2008年5月 |
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2008/5/31 ■ 遠山の金さん2 第21話「女掏摸母子草」1979.7.19テレビ朝日/東映46 抱きつき掏摸をやらかす母と子、病の亭主のため体を張る女に、香具師の元締はシマ荒らしと制裁を加える。長命庵メンバーの援助で亭主を医者に診せようとした矢先、再度の制裁が加えられ胸を病んでいた男は逝ってしまう。遠島となった母と別れ難くて泣く子を、自らも涙しながら説得するお奉行の芝居に尺が割かれる。 ロケ地 ・亭主に掏摸がばれやめるよう頼まれたあとお由が佇む水辺、大覚寺大沢池水門そば。 ・子を使うのはやめたものの再び掏摸をはたらくお由、大覚寺五社明神(露店あしらい)。 ・思い詰めた新次郎が入水未遂のくだり、橋は映画村日本橋で直前にどこかの川の流れを挿んである。 ・新次郎の回想、許されぬ結婚に家よりお由をとると宣する新次郎、柊野堰堤落差工前。設定は京。 ・みんなの気持ちとお由に金を渡す金さん、大覚寺天神島に茶店あしらい。 *お由は今陽子、新次郎は山本豊三。香具師の元締は須賀不二男。 2008/5/30 ■ 銭形平次 第679話「ふたりの女」1979.7.18フジ/東映70 きれいな毒蛾のため寄場送りに甘んじる男、出てきたあと同じ顔をした女と出会い所帯を持つが、懲りぬ悪女は再び彼を誘惑にかかる。 ロケ地 ・弥之助が苦役を強いられる寄場、砕石場か崩壊地形か、切り立った岩場と侵食地形。 ・弥之助が蜆を売り歩く町角、上賀茂社家町明神川畔。洗濯のおかみさんあしらい。 *元錠前職人の弥之助は柴田p彦、毒婦と健気な女房は野川由美子の二役で演技の切り替えがさすがの巧者。賊の首領は長谷川弘、足手まといと消された錠前師は小峰隆司、弥之助をシメに来た雇われチンピラは平河正雄と福本清三←チンピラ(一)、(二)とクレジット。 ■ 密命 寒月霞斬り 第5話「標的」2008.5.30TX/CAL ずっと寂しかったお杏は見え見えの芝居にほだされ、若侍と深間に落ちる。冠阿弥に頼み込まれた惣三が出張り、悪縁は断たれるが涙が残るのみ。この間、お家を狙う「敵」から寺村を守り戦いもする惣三は大忙し。 ロケ地 ・相良藩上屋敷、妙心寺天祥院。 ・惣三がお杏のデートを目撃し微笑む町角、車折神社参道。藤川がお杏をチンピラから救う仕込み芝居も同所。 ・刺客に斬られたあと夕がおで療養する寺村、直前に挿入される掘割イメージは八幡掘。 ・夕がおまで訪ねてきた冠阿弥の主、惣三にお杏の家出の件で頼みごとをするのは八幡堀明治橋下堀端。 ・藤川のことを松造とともに尋ねにゆく惣三、鳥取藩邸は妙心寺金牛院。門内外を使用。 ・お杏の「男」の一件が片付いたあと、喜八が惣三と事を述懐の堀端、八幡堀新町浜。 ・夕がおで惣三が刺客を迎え討ったあと藩邸に戻る寺村、惣三が見届けて去るのは妙心寺壽聖院前塀際。 *お杏を利用し金を取ろうとした若侍・藤川は高野八誠。相楽藩留守居役見習いの北沢は島英臣、ふき姫を制し惣三と斬り結ぶ直心影流の剣士は天乃大介(寒月霞斬りの餌食に)。 2008/5/29 ■ 銭形平次 第678話「ドジな野郎の命がけ」1979.7.11フジ/東映46 幼時に大火ではぐれた妹を求める兄、これと思った娘は妹ではなかったが、命ぎりぎりのところで真実はどうでもよくなっていた。 ロケ地 ・お光の養父が営む茶店、大覚寺大沢池堤にあしらい。以降もさまざまな場面で登場、桜が咲いている。 ・版元を訪ね仙吉を連れ出し話を聞く平次、大覚寺護摩堂前。周囲に露店あしらい。 ・仙吉の妹ではあり得ないというお光の告白を聞く平次、大沢池水門そば。 *仙吉は小野進也、元指物師で賊に追い使われる。賊は版元が外山高士、誑し役もする絵師が大竹修造、道場主は白川浩二郎。からくりが施された隠し蔵を開ける描写が凝っている。お光は斎藤洋子、養父は寺下貞信。 2008/5/28 ■ 銭形平次 第677話「おかめが泣いた」1979.7.4フジ/東映46 己に気のある娘を丸め込んで殺しの罪を逃れようとしたチンピラ、しかし純な娘はただ惚れた男の身を案じていた。嵐が過ぎ日常が戻り、今日も娘は明るく大道で舞う。 ロケ地 ・おくにが仲間とおかめ踊りで稼ぐ町角、今宮神社楼門。 ・佐吉が阿片泥棒を殺したあとおくにに出会う夜の橋、中ノ島橋。設定は大川。 ・殺された男が土左ヱ門で見つかる大川の百本杭、桂川松尾橋下手左岸汀(杭林立)。周囲の堤を調べ凶器の石を見つける平次、松尾橋下手右岸堤法面。 ・おくにからショバ代を受け取ったあと甘酒に誘う佐吉、今宮神社高倉下に茶店あしらい。ここは後段も登場、高倉脇の坂も使われる。 ・難波屋の船が着く港、バンクフィルムか。 *おくには津山登志子、色悪の佐吉は西田健。阿片密売の難波屋は伊達三郎で番頭は浜田雄史、グルだが口封じに消される矢場の女将は三浦徳子。 2008/5/27 ■ 銭形平次 第676話「おやこ同心」1979.6.20フジ/東映46 立場は違えど、子ゆえの闇に迷う二人の父を描く。 もうじきお役を退いて倅に後を譲るという北町の古手同心、しかし彼の花道を飾った事件で刑死した賊の父親が罠を仕掛けてくる。平次の勘の冴えのほか、青柳同心がまた勘違いで憤慨し突っ走る。 ロケ地 ・北町奉行所、大覚寺明智門。青柳が貞一郎を面通しする場面や、原田が倅を上方へやる話を聞き憤慨して飛び出してくる場面等に登場。看板は「北町」。 ・ED草鞋釣りの平次と八は広沢池か。 *古手同心は多々良純、倅の貞一郎は江木俊夫、彼付きの岡っ引は邦保。不知火一味の先代は谷口完、引き回しの際念仏を唱えていた姿を平次が見かけて伏線に。こやつの手下で貞一郎の幼馴染芸者を殺し罠を仕掛ける行商人は石倉英彦、ほかに出水憲司も手下。 2008/5/26 ■ 銭形平次 第675話「蛇の目傘の女」1979.6.13フジ/東映46 新しく江戸に店を構えた海産物問屋に、奇妙な訪問者が現れる。蛇の目傘をさしたその女は自分がこの家の女将だと主張、主は否定。謎めいた話にはきちんと裏があり、親分の奔走で「女の意思」は果たされる。 ロケ地 ・八が駿河さして走る東海道、不明(路傍に石仏あしらい)。 ・駿河屋と「女」が出掛ける縁日、今宮神社境内(露店多数あしらい)。本物なら昔御籤を結んだ枝はどれと迫る駿河屋のくだりは稲荷社脇。 *「女」は夏純子、役名もただ「女」と表記。入り婿だった駿河屋は早川保、悪事に加担して始末される番頭は玉生司朗。証人として呼ばれる問屋場年寄は岩田直二。 ■ 水戸黄門38 第19話「わははオヨヨの珍道中」2008.5.26TBS/C.A.L 孤児を養いつつ旅する女の稼業は騙り、或る日立ち寄った宿の夫婦の身の上話を聞き愕然とする女。夫婦が亡くしたとばかり思っていた赤子は、その女に拾われていた。子の未来を思い突き放すように宿を去る女だが、宿を狙う悪党に子がさらわれたと聞き取って返し、得意の騙りで奪還に向かうのだった。 ロケ地 ・三島イメージ、富士山と三島明神(三嶋大社)。富士講の巡礼が入ってゆく門は上御霊神社楼門、本殿が映り境内で三島暦が売り出される。老公がいる茶店は藤棚付近にあしらい。 ・三島暦を旅人に高く売りつけるおかね・長吉コンビ、仁和寺経蔵。大儲けと北叟笑むのは九所明神、弥七が騙りに皮肉を言って去る。 ・日暮れて町に出る助さんと新助のくだり、時の経過を示す鐘は大覚寺鐘楼。以降も登場、夜と昼とあり。 ・次の騙り芝居は仇討ちと発想のおかね、やり口を想像する段で出るのは仁和寺五重塔前。騙されて金をくれる涙もろい侍は峰蘭太郎。実際にやりかけてお娟に阻止される道は不明。 ・ふじ芳の女将が語る赤子を亡くした次第の回想、崖崩れの箱根峠は谷山林道分岐道の切り通し、富士山合成。落石とマネキン落ちあり。ここで赤子は不明に。 ・おかねの回想、イカサマがバレてヤクザに追われ隠れた山道、不明。ここで赤子の長吉を捨て子として拾う運び。 ・蓮っ葉な芝居で長吉を突き放した翌早暁、おかねがゆく街道は大堰川堤か。長吉が追ってきて地回りにさらわれる。 ・弥七がおかねに長吉拉致を告げる街道、大覚寺大沢池北辺並木。駕籠で取って返すおかねは大堰川堤か。 ・当地を発ち修善寺へ向かう一行(+弥七)、不明(山道)。 *おかねは中村玉緒、老公に「説教でっか」が大笑い。ふじ芳の夫婦は吉見一豊と仲代奈緒。悪代官は谷本一、悪徳商人は小沢象。ラス立ち福ちゃん入り、浪人。 2008/5/25 ■ 遠山の金さん2 第20話「姉弟ふたり」1979.7.12テレビ朝日/東映 父を探しに岩槻から出てきて途方に暮れる少年、それを保護する心優しき娘。しかし娘の家は押し込みに遭い一家皆殺し、己を気遣う少年を弟と恃む娘だが、憎き一味の中に岩槻出の男が含まれていた。 ロケ地 ・父母の墓に参り犯人を捜すと誓うおとせ、招善寺墓地。 ・一味と思しき男のあとをつける金さん、アジトの寺は招善寺、寅吉が入ってゆく門が墓地入口の門(墓地側から)。本堂の破風も映る。内部はセット。 *おとせは清水めぐみ。岩槻出の男は左右田一平、心ならずも加担した苦悩があのお顔にぴったり。一味の首魁の寅吉は玉川伊佐男。 ■ 柳生あばれ旅 第25話「地獄囃子の鬼女房 −大津−」1981.3.31テレ朝/東映 禁裏御用を傘に着た問丸のため地獄の様相を呈する宿場を、又十郎のスクエアさが救う。アル中の宿役人の真情を察し、自棄ぎみの別れた女房も見捨てない、かっこよく爽やかな巡検使さまの危機には一つ目天狗も降ってくる。 ロケ地 ・又十郎たちが測量のところへ叶屋一味が犠牲者の博労を大八で曳いてくる琵琶湖畔、本物の西岸松原。エリが見える。ラストシーンも同所。 ・走井餅を売る茶店で地図を見るお紋と阿里助、大覚寺大沢池堤。天領だから自分は用無しと釣りに興じる十兵衛は堤下汀。 ・又十郎に保護されていた博労が殺されて吊るされる木、広隆寺東塀際の木。 ・又十郎に黙って所司代に助けを求めに走った桜井と花形が一味に囲まれ突き落とされる崖、保津峡落合落下岩(阿里助が救う)。射落とされた御朱印状を拾うのは河口。助けられた二人が落ち込む岩場、河口近くの巌上。 *力に逆らえず鬱屈の果て酒浸りの宿役人は亀石征一郎、逃げた女房は葉山葉子で弱虫亭主への面当てに弔い屋をしている。叶屋の主・鬼蔵は汐路章、弟は野口貴史。叶屋一味は全てガラの悪い上方訛り、ビジュアルも凶悪で皆殺しの合図の地獄太鼓のサウンドも面白い。また、降ってきた一つ目天狗に「柳生十兵衛か」の文言あり、けっこう有名になってる兄上さま。 2008/5/24 ■ 水戸黄門38 第18話「駆け落ち妻の目に涙」2008.5.19TBS/C.A.L46 父の病を聞き亭主とともに戻ってくる駆け落ちした娘、しかし老舗を守る父は店に入るなと拒否。過去の経緯と現在の境遇にクサる亭主が出直そうとしたところへ、店を狙う悪党の手が伸びる。 ロケ地 ・身延山久遠寺、本物をイメージに。老公が参る場面は木島神社参道〜本殿。 ・おしの夫妻と相部屋になったあと、彼らの事情を忖度しながら先に発つ老公たち、山室か(川堤、河畔林は竹。富士山合成)。 ・株仲間の件を蹴った柿島屋のことを協議する川口屋と町奉行、嵐峡に屋形船。船着きに茶店があしらわれ、ちょうど弥七が休んでいる。 ・娘に会ったと亡妻に報告しにゆく柿島屋、不明(参道はランダムな石段、墓地は浄土宗っぽいつくり。黒谷か)。 ・勘六とおしのがうまうまと誘い出される料亭・水月、大覚寺望雲亭。門のみ、内部はセット。 ・瀕死の勘六が語る「駆け落ち」の経緯の回想、不明(背景に石段)。 ・事後、弥七が権高侍にイタズラの茶店、嵐亭南側の道にあしらい。 ・駿府を発つ一行、茶畑をイメージに挿入したあとの浜は琵琶湖か(松原、富士山合成)。 *おしのは国分佐智子、父の柿島屋は寺田農。いい人すぎる番頭は水野純一、自業自得なところもあるが気の毒すぎの元手代・勘六は松尾諭。悪徳商人は江藤漢斉、つるむ町奉行は浜田晃。ラス立ち福ちゃん入り。 2008/5/23 ■ 銭形平次 第674話「夫婦流転」1979.5.30フジ/東映46 夫の横暴にひたすら耐え尽くす貞女、男の死で人を執拗に恨み悪事に加担までさせる毒婦、ねっとりとした女の情が錯綜する。平次のはからいで夫婦は和解し、患者たちの嘆願もあり罪を赦される「いい話」で締める。 ロケ地 ・おふじを路上で呼び止め、盗っ人が決まって正慶館付近で消える件について質す平次、上賀茂社家町・明神川畔、橋上。正慶館は谷中。 ・おようが隠し金を持ってくるようおふじに求めた隅田川橡河岸、広沢池北岸。立ち回りは斜面の林で。橡河岸は橋場あたりか。親分が文の断片からここを推定する逸話あり。 *元遊女のおふじは藤間紫、苦界から出してくれた男を神と慕い尽くす重苦しいまでの情の濃さの設定が、藤間紫なもんだからさらに濃縮。彼女のため藩医を棒に振るも悔悟の念から荒れる医師・村越は安井昌二、妻の真実を知ってコロっと変わる態度がなんかおかしい。村越が保身のため診ず死なせた男のことで執拗におふじを憎むおようは白石奈緒美、元はおふじの朋輩の遊女で今は賊の一味。*村越に再仕官の話が来て「邪魔な自分」に自棄酒を呷るおふじのシーン、酒肆内装に足踏み水車。*タイトルに「めおと」のルビ。 2008/5/22 ■ 銭形平次 第673話「翔べないトンビ」1979.5.23フジ/東映70 陰富を売るなど碌でもない渡世の青年が、悪党に利用され闇に落ちる。一旦渡りかけた、未来につながる橋から踵を返した男を待っていたのは、裏切りの刃だった。 ロケ地 ・大木戸一家の跡目争いの喧嘩が起こる永代寺、仁和寺観音堂脇。石畳脇に露店あしらい。深川永代島富ヶ岡の金剛神院か(富岡八幡の別当寺)。 ・岡場所へ身売りしようとしたお妙をとどめ話を聞く市松、仁和寺九所明神。 ・仙太郎が八十吉に安蔵殺しを指示する「材木置場」、斉宮神社脇か。 ・市松が安蔵を刺す夜道、大覚寺大沢池畔。 ・現場に落ちていた陰富の売れ残りの束を見て市松を捕えに来る青柳同心、市松が野博打を打っていた境内は仁和寺観音堂前。 ・市松を町方から逃がしたあと、隠れているよう八十吉が指定した千住・小塚原の野小屋、大覚寺大沢池畔にあしらい。 ・野小屋を出てお妙の故郷・鹿沼へさして二人ゆく夜道、広隆寺東塀際。 ・これを渡ると御府外という橋で足を止めお妙を置いて走り去る市松、中ノ島橋。小塚原近くで日光街道なので設定はおそらく千住大橋。 ・市松が走り戻る夜道、大覚寺大沢池畔。戻った野小屋に八十吉がいて刺される。 *市松は大門正明、通り名が鳶松で、鳥なら飛んでいけるのにと飛翔への憧れを口にして逝く。鹿沼へ逃れてもいずれ手が回るとはいえ苦い結末に平次の顔も曇る。父の借金返済のため身を売ろうとしていたお妙は小林伊都子。深川一帯の香具師の総元締・大木戸一家の若頭・安蔵は鈴木康弘、小頭の仙太郎は中田博久、市松の兄貴分の八十吉は南祐輔。仙太郎の襲名祝いの席に踏み込んだ平次の大立ち回りに福ちゃんチラリ。 2008/5/21 ■ 銭形平次 第672話「万七、恐怖の三日間」1979.5.16フジ/東映46 高飛びをはかり回船問屋に押し込んだ賊、たまたま万七が入って捕まってしまい、使い走りをさせられるわ人質にされるわボコボコに痛めつけられるわ散々な目に。挙動を怪しんだ平次の奔走と勇気に救われ情けないのだが、市民の命を守る誠意はちゃんと持っている万七親分なのだった。 ロケ地 ・矢切の辰蔵一味が人質をタテに伝馬船に乗り込もうとする伊勢町堀船着場、広沢池東岸。用意の船に待っている船頭はもちろん銭形の親分。 *辰蔵は菅貫太郎、ピストルぶっ放したり凶悪。盗金を隠し持っていた情婦は水原麻紀、親分の説諭に陥落・平次は彼女を「場」に引き出さず死んだことにして庇う。*またも平次の「日曜大工」ネタ、八が代わって釘を打つも物を置くとずんばらりで腕は平次同様ヘボな設定、EDには平次の再チャレンジが出るがやはりあまりうまくいってない感じ。 2008/5/20 ■ 銭形平次 第671話「故郷の祭りばやし」1979.5.9フジ/東映46 性に適わぬ水商売をして暮らす倉井顔の女、永年勤めた親方のもとを堪らず飛び出してきた男。彼らは幼馴染で再会ののち急速に心寄せ合いともに故郷へ帰ろうとするが、男が出来心でくすねた金をこっそり返しにゆくと、親方は血まみれで倒れており、とんだ事件に巻き込まれてしまう。 ロケ地 ・朝吉とおこよが思い出す信州中野郡川北村の鎮守さまの春祭り、藪田神社。参道から鳥居に境内、小径も使われる。北側の田地や遠景の集落にも一切「余計なもの」は映っていない。 *おこよは浅野真弓、朝吉は渡辺篤史。抜け荷の首魁は西山嘉孝で平次の銭に片目をやられて逃げた手下の辰造は下元年世、一味を強請っていて渋られ密告した親方は沖ときお。 2008/5/19 ■ 銭形平次 第670話「手鏡を抱く女」1979.5.2フジ/東映70 「旗本殺し」の陰にいた哀れな女、一旦は彼女と協力者を見逃す親分だが、その夜寝床で腑に落ちぬ一点に気付く。 ロケ地 ・青山主水正の土左ヱ門が浮く大川、大覚寺大沢池堤か(並木は桜)。 ・お秋の回想、青山に無礼討ちされた恋人の宇之助が一人立ちできたと報告に来た神社、今宮神社石橋〜稲荷社前。 ・自首したあと目付に引き渡されたお秋の駕籠がゆく道、仁和寺林間(中門東の蔵映り込み)。連れ込まれる荒れ屋敷は御影堂通用門(水掛不動脇/八とお町が尾行、内部はセット)。 *芸者・君千代になりおおせ主水正に近づいたお秋は司葉子、宇之助は長谷川哲夫。お秋の弟の船宿の板前は山下勝也、ほだされ協力する主は海老江寛。主水正の権高な奥方は松村康世、青山家家来は入江慎也、波多野博に福本清三。青山の勘定奉行就任を実は妬んでいた目付は船戸順、銭平には珍しく観念して自刃の運び。*手鏡は宇之助の遺品、仕上げてお秋に見せにゆく途上で登城する青山の馬前へ出てしまう。 2008/5/18 ■ 遠山の金さん2 第19話「桜吹雪に散る涙」1979.7.5テレビ朝日/東映46 男と逃げた母を求め十八年という青年の哀話。金さんが母の居所を教えたことを悔いる苦い結末で、さぶが祝言を挙げようとしていた女郎を死に至らしめるえげつない女将が母その人なのだった。 ロケ地 ・女房に去られ絶望したさぶの父が無理心中の断崖、保津峡落合落下岩。その後一人助かった幼いさぶが母を求め旅ゆく道、流れ橋上。 ・母に会うもけんもほろろに扱われたさぶを岡場所から連れ出し話す金さん、大覚寺護摩堂。 *さぶは林ゆたか、女郎屋の冷酷な女将は長谷川待子、そのお抱え女郎でさぶが結婚を約束した女は瞳順子。女郎屋の手代は蟹江敬三、女衒は大木正司と司裕介。 2008/5/17 ■ 柳生あばれ旅 第24話「打倒!柳生一族 −草津−」1981.3.24テレ朝/東映 又平の出自が明かされる回、そのことを逆手にとられ但馬守以下柳生一族に危機が迫るが、十兵衛の力押しで悪党は打ち懲らされるほか、「隠し子」の一件も爽やかに男臭く解決。 ロケ地 ・甘酒の製法をめぐり痴話喧嘩のお紋と又十郎のくだり、お紋を宥める花形は大内辻堂脇で又十郎がむくれる茶店は大内亀岡道にあしらい。 ・城代を弾劾する訴状を持った彦根藩士が庭番の虚無僧に斬られる街道、北嵯峨農地小丘。 ・彦根城、天守や天秤櫓に石垣のほか、城代が庭番の報告を聞く庭は玄宮園。 ・事後、十兵衛が大津さしてゆく街道、藪田神社参道前の小径。 *藩政を壟断する城代は西沢利明、庭番の虚無僧は成瀬正、監禁されていた藩主は石田信之(又平にシンパシーを持ち彼に励まされ、最期は陰腹切って藩士を説得ののち↓)。 2008/5/16 ■ 銭形平次 第669話「雨の中に消えた女」1979.4.25フジ/東映69 母と名乗れぬ女が倅のためにした殺し、その哀れな事情を叙情あふれる映像で描く。 ロケ地 ・自分を庇ってくれた芳三が殺害されたと聞き川端に佇むおせん、桂川畔か(汀に杭)。 ・千住に住む、おせんが苦界から救ってやった女が語るおせんの身の上のくだり/奉公先の若旦那の子を産んだおせんが、赤子を跡継ぎにしようと追ってくる者たちから身を隠すのは広沢池東岸(追っ手は池端、おせんは植え込みの陰)/追っ手からのがれ旅ゆく母子、雨宿りのお堂縁下は大覚寺護摩堂で石仏映り込み〜松尾橋下手右岸堤〜病の息子を寝かせるお堂は大覚寺護摩堂(カメラ堂内から)〜渡月橋(見上げ)〜竹林(北嵯峨か・スモーク演出)〜落合トンネル(シルエット)〜保津峡落合巌(疲れ果て心中企て・本流にドボン→助かるも括った紐ははずれ倅は不明に・設定は上総の小糸川)。 ・話を聞き千住から帰る平次と八、広沢池西岸の道(農地からのアングルも)。 ・姿を消したおせんが信吉に金を渡し走り去り隠れる神社、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居〜舞殿前灯篭(ここで「かしら」が現れおせんを殺害、追ってきた信吉に罪をなすりつける)。 ・信吉をおせん殺しの下手人に仕立てて殺そうとする「かしら」、大覚寺天神島。平次のあとを追って殺到する青柳たちの場面に斉宮神社(材木置場を背景に神社の玉垣を乗り越え境内に入ってゆくかたち)を組み合わせ。設定は深川界隈。 ・おせんの墓、招善寺墓地(坂の直上に卒塔婆、「六地蔵」をナメて見上げのアングルもあり、親分の背後に墓地入口の門が来る絵も)。 *おせんは南田洋子、心中未遂のあと盗賊の情婦に・倅生存を芳三に聞き逃亡。倅だった信吉は佐藤仁哉、彼をささいなネタで強請っていた男がおせんに殺される運び。大泥棒だった材木商の佐野屋は富田浩太郎、手下でおせんを庇い殺される老爺・芳三は堀内一市。 2008/5/15 ■ 銭形平次 第668話「危機一髪!辰の下刻」1979.4.18フジ/東映46 平次に割符を拾われてしまった一味が仕掛ける大胆な罠、まんまと引っかかった猪は青柳同心で、周到な策により将に「土壇場」。きわどい手で一味をお縄にした平次、樋口さまとぎりぎりに駆けつける。 ロケ地 ・抜け荷の相談をしていた男を誰何する夜回り中だった平次、大覚寺大沢池畔、五社明神。 ・蟄居謹慎中にも関わらず憤激のあまり出奔して唐津屋へ向かった青柳同心、捕り方に取り押さえられるのは下鴨神社河合社裏手。 ・割符を「取り戻した」一味が取引の現場、仁和寺経蔵。殺陣は付近の林間。 *抜け荷首謀者の口入屋は天津敏、手下の強面は黒部進、青柳をハメる芝居を演じる鉄砲玉の荒くれは浜伸二、一味とグルの矢場の女将は松村康世。辛口の沙汰で青柳に恨まれる筆頭同心は幸田宗丸、眩暈芝居で足を踏まれ意趣返しされる。 2008/5/14 ■ 銭形平次 第667話「結婚って何だ」1979.4.11フジ/東映46 内情が苦しいのに娘の婚礼支度に大金をかける老舗の主、それが破滅を呼ぶ話。殺された婚約者はとんだタマで、影で娘を真摯に思う相手がいたことを知る次第、気の弱そうな若者にいたく親近感を抱く万七と、また先走りの青柳同心で笑い話も。 ロケ地 ・杉田屋の若旦那・清二郎が土左ヱ門で上がる大川、嵐峡。 ・山吹屋の回想、清二郎がヤクザと山吹屋を陥れる話をしていた橋、中ノ島橋。問い詰め揉み合い清二郎がドボンは堰堤脇。設定は大川端。 *山吹屋は小栗一也、娘は谷川みゆき、彼女を思う職人は長澄修。清二郎は西園寺章雄、つるむヤクザは五味竜太郎。 2008/5/13 ■ 銭形平次 第666話「やがて青空」1979.4.4フジ/東映69 猪突猛進ぎみの新米同心は、ポカをやらかすが反省しひとつ階梯をのぼる。そのことは、一人の男が罪を犯してしまうのを食いとどめるのだった。 ロケ地 ・現場へ走る青柳同心、広隆寺東塀際。船手方の坂口が殺されて見つかるのは蓮華寺五智如来像前。 ・坂口が十兵ヱから手紙を預かった八丈島のシーン、保津峡落合。 ・十兵ヱの島抜け手伝いを強要された安吉が木更津へ向かう道、北嵯峨農地畔道〜両側小柴垣の竹林内の道。追いついて安吉と取っ組み合いの青柳はわらびの里か。 *元十兵ヱ一味で島帰りの豆腐屋・安吉は北条清嗣、夫の前科を知らなかった女房は杉田景子。十兵ヱの女で島抜けを主導する姐御は水上竜子、実は一味の質屋は山本清、十兵ヱは宮城幸生。*OP変更、仁和寺境内と琴弾公園の寛永通宝砂型が登場。 2008/5/12 ■ 銭形平次 第665話「殉職・榊同心」1979.3.28フジ/東映69 平次夫婦に祝言出席を頼む榊同心だが喜びは束の間、当の恋人の兄が殺しの罪を着せられ投獄される。自らの幼馴染でもある男を救うため奔走する榊、しかし陰謀の根は深く、若い命は汚い奴輩の手で散ってしまう。 ロケ地 ・おあきの兄・小吉を捕縛した北町同心・片桐や配下の目明し・富松が出入りする勘定方の屋敷、相国寺大光明寺。見張りや尾行の際に方丈塀も映る。 ・小吉が身請けして国へ帰らせた岡場所の女(国は郡上八幡)を追って東海道を走る榊のくだり、街道風景は大内辻堂付近(地道)、流れ橋、大覚寺放生池堤、間にセットの宿場(宿帳調べ)をはさんで木津堤、渡し場は不明(流れは瀞でたっぷり)、おあきを見つける祠は大内辻堂。このあとは来た道を戻るので同じ風景を幾つか繰り返し、榊を案じた平次がゆく道も同様。榊とおぎんが富松と雇われ浪人に囲まれる宿場はずれの林は赤山禅院西池畔で、丘の上に「土壁の小屋」も映り込む。榊が戸板で運ばれてゆく街道は大内。 ・榊の墓、黒谷墓地。 *おあきは清水めぐみ、小吉は水上保弘、おぎんは大関優子。片桐は田口計で富松は山本一郎、雇われ浪人は有川正治や小峰隆司など。縁者の片桐を使い馬鹿息子の罪をごまかそうとした勘定方は永野達雄、グレた質屋殺しの倅は三木豊。*榊殉職のくだりは放映当時流行りの熱血刑事ドラマふう、彼の死を見た平次が無理くりに旗本屋敷へ乗り込むくだりは正調時代劇で面白い。 ■ 八百八町夢日記 第13話「幻の旅路」1990.1.23NTV/東映 勘定吟味役が出自のことで強請られ、挙句それをライバルに利用されてしまう悲劇。幼い花木が実父の盗っ人と巡礼姿で旅ゆく映像はまんま「砂の器」で哀調を帯びる。 ロケ地 ・中間に脅された花木が仲間のヤクザを斬ってしまう町角、民家東塀際。 ・巡礼の親子イメージ、広沢池畔(水無し)。 ・花木邸、門は不明(塔頭ふう)。観音寺が見張る「前の道」は大覚寺参道。 ・中間が花木と鹿蔵を呼び出す船宿イメージ、錦水亭東屋。 ・巡礼姿で各地をゆく鹿蔵と幼い倅のくだり、桜の土手は広沢池か。石礫多い河原は大堰川河川敷か。倒れた鹿蔵を助けた花木(先代)、不明(一枚岩を削る滑滝)。花木の養子となった倅を見送る鹿蔵、罧原堤下河原(花木一行は船)。 *花木は清水健太郎、鹿蔵は森塚敏。 ■ 水戸黄門38 第17話「娘の涙は金の粒」2008.5.12TBS/C.A.L 伊之助と志保の再会話に、母の死を境に心が擦れ違ったままだった父子の情話が重ねられる。銀鉱を見てもらう山師から伊之助に持ちかけられた「儲け話」は武田の埋蔵金、欲深い一味が嗅ぎつけ大騒動となるが、信玄の黄金は山鳴りとともに地の底深く落ちてゆく。 ロケ地 ・甲府イメージに武田神社と甲府城。一行が甲府さしてゆく道は不明(道端に石垣のアレ)。 ・当てにしていた山師は亡くなっていて墓に参る伊之助、酵素「木」の根方。代わりに銀を見てくれる山師・清三郎の家は民家セット。 ・友吉をシメる伝蔵一家、大覚寺五社明神裏手(弥七介入)。 ・沈む友吉を連れ出し訳を問い詰めるお光、愛宕念仏寺石仏群前。 ・清三郎と伊之助が入る「武田金」のある坑道、井上長石鉱山(京滋バイパスから見える桜峠脇「水畝宮」の奥)。 ・助格介入の件で友吉をシメにかかる伝蔵一家、大覚寺護摩堂前。 ・友吉に父が隠していた武田金を渡すお光、大覚寺天神島(夜間撮影)。 ・清三郎宅を出て当地を去る一行、酵素民家セット〜河川敷。 *お光は水橋貴己、父の清三郎は中西良太。お光の勤める酒肆の板前・友吉は伊東孝明で主は野口貴史。金座主人は外山高士、横流しでつるむ金山奉行は石山雄大、手下の二足草鞋の伝蔵は木村栄。奉行配下で福ちゃんチラリ。 2008/5/11 ■ 変幻紫頭巾 工藤栄一監督作品 1963.1.27東映 田沼の賄賂政治で腐りきった世に、三つの顔を持つ怪人が現れ悪を懲らす痛快劇。大友柳太朗が三役をつとめ、豪快なガハハ笑いも爽快。 田沼の贄に供される京娘を助けに入った紫頭巾は、悪事の一部始終を記し老中職を辞する旨の誓言書を意知に書かせ、田沼に印を捺させる。三日のちに辞めねばこれを公にすると脅す紫頭巾、躍起になって取り戻そうとする田沼一味、以降どたばた風味の悪人成敗や、「頭巾」の情人の花魁がらみの哀話など描かれ、捕り方との派手な追いつ追われつもたっぷり見せて、田沼失脚後のちょっといい話で最後を締める。 ロケ地 ・生き人形に仕立てたお京が運ばれてゆく夜道、塀際の道は不明(五本線入り)。田沼邸は西本願寺大玄関門(以降も登場、昼間の絵や内側からのアングルもあり)。 ・田沼一味の札差・下野屋夫婦が紫頭巾に拉致され晒される両国橋、瀬田の唐橋。寄っての絵はセット撮りか。 ・田沼邸で目明し・佐平次の尋問を受け報に紫の字を書かせろと強要された花魁・花紫が帰ってくる日本堤、不明。 ・金座後藤と贋金に近い新小判、偽紫頭巾の骸を乗せた船がくぐる橋、瀬田唐橋。どっと町衆が寄ってゆく場面では川端も。 ・田沼失脚後、紀伊大納言の一の姫が伊勢参りにゆく行列に同行する、切腹したはずの佐野青年と「関係者」が通る東海道、琵琶湖岸松原。 ・報竜太郎が立つ丘は琵琶湖を望む湖西の丘。 2008/5/10 ■ 遠山の金さん2 第18話「石川島怨み唄」1979.6.28テレビ朝日/東映46 思う女の店あたりが大火と聞き、たまらず島抜けする男。火盗の道具だった男は欲深どもにハメられ、約束の期日を過ぎても島から出して貰えないでいた。 ロケ地 ・島抜けのあとお冴を呼び出す藤五郎、赤山禅院本殿脇。 ・藤五郎を見たとの垂れ込みを聞く警戒中の赤目、大覚寺護摩堂。 ・逃げようと縋りつくお冴、そこへ赤目が御用と現れるのは大覚寺五社明神裏手(藤五郎は逃亡)。 ・備前屋の寮、嵐山公園・錦(「臥龍」の扁額)。 *お冴は葉山葉子、藤五郎は辻萬長。人殺しを見逃してもらう代わりに火盗の「付人」をつとめる設定、その後因果を含められ石川島へ。火盗の役人は菅貫太郎、彼に頼みお店乗っ取りを企んだ番頭上がりのお冴の亭主で現備前屋当主は中村孝雄。寄場の乱暴名主は有川正治。 ■ 柳生あばれ旅 第23話「必殺おんな馬子歌 −関−」1981.3.17テレ朝/東映 病んで逃げ出した女郎を看取る十兵衛、容貌が酷似していた奇縁からお紋は間違えられるまま女の実家で暮らすことに。岡場所の男たちが借金を取りに来て「嘘」はばれてしまうが、老母はお紋に感謝しつつ芝居を続ける。 ロケ地 ・逃げた女郎・おとよが倒れる街道、北嵯峨農地農道。十兵衛が行き合わせる。 ・おとよを荼毘に付す十兵衛たち、酵素河川敷。 ・坂の下宿で押し付けられた捨て子を「捨てる」花形たち、藪田神社参道の灯籠前。狛犬の陰に隠れ様子を窺っていると又十郎が来て拾う。 ・赤子を抱いて道をゆく又十郎、粗相をされて困り果てていると馬子の大吉が現れ世話してくれる峠は大内亀岡道の上り坂。 ・お紋がやって来るおとよの家がある里、不明(山際に道、道下に家なみ。蔵や萱葺民家が見える。暴将第一シリーズでも出たところ)。「弟」の大吉の馬にゆられ宿場を出るのも同所。 ・おとよの家、萱葺民家。お紋のおとよの亭主にされた又十郎が大吉と馬を引く道、大内八木道。鬼源一家が銭を徴収しているのは道隈の辻堂裏、又十郎が強行突破。 ・巡検使に戻り、桜井らと街道をゆく又十郎、大内亀岡道(平坦路)。 *おとよはお紋の二役。素人女をつまみ食いする癖の悪い鈴鹿番所総取締は浜田晃、彼に取り入る問屋場の親方は梅津栄、岡場所の男衆は市村昌治や志茂山高也。銭を徴収する男たちの一人に福ちゃん。 2008/5/9 ■ 銭形平次 第664話「去りゆく人々」1979.3.21フジ/東映46 今際のきわの女房から娘の生存を知らされた親爺は、恩ある養い親の与力にかかる災難に身を捨ててかかろうとする。平次が止めるのも聞かず危地に身を置く老爺、助けた娘の祝言を見ずに江戸を去ることとなるが、同じく寂しい身の上の別の娘が寄り添い旅立ってゆく。 ロケ地 ・かすがのお京が夢想する花嫁行列、北嵯峨農地畦道。 ・吉原大門外へ出ての羅漢一味との立ち回り、捕り方殺到の土手は広沢池東岸。 *島帰りの親爺は北村英三、「娘」は岐邑美沙子で養親の引退間近な与力は稲葉義男。荒っぽい手口でのし上がるヤクザは森幹太、娘にフラれた恨みと欲で捜査情報をリークする鬼畜同心は島田順司。*国の親のためかすがが店をたたむ話が出て、ちょうどお京も寿退職。父のいないお京と、娘に父と名乗れぬ親爺が呼応し親しむ設定。 ■ 八百八町夢日記 第12話「最後の賭け」1990.1.16NTV/東映 悲惨を見て世を倦む者たちを使嗾し、老中暗殺を企てる悪党。未だ義憤の裡にあり道具にされたと気付かぬ「実行犯」たちの心を、機略をもって解いてゆく運び。 ロケ地 ・「三人組」が老中・松平周防守の墓参ルートの橋に爆薬を仕掛けるくだり、中ノ島橋橋脚に爆薬取り付け。橋上に捕り方が殺到、溝の中や河川敷、橋たもとでチャンバラ。 ・元砲術方の坊主の回想、秋田屋に声をかけられた神社境内(娘に無体の若様たちを阻止/見事やっつけたのとやり返されボロボロのと二種類のお芝居)、今宮神社舞殿前。 ・若者の回想、仕官の賄賂効かず自刃した父・ほどなく病死した母・売られた先で悲観し自害した妹、三人の墓標立つ丘、北嵯峨農地の小丘(木の下)。賄賂を受けなかった松平周防守邸の前に立ち尽くす彼に声をかける秋田屋、大覚寺大門。 ・「先生」の回想、幸せな遠い所へ行くと別れの挨拶に来た教え子らが一家心中して見つかる水辺、大覚寺大沢池畔。 *寺子屋の先生は長谷川明男、破戒僧は木場勝己、若者は鈴木喜勝。汚職で罷免された元若年寄は黒部進、グルの悪徳商人は中田浩二。 ■ 密命 寒月霞斬り 第4話「決意」2008.5.9TX/CAL お役目と人助けと、どちらにも惣三の人柄を見込んだ「人々」が助けの手を差しのべる。分家方の手強い助っ人との対決が見もの、彼が修行を見ていたという秘剣が繰り出される。 ロケ地 ・役人が没収を言い渡しに来る相良の金杉家、民家門内外と母屋前。 ・金杉の婆さまと惣三の子らが身を寄せる正玄寺、龍潭寺山門前。 ・火事始末中再度出火し惣三が幼女を助ける長屋、どこかの野原での撮影か。 ・惣三の仕事場を訪ね助けて貰った礼を述べるいく、八幡掘新町浜(両岸とも使用、後段でも出てくる。画面奥に明治橋映り込み)。 ・誑し込んだ女中に手引きさせた盗っ人が入る相良藩上屋敷、妙心寺天祥院。 ・しのとお参りの惣三を見かけるお杏、車折神社。惣三らは中門前、お杏は参道に。 ・賭場から逃げた久次と対決の石畳、木島神社舞殿前(夜間撮影)。 *いくは渋谷琴乃、担ぎ商いは大嘘で盗っ人だった亭主の弥助は宮下直紀。いくが昔勤めていた小間物問屋の番頭は芝本正。 2008/5/8 ■ 銭形平次 第663話「誰がための十手」1979.3.14フジ/東映69 父が死んだのは役人のせいと恨む子の声が、平次の胸に突き刺さる。出てきた真実がまた職掌を同じくする者に苦い思いを残すも、父の無実を証してもらった子らは明るく笑い明日へと踏み出してゆく。 ロケ地 ・仕事帰りの職人・喜助が虚無僧による井筒屋番頭扼殺を見た夜道、広沢池東岸。 ・お上に届けるも虚偽として取り上げられぬばかりか痛めつけられた喜助が「事故死」して見つかる崖下、不明(吉田神社境内か)。亡骸が運ばれてゆく道、宗忠神社拝殿脇(北参道坂を上がって石畳を来て拝殿脇へ)。 ・喜助が見た「大川端の事件」について榊に聞きながら奉行所へ向かう道、大覚寺参道。明智門から服部が出てきて、八の身だしなみに叱言して去る。平次らが奉行所へ入ってゆくくだりは明智門内側。 ・八が聞き込んできた井筒屋の元奉公人の娘を訪ねるくだり、金戒光明寺。途中の道は東坂下石垣際(角)。娘が勤める茶店は本堂前茶所、背景に経蔵も映り込む。帰り道は三門をくぐり外へ、門前に露店あしらい・店先のおもちゃの刀を見て夜道の刺客にひらめき。 ・喜助の女房の協力を得て番頭殺しを暴いたあと、立ち会わせた服部と三人で帰る道、下鴨神社河合社脇(塀際)。 ・平次に礼を言いに来た母子と散歩に出る水辺、広沢池東岸。子らが亡父に汚名が雪がれたことを虚空に呼ばわる。 *喜助は重久剛一、女房は三好美智子。苛烈な取調べで功績を積む鬼同心・服部は中野誠也、火盗与力へと声もかかるキャリアに傷をつけたくなかった設定。番頭上がりの井筒屋主人は内田稔、先代の死因で主人の弱味を握っていた手代上がりの番頭は玉生司朗。先代夫婦の死因はフグ毒。 ■ 八百八町夢日記 第11話「夫婦舟浮き沈み」1990.1.9NTV/東映 河川改修工事と偽り隠し田を作る代官たち、駆り出され監禁されている民を救おうとした若き庄屋は、難を避けるため恋女房を突き放すように離縁。しかし女は夫の心変わりを信じず、江戸へ出て北町へ駆け込み。悪事はお奉行の知るところとなる。 ロケ地 ・駆け込み女・おこうの回想、祝言のあとお披露目のもみじ川の船、広沢池(前景にあざとく紅葉を一枝、かなりロングの絵も)。 ・勘定奉行を探っていて見つかった三郎三が追いかけられる水辺、広沢池東岸。 ・村へ帰る代官所役人の後を追う夢之介、不明(地道の坂など。茶店仕立ても)。 ・夢之介が乗客を楯にされ捕まる甲州笠原村の渡船、広沢池。 ・隠し田の工事現場、不明(切り立った岩場の下が原っぱのアレ。掘り抜きの小屋に百姓衆が監禁されている運び)。 ・家斉側室第六子の法事が行われる寺、イメージに金戒光明寺三門(内部はセット撮り)。 ・代官の部下と村へ急ぐ庄屋を呼び止め女房を見捨てるのかと責める三郎三、嵐山東公園か(サルスベリの大木が見える)。 ・村へ帰る庄屋夫婦、広沢池(船上)。いい村だったと三郎三に話すお奉行、広沢池東岸(釣りに来ている)。 *おこうは山本みどり、亭主の庄屋は横光克彦。黒幕の勘定奉行は西沢利明、笠原代官は中田博久で部下に有川正治や武井二三。おこうの父は阿木五郎。ラス立ち福ちゃんや小峰さん入り、小峰さん「関わりなき者は去れ」に反応し逃走・福ちゃんは逃げず斬られる。小峰さんは船で夢さんに槍突きつける役人でも登場。 2008/5/7 ■ 銭形平次 第662話「憂き世まんだら」1979.3.7フジ/東映46 性根の腐った青年の罪を覆い隠そうとした骨肉の情は、無関係な職人一家を地獄に落とす。しかし亭主の無実を信じ、命懸けて縋った女房の心は平次を動かし真実が露わとなる。 ロケ地 ・お静に子を預けたあと、亭主の無実を訴えた文を懐にし入水するおさよ、渡月小橋(夜釣り船が居合わせ救出)。 ・商家を恐喝した宇一を見かけた佐山同心が連れ込み叱る神社、不明(鳥居や祠が複雑に建ち込む)。 ・宇一の姉の絵草紙屋の女主がかつての夜鷹と知った平次らの回想、夜鷹狩りの町角は大覚寺五社明神。 ・物思う佐山、大覚寺大沢池畔(お歌を見かけ逃がした警動の夜を回想)。 *欠所となった店を再興し弟に継がせるのが願いだったお歌は有吉ひとみ、救いようのない弟は山本茂。お歌の婚約者だった佐山同心は小坂一也。佐山により犯人に仕立て上げられた職人の女房は藤村薫。夜鷹のお歌を知っていたお仲は山口朱美、平次にお熱の設定でお静が柳眉を逆立てる一幕あり・親分ちょっと慌て。平次乗り出しに難を示す佐山を抑える役どころで久々の樋口さま登場。 2008/5/6 ■ 銭形平次 第661話「父ぅちゃんガンバレ」1979.2.28フジ/東映46 倅の目を治してくれた医者に感激した中年親爺は一念発起、その医師のもとで修行をはじめる。凶賊に盗ませた薬で法外な治療費をとる悪徳医師のせいで親爺の夢は頓挫しかけるが、平次の奔走で事件は解決し、難しい試験もみごと突破するのだった。 ロケ地 ・五郎吉の女房の回想、目を病んだ倅・礼を連れて巡礼の五郎吉、金戒光明寺墓地石段(塔映り込み)。この帰り玄碩と出会う。 ・千賀寿庵が通う船宿、大覚寺大沢池南西畔に「入口」あしらい。池に浮く屋形船も効果的に映し込み、池畔の植え込みに潜んで平次や八が見張り。 ・三之助に罵られた五郎吉が医術をあきらめようか迷い佇む水辺、大覚寺大沢池北西畔。未だ彼を犯人と疑う万七は五社明神から見張り。 ・寿庵宅、金戒光明寺瑞泉院。患者が列を成す。 ・薬種問屋押し込みに関わった船頭たちが殺されて見つかる百本杭、桂川畔か(汀に杭)。 ・五郎吉の倅・礼がさらわれる赤羽村、北嵯峨農地小丘。合格を告げに五郎吉が帰ってくる場面では、小丘を見上げのほか下の畑も映る。 *五郎吉は財津一郎、泣き笑い芝居が最高。女房は水澤摩耶、玄碩先生は岩田直二。極悪医師・寿庵は加藤和夫、船宿の悪女女将は三浦徳子、玄碩を裏切っていた書生は高橋仁、用心棒は川浪公次郎。*一旦赤羽の家に戻るも、自分を気遣う家族の会話を立ち聞きして再起の運び、これをさらに立ち聞きの万七が男泣きも笑える。倅縮んでるし。 ■ 八百八町夢日記 第10話「おりん慕情」1989.12.19NTV/東映 おりんのもとから祝言間近に黙って消えた恋人、不幸な経緯で掛け違った運命はひとときの邂逅ののち再び遠くへ翔り去る。 ロケ地 ・平吉を呼び出し秀之助について聞く夢さん、大覚寺護摩堂。話しながら平吉が池に石を放る。ここへ三郎三が現れ合図、逃がし屋について報告するのは大沢池畔。 ・秀之助を探し出したおりんが何故姿を消したか問う川端、嵐峡(花嫁を乗せた船が通過)。 ・秀之助と親しかった男がおりんに五年前の経緯を話したあと斬りつける水辺、広沢池西岸湿地(三郎三が阻止/捕縛)。 ・逃がし屋のアジトの寺から出て「隠し金」の場所へ赴く夢さんと秀之助、大覚寺天神島(二人の間におりんが割って入り秀さんを逃がそうとする)。 ・事後、秀之助の墓に参る三人、広沢池西岸・柳の大木(孤立木)の下の田畔(穂実り)。三人は西岸沿いの「道」を帰ってゆく。 *秀之助は並木史朗、首切り役人の家業を嫌い家を出て板前→おりんの店、おりん絡みの下らぬ経緯で友を刺し殺し「転落」、逃がし屋のもとで殺人担当に。黒幕の元船手頭・小田島は上田忠好、一味の寺僧は西山辰夫。冒頭秀之助に消される、逃がして貰うはずだった凶盗は小峰隆司。ラス立ち福ちゃん入り・小田島の家来、去らず斬られる。 ■ 華岡青洲の妻 第6話「永久の花々」2005.3.4NHK 占い師と同じく血筋の者は救えないと呟く青洲、その通りに小陸の病は彼の手に負えない。死にゆく義妹から加恵と於継の確執は見るに耐えなかったと聞かされ、加恵の心は千々に乱れる。しかし初の乳癌手術を成功させた青洲は、母の築いた礎を加恵が立派に育て上げたのだと、己を責める妻を掻き抱く。 ロケ地 ・手をひかれ道をゆく加恵を見て誉めそやす野良の衆、不明(谷地田の畔)。 ・華岡家、美山民家(南側の「表」と裏手の「曼荼羅華」満開の畑)。 ・乳癌の母を駕籠に乗せやって来る利兵衛、山室堤。 ・「紀ノ川」、不明。 ・青洲たちの墓、那賀町西野山の華岡家墓所内にある本物。 2008/5/5 ■ 銭形平次 第660話「迷い橋・想い川」1979.2.21フジ/東映46 名うての盗賊の父に仕込まれた娘だが、父の死後は酒肆の下働きをしてまっとうに暮らし仲間の誘いもきっぱりとはねつける。しかしその仲間が関わった押し込みで、彼女の存在は平次の知るところに。賊の娘であることを否定し、遂には江戸を去ろうとした矢先、彼女の錠前破りの腕がどうしても要るアクシデントが発生する。 ロケ地 ・お紺が物思い佇む橋、中ノ島橋。おかしらである父に足抜けを申し出た回想シーンも、江戸を去ろうとした彼女に追いついた榊同心が協力を要請する橋も、橋のシーンは全てここ。欄干越しに見える堰堤からの落水が印象的に映し出される。劇中橋の名は出てこないが、江戸を去ろうとしたお紺が渡り、平次が見逃して行かせる設定なので両国橋あたりか。 ・回線問屋・田島屋が勘定組頭・安藤と密かに会う夜の神社、木島神社本殿前。最終的に斬られるのも同所。 *お紺は榊原るみ、父の十六夜左文字は出水憲司(面差しが似ると平次、あの強面に似てると言われるのは女優さんに気の毒な気が)。元長崎奉行所与力の安藤主馬は西山辰夫、彼と結託して抜け荷をしていて賄賂の書付を狙われた田島屋は伊沢一郎。安藤に使われお紺に接触する元左文字一味の賊は石倉英彦、安藤の手先でお紺を消しにくるチンピラは平沢彰。 ■ 八百八町夢日記 第9話「我が子を思いて」1989.12.12NTV/東映 凶賊を息子にもった母は、贖罪のため我が身を顧みず世の人に尽くすが、身の上が知れるや人々は彼女に冷たく接する。それを哀れと見た二人の男は、それぞれのやり方で気の毒な老母を気遣い見送るのだった。 ロケ地 ・島抜けの夜がらす一味の残党が着く浜、広沢池東岸。 ・女児の落とした下駄を拾おうとして川に落ちた子をおかな婆さんが助けようとするくだり、渡月小橋。泣く女児は橋上、下駄を引き寄せようとして水に落ちる子は橋下手右岸河川敷。飛び込んだ婆さんに続いて三郎三が水に。 ・船を沈めた話を船頭らに聞き込むおりん、広沢池東岸(火盗改が見ている)。 ・夢之介が入り込む、万屋が残党を隠している屋敷、中山邸通用門。母に会いに行くと称し屋敷を抜け出す政吉を「見逃す」用心棒の夢さんは参道。 ・夜がらす一味の隠し金を埋めてある竹林、北嵯峨か。 *老母は菅井きん、性根治らぬまま逝った倅は吉田次昭で仲間に阿波地大輔。窩主買いの万屋は江見俊太郎、グルの火盗与力は原口剛。 ■ 華岡青洲の妻 第5話「別離」2005.2.25NHK 失明という大事にも関わらず加恵の体質などと言う母に、同じ薬を投与していない事実を告げてしまう雲平。その後折れ崩れるように弱り、遂に息を引き取る於継だが、時を同じくして跡取りとなる孫が産声をあげる。 ロケ地 ・華岡家、美山民家(裏手の「曼荼羅華」満開の畑)。 ・急患が入った雲平の代わりに加恵を墓に連れてゆく於継、途中の道は山室堤。墓は不明(堤下の河原か)。 *米次郎の求婚を断る小陸の逸話が出てきて、彼が故郷へ帰る際に加恵に語る華岡家像も心象に深く関わる。 ■ 水戸黄門38 第16話「太鼓叩きゃ出るホコリ」2008.5.5TBS/C.A.L 不正を見つけた勘定方の若侍は斬られ逃げるが、金を持って出奔したことにされてしまう。彼を救いに現れる「鍾馗さま」は祖母と結婚するはずだった老爺、老公のサポートを受け悪党を誘い出す役を見事にこなし万事メデタシ。 ロケ地 ・老公一行が「鍾馗さま」伝右衛門と出会う伊那の街道、不明(堤下の田地、畔の傍らに水路も見える。堤には河畔林、すぐ近くに建物も。山室に似て微妙に異なる)。 ・諏訪入りの伝右衛門が休む茶店、不明(境内か)。 ・高島城下の伝右衛門の生家(現当主は甥)、民家門。 ・諏訪大社に参る一行、本物の上社や鳥居をイメージに挿入、実際のロケ地は不明(社殿がちらりと映り込む)。 ・伝右衛門たちが役人に追われる娘を助ける町角、民家南塀、民家北西角付近。その娘が落馬した伝右衛門を連れて入る高岡家、民家長屋門。 ・小川で水を飲んでいて昏倒してしまう高岡清四郎、酵素ダート下汀(猟師が覗き込む)。 ・かつての婚約者に伊那へ帰るよう促されたあと湖畔で老公に昔を語る伝右衛門、琵琶湖西岸河口州(太鼓の練習の民のくだりでは雪嶺が映り込む。浜には養浜の水制も)。 ・清四郎に飯を運ぶ猟師が誰何される山道、酵素ダート(弥七登場)。 ・太鼓の叩き競べが行われる高島城、本物をイメージに。 ・当地を発つ一行、冒頭の伊那街道と同所。 *伝右衛門は長門裕之、まんま鍾馗さまの髭と髪。元婚約者の婆さまは水野久美、孫の清四郎は市瀬秀和で許婚者は高松あい。大社改修の勧進に不正をはたらき私腹を肥やす家老は内田勝正、太鼓フェチで往年の名人・伝右衛門の音にたまらず誘い出される設定、いつもの極悪ぶりがうまく作用しコミカルに可愛い勝正が見もの。グルの奉行たちは草川祐馬と夏夕介。伝右衛門の甥は野仲イサオ、剣突の応酬が笑える。印籠に驚く藩士の一人に福ちゃん、峰蘭さんも。 2008/5/4 ■ 任侠清水港 松田定次監督作品 1957.1.3東映 大親分・次郎長が、義理人情の抗争の果て足を洗う発心を抱くも、可愛い子分の悲報に接し端緒についた仕事を捨てて復讐の血刀を振るう過程を、オールスターキャストで描く。 大まかな経緯 ・猿屋の勘助のもとに逃げ込んだ兇状持ちを追って旅に出る次郎長一家。 ・勝蔵に唆され周太郎を匿った勘助に殴り込み。 ・旅の次郎長一家を援助してくれた巾下の長兵衛が、恩知らずの久六に殺されたと知る。 ・悪党とは言え十手持ちの久六を殺ったことで、旅は続く。 ・久六の鬱憤晴らしをネタに、次郎長に果たし状を突きつける勝蔵。 ・黒駒との全面対決寸前、大前田英五郎が捨て身の仲裁。 ・英五郎との出会いから、山岡鐵太郎に師事する発心を抱く次郎長。子分どもは気触れと首を捻る。 ・その発心のひとつ、刀を金毘羅さんに奉納することを思い立ち石松に代参を依頼。 ・土を耕す日々が始まった途端、石松の悲報がもたらされ、遂に勝蔵と事を構える。 ロケ地 ・富士山麓をゆく次郎長一行、棚田との合成か。 ・小幡の新太が一行を待っている橋、不明(木橋のたもとに松、丘陵地か)。 ・石松と大政を勘助のもとに遣った次郎長が待つ梅ノ宮、梅宮大社楼門前。 ・巾下の長兵衛宅に滞在する次郎長、坊と凧揚げの棚田は湖西か。 ・病みついたお蝶のため滝行をする子分たちのくだり、滝は渓流瀑、次郎長が見遣る石段は豊国廟に似た石段。 ・発つ一行を見送る巾下の長兵衛夫婦、丘陵地か。 ・久六を血祭りにあげたあと足早に旅行く次郎長一行のくだり、渡る橋は欄干の無い土橋、山道は切り通し。 ・勝蔵の果たし状を受け陣を張る天竜川千丈河原、不明(礫河原、河川敷はかなり広大)。 ・兵を退き街道をゆく次郎長、琵琶湖岸か(傍らの田に干し架)。 ・石松が代参に向かう道、富士を望む松原は琵琶湖岸に合成か。 ・お山の麓で畑を作ると「発心」の次郎長、子分も駆り出して耕作の田地、不明(竹の河畔林沿い)。 ・帰途の石松、淀の船は宇治川か(流は瀞、堤に松原)。 ・次郎長が子分を引き連れ座禅を組みにゆく瑞巌寺、不明(棟門を内側から/堂内には石篠)。 ・吉兵衛らが勝蔵のもとへ向かう道、川堤法面。 ・石松の悲報を知らせに清水へ向かう七五郎、谷地田〜琵琶湖流入河川河口州(湖西/対岸に八幡の山なみ)。 2008/5/3 ■ 遠山の金さん2 第17話「待ちぼうけの女」1979.6.14テレビ朝日/東映 親子塚のそばで父と二人、小さな店を出してつましく暮らすことを夢見る女。彼女に絡みついたしがらみを断ち切り不明を詫びるお奉行、金さんからは茶店手配のプレゼントが。 ロケ地 ・親子塚、大覚寺天神島祠。旅の親子連れが凍死したのを土地の人が弔ったもので、願い事に効くと伝わる設定。ここを大好きなおたかが参りに来るほか、彼女の父が絶望して吊りかけるのもここ。 ・勘定吟味役への賄賂を横取りした男が殺されて見つかる水辺、不明(草深い汀、金さんの背後に石段と鳥居)。 ・宇三郎に「うまい話」を持ちかける金さん、相国寺鐘楼脇。落ち合う約束の蓮池の辻堂は大覚寺護摩堂。 *チンピラや金貸しに弄ばれ、勘定吟味役への貢物にされかかる薄幸の女・おたかは丘みつ子。金貸しは南祐輔、子分に五味龍太郎や浜伸二、同じく子分で元おたかの情夫の宇三郎は内田昌宏。金貸しに公金を流していた勘定吟味役は北原義郎。 ■ 柳生あばれ旅 第22話「娘忍者が燃えた! −関−」1981.3.10テレ朝/東映 竹細工師の娘と親しくなる又十郎だが、彼女との間には苦い因果が隠れていた。将軍暗殺を企てる者どもに使い捨てられ死んだ兄たちのため、娘は忍び装束に身を包み悪の巣へ。もちろん、危機には崖落ちして行方不明だった又十郎が現れる。 ロケ地 ・怪しの行者が巣食う真言密教道場・金龍山法月院、西明寺。山門で又十郎たちが追い返され、後段境内でラス立ち。 ・街道をゆく将軍の行列イメージ、谷山林道。 ・お葉の仕事を手伝う又十郎、酵素降り口、河川敷。 ・駿府入りの将軍、姫路城天守下を行列。 ・又十郎を呼び出し、父が戦で但馬守に斬られたことを告げるお葉、高山寺石水院脇路地。このあと忍者出てチャンバラ、又十郎崖落ち。お葉の兄が行者らとやりあうのは茶園前。 ・兄たちを荼毘に付したあと、法月院へ走るお葉、高山寺東参道〜西明寺。 *お葉は志穂美悦子、兄は小林稔侍、爺さまは永田光男。法月院の上人は佐藤京一で手下の強面は八名信夫や笹木俊志。裏にいたおじゃるは深江章喜。*崖から這い上がってきた又十郎がボロボロで笑える。 2008/5/2 ■ 銭形平次 第659話「さらわれた同心」1979.2.14フジ/東映69 榊同心をさらった上で、平次に娘の奪還を強要する謎の男。しかも対するは司直の手も及ばぬ大物の悪党、平次は無茶を覚悟の大胆な強襲をかける。 ロケ地 ・榊同心がさらわれ船に乗せられた水辺、不明(汀に土止め)。 ・火の玉仁佐ヱ門邸の庭、不明(建物近くに池泉)。 ・時津屋の娘が監禁されていた漁小屋、広沢池東岸。 *抜け荷を扱っていて娘と引き換えに顧客リストを要求された時津屋は浜田寅彦、抜け荷は思想を持ってやっており、親分は今際のきわの願いに応じリストを処分。悪党と通じていた時津屋の番頭は木村元、仁佐ヱ門は山本麟一、さらった娘を預かっていた弥七は小田部通麿で娘に気遣いを見せ露見した際は罪被って自刃。*非常線を張られた仁佐ヱ門が弥七にツナギをとるのに使うのは犬、これが虎毛の甲斐犬(と思う)でなかなか立派というか、がぶり寄られると怖そう。 ■ 八百八町夢日記 第8話「強請」1989.12.5NTV/東映 公共工事独占を狙った口入屋の悪事を、巡りあわせで平吉が暴く結果に。濡れ衣着せられはの字飛び出し→怖いセンセイ強請を思いつく過程がコミカルに描かれる。 ロケ地 ・犬と大男の用心棒を連れお散歩の卍屋の妾を「誘拐」のくだり、中ノ島橋上。おりんが男たちを引きつけ、三郎三が船で連れ去り(堰堤上手)。 ・卍屋が夢之介に用心棒を依頼する屋形船、大沢池か。 *卍屋は遠藤太津朗、用心棒のセンセイは浜田晃で番頭は玉生司朗、作事奉行は波田久夫。*濡れ衣は高価い京菓子盗み食い、真犯人はお松。 ■ 華岡青洲の妻 第4話「悲しみをこえて」2005.2.18NHK 真に危険を伴う量を投与しての実験を引き受ける加恵、事実を知らぬ於継が「二度目」の己の結果に勝ち誇るのを見て北叟笑む。しかし小弁の死を経て、加恵から競う心は消えてゆく。 ロケ地 ・華岡家、美山民家。 ・小弁が水死する紀ノ川、不明(クレジットに上石津町記載なし)。 ・小弁の野辺送り、美山町田畔。 ■ 密命 寒月霞斬り 第3話「剣士」2008.5.2TX/CAL 密命に関わる探索を進める一方、お杏から頼まれ事をする惣三。どちらの件でも「剣士」との渡り合いがあり、剛剣が鞘走る。 ロケ地 ・相良藩上屋敷、妙心寺天祥院門(内外を使用、路地から門・門から路地のビューも)。 ・藩邸近くで寺村にツナギをとる惣三、妙心寺法堂(五色の幡はためき)。 ・平田源四郎と「怪しげな浪人」千代田善太夫が入ってゆく屋敷(原作設定は佃島の元商家寮)、宝厳院通用門。屋敷内での芝居はセット撮り。 ・藩邸お長屋の竈から密書を持ち出したおさいがゆく道、大覚寺放生池堤。大友が待っているのは天神島。大友と惣三が斬りあう竹林は北嵯峨か。 *お杏の友人で奉公先を辞した縫は高松あい、彼女を誑かした色悪の「弟ぎみ」は坂東工、彼についている剣客・千代田は福本清三、弟に強請られていた旗本家の殿様は峰蘭太郎。大友と通じていた小者・久次は伊藤高、利用され始末される情婦・おさいは藤田佳子。 2008/5/1 ■ 銭形平次 第658話「俺は神様じゃない」1979.2.7フジ/東映46 溺れた子を助けたことで賞賛される親爺だが、不自然に遠慮。事情ありと見た平次の勘は当たり、過去の罪の露見とともに悪い仲間の手が伸びてくる。 ロケ地 ・甚五郎が溺れる子を助けた大川、広沢池東岸。 ・騙りを生業としていた遊び人が殺され埋められていたのが見つかる湯島の切り通し、吉田神社大元宮下坂の崖際。 ・甚五郎の娘が勤める両国の水茶屋、今宮神社門前茶屋・かざりや。向かいの一和は鰻屋に仕立てられ、その床机にむささび一味が腰掛けて娘を見る。後段、勤め帰りの娘が拉致されるのは東門前。 ・娘を拉致した一味が甚五郎を呼び出す浅草・黒舟町の良源寺、大覚寺五社明神。ここを探し当てるドラマも用意されていて、焼け残った文にある「黒」から皆で推理。浅草新寺町に「涼源寺」と「了源寺」があったことが丸善のソフトから判明。 *甚五郎は桑山正一、娘は竹田かほり。昔関わった賊のかしらは伊達三郎、坊を助けて貰い感謝する商家の主は石浜祐次郎、甚五郎が通っていた口入屋の主は玉生司朗、人助けを賞賛する瓦版を売るのは波多野博。*誉めそやすかと思えば一転石を持て追う民衆の浅薄さが描かれるが、過去を暴き言いふらして火をつけるのは万七でそも奈落に突き落としたのも若き日の万七(回想シーンでは清吉と二人して若作り)。お静にも批判されるが、甚五郎の娘の危機には男気を見せる場面を入れてフォロー。 ■ 八百八町夢日記 第7話「闇の顔役」1989.11.28NTV/東映 秘密裡に抜け荷を探っていた目明しの殺害、僅かな手がかりから怪しい商人を突き止める夢之助たち。しかし捕えた男は裏をかかれる形で奪われ、お奉行は潜入した自分の前に立ちはだかった覆面の男の正体に気付く。 ロケ地 ・丁子屋を捕え連行する道、広沢池東岸。怪しの四人組が出て奪われ。 ・丁子屋が黒幕にあがりを渡す屋敷(おりんが呼ばれてくる屋敷)、中山邸門。 *おりんの父を死なせた六年前のしくじりで白眼視され、おりんとも添えず夢も希望もなくした臨時回り同心は辻萬長、丁子屋は高野真二。広沢池の捕り方の一人に福ちゃん。*蘭蝶ではなく鵞鳥と酷評される丁子屋の新内、そこへ流しに化けた夢之助が現れ座敷に呼ばれる運び。 ■ 華岡青洲の妻 第3話「献身」2005.2.4NHK 於勝の発病と死ののち、ようやく動物実験は成功を見る。次の段階である人体への投与、ここで嫁と姑は火花を散らす。 ロケ地 ・赤子を抱いて婚家へ戻る加恵、美山民家南側に囲いと「門」あしらい。 ・於勝の野辺送り、美山町田畔。 ・被験者となることを申し出る前、於勝の墓に参る於継、美山町か(小丘)。 ・服薬後、医者の母の鑑と弟子たちに称えられる於勝にきつい視線を送る加恵、美山民家北側にしつらえた「薬草畑」。 |
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