2008年4月 |
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2008/4/30 ■ 八百八町夢日記 第6話「女賊の恋」1989.11.21NTV/東映 二組の賊を追い使い、出世のための金を得る旗本。道具に過ぎぬ身で「御前様」を愛した女の哀れを描く。 ロケ地 ・女賊の回想、三田村と逢瀬の神社、不明(重ね鳥居)。 ・三田村が凶賊を始末する竹林、北嵯峨か。 ・事後、孕んだ女賊に下したお奉行の人情裁きが町で評判と話す三人、二尊院紅葉の馬場・坂下(祭礼の幟や露店あしらい)。 *女賊は一柳みる、奥祐筆の娘と祝言を挙げようとしていた三田村は鹿内孝で用人は芝本正。凶賊は大木正司で子分は福本清三。おせんを気遣う牢名主は絵沢萌子。 ■ 華岡青洲の妻 第2話「嫁と姑」2005.1.28NHK はっきりと敵意をみせる於継、お産のため実家へ戻った加恵は母に不満をぶちまけるが、嫁と姑の関係は古今東西変わりなしと諭される。一方、雲平の実験はうまくゆかず、哀れな猫たちの墓標が徒に増えてゆく。 ロケ地 ・華岡家、美山民家。妹背家、明日香の西岡邸。「紀ノ川」イメージも出てくる。 2008/4/29 ■ 銭形平次 第657話「貧しき者に幸いを」1979.1.31フジ/東映 馬鹿息子を庇う富商のエゴが、つましく暮らす市井の人々を不幸のどん底に叩き込む。もちろん親分がそんな無法を放っておくはずもなく悪は悉皆懲らされるが、恩ある人の難儀に居ても立ってもおられぬ善意のフライングが余計な仕事を増やすのにも、己がつとめと精出す平次はなかなかに泣かせる。 ロケ地 ・江戸屋の若旦那が入れあげていた湯島の茶店の娘に聞き込みの平次、吉田神社竹中稲荷本殿前に茶店あしらい。封印金の帯封をさがす「塵捨て場」の林も付近か。 *不義で死罪のところを主に救われた奉公人夫婦は松山省二と赤座美代子、その旧主で井伊家を退転した侍は久富惟晴。店子の浪人を嵌めて倅を救おうとする富商は谷口完。旧主のため身売りした女房の請け出しに難を示す憎ったらしい楼主は藤尾純。平次迫るを受けて富商が雇う殺し屋は宍戸大全、「特技」の大家ご本人が小屋根から飛び降りたり木から降ってきたりと派手なアクションを展開、お若い姿を拝見できるのも楽しい。殺し屋は「始末屋」と表現。 ■ 八百八町夢日記 第5話「情けをかけて」1989.11.14NTV/東映 貸し先からネタをとり悪事に加担させた挙句消す高利貸し、四度目はならじと動く夢之介は上方の盗っ人という触れ込みで一味の中へ。三の字のかけた情けが仇になりかける話は、奉行と彼の紐帯を示すのと二段構えの情話。 ロケ地 ・両替商・菱屋と小普請奉行の密談を夢之介に報告するおりん、二尊院紅葉の馬場石段上部に二人腰掛け。 ・天井から降ってきた小判のせいで父の心が折れたと嘆く少女、仁和寺中門。表裏両方のアングルあり。開口部をフレームに、金堂と石段の連なりがのぞく絵と、二王門頂部越しに双ヶ丘を望む絵とあり、珍しい構図。 ・金塊が着いたことを用心棒が報告しに来る鎮守、鳥居本八幡宮。舞殿に人質の少女がくくられ、三の字が助けたあとお奉行が鳥居下に出張る。 ・事後、祭りの幟が立つ参道で屋台を出す父娘、二尊院紅葉の馬場・坂下。菱屋から小判を失敬した件を話し笑うお奉行と三郎三は少し離れた参道に(山門も映り込む)。 *元錠前師で島帰りの蕎麦屋親爺は平泉成、小判を見るや倍にしてくると賭場へ走ってゆくのが大笑い。彼の娘は市丸和代、幸薄そうな表情が秀逸。黒幕の小普請奉行は小林勝彦、菱屋は山本清、グルの口入屋は波多野博。 ■ 華岡青洲の妻 第1話「夫のいない婚礼」2005.1.21NHK 「名手本陣」の娘・加恵に来た縁談は格違いの筋から、しかし幼時より憧れていた於継さまからたってと望まれ、加恵は嫁いでゆく。肝心の夫は不在ながら暖かく迎えられて日々は過ぎ、ようやく雲平が遊学から帰ったそのとき、「姑」の態度が急変する。 ロケ地 ・妹背付近の紀ノ川、不明。ロングと汀での絵がある。現地撮影は西笠田あたりの紀ノ川では余計なものがいっぱい映るし護岸もアレだし無理っぽい。映像にある妹背山の「かたち」はよく似ている。クレジットにあった上石津町だとすれば牧田川水系か。 ・華岡家、美山民家。幼い加恵が於継さま覗きにゆくくだりでは裏手に薬草畑をあしらい、雲平が帰ってくる場面などは南側の「表」に囲い等あしらい。 ・加恵の実家・妹背家、明日香の西岡邸(KYOTO映画塾明日香分教場)。 2008/4/28 ■ 銭形平次 第656話「噂の娘」1979.1.24フジ/東映 大店の娘の放埓には訳あり、お店乗っ取りの「叔父」を疑い探る過程で親身になってくれる人々をむざと死なせてしまい悲嘆にくれる娘だが、亡父の不祥事が露見して欠所となり従業員を路頭に迷わすことを恐れてという、泣かせる経緯。しかし親分の活躍で悪党はお縄のほか、父の潔白も証明され、お店も難を免れる。 ロケ地 ・上総屋の一番手代が殺された夜、手代と上総屋の娘・お新を見たと証言する蕎麦屋の音松が店を出していた不動稲荷近くの町角、大覚寺有栖川畔(五社明神の祠脇)。 ・手代の検分、大覚寺大沢池畔。 ・町でお新を呼びとめる平次、今宮神社東門内石橋。話を聞く茶店は門内塀際にあしらい。 ・父の情婦だった女の墓に詣で住職に話を聞くお新、招善寺墓地(石段上部際)。 ・悪党どもにカマをかけ呼び出す上総屋の寮、大覚寺望雲亭。 *お新は鮎川いづみ。叔父夫婦は玉川伊佐男と白石奈緒美で「仲間」の音松は松山照夫。先代の恩からお新に手を貸す太夫は松橋登、お新の味方だった手代の母は新屋英子、住職は市川男女之助。*音松は出刃打ち芸人、ラス立ちでこれと対峙した平次が十手を落とされ一時窮地に陥る緊迫のシーンあり。しかし飛んできた出刃包丁落とすってどんな推進力よ投げ銭。 ■ 八百八町夢日記 第4話「空蝉が飛んだ」1989.11.7NTV/東映 二度も嫁に逃げられた男の三度目の嫁取り、嫁の家族も失跡していることに血腥さを嗅ぎ取った夢之介は用心棒として潜入、なかなか事実を信じようとしない三番目の女の命を救う。 ロケ地 ・女難の相の御籤を引き当ていちゃいちゃの三郎三夫婦、上御霊神社本殿脇茶所を社務所に仕立て(帰り道で三倉屋のお道具調べに行き会う)。 ・三倉屋の花嫁・おはんに詰め寄る掛取りの衆、上御霊神社楼門〜本殿裏手。 ・用心棒になった夢之介によけいな詮索をするなと釘をさす三倉屋、「材木置場」。丸太の向こうに蔵や塀映りこみ。 ・おはんの両親のことを聞き込む三郎三、武蔵野(?)の茶店は大覚寺大沢池畔。 ・三倉屋が槇と偽り椹を使っていた橋、中ノ島橋(八田調べ)。これを夢之介に報告するのは大覚寺放生池堤、二人して釣りを装い。 ・おはんに責められた三倉屋が開き直って語る「両親殺害」の回想、大覚寺大沢池畔。 ・財産を始末し武蔵野へ向かうおはんを見送るお奉行、大覚寺境内に木戸・茶店あしらい。 *おはんは根本りつ子、三倉屋は北村総一朗でつるむ材木奉行は外山高士。ラス立ち福ちゃん入り、用心棒のセンセイで斬られ組。*空蝉は着物の増えるおまじない、おはんが匂袋に入れて母に渡したそれが悲しい証拠品に。 ■ 水戸黄門38 第15話「気弱亭主と気丈女房」2008.4.28TBS/C.A.L ダメ亭主に怒った女房の行動は、女たちの誤解から政治色を帯びる。話はふくらみ、奉行所へ押しかけ気勢を上げたり城代の妾をさらったりするが、役人に追われるところへ老公登場、夫婦喧嘩もめでたく解消して幕。 ロケ地 ・飯田イメージに天竜峡。飯田へ向かう一行、大堰川堤。 ・問屋場の権利を狙う扇屋が城代に与えている寮、宝厳院通用門。 ・亭主にキレて家を出たお朝が駆け込む尼寺、不明(切石の段のぼって門、鯱反りぎみ。両に石灯篭)。「恵恩寺」の扁額が映るがホントにそこに付いているものどうか怪しい。やって来た老公が立つ門前は道隔てて田んぼと藪、但し画面切り替えてあるので別撮りの可能性あり。 ・女たちが牢内の問屋場の女将に激励の声をかける奉行所裏手、映画村内「広隆寺」塀際。 ・問屋場の女将と城代の妾の人質交換が行われる鎮守、鳥居本八幡宮(主に広場、石段から鳥居見下ろしのアングルや竹林際も)。 ・当地を去る一行、大堰川堤。見送るお朝一家が堤下の田んぼから手を振る。 *お朝は渡辺梓、城代は石山輝夫。ノリのよい尼様や奉行の奥方、妾の太夫もいい味。太夫拉致の際止めに来てお娟にのされる衛士に福ちゃん、ラス立ちにもチラリ。 2008/4/27 ■ 遠山の金さん2 第16話「命ぎりぎり夫婦花」1979.6.7テレビ朝日/東映 島帰りの男は、過労のため盲いた女房を治そうとして、舞い込んできたヤバいネタに関わる。健気な二人を見ていた金さんが割って入り悪党を一掃、女房はせめて恩人の顔を一目と願いお奉行の顔を触らせてもらうのだった。 ロケ地 ・勝蔵に預けられたネタ(勘定奉行の汚職の証拠)を、約束の場所に行く前に木に結わく和吉、大覚寺護摩堂前の木(御籤あしらい/設定は浜町河岸)。 ・おふじの回想、ヒヒ爺との婚礼の席から和吉と逃げた道、丘は北嵯峨の高台か。葦原は広沢池、北岸に黒紋付着た追っ手。 *おふじは早瀬久美子、和吉は河原崎健三。和吉の島仲間でネタを預けた勝蔵は出水憲司。勝蔵のネタを狙う強請屋の香具師は高野真二でグルの御数寄屋坊主は小堀阿吉雄。 ■ さいころ奉行 内出好吉監督作品 1961.4.18東映 御大・千恵蔵の遠山金四郎が、派手な舞台で桜吹雪を開陳し悪を裁く痛快な一話。旅ものではじまり、舞台は悪党の陰謀渦巻く江戸へ。 勢州は四日市在、結婚相手を嫌ったちゃっかり娘に頼み込まれ、花嫁強奪をしてのけた荒くれ男・鬼金を拾う銀次の兄哥。弱っちい仇討ち若衆や、掏摸の若者なんかとも関わりあって、兄哥は桑名から船に乗り一路江戸を目指す。道中で得た、骰子に仕込まれた怪しの書付をもとに鬼金と二人して住み込む先は、婀娜っぽい姐さんが切り回す料亭。そこには、北町奉行と水野越前守を陥れ上様を亡き者にした挙句、西の丸さまを押し立てての政権簒奪をはかる一味が集うのだった。 ロケ地 ・四日市在、花嫁のお新を乗せた船がゆく水路、近江の水郷か。陸路は穴太の里、走田神社社叢脇の西条風の口線から穴太橋を渡り東へ。曽我谷川堤とカーブした道は今も同じだが、道や橋に田地も様変わりしている。 ・「遠山金四郎」と名乗る根拠を話す鬼金の回想、国事に奔走する源之助をやっつけた渡し場、大堰川か。 ・桑名から出る十石船、琵琶湖か。船上のシーンはセット撮り。 ・船から下りた銀次たちがゆく海辺の道、琵琶湖畔(湖東)。松並木があり道端に墓地(安が掏った、乗り合わせた浪人の財布の中をあらためる)。掏摸の安が銀次の指示で浪人の懐に財布を戻すのも同所。 ・財布に入っていた色付き骰子を調べる銀次、穴太橋下河川敷(遠景の山なみは牛松山続きの山系)。 ・江戸入りし浅草寺に詣でる銀次たち、山門は清凉寺楼門、お堂は本堂で、境内にしつらえた芝居小屋前でヤクザと事を構えるお蘭を助ける。銀次を怪しみ剣突を食らわして山門を出たお蘭は、安とばったり再会。 ・事終り再び旅の空の金四郎、「馬子」の鬼金と連れ立ってゆく街道、不明(棚田か)。 2008/4/26 ■ 柳生あばれ旅 第21話「呪いの恋太鼓 −亀山−」1981.3.3テレ朝/東映 ダメ男を亭主に持った女の哀話、天狗さまのはからいで新天地をめざす夫婦だが、運悪く宿場を牛耳る悪党どもに見つかり夢は絶たれる。 ロケ地 ・大道芸の藤八が三島に帰れとヤクザに迫られる街道、大覚寺大沢池堤(天狗出てヤクザ撃退)。 ・極楽太鼓がある亀山宿の鎮守、鳥居本八幡宮。太鼓は舞殿に据えられ、最後は石段や鳥居下で大立ち回り。 ・郡代に長五郎の非道を訴えに行って斬られた百姓が棄てられる水辺、大覚寺大沢池堤下汀。 ・藤八とお里が逃げる道、広沢池北岸(汀と林間、水無し)。 ・巡礼になって旅立つお里を見送る十兵衛たち、北嵯峨農地高台。 *女房を苦界に沈めなお金をせびる藤八は高橋長英、女房のお里は岡本麗。宿場を牛耳る長五郎は田中浩、怖い女房は絵沢萌子、強面の子分は岩尾正隆。つるむ郡代は五味龍太郎。*ほぼ兄上主役、巡検使さまは前後に出てくるだけで、唐突に出てきた又右衛門にも圧迫され気の毒。 2008/4/25 ■ 銭形平次 第655話「他人が泣いてくれた」1979.1.17フジ/東映 養子ゆえ長年尽くした挙句離縁され家を放り出される大旦那、この老爺を拾う青年あり。はじめ小金目当てだったチンピラ紛いのその男は、居候の癖に口喧しい爺さまに感化され真面目に働きだし、ひととき「家族」となる。青年の稼業がらみのトラブルをうまく話にはめ込み、キャストを生かして泣かせる情話に作ってある。 ロケ地 ・今津屋を離縁された芳兵ヱを拾う島吉、広沢池東岸(漁具小屋あしらい)。 ・平次から島吉を引き取った喜三郎、二人が話す境内は蓮華寺五智如来像脇。 ・巣鴨で目撃された政五郎、追う目明しを返り討ちにする神社、不明(651話の石段と同所、石段は幅狭く脇に灯籠林立・上がったところに鳥居ですぐに拝殿)。 ・島吉の長屋近くの小川べり、上賀茂社家町・明神川。芳兵ヱの孫を帰らせる場面や、芳兵ヱの息子が迎えにくる場面など頻繁に登場。 ・島吉の幼馴染で世話を焼く娘・お咲が勤める花屋、仁和寺観音堂前に「花屋」あしらい。遠景に塔が映り込む。 ・喜三郎の女房が経営する船宿、船着きは大覚寺大沢池船着(小)。客を装った政五郎と手下が船を降りてくる。 *芳兵ヱは殿山泰司、追い出された原因は蓄妾というのが微妙に笑える。後日談でしょっちゅう島吉夫婦のもとへやって来る姿が描かれているのもなかなか。島吉は桜木健一、照れ照れのこそばゆい仕草も、文句言ってやりたいのに言葉にならない渋面もハマリ。島吉をタレコミ屋に使っていた目明し・喜三郎は五味竜太郎、強がるも内心怯えまくりな姿が傑作。父を獄門にした喜三郎と島吉を狙う丑三ツの政五郎は沖田駿一、手下の二人は平沢彰と福本清三。 ■ 密命 寒月霞斬り 第2話「暗躍」2008.4.25TX/CAL 殺しの疑いをかけられ囚われの身となった小頭のため奔走する惣三、その間も「お役目」をつとめる。松造を嵌めた痴れ者を豪快に始末したあと内通者と向き合う惣三だが、このとき「一味」に姿を見られてしまう。 ロケ地 ・喜八親方に様子のおかしい松造を調べてくれと頼まれる惣三、大覚寺大沢池畔・船着(小)。 ・大友密会情報で九一とともに根岸へ走る惣三、大覚寺大沢池北辺並木。密会の屋敷は宝厳院山門(寺村は「根津」と発言)。潜んでいて気付かれ逃げた惣三を追って斬りつける「頭巾の武士」、北嵯峨の竹林か。大友らに促され悔しがりながら船に乗る頭巾の「ふき姫」、広沢池東岸。 ・本間兵衛を呼び出し情をもって説く寺村、仁和寺五重塔下。ここへ駆けつける惣三は御影堂前から水場脇の石段、観音堂脇の石畳でチャンバラ。寺村に斬りつけた本間が惣三に斬られ地に伏すのは九所明神拝殿脇。 ■ 八百八町夢日記 第3話「盗っ人ざんげ」1989.10.31NTV/東映 次々と大名家から逸品の茶道具を盗む賊、裏に好事家の大物という図。探りに入った三郎三が敵の手に落ちてお初を人質にされてしまうが、夢さんはトンデモ方面から突破口を開く。 ロケ地 ・茶道具盗を警戒し張り込む八田、蕎麦をたぐる町角は相国寺浴室前。 ・定家の軸を盗みに牛込・禅宗寺へ現れる賊、イメージに相国寺庫裏。賊の前に立ちはだかる三郎三は回廊、逃げた賊を火盗改が出て斬り捨て・三郎三を捕縛。 ・御側室参詣の寺で女形に化けた夢之介が「誘惑」のくだり、御側室が入る門は永観堂中門(拝観口)、夢さんの「女形」が控える廊下は御影堂縁先。 ・火盗改の指図に従い三郎三が茶杓を盗みに入る下谷大雲院、随心院薬医門。町方が出張って来ないので移動する三郎三の前に現れる夢之介は長屋門(中から出てくる)。 *茶道具を集める元側用人で娘は将軍側室の「向島の御隠居」は戸浦六宏、グルの火盗改長官は伊吹剛。 2008/4/24 ■ 銭形平次 第654話「寄りそう影二つ」1979.1.10フジ/東映 辛い過去を持つ女の前に、トラウマを抉り出すかのように傷ついた男が転がり込む。何も聞かず男を保護し手当てしてやる女、いつしか二人の間には愛が芽生えるが所詮咲かぬ仇花、女は男の亡骸に縋り泣くことしかできない。 ロケ地 ・道場の師範代が殺し屋にやられる屋形船、嵐峡に繋留。 ・道場の主の奥方が入ってゆく車坂の茶道教室・五味庵、652話でも出た竹垣際の坂道と「料亭」、円山公園か(清吉が尾行、見届け)。 ・師範代を好いていた道場の娘を呼び出し事情を聞く平次、赤山禅院本殿脇。 ・お竜と音吉が落ち合う約束をしていた行徳橋の辻堂、大覚寺護摩堂。音吉を殺した勘助を捕るのは天神島、おきぬが駆けつけてくるのは放生池堤。 *諌めを聞かぬ殺し屋の弟を刺殺し島送りとなった過去を持つお竜は野川由美子、今は酒肆の女将。回想で出る弟は峰蘭太郎。師範代暗殺の際手傷を負いお竜の酒肆に転がり込む殺し屋・音吉は長谷川明男、お竜の情けに触れ足抜けを思い立つも掟が阻む運び。メインの二人のやり取りはドン暗なれどしっとりと見事。殺し屋の元締は汐路章、茶道指南が表の顔、平次との立ち回りは細身の刃を振り回し迫力。音吉の相棒だった殺し屋・勘助は唐沢民賢、師範代殺害を依頼した奥方は双葉弘子。*殺し屋は「請負人」と称される。 ■ 八百八町夢日記 第2話「命を賭けて」1989.10.24NTV/東映 謎の爆破事件を追う夢之介は、火薬のエキスパートに化け渦中に身を投じる。小屋など吹っ飛ばしてみせるだけあって目的は派手、不行跡を咎められ逆恨みしたお血筋が、将軍と幕閣を爆殺しようと目論んでいた。 ロケ地 ・逃げようとした花火師を贄に爆薬の威力試しが行われる目黒山中、不明(例の砕石場跡みたいな、崖のある野原)。目撃した猟師が斬られ落ちる崖、保津峡落合落下岩(一時途中に引っかかり・八田らが発見するのは崖下)。 ・花火師を求める男に接触する夢之介、呼ばれて行く浜町の護摩堂は大覚寺護摩堂、駕籠に乗せられ更に船に積まれ、連れ込まれる寮は望雲亭(内部はセット、床の間の紐引くとゴゴゴで地下に工房)。 ・おりんと八田が夢之介の行方を求め手がかりを捜し回る川筋、広沢池東岸。 ・新火薬の試しが行われかける御狩場、酵素河川敷。駆けつける三郎三とおりんはダート、夢之介たちが走る道は大覚寺大沢池堤。 ・事後、贄にされかかった娘を助けるため人を殺めたことでお奉行に裁きを乞う三郎三、大覚寺放生池堤。 *お血筋の悪党は川辺久造、腹心は岩尾正隆。悪事に加担する遊び人の色悪は小野進也、金を毟られ裏切られたうえ火薬試しの的にされかかる娘は山下智子。福ちゃん二態、遊び人が拝領した脇差を刀屋に持ち込み盗っ人扱いされた三郎三を捕えに出る捕り方と、ラス立ちに出てくる家来(一旦お奉行に刀を向けるも腰砕けの役回り、腰の抜かし方がシャープで大笑い)。*色悪に騙されている娘から居所を聞き出すのに次郎吉は女房のお初に依頼。夢さん潜入に際しては、藩を退転した砲術家と触れ込み、その藩にちゃんと根回ししてある細かさ←悪党方が接触前に聞き合わせに行ってる運び。 ■ 御法度 大島渚監督作品 1999.12.18松竹 司馬遼太郎「新選組血風録」中の妖しい一編、「前髪の惣三郎」を映像化した作品、「三条磧乱刃」からもエピソードを引いてある。己の生にどこか捨て鉢な美少年・惣三郎によって起こる痴情のもつれは、舞台が新選組なこともあり血腥い結末を呼ぶ。「そのケ」のない者にも劣情を抱かせる仇花が、人の心の奥底から禁忌を引きずりだす幻想風景が秀逸。 ロケ地 ・加納惣三郎は女を知らない・言い寄る者も多いと噂が立つくだり、屯所廊下をゆく惣三郎は知恩院渡廊、惣三郎の姿を求める田代彪蔵は本堂廊下。 ・里の童に魚を獲って貰っている沖田のところへやって来て田代と惣三郎のことを尋ねる土方、広沢池東岸。原作設定は醒ヶ井七条不動堂村の堀川。 ・長州征伐の御用を言いつかって二条城を出てくる近藤勇、二条城北大手門〜外濠端。 ・お西さんの境内を散策する惣三郎が井上源三郎に出会うくだり、相国寺方丈。惣三郎は方丈西側から東側に回り、前庭に面した階で源さんがうたたねをしている運び。前庭白州と唐門越しに法堂の甍が映り込んでいる。原作設定は西本願寺黒書院。 ・源さんが「お宗旨」さんを見かけ稽古に誘うくだり、知恩院本堂廊下。 ・源さんと惣三郎の稽古を愚弄した浪士を探索するくだり、肥後者の尾行を請け負った小者が袈裟掛けに斬られて見つかる先斗町の鴨河原、渡月橋と下の河原。源さんと惣三郎が小川亭に討ち入るくだりの「裏手の川端」はセットか。 ・土方の命を受け惣三郎に女を宛がうべく島原へ誘う山崎監察のくだり、執拗にアタックの屯所廊下は知恩院本堂廊下、渡廊。 ・島原へ向かう山崎と惣三郎がゆく夜道、惣三郎の鼻緒をすげてやる塀際は西本願寺山科別院・四宮川沿いの塀際。駕籠に乗り込む小川べりは上賀茂神社ならの小川畔。島原大門は今宮神社東門に花街のデコレーション。惣三郎に太夫を宛がい翌朝屯所に帰ってくる山崎、西本願寺イメージに本物の阿弥陀堂越し御影堂甍。 ・島原の夜のあと、奉行所から帰る山崎が何者かに襲われる堀川端の夜道、粟生光明寺石段上部(階の一部と石畳の坂のみ映る)。 ・田代討伐を命じられた惣三郎が佇む階、相国寺方丈縁先。 2008/4/23 ■ 銭形平次 第653話「お紺の初恋」1979.1.3フジ/東映 万七親分が躍起になって追う女掏摸が、ある日出会ったお侍に一目惚れ。途端に掏摸をやめて夜昼なく働きだし、匿ったりと世話を焼くが、事情あって藩を退転したその男には戻る場所も似合いの許婚者もあるのだった。 ロケ地 ・万七たちがお紺を見張る正月の神社、上御霊神社境内、楼門。 ・辻斬りの現場で手口等を聞いた結城浪人を尾行する八、高田藩士が出て結城に同道を求める土手は東高瀬川堤・松本酒造酒蔵映り込み。お紺が逃げてきた結城を匿う普請場、大堰川河川敷か(汀に杭林立)。 ・高田藩邸へ赴き目付の萩原に話を聞く平次、不明(寺院境内か)。 ・平次が萩原たちの手口を暴露し打ち懲らす夜道、相国寺大光明寺南路地。 *お紺は和泉雅子、子分の二人はうえだ峻と島米八。結城浪人は森次晃嗣、元勘定方で不正を働いていた萩原は亀石征一郎で悪徳商人は山村弘三。*お紺のテンションにあわせ鳴り響くクラシック音楽が大笑い。万七のたもとに猫放り込みも笑える。 ■ 八百八町夢日記 第1話「娘たちを追って」1989.10.17NTV/東映 年貢の払いに窮した百姓衆を騙し、娘たちをキープする口入屋。焼けた吉原の仮店で大儲けを企む裏には勘定奉行が控えていて、夢さんたちはたくみに内部へ入り込み悪党の目論見叩き潰して娘たちを救出。 ロケ地 ・十三夜の月見におりんを誘った夢之介、入水しかけの百姓の親爺を止めるのは嵐峡。 ・口入屋が娘たちを閉じ込めていた隠居所、大覚寺望雲亭。 ・口入屋へ娘を預け金を持って帰る道で追い剥ぎに襲われる下総から来た百姓、大覚寺五社明神・有栖川寄り(三郎三が出て撃退)。 *夢さんが助けた親爺は谷村昌彦、悪徳口入屋は高城淳一で手下に野口貴史や田中弘史、黒幕の勘定奉行は田中浩で強面の部下は出水憲司。 2008/4/22 ■ 銭形平次 第652話「小唄をどこで覚えたか」1978.12.27フジ/東映 遊び癖のひどい職人にかかった殺しの疑い、亭主のためなら命も投げ出す覚悟の女房がどうした訳か捕縛に力を貸すが、心の底には深い思いが隠されていた。 ロケ地 ・芸人くずれの玉助が殺されて見つかる三味線堀、大覚寺大沢池畔・汀に屋形船舫い。 ・畳職人・銀吉の仕事先へ聴取に赴くも逃げられるくだり、仕事場の庭先は料亭ふう、逃げる塀際は647話や651話で出たのと同じ竹垣の坂、円山公園か。 ・銀吉の犯行と証言した目撃者・彦市をつけるも見失うおかつ、今宮神社高倉脇坂(多数の露店あしらい)。 ・おかつの行動を危険だとたしなめる平次、上賀茂神社ならの小川畔。 ・おきぬを呼び出し約束の金をせびる彦市、今宮神社稲荷社付近。おかつは高倉脇坂を下りてきて二人を目撃。歩きながら彦市に江戸をずらかると話すおきぬ、大覚寺大沢池木戸をくぐり池畔へ。 ・彦市が浮く三味線掘、大覚寺大沢池畔。 ・浪人に化けた榊がおきぬに仕掛けて身のこなしを見る町角、今宮神社東門そば境内。 *銀吉は清水紘治(紘は本当は糸偏に宏)、釈放時照れてもごもご言ってるのが可愛い。おかつは三島ゆり子、亭主を頭から信じていて訴人は平次に一時預けのつもりの天晴れ貞女。おきぬは山口奈美、銀吉の幼馴染だが正体は二ツ名を持つ女賊。 2008/4/21 ■ 銭形平次 第651話「狙われた密会」1978.12.20フジ/東映 それぞれ同じ理由で男と忍び会おうとした娘たちが失踪、密会場所に使った出合茶屋は、人さらいが巣食うとんだ魔窟だった。 ロケ地 ・仏具商の娘・お縫が出入りの錺職人・柾吉と会い出合茶屋での密会を迫る墓地、金戒光明寺墓地・文殊塔下。躊躇う柾吉をよそに去るお縫は石段をおりてゆく。 ・仏具商の縁先でお縫に失踪した備前屋の娘のことを聞く平次、不明(池が迫っている)。 ・お縫が柾吉を待つ池之端の出合茶屋、不明(647話で出たのと同じ、円山公園内料亭か)。遠景には大覚寺大沢池越しの望雲亭を用い、見張り場面は大沢池畔や放生池堤から切替。 ・お縫失踪後、柾吉の妹の下女・お絹に話を聞く平次、庭は望雲亭か。 ・お絹が囮になると榊同心に頼み込む町角、不明(幅の狭い石段の下、神社参道か)。 ・出合茶屋へ潜入したお絹が眠らされ早桶で運ばれるくだり、大八から船に積み替える川辺は罧原堤付近桂川畔。 ・娘たちを救出したあと、夜釣りの渡海屋の前に現れる平次、広沢池東岸(ラス立ち)。 *お縫は女鹿智子、柾吉は小林芳弘で妹のお絹は清水めぐみ。発展家のお嬢様に振り回される兄妹の葛藤のほか、お絹に鼻の下伸びてる榊さんが出てくる(まだ見習らしい)。仏具商は溝田繁、人身売買の回線問屋・渡海屋は浜田寅彦。 ■ 水戸黄門38 第14話「盗っ人最後の恩返し」2008.4.21TBS/C.A.L 気さくなお侍に命を助けられ心打たれた泥棒、足を洗おうと申し出ての「最後の仕事」は、当の恩人を窮地に陥れてしまう。 ロケ地 ・浜松城天守に本物の天守(イメージ映像)。 ・浜松へ向かう一行がゆく海辺、和歌山の海岸(片男波か温山荘か、潮が引いている)。風待ちのあとゆく道は不明(林)。 ・城を下がってきた家老・大杉を出迎える老公、和歌山城追廻門。茶碗盗は内部に手引きした者がと話すのは西の丸付近石垣際。 ・儀十が隠れていた荒れ寺へやって来る山猫一味、不明(裾が石積の土塀に簡素な門)。 ・儀十が茶碗を隠していた海辺、和歌山の海浜(田倉崎か雑賀崎か)。 ・郡奉行配下の侍に斬られた儀十に乞われ家老邸へ向かう弥七が船をやる堀、大覚寺大沢池北辺水路(天神島の北)。 ・儀十の回想、蝮に咬まれ大杉に助けられた林、不明(はじめに出た道と同所)。 ・無事戻った茶碗で野点の殿様、和歌山城二の丸庭園(天守望)。 *儀十は下條アトム、大杉家老は美木良介。黒幕の郡奉行は杜澤たいぶん、家老より派手なキンキラ衣装を着込んで判り易過ぎの悪党ぶり。儀十を斬る部下は篠塚誠。福ちゃん捕り方、解き放ちの囚人を追うほかラス立ちにも。 2008/4/20 ■ 暴れん坊街道 内田吐夢監督作品 1957.2.19東映 近松の「丹波与作待夜小室節」を元にしたお話、細かい部分が原作や芝居と異なるが、大筋は同じ。子の命を救おうとして本陣の玄関で腹を切った与作の亡骸を見て、運命への呪詛を叫ぶ重の井のベルさんが圧巻。 家老の娘・重野は許されざる子を産み咎を受けるところ、格別の慈悲をもって許され折りしも生まれた姫の乳母となる。重野の赤ん坊は里子に出されるが、いつしか遺棄され流れ着いた先で馬子をしているところ、浪人の与作と出会う。互いに実の親子とも知らず、三吉の面倒を見ていた小まんと三人睦み暮らすが、由留木の姫様一行が宿場にやって来たことで輪はちぎれはじけ飛んでしまう。 ロケ地 ・丹波・由留木城下の門、二条城南中仕切門。与作は一旦締め出されるが、門番の情けでくぐり戸から入れて貰う。 ・家老・稲葉邸、セットかロケか不明(塀の向こうに大屋根や櫓などちらり)。 ・うらぶれた浪人となった与作が馬方の三吉と出会う関宿近くの街道、不明(田んぼの中の一本道)。 ・金が尽き小まんの宿を出た与作がゆく街道、不明(両側に草高く生い茂る野道)。 ・宿に引き返し馬方になった与作が「兄貴分」の三吉と馬を引いてゆく街道、不明。 ・関宿へ由留木の調姫の行列が来るくだり、川渡しは木津川下流部に似た浅く川幅の広い川、堤はけっこう高い。姫がぐずって駕籠を出てしまい、道中双六をしていた営業中の三吉を見留める街道、不明(川堤に並木)。 ・本陣へ「母」に金を無心しにやって来るもしつこく訳を問われ怒った三吉が飛び出して守袋を投棄する小川、不明。 ・姫の懐剣を盗んだかどで三吉が捕われたあと、三吉に懐剣を売られた親方が本陣へ持ってゆくというのと揉めてはずみで刺してしまう与作、不明(夜道は川堤、堤下には蔵などひしめく。堤高は民家の屋根を見下ろす程度ある)。 *伊達与作は佐野周二、三吉たちには別の名を使っているがややこしいので文中では与作で統一。三吉は植木基晴、達者な子役ではじけるような暴れっぷりがいい。彼の世話を焼く飯守女の小まんは千原しのぶ、苦労人の姐さんを好演。重野(重の井)は山田五十鈴、三吉が実子と知った際の葛藤も、武家社会への呪詛を喚き散らす身も世もない風情も良し。その父家老は薄田研二、稲葉家の老女は毛利菊枝。親方は進藤英太郎。 2008/4/19 ■ 遠山の金さん2 第15話「嘘つき小僧が飛んで来た!」1979.5.31テレビ朝日/東映 前科者を世話して仏と称される富商には裏の顔、悪行を目撃した少年の申し立ては虚偽とされ幼心を傷つけるが、二度目は金さんが信じてやり「狼少年」の汚名は雪がれる。 ロケ地 ・縁日見回りの赤目らをからかう寅吉、今宮神社境内に露店あしらい。逃げた寅吉が身を隠すのは石橋下。 ・寅吉が岡っ引殺しを目撃する寺、神光院本堂裏手(寅吉は縁下/後段回想シーンで再登場)。 ・水野老中の御母堂の野点の席につくお奉行(実はお見合い)、阪口青龍苑。 ・目明し殺しで自訴した巳之吉が送り込まれる大番屋、大覚寺明智門。 ・お染が解雇されたのは大黒屋の仕込みと金さんに報告する芸者、仁和寺観音堂(走ってくるのは堂脇西側の石畳、金さんは堂正面階に腰掛け)。 ・拉致されたお染が監禁される大黒屋今戸寮、不明(前回・14話の「根岸寮」と同所、円山公園か/門前は坂、下に池がのぞく。内部はセット撮り)。 ・大黒屋の抜け荷船が着く水辺、広沢池東岸。金さんが出てラス立ち。 *寅吉は福田信義、姉のお染は瞳順子、恋人で大黒屋に因果を含まされ自訴した巳之吉は水上保広。大黒屋は森幹太で番頭は岩尾正隆、内輪揉めで殺された目明しは山本一郎。 ■ 柳生あばれ旅 第20話「壺振り女の恨み節 −四日市−」1981.2.24テレ朝/東映 又十郎に諭されたイカサマ女壺振りは「指」を封印するが、彼女の腕が欲しい悪党は亭主の命をタテに迫る。しかしもちろん又十郎はじめ天狗さまも現れて、ヤクザと黒幕の旗本まとめて皆殺し。 ロケ地 ・桜井の部下の侍たちに追われる清助、北嵯峨農地畦道(畝に降霜)〜広沢池西岸葦原。 ・四日市へ向かう街道、おはんと娘がお昼をつかうお堂は大覚寺護摩堂、又十郎一行が放生池堤をやって来て合流。 ・三蔵の賭場が立つ寺、西明寺。後段では参道坂と山門のほか本堂縁先や方丈、鐘楼など境内をいっぱいに使って大立ち回りが繰り広げられる。 ・おはんに金を持たされた娘が父を待つ宿はずれの祠、北嵯峨農地畦道にあしらい。 *おはんは二宮さよ子、刺客なんかさせられていた亭主は草薙良一。四日市を狙う隣が知行地の旗本は内田稔、手先をつとめるヤクザの三蔵は江幡高志で一の子分の長次は福本清三。品行方正な四日市問屋場の主は西山辰夫、悪党に付け込まれる博打狂いの馬鹿息子は伊庭剛。 ★福ちゃん映像キープ/缶コーヒーBOSSのCM。録ろうとすると意外と難儀、宇宙人ジョーンズとの共演は泣かせる。しかしこれ、フツーの人見て判るの?とりあえず日テレプラスでやってたおかまのベリーダンサーも保存もの。 2008/4/18 ■ 銭形平次 第650話「十手無情」1978.12.13フジ/東映 巨悪の暗躍で平次大ピンチの話、己の命を狙った岡っ引の名誉を守ってやるため、いかほどの苦境に陥っても耐える親分が泣かせる。 ロケ地 ・平次を狙った松吉が始末される夜の町角、相国寺碑脇(鐘楼裏手)。 ・松吉の女房を呼び出し書付返却を迫る酒肆の女将、今宮神社合祀摂社前。 ・藤三が盗っ人からあがりを徴収する絵馬堂、大覚寺五社明神舞殿に建具あしらい。 ・松吉の女房が拉致され捕われる下谷虎仙院、不明(塔頭ふう)。 ・松吉の墓、招善寺墓地。 *功を焦り闇の元締とつるむようになっていた目明し・松吉は小林稔侍、誤解して平次を憎む女房は江夏夕子。盗っ人の仕事を指図する闇の元締は山本麟一、手下の藤三は黒部進、「ならず者」とクレジットされている手下は福本「清二」←ホントにこの表記。松吉を誑し込んでいた酒肆の女将は戸部夕子、藤三にあがりを渡す盗っ人は唐沢民賢。大の岡っ引嫌いで平次から十手を召し上げる吟味与力筆頭は藤岡重慶、キャスティングとシチュエーションからてっきり黒幕と思いきや、悪党とつるんでいたりはせず最後に「こんどはゴメ」と現れ十手返却・恥ずかしそうにそそくさと去る姿がメチャ可愛い。下っ引で井上茂チラリ。 ■ 密命 寒月霞斬り 第1話「脱藩」2008.4.18TX/CAL 何者かの企みにより危機に陥る相良藩、殿様のお声掛りで密命を受けるは昼行灯で「腑抜け」の異名をとる藩士。彼はお家を退転し江戸へ、たつきの道を得て暮らし始める過程と、じわじわと襲い来る「敵」の気配が描かれる。 ロケ地 ・相良の殿様がお国入りの行列から惣三が退転するくだり、小田原の街道風景は大覚寺遣水跡、遠景に富士山を合成し芝地に六地蔵や灯籠あしらい。 ・柳沢吉保に会う斉木高玖のくだり、江戸城イメージに姫路城天守。 ・殿様の命で国許から相良文庫目録を運んでくる惣三、駕籠でゆく道は妙心寺北総門南の路地、相良藩江戸上屋敷は天祥院。 ・殿様の回想、綱吉の世に犬を斬ってしまった遠乗りの野原、酵素河川敷。 ・留守居役が語る相良藩書物奉行一行が襲われた日田山中、酵素河川敷。 ・荒神屋が燃え残り材を始末する作業場、八幡掘新町浜とセット併用。 ・長屋へ礼をしにやって来たお杏を送ってゆく堀端、八幡堀堀端〜明治橋〜新町浜。 ・荒神屋の仕事を終え料亭・夕がおへ向かう惣三が通る堀端、八幡堀堀端。 ・誘拐されたお杏を求め柴犬のコロクを連れて惣三がやって来る神田明神、車折神社参道。コロクと捜し回る堀端、八幡堀新町浜。 ・夕がおを出た留守居役・寺村重左衛門の駕籠がゆく堀端、八幡堀堀端。その駕籠を見遣る刺客・虎島半蔵は白雲橋。寺村の駕籠を襲う半蔵、神護寺五大堂・毘沙門堂付近で駕籠舁きが逃げ、危機一髪で駆けつけた惣三と半蔵が立ち会うのは五大堂東側の崖から林間。 ・エンディングに被る、暮れなずむ海浜をゆく惣三、琵琶湖東岸の水制のある汀(劇中、時間経過を表すイメージにも使われている)。 *お杏をさらう元纏持ちの仁助は村井克行。霞斬りの露と消える半蔵は須藤雅宏。*仁助と相討ちのところを救った惣三の懐の書物は聖書、イエズス会の「IHS」の文字が見える。 2008/4/17 ■ 銭形平次 第649話「奇妙な誘拐」1978.12.6フジ/東映 立て続けに起こる奇態なかどわかしの主は哀れな母、無理押しで我が子を取り戻そうとする女賊だが、最後は娘の幸せのため身を挺する。 ロケ地 ・おとしが勤める明神境内の茶店、上御霊神社境内・絵馬堂脇にあしらい。 ・連続する神隠しのくだり、目黒今里村の百姓娘が消えた野道、北嵯峨農地・竹林の道。芝金杉の船宿の娘船頭が消えた川、嵐山公園掘割。 ・おとしの父・兼吉が店を出している町角、今宮神社稲荷社前。 ・父が倒れたと騙されたおとしが拉致される石段、吉田神社参道。 ・おとしは実は拾い子と告白する兼吉、広沢池東岸。 ・おとしのもとへ行こうとするお竜をとどめ諭す平次、上御霊神社本殿裏手。 ・お竜をつけてゆく八、広隆寺東塀(境外)〜映画村日本橋へスイッチ。 ・お竜の墓、永観堂墓地(振り返った平次の背後に多宝塔映り込み)。 *おとしは津山登志子、父・兼吉は浜村純、結婚相手の若旦那は長澄修。お竜は中原早苗、手下の賊は汐路章や岩尾正隆。八が弥惣次(汐路章)の尾行をはじめるくだりで上州屋前を通りかかる大工に福ちゃん。 2008/4/16 ■ 銭形平次 第648話「一握りの夢」1978.11.29フジ/東映 父が島帰りなため縁遠い女は、忙しい日々の合間をぬって桟橋に立ち尽くす。「白馬に乗った若様」を夢見る女ごころは色悪じみた凶賊に利用され踏みにじられるが、もとから女の傍にいた良き相手を見出すきっかけになる。 ロケ地 ・新シ橋下の船着きに立ち尽くすお新、広沢池東岸。平次らが来かかり船着きを見下ろす新シ橋は映画村日本橋、欄干越しに「池」を見る絵も入れてある。 ・お新の勤める茶店へ出向く平次、赤山禅院境内・石仏前に茶店あしらい。呼び出して問い詰めるのは参道。 *賊の虚言を信じ込み手当てして匿ってやるお新は三林京子、いつも彼女を見ていて不器用に幸せを願っていた蕎麦屋の青年は島田順司。お新が匿う凶賊は倉石功、身代わりで捕まる「仙吉」は小峰隆司。仙吉を警戒して固められる木戸の番太に福ちゃん・かなりなアップも見られる。 ■ 大坂城の女 第39話「最期の二日間」 1970/1-9関西テレビ/東映 落城を前にして、互いの身を気遣う秀頼と千姫。しかし夢想した静かな暮らしは夢のまま、永訣を迎える。 ロケ地 ・武将らが次々と戦死の会戦の野、不明(丘陵地か)。 ・大坂城イメージ、姫路城ぬの門、大阪城天守。天守へ移る淀殿が小坊主に導かれ出てくる御殿、仁和寺宸殿。落城イメージはセット、大阪城の櫓と濠にスモーク演出も。 *秀頼に戦況を伝えに来て自刃する将兵に小田部通麿。*淀殿は最後までじたばた、見苦しく立ち回るのに秀頼が引導を渡す。*脚本/西沢裕子、監督/佐伯清 2008/4/15 ■ 銭形平次 第647話「恩返しのかんざし」1978.11.22フジ/東映 腕はいいが粗暴な錺職人は、拾ってくれた旦那に多大な恩義を感じ任された大仕事に精を出すが、彼は金儲けに便利な道具に過ぎなかった。旦那を信じきり罪を被ろうとするのを知った平次は、正直者を騙した悪党に怒りの十手を振り下ろす。 ロケ地 ・松林堂の職人・多平が殺されて見つかる川端、上賀茂神社ならの小川畔、祠脇に遺留品。 ・玉野屋でもてなしを受けた和吉夫婦が帰り道に通る思い出の川辺、罧原堤付近桂川畔。玉野屋が喧嘩で怪我をした和吉を手当てしスカウトする回想シーンも出る。 ・遺留品の印籠から浮かんだ浪人を尾行する平次たち、浪人が風流を装い大身らしき侍とツナギをとる茶店は神泉苑法成橋たもとにあしらい。見張る平次たちは「平八」側にいるが、背後に竹垣をあしらってある。侍をつける平次、大覚寺参道石橋〜大門(加賀藩上屋敷)。 ・玉野屋が和吉に金細工を作らせている秘密工房、不明(杉良の遠山の金さん2・第14話で出たのと同じ料亭ふうの建物が並ぶ坂、円山公園内か。設定は根岸付近)。 ・和吉の女房を呼び出し事情を問う平次、今宮神社楼門〜境内。 ・事後、多平の墓に参る和吉夫婦、金戒光明寺墓地。卒塔婆は石段半ば、登ってゆく平次と八のロングの絵では「サイババ」石仏も映り込む。 *和吉は峰岸徹、女房は梶三和子、和吉の友人で禁制品について忠告し消された多平は峰蘭太郎。金物問屋の玉野屋は潮万太郎でハナから胡散臭すぎ、金を横流ししていた加賀藩勘定勝手方は伊達三郎、凄腕の雇われ浪人は宮口二朗。この悪役陣三人が、裏切られたと知った和吉のまわりで哄笑するシーンはあざとくアオリでぐるぐる回し。 ■ 大暴れ五十三次 マキノ雅弘監督作品 1963.1.23東映 義賊・鼠小僧と北町奉行の若様の出会いが、横行するニセ鼠小僧の正体を暴くプロセスを喜劇仕立てで描くお話。 若様の示唆で旅に出る鼠小僧、わざと父奉行に悪態をつき勘当されて旅に出る若様。二人はいつしか道連れとなり、旅芸人一座に同行していた姉弟を庇護し彼らの母を捜す旅にスイッチ。京で別れる二人だが、若様は江戸で本名を名乗りあっての再会を「鼠」に求める。 ロケ地 不明個所覚書 ・街道をゆく若様、不明(野道)。 ・箱根関所付近、不明。柵等あしらい、山中か。 ・お新に胴巻をやられた若様と鼠が旅の一座と会う海辺の街道、不明(マジ海か/富士山は合成?)。 ・一座と別れ姉弟と旅立つ二人、不明(琵琶湖畔松原か/設定は米原)。 ・託された姉弟を届けた二人が佇む湖畔、不明(設定は彦根)。 キャスト 鼠小僧次郎吉/北大路欣也 近江銀八郎/松方弘樹 お新/丘さとみ しのぶ太夫/神楽坂浮子 お蔦/北原しげみ お雪/小林哲子 三郎/竹内満 弥次郎兵衛/平尾昌章 喜太八/堺駿二 近江雅楽頭/北龍二 文太夫/杉狂児 京都所司代/明石潮 村雨の藤五郎/大野一公 藤五郎手下/小田部通麿 万七/加賀邦男 2008/4/14 ■ 銭形平次 第646話「十手に賭けたお静の命」1978.11.15フジ/東映 臥煙の馬鹿息子のいたずらに巻き込まれたお静が重傷を負わされるが、旗本の権威を笠に着た者どもは反省の色なし。そんななか当の馬鹿息子が誘拐され、親分は今夜が峠という容態の恋女房を置いて出動し、誓ったとおり一同に詫びを入れさせるのだった。 *ロケなしセット撮り。*臥煙の跡取りは住吉正博、なっさけないボンを好演。父の元締は内田朝雄で小頭は原口剛、殿様は西山辰夫、三人ともメチャ偉そう。元締を恨む誘拐犯の元小頭・五郎蔵は木村元、仲間の強面は出水憲司。五郎蔵の回想で出てくるケンカ相手のゴロツキの一人に福ちゃん。*寝込んだお静の代わりにおさんどん平次、トンデモ味噌汁を作る←味噌どさっと放り込み・その辛いのなんのの一件を四杯おかわりする八。 ■ 水戸黄門38 第13話「弥七に恋した影の女」2008.4.13TBS/C.A.L 老公の学友が物騒な言葉を残し頓死、出てきたのは幕府転覆の陰謀。その友は隠密だし、裏柳生は暗躍するし、弥七は抜け忍のくせに里へ戻ってお屋形さまの娘に迫られるなど目まぐるしい展開。そして企みの中心にいた謎の「ふう様」が遂に姿を現すが、印籠出て手下やっつけられて老公に「ハウス!」されちゃってすごすご。 ロケ地 ・尾張イメージに名古屋城、熱田神宮。友のもとへ向かう老公、大原野神社参道。津田清芳邸、宝厳院通用門。 ・伊賀の里、弥七が帰ってきたと囁く野良の衆、北嵯峨か(畦道)。お屋形・音羽孫右衛門邸、不明(スロープあって門が萱葺のアレ、また又三匹第4話で出た一件)。 ・津田邸を襲った裏柳生とやりあう助格、不明(林)。 ・馬を駆るふう様に手下が尾張から催促と伝える野道、不明(丘陵地?)。 ・柳生兵庫が一行を隠す宮の中のやしろ、不明(檜皮葺の門、塀は瓦練り込み塀)。 ・尾張藩年寄役・馬渕邸、大覚寺大門(お娟が忍び込み)。 ・伊賀から尾張へ駆け戻る弥七、水辺は不明(溜池?)。助さんに呼び止められるのは大覚寺護摩堂裏手。 ・弥七を見送るお春、不明(林の中)。当地を去る一行、不明(マジ海っぽい)。 *ふう様は風魔三郎で大御所の血を引く裔、せっかく隆大介をキャスティングしてあるのに尻すぼみで勿体無いが、印籠に控えない風格は○。弥七を慕う伊賀忍頭領の娘・お春は紫吹淳、里で弥七に立ちはだかる忍び二人は下元年世と安部潮。尾張の年寄役は原口剛、清芳の孫娘は楯真由子。ラス立ち印籠直前の捕り方(?)に福ちゃんチラリ。 2008/4/13 ■ 恋染め浪人 加藤泰監督作品 1957.1.22東映 松代藩のお家騒動で毒殺されかかる娘を助けたご浪人・鮎さん、いやいや関わってゆく先は退転した当の藩。きつい麻薬を盛られ童女に返ってしまった娘哀れさと、反発しつつも見捨てきれぬ「友」への情が彼を突き動かす。わるい奴はきっぱり悪く、相応の報いを受けて万事めでたしの展開だが、鮎さんにぞっこんで危険な旅につきあってくれた太夫の死が物悲しい。 ロケ地 ・発つ江戸屋一座を見送る鮎さん、そこへ生田頼母がやって来て鮎さんと太夫に頼みごとをするくだり、仁和寺境内。彼らの動きを見張る今七らは、御影堂に入ったあと鐘楼の陰で待ち構え。頼母らの駕籠がやって来るのは観音堂方面から石段を上がり鐘楼前へ。 ・お国入りの馬鹿殿・松代家邦がゆく街道、湖西の丘陵地の畦道か。美穂の替玉が通る道も同所、滄庵らが竹藪から見ている。 ・江戸屋一座にまじって美穂とゆく鮎さん、不明(ロングは谷あいの道、近景は山道)。このあと襲撃され逃げ回る林は山腹や崖など各所。 ・これより松代藩領で迎えの駕籠が出ている街道、琵琶湖岸か(水は近い/道の奥、山裾には庫裏らしき建物が望まれる)。御殿に連れ込まれ建物を倒壊させられる場面はセット、遠景の絵は飛雲閣にも似たシルエットで、鮎さんと美穂がいる懸崖造りの一件がおもちゃのようにくしゃっとコケる。 ・滄庵に美穂自刃・頼母の面当てと吹き込まれかんかんに怒って江戸入りの家邦、入る江戸屋敷は仁和寺本坊表門。 ・事終り仕官を辞し一座と旅ゆく鮎さん、虚空から響く太夫の歌声と唱和する水辺は琵琶湖西岸松原(背後の山は雪嶺)。 鮎さんこと夏目鮎太郎は大友柳太朗、元奉公人だった久兵ヱ方で医者を開業。ずいずいずっころばしを口ずさむのが癖。彼の父は十年前ご落胤の押し付け婿の件を諫死、鮎さんは藩を退転。鮎さんの気っ風に惚れ込み協力する江戸屋の座頭は花柳小菊、男衆の亀さんは岸井明。美穂は長谷川裕見子、呆けたさまもきりりとした武家娘も可愛い。彼女の父の筆頭家老・頼母は薄田研二。先代の弟で鮎さんとは幼馴染の宗之助ぎみは渡島進、鮎さんと嫌味の応酬ののち褌一丁で取っ組み合いをして友情を確かめるくだりは笑える。国分屋久兵ヱは香川良介、美穂を連れて逃げる段で悪党に斬られ横死。山谷の今七は鮎さんと顔馴染みのチンピラ、はじめ悪党に加担するも御殿倒壊の際鮎さんたちを助け、最後は悪事の証人となる。悪役陣、馬鹿殿の家邦は立松晃、隠居の条件に美穂を要求。奥方は浦里はるみ、老中の娘で孕んだ不義の子を次期藩主にと目論む。奥方とつるむ次席家老は原健策、悪謀を一手に引き受ける腹心・滄庵は吉田義夫で怪人じみた振る舞いが不気味。滄庵に雇われる道場主は山口勇。 *原作は山手樹一郎の「恋染め笠」、脚本は結束信二。 2008/4/12 ■ 遠山の金さん2 第14話「標的は桜吹雪」1979.5.24テレビ朝日/東映 年貢のため売られた恋人を請け出しにやってくる猟師の青年だが、女のいる楼はとんだ悪の巣窟。貯めた金を掏られ焦った青年は、ヤバいと知りつつ一味の言うがままに動き、親切にしてくれた金さんを撃ってしまうのだった。 ロケ地 ・江戸へ十五里の街道を走る仙吉、田んぼの畦道は木津川堤内地か。茶店のある土手は木津堤でここに道標。道端でお昼をつかいながらの仙吉の回想、女衒に連れられてゆくおみつ、流れ橋上。 ・一味の指図で短筒を作り、言われるまま「標的」を撃つ仙吉、撃たれた金さんが振り向くのは中ノ島橋上。なお銃撃された金さんが川に落ちるのは嵐山公園堀端。 ・女と逃げた仙吉が浪人たちに囲まれ捕まる道、木津堤(階段のついた法面から見上げ)。連れ込まれる根岸の寮、不明(料亭ふう、細竹編みの垣根で前の道は坂)。おみつの身代わりをつとめたお駒が外へ石見銀山売りに化けてやって来た六さんにツナギ文を投げるシーンも。 ・甲府勤番支配邸、相国寺林光院。 *仙吉は大和田獏、毛皮着込み。阿片漬けにされていたおみつは小林かおり。任地で阿片栽培・江戸で売り捌く黒幕の甲府勤番支配は稲葉義男。仙吉の胴巻を掏った男は石山雄大、浪人は成瀬正、一味のゴロツキは有川正治。*タイトルの「標的」は「まと」とルビつき。 ■ 柳生あばれ旅 第19話「恐怖の花かんざし −桑名−」1981.2.17テレ朝/東映 次期老中に名の上がる桑名の殿様、それは甲賀が伊賀に取って代わろうとする動きと連動していた。当地で抜け荷の証拠をさぐる隠れ忍は密書を恋人の芸者の簪に仕込み、狙う甲賀者との騒動に「巡検使一行」が加わる。 ロケ地 ・隠れ忍の漁小屋を襲う藩士たち、琵琶湖岸(雪景)。 ・江戸城イメージ、菱の門越しの姫路城天守。 ・恋人の板前に頼まれ法華寺へ使いに行く鯉千代、不明(坂上がって門、立ち回りは墓地、お堂は二層の屋根、竹林が沿う)。 ・鯉千代と話す又十郎、広沢池東岸(水無)。 ・地蔵祠でツナギの赤布を見る阿里助、北嵯峨農地畦道。 ・街道封鎖後、間道をゆく又十郎についてくる鯉千代、見晴らしのよい高台は不明。鯉千代をおぶわされる坂道は酵素降り口。 ・木曽川沿いの旅籠、不明(石積護岸の上に建物、川は渓流)。 ・鯉千代を人質に板前を呼び出す竜神の森、酵素河川敷。鯉千代が吊るされているのは「木」。あたりにうっすらと雪積もり。 ・板前に化けていた隠密の墓、北嵯峨農地木の下。 ・任務を捨てた「板前」と当地を去る鯉千代、見送る又十郎は琵琶湖・舞子浜(渡し場、雪景)。 *鯉千代は村地弘美、板前は柴田p彦。桑名の家老は福山象三、隠岐守を推す老中は中村錦司。*今回、オープンセットでも降雪。 ■ 大坂城の女 第37話「憂愁の千姫」 1970/1-9関西テレビ/東映 淀殿は千姫に命じて大御所に要求取り下げを要求させるが、むろん通らず。姫には大坂城脱出が促されるが、重成の妻の自刃を知った姫はこの城で秀頼の妻として果てると誓う。 ロケ地 ・千姫がひっそりと暮らす山里郭イメージに大阪城西の丸芝地越しに多門櫓と千貫櫓を遠望。 *千姫は宇都宮雅代、お付の二位局は長谷川待子。 ■ 大坂城の女 第38話「妻になった千姫」 1970/1-9関西テレビ/東映 勇を鼓し真の妻となることを求める千姫は、ほんのちょっとマザコンから脱却しつつある秀頼と結ばれる。もちろん淀殿が面白いはずはなく、美乃の方が生んだ国松ぎみを無理やり引っ張ってきて嫌がらせ。ばかりか徳川への人質にしようとするのを、できあがったばかりの「夫婦」が阻む。 ロケ地 ・大坂城天守、桜花越しの大阪城天守。 ・国松ぎみが養育されている大津の里、琵琶湖岸(河口州と思われる岸辺、葦原や松原など見える。おそらく湖西)。 ・秀頼に会いに二位局がゆく廊下、淀殿に会いに千姫がゆく縁先、仁和寺宸殿回廊、書院縁先。 ・国松を去らせたあと間一髪で戦が始まったことを語るナレーションに被る天守、青屋門越し大阪城天守。 *国松ぎみを養育していたなかは岩本秀代、淀殿の手先の饗庭局は北城真記子。 2008/4/11 ■ 銭形平次 第645話「母娘草紙」1978.11.8フジ/東映 金貸しの鬼婆のもとに現れた生き別れの娘、出自は疑わしく凶賊の影もちらつく。しかしひたすらに母を慕い尽くす娘には聞くも哀れな事情、思いに打たれた「母」は心を開き、看取られて逝く。 ロケ地 ・平次がお光に事情を聞く茶店、赤山禅院境内にしつらえ。 ・お光が香華を手向けにゆく寺、西壽寺。山門と墓地、榊同心が和尚に話を聞くのは本堂前で石段から見上げ。ここからお光を連れ出す辰造は広沢池東岸(手配中の賊と気付いた榊が誰何するも船で逃走)。 ・お光の回想、大黒屋へ入り込んだ引き込みだったとお吉に告白された林、不明(崖地?)。 ・辰造がお光に来いと指定した言問稲荷、赤山禅院。本殿まわりと内陣を使用、万七の危機に現れる平次は本殿縁先から銭投げ。 *ごうつく金貸しは菅井きん、娘と称して現れるお光は松原智恵子。朋輩で婆さんの実子だったお吉は山口朱美、彼女をさらい商売道具にしていた凶賊は千葉敏郎。お光の面倒を見ていた富商は志摩靖彦。 ■ 剣客商売スペシャル 「春の嵐」2008.4.11CX 外道に堕ちた剣士は小兵衛旧知の剣客の子、大治郎を陥れる企みの裏では政敵を葬ろうとした巨悪が糸を引いていた。不幸な境涯の倅を、行いを知ってのちも憐れむ老剣客には小兵衛が引導を渡しにゆく。 ロケ地 ・松平家家中の井上主計助が「秋山大治郎」を名乗る頭巾の侍に斬られる夜道、上賀茂神社神事橋、ならの小川畔を経て大覚寺大沢池畔。 ・永山同心に呼び出される弥七、奉行所は大覚寺明智門。 ・小兵衛隠宅、酵素民家セット。 ・田沼に会いにゆく小兵衛、話す庭は随心院本堂脇池端。 ・辻斬りに殺された井上の小者・権造が犯人逮捕を祈願する金王八幡宮、上御霊神社。願をかけるのは本殿、「頭巾の侍」が通りかかるのは舞殿脇で楼門をくぐって境外へ(つけてゆくが別人、茶店はセット)。再び境内、また一人出た「頭巾」が消えてゆくのは福寿稲荷のほうへ、ここから随心院土塀へスイッチ、権造は林の中を尾行。 ・松平の上屋敷近くで家中の侍が斬られる越中橋、中ノ島橋。 ・辻斬りにかんかんに怒った松平定信が田沼に苦情を申し立てに来るくだり、江戸城イメージに姫路城天守。城中御廊下は金戒光明寺方丈縁先、西塀をナメて。 ・田沼と会うため不二楼へ向かう小兵衛、おはるの櫓で渡る大川は西の湖。園地中島の岸辺に凧揚げの子らを配置。 ・金王八幡宮で張り込む傘徳、上御霊神社舞殿脇。小兵衛が様子見にやって来て桶屋の太次郎が見張り交代。掏摸を叩きのめした「頭巾の侍」を辻斬りと見てつけてゆく太次郎、随心院土塀際から北嵯峨付近と思われる竹林にスイッチ、渋谷川沿いの道は西の湖園地西端の焼田橋を渡り北岸沿いの地道へ。隠田の屋敷手前の塀は民家塀際、「頭巾」が入ってゆく戸羽邸はセット。 ・事後、田沼と事件の次第を語る小兵衛、随心院書院縁先。 *原作は長編なのでこの尺に詰め込むには設定変更もやむなしだが、傘徳のアレはちょっと残念。 ★補遺は視聴記に 2008/4/10 ■ 銭形平次 第644話「にせ平次奮戦記」1978.11.1フジ/東映 冤罪で島流しと決まった男のため奔走する髪結いの亭主、顔が平次そっくりなことを利用し盗んだ十手で岡っ引芝居。彼の存在に気付いた親分は危ういところをフォローするほか、途中から事件を引き継ぎ、権力を笠に着た色魔をやっつける。 ロケ地 ・茂吉の難儀に際し甚八が平次の顔を思い出す回想シーン、検分の親分は今宮神社東門。 ・甚八のにせ平次に茂吉は犯人でないと吹き込まれた大工が弥七にシメられる川端、上賀茂社家町明神川端(道具箱が流されてゆく)。 ・弥七に怪しまれ窮地に立つ甚八をフォローする八と平次、金戒光明寺永運院下坂。 ・弥七を呼び出し悪事を指摘する平次、金戒光明寺三門。 *甚八は橋蔵の二役、まるきり違う人物を作って見事。尾行シーンのぼやけた顔の人は峰蘭さんかも。彼の女房は岩井友見、茂吉は安井孝で女房は大関優子。殺された娘の親父は陶隆司、悪相でハナから正体まるわかりの悪い岡っ引・弥七は田中浩。 2008/4/9 ■ 銭形平次 第643話「姿なき殺人」1978.10.25フジ/東映 高級料亭の女将殺害は密室殺人、困難極まる謎解きの描写に加え、驕慢な女将がもとで起こった事件の裏が情話として語られる。 ロケ地 ・料亭・橋善、不明(入口は坂、山なみが遠望される。玄関脇に宝筐印塔、茶室まわりは竹藪でこれが凶器のポイント)。 ・板前・小吉が元女中だったお蝶を見舞い散歩する小石川療養所近くの水辺、大覚寺放生池堤。お蝶と別れをさせて小吉を連行する平次、大覚寺大沢池畔。 *小吉は風間杜夫、お蝶は朝加真由美。女将は松村康世、番頭は山口幸生、花板は大竹修造、古くからいる爺さまは今福正雄。 2008/4/8 ■ 銭形平次 第642話「こころの叫び」1978.10.18フジ/東映 口をきかぬ娘の将来を思い詰めた男は大金を盗み、獄門のところ親分が手を差しのべる。なんとか話をさせようとする親分の真摯な思いは幼女に通じ、人質にされたお玉は乗り込んできた平次の姿を見て「おじちゃん」と、初めての言葉を発するのだった。 ロケ地 ・房吉夫婦が娘の快癒を祈る三圍稲荷、吉田神社竹中稲荷本殿。本殿と舞殿の間の石畳にお百度石あしらい、ここに盗金が埋められている設定。 ・平次がお玉に発声練習をさせる茜橋、上賀茂神社ならの小川神事橋。 ・勤め先の板前に亭主の事をバラすと脅されたおさよが隠れる神輿小屋、大覚寺五社明神舞殿に建具あしらい。 *房吉は石山律雄、おさよは武原英子、お玉は服部ひろ恵。隠し金に気付き悪心を抱く代貸は長谷川弘で子分に江幡高志、彼らと通じる板前は内田昌弘。 2008/4/7 ■ 銭形平次 第641話「生きる」1978.9.27フジ/東映 ヤクザに執拗な嫌がらせを受け火までつけられた煮売り屋、思いあぐねて訪ねた番所では怪盗さわぎで相手にされず。そのうえ騙りが出て借金まで背負い一家心中寸前のところ、飲もうとした石見銀山の包みは銭がはたき落とす。親分は上の意向に逆らい盗っ人追捕からはずれ、必死で一家を捜していた。 ロケ地 ・番所を訪ねたことでヤクザに痛めつけられる与兵ヱ、斉宮神社境内(玉垣外に町衆)。 ・万七が与兵ヱを追い返したと聞き後を追い聞きまわる平次、松尾大社楼門脇塀際(くぐり戸前、外側=北側)。 ・お京が食事をしに来た与兵ヱ一家の様子が変だと平次に注進に来る町角、松尾大社本殿脇(万七や榊がやって来る場面では舞殿や本殿庇側面が映り込む)。 ・与兵ヱ一家が子のため出向く水天宮の縁日、上御霊神社参道石畳に露店あしらい(ここで鼠とり購入)。見当をつけてやってきた平次らが般若一家のヤクザを叩きのめすのは本殿脇。 ・前に住んでいた深川の八幡へやって来ていよいよ毒を呷ろうとする一家、赤山禅院境内・石仏前。 *与兵ヱは織本順吉、火事場泥棒を見た際盲いた設定でこれが嫌がらせを受ける因。女房は丘さとみ。巴屋は西山嘉孝、使ったヤクザは出水憲司など。騙りは田畑猛男。長屋で般若一家の嫌がらせを遠巻きに見ている町衆の一人は福ちゃんか←キョドりかたがそれっぽい。 2008/4/6 ■ 遠山の金さん2 第13話「悪夢を覚ませ!女親分」1979.5.17テレビ朝日/東映 恋人から一方的に別れを言い渡された女は、自棄になってやくざな家業を継ぐ。しかし別れの理由は彼女の稼業そのもの、金さんは二人の運命のもつれを解こうと動くが決着はお白州へ持ち込まれ、桜吹雪は罪償っての再出発を示唆。 ロケ地 ・父・儀兵衛の墓に参る女親分のお志乃に声をかけ意思を確認する金さん、大覚寺護摩堂裏手に墓石あしらい。心経宝塔が映り込む。 *女を捨て二代目儀兵衛となるお志乃は田島令子、父は永田光男。父親の博打のため泣く泣く油屋の入り婿となる恋人は有川博。お志乃をとんだ悪事に引っ張り込む番頭は北村英三、荒事をしてのける手下は堀田真三。 ■ 大坂城の女 第35話「生きていた亡霊」 1970/1-9関西テレビ/東映 堅固な要塞を無理に攻めぬ家康は、内部の攪乱を狙う。幸村を父と慕う秀頼は陣頭に立ち、城方の意気は揚がるが、女の心を弱らせた大御所の策は壺にはまり、淀殿は勝手に和議を結んでしまうのだった。 ロケ地 ・家康の陣、不明(幔幕の外は林)。 ・城内の描写には大阪城内各所が使われる。大助と綾が話すのは山里郭付近の石垣際。秀頼が陣頭に立つと兵に宣言するのは天守真下の石垣上。家康の「鬨の声作戦」に引っかかった淀殿が的外れな指示を出し幸村にたしなめられる場面は多門櫓と大手口内側。和議成立は雪の日だったと語るナレーションに被せ、雪の天守閣。 *タイトルは前回死んだと思われた秋子、有楽斎の使嗾を受け夜な夜な鼓をかっぽんかっぽん鳴らして淀殿を惑乱させる。*脚本/高岩肇・宮川一郎、監督/鳥居元宏 ■ 大坂城の女 第36話「木村重成とその妻」 1970/1-9関西テレビ/東映 口頭での約束をいいことに惣堀を埋められてしまう大坂方、いよいよ敗色濃いなか木村重成が初登場。大野治長の妹の千絵と結ばれる過程を、情勢とからめて描く。 ロケ地 ・城内の描写はほぼセット。大阪城天守が処々に挿入される。重成が素振りをする庭のセットの塀越しに合成したものもあり、西の丸の焔硝蔵越しのアングルも。二の丸の堀を埋められてしまうくだりは天守を望む堀で撮ってあり、作り物の大石が投げ込まれ砂埃も盛大に立つ趣向(内濠と思われる)。 ・木村重成邸、相国寺林光院。帰館した重成は馬に乗って門をくぐる。城から急使がやって来る場面では、大通院南塀が映り込む。 ・重成と大野治長が談判にゆく二条城、本物の東南隅櫓。二人がゆく廊下は相国寺方丈か。 ・秀頼と淀殿に総大将就任を求められるも固辞する重成、阪口青龍苑。 *木村重成は細川俊之、母の刑部卿局は夏川静枝。千絵は高田美和、治長の乳母は岡嶋艶子。*脚本/西沢裕子、監督/大西卓夫 2008/4/5 ■ 忠治旅日記 1992.2.24TBS 国定忠治の若き日を描くドラマ。村人の難儀を見るに耐えず、悪代官と目明しをぶった斬って人別から抜け、渡世人となった忠治。旅ゆく彼に、各人なりのアプローチで後に子分となる若者たちが接触し、仲間となってゆく。そして、再び現れた前よりもっとタチのわるい代官との対決が繰り広げられる。 ロケ地 ・代官の悪行に耐えかねた国定村の人々が集まってくる夜の土手、木津堤か。 ・旅ゆく忠治を家族連れを装って襲う一団が出る橋、流れ橋。一人を橋から川へ叩き込み、殺到する捕り方と川中での立ち回りも。 ・頑鉄を置いてきぼりにしてきた忠治が、板割の浅太郎に斬りかかられる朝の道、大覚寺大沢池堤。 ・大八の子分どもが忠治を警戒して見張る国定村入口、谷山林道か(おくま婆さんの茶店があしらわれている)。おくま婆さんが客の円蔵に指し示す赤城山、本物をイメージカットで挿入。 ・お直が参る母の墓、不明(竹林に墓石点在)。 ・忠治が大八を血祭りに上げたあと、沼田代官所が旅人を検問する関所、不明(幼松など植えられた山肌が見える)。負傷した頑鉄を庇いながらゆく忠治、竹林の道はわらびの里か。役人に誰何され逃げ込む桑畑、不明。大前田英五郎が二人を隠してくれる水辺、広沢池東岸(英五郎は釣りに来ていた設定)。 ・朝太郎に自分も忠治殺害を命じられたと話す仙蔵、酵素河川敷。 ・忠治と間違えて自分の恋人の祖父を襲ってしまう朝太郎、大覚寺五社明神。 ・仙蔵が朝太郎をたばかり殺そうとするお堂、不明(堂そのものは作り物)。 キャスト 国定忠治/北大路欣也 お直/河合奈保子 又平/山田吾一 長岡友蔵/目黒祐樹 日光の円蔵/佐野浅夫 おくま/菅井きん 清水の頑鉄/大門正明 板割の浅太郎/あおい輝彦 市兵衛/花沢徳衛 むじなの欽太/江幡高志 島の大八/名和宏 般若の九兵衛/深江章喜 鹿沼の仙蔵/宮口二郎 鬼沢半蔵/亀石征一郎 大前田英五郎/市川右太衛門 2008/4/4 ■ 銭形平次 第640話「通り魔」1978.9.20フジ/東映 追い剥ぎが多発するなか、遂に起こる殺人。しかし強盗は殺しに関わっておらず、大それた行為にはやはり相応の訳が隠れていた。謎を解く鍵は、現場を通りかかり財布を拾ってガメようかどうか思い悩むダメ男からもたらされ、彼のがちゃがちゃ女房が危ない目に遭ったり。 ロケ地 ・祝言を間近に控えた地主の娘が殺されて見つかる深川木場の材木置場、斉宮神社内外。殺しがあったことも知らず半助が財布を拾うのは境外の玉垣際。娘が倒れているのは境内の碑そば、玉垣は現在外塀南西角に残るものが東側に続いており、今ある塀は撮影当時にはなかったことが境内からのショットではっきり判る。もちろん、いつもの「材木置場」は蔵等もはっきり映り込んでいる。 ・殺された娘と深い仲だった船頭に話を聞きにゆく平次、広沢池東岸。背後に船宿見立ての「料亭」が映り込んでいる。 *稼ぎが悪く女房に尻を叩かれまくる半助は小鹿番、文句言いまくりの女房は有崎由美子(おまさにしか見えず/八人生んで思いっきり苦労しそうな感じで笑える)。殺された娘と結婚する筈だった金貸しは小野武彦。*半助の商いは鼠除けの猫の絵売り。劇中売れたのはかすがの亭主にのみ。 2008/4/3 ■ 銭形平次 第639話「人情女白波」1978.9.13フジ/東映 足を洗って今は船宿の女将の元女賊は、その昔手入れの際に逃がしてくれたおかしらの難儀を見捨てておけず体を張る。その意気に感じた親分は、いたずらっぽい目つきで樋口さまに「忘却」を迫るのだった。 ロケ地 ・伝蔵一味を船に導き捕り方から「逃がす」お辰、広沢池東岸。 *船宿の女将・お辰は藤間紫、ならず者に威勢良く切る啖呵、おかしらを掻きくどく泣き芝居など独演会状態。三宅島でつとめを終え経師屋で働いていた「おかしら」の六兵ヱは下元勉。女将を慕う船宿の女中と船頭は榊原久美子と水上保弘。嵯峨帝の宸筆を盗られた経師屋は柳川清。高家の殿様は田口計、追い使われた挙句始末される賊・伝蔵は大木正司。高家の家来で福ちゃんチラリ、ラス立ちも。*六兵ヱをお縄にした係わりでテンから疑ってかかり老爺なのもかまわずガンガンに責め問いする樋口さま、ラストのおとぼけとのギャップが笑える。 2008/4/2 ■ 銭形平次 第638話「なみだ橋」1978.9.6フジ/東映 長い年月預けっ放しの娘を突然迎えに来る母、ずっと育ててくれた養母を思い娘心は千々に乱れるが、偶然巻き込まれたアクシデントにより己の真の心を知る運び。 *ロケなしセット撮り、泪橋の甚兵衛橋は映画村の日本橋。盗っ人の話はほぼつけたりで、主眼は二人の母をめぐる相克。*娘は池上季実子、実母は小畠絹子で養母は八木昌子。 ■ 柳生あばれ旅 第18話「波に散った乱れ雲 −鳴海−」1981.2.10テレ朝/東映 又十郎が拾った手癖の悪い青年の哀話。彼は姉の幸せを壊したくなくて柳生兄弟を殺しにかかるが、根っからの悪人でない男は義兄の言いつけを為果せず散る。 ロケ地 ・又十郎が行き倒れの仙次を拾う街道、不明(川堤、河畔林は竹)。団子を食わすも財布を掏られる茶店は山道か。 ・御用金運搬にたずさわる丸岡藩の侍が素破らに斬られる林、酵素か。 ・怪しい墓守を凝視するお紋、大覚寺護摩堂脇(石仏見越しで雰囲気を出す)。 ・鳴海宿に巣食う素破らが巡検使の件をひそひそツナギの木、大覚寺天神島大楠(樹上)。 ・宿場に潜む怪しの者どもについて夜の鎮守で話す又十郎とお紋、鳥居本八幡宮。 ・丈吉が借りていた船着き付近の小屋、広沢池東岸に小屋あしらい、水抜き後。 ・当地を去る又十郎が行き倒れの八木重兵衛を拾う地蔵の辻、不明。ここで出る重兵衛の言葉は仙次と出会ったときと同じ「半端な親切なら放っといて」。 *仙次は火野正平、憎めないコロコロ子犬系(クレジットには仙太)。姉は村松英子、亭主の丈吉は原口剛、手下の素破集団は小峰隆司・大城泰・宮城幸生ほかの面々。 2008/4/1 ■ 銭形平次 第637話「地獄の影」1978.8.30フジ/東映 過去はあるものの今は錺職人の女房として幸せに暮らす女、しかし「昔の男」が平穏を掻き乱す。男は女の亭主を殺そうとして間違い殺人を犯すが、慎重を期して「男」の調書を読んでいた平次は、判り易過ぎる遺留品に騙されない。 ロケ地 ・風呂帰りのおゆうと夜回りの榊同心らが行き会う橋、中ノ島橋。この前に榊と八が歩いているのは中州水路堀端。おゆうの悲鳴を聞いて榊らが駆けつけると、男が水路湛水域に飛び込んで逃げる。 ・浅吉が桔梗屋に会わせと言われ出向く高田屋の根岸寮、嵐山公園料亭・錦。この門口で「浅吉覚悟」と叫んだ「男」が桔梗屋を刺殺。 ・高田屋の飼うチンピラに殺されかかったあと、その場を逃げたおゆうが走る堀端、嵐山公園中州水路堀端。おゆうが座り込んで己をなじるところへ平次が現れて真実を迫る水辺、広沢池東岸。 *おゆうは三浦真弓、亭主の浅吉は鶴田忍。江戸払いになった「昔の男」は阿藤海、平次の回想に登場する姿が納得の荒っぽさで、見ている者も釣り込まれる。ヒヒ爺のうえ強欲な悪党だった高田屋は伊沢一郎、飼われている荒くれの首魁は有川正治でどうやら「昔の男」を消している模様。 ■ ひばりのおしゃれ狂女 佐々木康監督作品 1961.12.15東映 父の死に合点がゆかぬ兄妹は、それぞれのやり方で真実を探ろうとする。兄はストレートに蔵へ忍び込んだりするが、妹のほうは奇抜な手法で、タイトル通りに狂女を演じるのだが、奢侈禁止令を利用して効果をあげる大胆にして巧みなやり方が「おしゃれ」の謂。狂女・洒落キチがたくさんの見せ場を作り、父の仇討ちには老中・松平越前守の思惑も加わって、一ツ橋のご隠居を隠れ蓑にしていた悪党燻り出しとなる。 ロケ地 ・奢侈禁止令の高札が出る林、不明。林の脇は地道で、一ツ橋のご隠居が闊歩する。道は塀沿い。 ・タイトルロールのお美津登場シーンは堀端、湛水域。宇治か瀬田か。その後歩む寺院境内は仁和寺観音堂付近か。町中のシーンはセットかロケか不明。 ・町方に連行されたお美津・伊之吉が連れ込まれる松平越前守邸、仁和寺本坊表門。 ・禁制品摘発の検問シーン、浜辺は琵琶湖西岸。街道筋は湖西の棚田か。田沼能登守の屋形船臨検は大沢池か。 ・近江屋の死体が上がった大川、セットか。 ・お美津がゆく町中、大寺の塀際か。その後に出る露店等の出た市中は冒頭に出たものと同じ、塀の向こうに建物あり。 ・夜になり「塒」へ新次郎を連れて入り込むお美津、お堂はセットだが刺客が入ってくるくぐり戸は松尾大社楼門脇の開口部。 ・田沼と中屋および禁制品入りの屋形船がゆく川、宇治か瀬田か。お美津と新次郎が船を見る土手はロケからセットにスイッチ、新次郎の思いを知りいたたまれなくなったお美津がその場を去り走る堀端は冒頭に出たものと同じ。禁制品を載せた船が着く一ツ橋邸裏口は作りこまれたセット。 *親友のお紀代ばかりか実の兄も騙す狂女ぶりは圧巻、ご隠居んちの拝領壺を割りかける手つきなどは荒っぽくも可愛く、正気との落差も見どころで、新次郎の御新造におさまった際の姐御っぽい芝居も、当然入っている歌と踊りもいい。当初しれっと善人面しているスガカン、優しげな口調にも怪しさ滲むさすがの芸。 キャスト お美津/美空ひばり 伊之吉/高田浩吉 諏訪新次郎/水島道太郎 留吉/花房錦一 近江屋/水野浩 お紀代/青山京子 中屋/菅貫太郎 松平越前守/徳大寺伸 一ツ橋治斉/北竜二 戸山勘解由/吉田義夫 青江源内/小田部通麿 田沼能登守/安井昌二 |
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