ノ島橋。九丁堀稲荷は夜間シーンなので暗くて確認できず。「お松茸様」一行を成敗する与瀬と吉野間の橋、木津川流れ橋。渡れなくする細工は桁をはずしてあるというもの、実際はずしてあるが一枚か二枚だけ。一行はやむなく渡河し、橋脚の下で待ち構えていた九丁堀チームにヤラれる。この際、橋桁から女たちの呪詛を込めた「恨」の絵馬がぷらーんと下げられる趣向。
2004/6/5

■ 剣客商売 「誘拐 かどわかし」1983/3/4映像京都/フジ

 メインのお話は「品川お匙屋敷」、これに大治郎の師・嶋岡礼蔵の横死と、三冬の夫になりおおせようとする乱暴侍のエピソードが加味される。時間配分のゆえか、設定が微妙に変えられている部分もある。
 嶋岡礼蔵が大治郎の道場を訪ねるくだりから始まり、剣で負ければ結婚という三冬の縁談話を絡めつつドラマが進行、無法に殺された嶋岡を送り大治郎の日常は続く。しかし或る日三冬が追われ傷ついた女を看取ったことから事態は急転、抜け荷がらみのキナ臭い陰謀に巻き込まれてゆく。
 ロケ地、浅草橋場の秋山道場、広沢池畔にセット。嶋岡の果し合いの相手・柿本源七郎宅、相国寺大光明寺(ここへの道に回廊)、原作設定は麻布西光寺下。おはるが櫓をやる鐘ヶ淵、広沢池(田螺を喰う話をしたあと、小兵衛さん船を揺らしていちゃいちゃ)。田沼下屋敷、随心院薬医門。剣の試合が行われる庭は枳殻邸芝地(幔幕巡らせ)。嶋岡の遺体を大八に乗せ柿本宅へ向かう秋山父子、桂川松尾橋付近堤道。根岸の寮、中山邸(通用門、参道、門)。京の無外流山本道場、相国寺林光院。三冬が追われる女と出会う寛永寺、粟生光明寺(女が逃げ回るシーンに紅葉道、本堂裏。三冬に縋るシーンは石段上部)。三冬が女の亡骸を託す根岸の円常寺、西明寺(山門、本堂)。弥七が練香を届ける南町奉行所、大覚寺明智門。手がかりを求め深川蛤町をうろつく大治郎と弥七が行き当たる若年寄・米倉丹後守邸、大門。典医・山路寿仙別邸、品川は御殿山の北隅に建つ「お匙屋敷」、毘沙門堂(塀と崖地、薬医門、弁天社、本堂透垣、宸殿、渡廊)。大治郎が大久保平蔵(三冬の結婚賭けた試合相手)の髷を落とす松平美濃守邸門前、相国寺林光院
2004/6/4

■ 斬り捨て御免!2 第10話「狼どもの血祭り仁義」1981

 ヤクザの掟に縛られ親分のために罪を犯し島送りとなった男、しかし帰り着いた江戸には恋しい女は生きていなかった。
お話は彼を中心に進み、彼を慕う年端もゆかぬチンピラとの交流を描き、彼の女の自死の因となった親分の無体が暴き出されたとき、男は仁義をかなぐり捨て刃を振るうのだった。弟分のチンピラが血塗れで番所に辿り着き、顛末を語る映像と地下室被り、鬼番所発動の運びとなる。
 ロケ地、屋台の商人たちにショバ代せびろうとして伊之助にシメられるちんぴら三人組、上賀茂神社ならの小川畔。もっと男を磨かないととおだを上げる三人組、北神饌所縁先。夜の闇に恋人の自分を呼ぶ声を聞く伊之助、吉田神社竹中稲荷(参道連鳥居下)。伊之助の恋人・おけいの墓がある下谷法縁寺、不明。井筒屋に始末された殺し屋と、居合わせ消されたチンピラの死体が上がる汀、嵐山公園中州岸。駆けつけた清次に声をかける井筒屋の手下、中ノ島橋
*伊之助に原田大二郎。

■ 暴れん坊将軍 II 第46話「金襴緞子の罠を撃て!」1983-1987テレ朝/東映

 地位を利用し、課役から逃れようとする藩から賄賂をとる奥祐筆頭。この下で働くサラリーマンの悲哀を描く。
フライングして取引相手から頭越しに賄賂を受け消される奥祐筆方の役人、後任にと目をつけられた中年男は地位保全のため悪事と知りつつ加担しようとするが、新さんの忠言により翻心し目付に訴えるべく動く。娘婿もこれに賛同、途中でワルの手回り「父」は凶刃に斃れるが、上様の計らいで家名は存続の運びに。
 ロケ地、濡れ衣を着せられた当の相手を探し鶏を売り歩く龍虎、相国寺大光明寺南路地。探す相手のいる奥祐筆組頭・塚本邸、大光明寺門。中尾に組頭の悪行を告げ翻心を促す新さん、日吉大社六角堂。白河藩から賄賂の砂金が着く向島三番河岸、広沢池東岸。ここから逃れた中尾らが刺客に追い詰められる、仁和寺九所明神。殺陣は前へ移動。中尾の墓、不明。
*リーマンの悲哀を切々と新さんに語る中尾に大山勝巳。

■ あばれ八州御用旅2 第9話「隠密無残!骨箱の謎」1991TX/東映

 大田原藩で進行する悪事を暴くお話。材木を横流しし巨利を貪る藩の勘定役頭取、江戸家老が差し向けた隠密を二人ながら密殺するも、八州トリオに関わられてしまいおじゃん。
新兵衛くんは、消された隠密から託された骨箱持って旅をする羽目に。また、隠密二人の妹で許婚者の盲目の娘に肩入れし、彼女の死を見て嘆くことひとかたならずの若い新ちゃんなのだった。
 ロケ地、江戸へ帰還すべく奥州街道をゆく八州トリオ、谷山林道切り通し。新兵衛に草鞋をくれた「隠密」が斬られるくだり、八州たちが剣戟を見るのは保津峡落合落下岩から、チャンバラは崖下の河口部。藤堂が誘いを掛けるも追っ手は乗ってこず、小百合が報告に来る「寂しい」鎮守、鳥居本八幡宮鳥居下。平沢宿の無住の寺・観照寺、西明寺(山門、本堂)。横流しの証拠書類を持って江戸へ向かおうとする「隠密」の妹、危ないと追う八州トリオ、。妹と下僕が追い詰められ斬られる、丹波国分寺(門、境内)。事後、まだ非業に死んだ「妹」を思いメソ入り河畔に佇む新兵衛くんの肩を叩く藤堂、西明寺下清滝川河畔。その後藤堂がのぼる石段は参道。
*勘定役頭取に南原宏治、つるむ材木商に江見俊太郎、頭取の手下に小沢象と遠藤征慈と悪役てんこ盛りの一作、ラス立ちには福本先生が派手な呻き声をあげてスピンする。

■ 暴れん坊将軍 VI 第35話「絶体絶命!大岡越前」1994-1996テレ朝/東映

 忠相を失脚させ後釜に座ろうと画策の旗本、殺人鬼のような刺客を雇い入れ次々と要人を暗殺し人心を不安に陥れる。それでも忠相が罷免されないのに焦れて、殺し屋にはダイレクトに忠相殺害を命じたり。しかし猟官運動の際、田之倉のじいに千両相当の甲冑を贈って意図バレバレ、幕閣を集めた席で上様が忠相を罷免するお芝居に乗せられ、祝宴の席で悪事をべらべら述べ立てているところに乗り込まれ万事休すという馬鹿な結末となる。
 ロケ地、若年寄の姉が暗殺される法要の寺、粟生光明寺阿弥陀堂(五色幕巡らせ)、法要は本堂内陣、女装した怪しの暗殺者がゆく回廊、本堂脇渡廊。陰謀の主・堀川縫殿助邸、妙心寺龍泉庵。殺し屋に狙われる御書院番頭・土井の本所二ッ目の妾宅、妙心寺福寿院。ここで阻まれた殺し屋が逃げる際南町与力を殺害する堀、大覚寺御殿川・勅使門橋下の河床。事後、上様トリオが昼間っから酒を飲むお城の庭、嵐亭
*弟を冤罪から救ってくれた忠相に恩義を感じ身を挺して危難を救おうとする女渡世人や、殺人鬼設定なるも目の悪い妹を治したい一心で悪事に加担する殺し屋など、脇に面白い設定を持って来てあるが些か未消化のきらいあり。無闇に武勇を誇るも妾宅を狙われタジタジの御書院番頭に五味龍太郎なども、ちょっと勿体ないかも。ラス立ちには福ちゃんも。
2004/6/3

■ 斬り捨て御免!2 第9話「女いのちの地獄肌」1981

 無実の罪で恋人を寄場送りにされた女は、夜鷹に身を落とし病犬のような浪人に肌を任せ復讐を図る。捕縛にあたった岡っ引と、ワルの意を受けて立ち働いた八丁堀までは消すが、大元の富商と留守居役には力及ばず返り討ちに遭ってしまう、その哀れを見た出雲の姿が地下室の画とオーバーラップ。
 ロケ地、冤罪で寄場送りとなる佐吉を乗せた船が出る船手番所、広沢池東岸に柵と桟橋セット。八丁堀が消される大名屋敷塀外、相国寺大光明寺南塀。小田屋を誘き寄せるも返り討ちに遭うおきち、鳥居本八幡宮鳥居下。
*植木職の佐吉が始末されるいわくは、小田屋と大名の奥方の密会現場の庭先で秘密を聞かれたかも知れないという疑惑。秘密は高月藩で作られる抜け荷用の春画絵皿。エロ爺の富商に河合伸旺、どこかセコい留守居役に小林昭二。おきちが身を任せて使う復讐用の浪人もいい味。

■ 暴れん坊将軍 II 第45話「いかさま奉行の鴨ネギ音頭!」1983-1987テレ朝/東映

 口先八丁で世を渡る遊び人の半助、するめ皮の財布をサクラ仕立てて売ったりする。金を溜め込む彼の願いは故郷の恋人と所帯を持つこと、御狩場買い上げにからむ土地転がしで娘の父の庄屋が殺されるのを見た男は、一世一代の大騙りでワルから金をひっ攫う。
 ロケ地、御狩場買い上げ予定地の葛西村、。庄屋屋敷は
*イカサマ稼業の半助に桜木健一、最後の大騙りでは大岡忠相に扮して地回りから代金を掠め取る。彼をサポートの上様、ホントに大岡様?と半助が疑われるのを、「将軍に扮して」解かせる役回りを演じる。騙される地上げヤクザに汐路章。

■ あばれ八州御用旅2 第8話「平八郎を仇と狙う女」1991TX/東映

 野州一帯を荒らす凶賊を探索に出張る八州たち、目撃された男の長屋を訪ねた藤堂は、口封じに消された死体を見る。これで男の女房に犯人と誤解されてしまい、以降付け狙われることとなる。金で雇ったならず者が強盗に変じ斬られるのを藤堂に助けられたり、旅の途で亭主が盗っ人だったことを知ったり、女の気持は次第に解けてゆく。しかし前を向いて人生をやり直そうとしたその矢先、亭主を密殺した賊の手にかかり女は野末に露命を散らし、ブチ切れ白頭巾はワルのアジトに乗り込む運びとなる。
 ロケ地、今回の事件について新兵衛からあらましを聞く山崎、広沢池東岸(水無)。亭主との思い出を回想のおきち、大沢池(バックに心経宝塔)。大田原から白沢宿にかけての野面、ほぼ不明。

■ 暴れん坊将軍 VI 第34話「俺らの兄貴は上様だ!」1994-1996テレ朝/東映

 不作の風聞に米を隠匿し値を高騰させる悪徳商人たち、これにムカっときた蜜柑問屋の若旦那は、蜜柑船で紀州から米を運び庶民の用にたてようとする。この動きが気に食わない米問屋たちと、裏にいた旗本が彼を消しにかかる過程が描かれ、彼の家にあった紀州候のお墨付き入り葵紋の守袋をめぐって涙のドラマが展開される。
 ロケ地、米問屋に雇われ民心の不安を煽った瓦版屋が消され捨てられる堀、嵐山公園中州岸〜湛水域。米問屋を探る忠相の密偵が用心棒とチャンバラは中ノ島橋たもと。上様のお庭逍遥は二条城清流園
*忠相の密偵に小峰隆司、悪役でないのにコワい顔、しかしそこはかとなくラブリー。ラス立ちには福ちゃんもいて複数回斬られている。

■ 新必殺仕事人 第21話「主水左遷を気にする」1981.10.9ABC/松竹

 情夫の罪を被り江戸払いとなった女壺振りが、娘会いたさに大木戸破って御府内に。しかし当の娘はあろうことか情夫の女となっており、これを取り戻すためイカサマ博打を張る運びとなる。娘との感情のすれ違いから落命する女、最後の息で仕事人に恨みを託す。
 ロケ地、お銀が情夫と会う船宿、錦水亭。船宿の一室から見える水景は広沢池(南岸の料理屋からと思われる)。娘を呼び出し江戸を出ようと迫るお銀、広沢池東岸(お銀は船で接近)
*お銀を匿っている加代の家に主水が来てしまい、一発で闇の仕事師と見破られるくだりがある。
2004/6/2

■ 長七郎江戸日記2 第29話「辰の赤ん坊」1988.11.1日テレ/東映

 父が謀反の罪に問われ一族全てなくした八つの少女は、自身も追われる身を下男に救われ江戸へ逃れ以来15年を共にするが、父を讒訴したのは下男で正体は凶盗・夜烏。父の政敵と結託し主家を裏切った卑劣漢だった。
勘付いて尾けた凶行の夜、おことは凄惨な犯行現場から赤ん坊を見つけ救い出すが、処置に困り思い出したのはかつて三日間だけ「夫婦」した辰三郎、寝てる辰のそばに赤子を置いてくるのが今回の騒ぎの端緒。
 ロケ地、辰とおことが「夫婦」する船宿、錦水亭。おことを問い詰める長さんと辰、大覚寺五社明神(バックに心経宝塔)。高山藩江戸屋敷、大門(伊勢屋を尾行してきた六さんは御殿川河床)。長さんに迫られ、伊勢屋を夜烏と認めるおこと、大沢池北西畔。おことの墓、判明するも公表憚られるとこ。
*火野正平の「泣き」がメインテーマのような作りのお話。会えて嬉しかったと微笑み事切れたおことの亡骸をゆさぶりわぁわぁ泣く辰、もう全開「一緒になろ、ホントの夫婦に」「死んじゃダメだって!」「頼むよー」と「夢想無用」状態。

■ 斬り捨て御免!2 第8話「女渡り鳥凶状旅」1981

 今回は旅もの、大将ととっつあん二人が出張。舞台は上州・風間宿、聡明で扱いにくい殿を監禁して廃し、首をすげ替えて権力を握ろうとする城代の陰謀。殿の姉で活発な姫が渡世人に身をやつし、城代の悪事の証拠を掴もうと奔走。出雲はたまたま彼女と知り合い、金貰って用心棒に。とっつあんは絵師として潜入、市中を探り殺し屋を発見したりする。
 ロケ地、お照が山賊に襲われる山道、菩提の滝と周辺。出雲を雇うお照、谷山林道に茶店セット。風間領境の橋、木津川流れ橋(臨時関所で検問)。お照と出雲が根城にする荒れ寺、不明(石段は残ってるかも知れないが半ば以上朽ちた萱葺は残存危うい)。風間藩の城、園部城。城代屋敷、、夜景。

■ 暴れん坊将軍 II 第44話「必殺!顔のない男」1983-1987テレ朝/東映

 上様が熱に浮かされ見た悪夢が正夢に。不行跡で降格された旗本は深く恨みを抱き、闇の仕事師を雇い入れ将軍暗殺を企てる。古怪な武器を用いる一団は、回りくどい芝居をしてのけ城の奥深くへと潜入を果たし、上様の喉元に迫るがあと一歩で及ばず終わる。
 ロケ地、お城の縁先で庭番を打ち据える平河大炊頭、仁和寺宸殿縁先。平河邸、相国寺大光明寺。夜陰さぎりが襲われる平河邸近く、大覚寺五社明神(舞殿の屋根にジャンプして逃れる)。庭番が仕事師たちと死闘の寺、大笠灯篭林立の寺、不明。忠相の駕籠が入るお城の玄関、仁和寺宸殿大玄関。このあと駕籠に付き従って潜入した仕事師の一人・与平次が上様目指して駆け回るお城内部に仁和寺宸殿周辺各所(平唐門、書院前白州、宸襟北庭と南庭の仕切、北庭池汀)。下城の平河がゆく駕籠、下鴨神社河合社塀際。騎馬で駆けつける上様、馬場
*上様に迫る刺客に伊吹剛、暗い情念持った男がよく似合う。*冒頭の悪夢に出てくる鎌持った男に福本先生、ほぼシルエットで顔ははっきりと映らないが「お命頂戴」の声は紛れもなくセンセイのもの。役名クレジットあり「影の男」。このくだりでは上様が蜘蛛の巣みたいなロープに絡め取られ、斬られて血がどぱーでうわーという珍しい画が見られる。

■ 新必殺仕事人 第20話「主水つらく夜勤する」1981.10.2ABC/松竹

 蝦夷に自生する麻薬の「葉っぱ」を密かに流通させ大儲けの回船問屋。これでトリップした無軌道な青年たちは衝動殺人を繰り返し、遂に「葉っぱ」を買う金に窮し弘前屋に入ったところを始末されてしまう。これを目撃し虫けらのように殺されてしまう常盤津の師匠は、他ならぬ弘前屋の娘だった。やっと会えた父に無視された挙句斬られた女は、勇次の店に辿り着き恨みを託して事切れる。
 ロケ地、ジャンキー三人組が祝言間近の大工と娘を殺す汀、広沢池東岸。濡れ衣晴れて釈放された常盤津の師匠が門付けの帰途勇次に呼び止められる、木津川流れ橋。じょんがらを弾きあわせる二人、橋脚真下。その後師匠が身の上を語るのは桂川大堰魚道脇。師匠が弘前屋の手下に斬られ川に落ちる、中ノ島橋
*仕事料が置かれる堂の揺れる灯、滴を振り撒き仕留める秀、明暗のコントラストが美しい。流れ橋の映り具合も光の加減が渋い。

■ あばれ八州御用旅2 第7話「上州からっ風怨み節」1991TX/東映

 舞台は板鼻代官領、若い手代の青木は悪を憎むこと人一倍で暴走気味。ここへ峰岡藩士が入り込み、藩内で盗みを働いたとして百姓の青年らを裁きもせずに斬り捨てる騒ぎが持ち上がる。なにやら不審な行動の裏には、藩主の弟が仕出かす無体を隠蔽する企図があった。
不自然なまでの青木の峻烈さは母を野盗に殺された経緯からきており、この犯行が実は「弟ぎみ」の仕業と知れ、単身峰岡領に斬り込んだ彼は膾となって死ぬ。白頭巾は現れ、弟ぎみを二刀流で成敗。
 ロケ地、代官領平田村、直訴の百姓を追う峰岡藩目付衆、大覚寺天神島。彼らに事情を聞く青木、摩気神社参道。青木村、聞き込みに回る青木、摩気民家北側農地。負傷した直訴百姓を見つけるおりつ、摩気神社社務所脇。この男が目付衆に追われ川に落ちる橋、中ノ島橋。青木の母のことを藤堂に話す新兵衛、大覚寺護摩堂。助平目的でおりつを拉致の弟ぎみに追いつく青木、峰岡藩との境の橋、摩気橋(馬で駆けつける青木の来る道に宍人へ通じる地道も使用、現在は舗装路)。橋上での戦いに新兵衛も参戦、川に落ちるシーンは中ノ島橋に切替。新兵衛が流れ着くのは中州舳先の河原。
*手代・青木竜弥に渋谷哲平、往年のアイドルと聞く。福本先生、峰岡藩士で立ち回りに登場、摩気橋のシーンやラス立ち(これはちょっと自信ないけど声は似ている)に出るほか、青木の宿改めの際のヤクザにも。

■ 暴れん坊将軍 VI 第33話「女賞金稼ぎ修羅の花道!」1994-1996テレ朝/東映

 準レギュラー、賞金稼ぎの夜叉面のお銀が散る。
お話は、上州相生藩で作られる春画プリントの抜け荷用反物をめぐる陰謀。秘密を知り、親友から託された証拠品の割符を持つ脱藩侍が賞金首となり、お銀はこれを付け狙う。浄円院の真心に打たれ、狙う侍の子を思う心に打たれたお銀は切所で賞金首を庇い斬られ、浄円院に看取られ事切れるのだった。
 ロケ地、賞金首の浅葉を見つけ誰何のお銀、山室堤道。横入りの相生藩士らとお銀が斬り結ぶ隙に船で逃げる浅葉、罧原堤下汀。浅葉が故郷に残した息子の安全を祈願の神社、梅宮大社本殿、お銀が来て逃げるシーンに楼門と神苑汀。小梅村清涼庵、法然院山門。相生藩士たちに襲われる小頭たち、直前にくぐる門は梅宮大社神苑入口の門。上州から帰還の左平次が馬を飛ばす道、谷山林道。お銀が浅葉に事情を聞く汀、広沢池東岸(バックに萱葺民家、池は水無し)。事後、上様が逍遥のお庭、二条城清流園内濠堀端(バックに本丸櫓門の前の橋)
2004/6/1

■ 斬り捨て御免!2 第7話「花吹雪獄門剣」1981

 上から下まで腐敗の極みにある北町奉行所、盗っ人から金とって高飛びさせる同心や、十手をかざし妓楼で強請りの同心が天誅を受ける。これは義憤に駆られた北町若手同心三人組の仕業で、お揃いの面と衣をつけて「出る」。事を知った出雲は彼らを宥めに動き、剣と人柄に心酔した若者たちは天誅中止を諾う。しかし出雲の心空しく、既に三人は仕込みの芝居で焙りだされており、密殺されてしまうのだった。
 ロケ地、北町奉行所、大覚寺明智門。三人組が出動のお堂、護摩堂(お面とユニフォームが置いてある設定)。三人組が組み打ちの稽古の林、駆け込み訴えの女について密談の塀際、出雲が三人を打ち据え諭す林、下鴨神社河合社

■ 暴れん坊将軍 II 第43話「鉄火意気地のおんな河岸」1983-1987テレ朝/東映

 他の魚河岸を潰し魚商いを一手に掴みぼろ儲けを企む日本橋の元締、やくざを使い金杉河岸の娘行商人をハメて罪に落し、追い落としを謀る。もちろん新さんが悪企みを阻止に入るが、姉貴分の悲恋は救い得ず、ワル方の用心棒となっていた浪人は非業の死を遂げる結果となる。
 ロケ地、金杉河岸と日本橋の争いの経緯を新さんに語るおけい、大覚寺天神島。献上鯛の一件でハメられたおたまが隠れている将監橋近くのボロ船のある浜、広沢池東岸。北町奉行と密会の日本橋の元締がゆく道、大覚寺大沢池木戸〜船着(小)、才蔵は潜水して船を探る。おけいに用心棒の浪人・源之進のことを聞く新さん、仁和寺御室桜林(塔バック)観音堂前。源之進に声を掛ける新さん、相国寺大光明寺南路地。
*金杉河岸の姐御肌のおけいに水前寺清子。*おたまがハメられる一件、献上鯛の桶に尻餅ついて魚がパァ、その日の上様の膳に鯛無し。上様、仕儀を聞き鯛は葵紋つけて泳いでないもんなと親父ギャグをかます。

■ 暴れん坊将軍 VI 第32話「男と女の夢舞台」1994-1996テレ朝/東映

 病篤い藩主を持つ松本藩、おきまりの後継問題で大モメ。己が係累を次期に据えようと図る国家老の陰謀を阻止せんがため藩主の隠し子が浮上するが、ご落胤は侍を捨て戯作者になる夢を軌道に乗せはじめたばかりの若者だった。
 ロケ地、斬られてめ組で療養していた松本藩の元目付がご落胤探しに大騒ぎしながら駕籠でゆく道、仁和寺参道(この様を見る新さんは茶店)。元目付がお参りの宮、梅宮大社本殿(ここに刺客出てチャンバラは境内)。元目付とご落胤の佐吉を引きあわせる新さん、仁和寺水場観音堂前。ご落胤「佐吉」の回想、養父と釣りの汀、大覚寺大沢池南西畔。
*元目付を襲う刺客の一人に福ちゃん、最初は「イカ」で出て二回新さんにぶっ叩かれ。ラス立ちにも登場しカメラの真ん前・大写しで「斬られる」が、あまりの高速回転のけぞりゆえ顔はブレている。

■ 必殺からくり人 第11話「私にも父親をどうぞ」1976.10.8ABC/松竹

 仇吉の過去が描かれるお話。とんぼに伸びた魔手がかつての恋人と知った仇吉は辛い過去を娘に告白、自分にしたのと同じ手口で実の娘であるとんぼを毒牙にかけようとしている歌川延重の行為を責め、娘の目の前でその命を絶つのだった。哀切なドラマのバックには、ずっと三味の音が鳴っている。
 ロケ地、父のことを尋ねるとんぼ、広沢池観音島(現在の石橋でなく木橋が架かっている)。延重邸、中山邸(通用門、門)。回想シーン、お艶にカピタンの接待を依頼する延二郎、中ノ島橋。新任長崎奉行が任地へ赴く行列に斬りこむ鳥追いのお艶、相国寺大光明寺南路地
*辰巳芸者のお艶、鳥追姿のおらんだお艶、仇吉と三態を演じる山田五十鈴が見られる貴重な一作。
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