2011/8/31
■ 怪談 牡丹燈籠 野渕昶監督作品 1955.7.12東映82
恋敵の嘘を信じ込み、世を儚むお露だが、隔り世の者となってすぐに「出る」。お札を貼られて入れず、さんざん手数を繰り出すあたりはお決まりの筋立て、しかし取り殺すふうなおどろおどろしさは無く、美男美女の魂が昇華されて終わる。
ロケ地
- 新三郎とお国がゆく野道、不明(クリークに土橋、周囲は広野)。
- お露に会いに、柳島の寮へ向かう新三郎、不明(アヒル泳ぐ小川べり、道端には家並み)。
- 寮を出た新三郎を襲う、お露の父の家来たち、不明(石垣際、中に建物。奥は湖畔らしき気配で橋架かり。立ち回りの地面は砂)。湖畔か。
- お露が話を信じ込み嘆いて去ったとお国に聞いた新三郎、捜しに出てお露の名を呼ばわる葦原、不明。
- お露主従が思い詰めて入水寸前の風景、湖畔か池畔の葦原か。
- 亡霊出現可能期間最終日、燈籠流しの風景は瀬田橋竜宮前河畔か(石積み護岸は傾斜あり、土手上に社務所っぽい建物)。
- 志丈の先導で橋を渡ってくる平左ヱ門の家来たち、中ノ島橋か。
キャスト
萩原新三郎/東千代之介 お露/田代百合子 伴蔵/山口勇 お国/浦里はるみ お峯/鳳衣子 志丈/杉狂児 阿闍梨/大丸巖 お米/六篠奈美子 家臣/中野市女蔵 平左ヱ門/有馬宏治
脚本、監督/野渕昶
2011/8/30
■ 風 第25話「江戸惜春譜」1967-1968TBS
物騒な事件の現場に見え隠れする女あり、尻軽の私娼と見えた彼女は、恋しい男の無念を晴らすため身を汚した者であった。事後、身を引く女の心情が哀切極まりない。
ロケ地
- 館林の中間に無体を働かれる提げ重のお七、木場は例の「材木置場」か。人物の背景に、嵯峨らしき山の天辺がちらり。
- お七を見て調書を繰る左近のダンナ、一年前出た徳三郎の乗った流人船の回想シーン、琵琶湖流入河川河口付近。お七は水辺の葦原から船を凝視。
- 北の吟味与力が殺されて見つかる屋形船、大覚寺大沢池水門近くの岸に舫い。発見者は新十郎で、釣りをしていて悲鳴を聞く。検分を凝視するお七は大沢池堤。
- お七をつけた新十郎、怪しの浪人・十内を見かけ尾行するくだり、金戒光明寺。三門前石段〜永雲院下坂〜長安院裏路地(東望・禅堂映り込み)〜善教院前坂(尾行に気付いた十内が坂上から見下ろして鯉口を切るが、新十郎は門に隠れ)〜超覚院(十内が入ってゆく勘定方・館林邸)。
- 屋敷に出向いて館林の中間とよりを戻したお七、鼻緒を切る戻り道は金戒光明寺本堂前坂。腰掛けて鼻緒をすげるシーンは全方位から撮ってある。
- お七の投げ文にビビり館林邸へ駆け込む伊勢屋、十内に始末される帰り道は金戒光明寺長安院下坂(夜道)。
- 十内が仲間の浪人と屯する寺を急襲する左近と新十郎、立ち回りの「廊下」は東福寺通天橋。開山堂から通じる坂から、洗玉澗に架かる橋梁部、法堂前の回廊部分とさまざまに使う。寺設定根拠の鐘の音のほか、橋上では流水の音が入れられている。
- 赦免船で戻った徳三郎、左近が迎えに出る浜は琵琶湖畔か。
2011/8/29
■ 風と雲と砦 森一生監督作品 1961.2.22大映
乱世に生きた若い男女三組の恋のゆくたてを、武田家滅亡の歴史事件と絡めて描く戦国絵巻。
運を石に託す男はかねてからの思いを叶え、野武士の情婦は理想の男をゲットし、出会ってしまった運命のカップルは、使命も任務も捨てて恋に殉じる。
ロケ地
- 三河・鳳来寺山の砦、野外の大規模セット。遠景に雪嶺。
- 砦を出てゆく八郎を待っていたみゆき、不明(林の中の道、竹藪)。
- 砦城門、大掛かりなセット造営。
- 八郎が討ち死にしたと聞かされ泣くみゆき、不明(茅葺民家前、セットか)。
- 三蔵が「ひめ」率いる野武士と出会う谷川、不明(バッドランド)。
- 八郎とすれ違い叫ぶもみゆき、広瀬川は大堰川か(広い河川敷、河畔林あり)。
- 奥方とともに人質となったみゆきに会いに来る鬼頭太、西教寺大師堂裏手。大師堂脇石段をおりてきた鬼頭太は、築地脇から大師堂裏手へ(寝ずの番を労い、人質の動向を問う)。みゆきがいる「お堂裏手」はセットにスイッチ。
- 徳川氏新城の情報を得た八郎が、安良里に復命するため馬を駆る道、不明(台地や山道)。
- 信玄公が亡くなったと噂する民、煮炊きする市中は大覚寺護摩堂脇と石仏前。風説を戒める高札が出るのは大覚寺天神島大木脇。
- 寺の和尚に、八郎が来た際の指示を与える安良里、西教寺墓地。このあと墓に額づく。
- 鬼頭太と争って滑落した八郎を見つけるみゆき、清滝河畔(これに先立って映る街道筋に沈下橋も使われている)。
- 騎馬隊がゆく野原、大会戦の野原、饗庭か(台地、幼松あり)。
- みゆきが八郎を匿っていた民家、不明(庭に面した裏手はセット、徳川の軍勢が通る表の街道筋がロケ。茅葺民家前の道、反対側は林)。
- 保護していた八郎に去られ、芦原を彷徨うみゆき、広沢池か。
- 八郎が言いつけを守って立ち働いていると報告を受ける安良里、西教寺本堂前。導入は、廟所石段中ほどから見下ろした図、池の橋や客殿の塀も見える。
- 野武士に襲われる鬼頭太、大覚寺五社明神。投石する野武士は大沢池畔に。逃げた鬼頭太が囲まれる葦原、不明。
- 谷川で顔を洗うひめ、清滝河原。
- 武田領に侵入した安良里、露見し八郎と二人逃げる林は「竹まじり雑木林の林間に巨石のアレ」。
- 安良里の処刑、湖南アルプスか饗庭か。
2011/8/27
■ 大奥 第十八回「密通」1968.8.3 関テレ/東映
山村座の演しものは曽根崎心中、悲しい過去がフラッシュバックし気分を悪くした江島は、桟敷から別室へ案内される。そこへ、落とす気満々の生島が現れるのだった。
ロケ地
- 山村座の一室で生島に言い寄られた挙句突き放された江島、戻り道で駕籠を止めさせ、交竹院にもう一度山村座へと頼む水辺、大覚寺大沢池畔。
- 江島生島の逢瀬が回を重ね、浮橋の知るところとなり責められた月光院、生島を呼び出し江島と会わぬよう求める寺、イメージに永観堂御影堂、縁越しに多宝塔を見上げる図。
- 生島の説得が不調に終わり帰途につく月光院、供の侍に生島暗殺を命じる道は仁和寺裏塀際(境外)。
- 生島の恋は復讐のため仕掛けたものと、江島の駕籠に縋り訴える縫、不明(石積みの土手際、御所か)。
- 江島に無視された縫が奉行所(?)に駆け込むシーン、大覚寺参道〜明智門〜明智陣屋。
- 墓地で密会する江島生島、宝塔寺墓地。縫が役人を連れて現れるシーンでは塔映り込み。二人が捕縛されるシーンでは低い仕切塀なども見える。二人が忍び会う墓地は草地の中に低い墓碑が林立するところ、ここを月光院の配下が窺う。
2011/8/26
■ 大奥 第十七回「江島と生島」1968.7.27 関テレ/東映
心中に失敗し、相手に死なれてしまった月光院の妹は、大奥に引き取られるが、鬱々と楽しまぬ日々を過ごす。
一方、当代の人気役者・生島は、はじめ大奥の女の接待を忌避するが、尾張大納言の正室と火遊びをしていた弟のむごい死に様を見て、気を変える。
ロケ地
- 駆け落ちした初音と与平、相対死して見つかるまでの時間経過を表す鐘の音、鐘楼は本法寺で塔映り込み。川端はセット撮り。
- 御典医・奥山交竹院邸イメージ、宝塔寺塔頭・霊光寺門。柄屋と出羽屋が物品納入の工作を頼みに来る段。
- 交竹院の勧めで代参の帰り山村座に立ち寄る江島、駕籠がゆく道は仁和寺裏塀際(境外)。
2011/8/25
■ 大奥 第十六回「母と子」1968.7.20 関テレ/東映
たくらみはますます募り、危機感を強めた松島は茶室に立てこもるが、兵糧攻めに遭う。悪女どもは自壊してゆき、若君に道が開けるものの、松島の払った犠牲は大きすぎた。
ロケ地
- 将軍御成りの浜御殿、琵琶湖西岸(建物あり)。伊織が早馬を駆るのは松原、大老一派に刺され斃れるのは汀。
- 若君と小太郎が遊ぶ庭、勧修寺池畔。観音堂が映り込む。
2011/8/24
■ 大奥 第十五回「生きていた悪霊」1968.7.13 関テレ/東映
ゆきえは一子・小太郎を連れ、若君の乳母として大奥へ。気強く滝川に対するが、彼女を追い使う勢力に加え、とうの昔に死んだ筈の奇態な老婆まで蠢いているのだった。
ロケ地
- 松島と小太郎の駕籠が渡ってゆくお濠の橋、彦根城か。入る城門は彦根城天秤櫓(内側)。
- お針子のまつが宿下がりの際通る門、彦根城天秤櫓。呉服屋で片袖の情報を得たあと、尾行者の浪路に刺されてしまう町角は相国寺法堂前植え込み際。
- 滝川が井伊大老と密かに会う屋敷、不明(桐院席に似る)。
2011/8/22
■ 水戸黄門43 第8話「狙われたもてなしの宿」2011.8.22TBS
ところは浜松、老公が気遣いに感心した宿は、悪者に魅入られていた。事の真相を暴き、たわけ者を懲らし、一行は再び西へ向かう。
ロケ地
- 裏山で湧き水を汲んでくる千代のくだり、野面不明。
- 強盗事件の際、松乃屋に金を預けていたという客を見かけ尾行する格さん、蔵前屋が屋形船に乗り込む岸は広沢池東岸。船でお屋形さまの腹心と密談の運び。
- お屋形さまの魔手が迫るなか、仙太と話す千代、広沢池西岸湿地。
- 浜松を発つ一行、琵琶湖岸。
2011/8/21
■ 大奥 第十四回「幼君暗殺」1968.7.6関テレ/東映
新将軍・家宣には三人の子、しかし上の二人が続けて不慮の死を遂げる。側室・左京の方が嫌疑を掛けられるが、周到な陰謀が進行中であった。
ロケ地
- お城イメージ、姫路城天守。
- 虎ノ門養生所送りになる左京の方、駕籠が出てゆく情景は彦根城天秤櫓。自決した侍女・かえでの墓に詣でたいと駕籠を止めさせ、役人に申し出るシーンは橋下。
- かえでの墓がある寺、西壽寺。尼僧が出迎えるシーンは石段下から本堂望む図、呼び出してあったゆきえと会う墓はここの墓地(卒塔婆の向こうに京の町なみが見えるシーンあり。ゆきえの背後に見える山は陵か)。
- ゆきえが帰宅すると息子が出迎える門、相国寺林光院。玄関前も使う(前庭の木、妙な葉の茂り方)。御広敷番頭・木村伊織邸。
2011/8/20
■ 大奥 第十三回「開かずの間悲話」1968.6.29関テレ/東映
鶴姫が夫と共に急逝、気落ちする綱吉に吹き込まれたのは「もう一人の和子」の噂話。柳沢と北の丸によるその陰謀は、一人の女性の「暴挙」により潰え去る。
ロケ地
- 綱吉の誕生日を祝い御三家も登城のくだり、お城イメージに姫路城天守。
- 柳沢に命じられ、御台が使う術者を探し回る忍者たち、神光院本堂前石橋〜本堂裏手。
- 庭で柳沢と会い睦む北の丸、枳殻邸侵雪橋〜池畔。
2011/8/19
■ 大奥 第十二回「元禄雪の十四日」1968.6.22関テレ/東映
赤穂事件、大奥御客あしらいで、父が元浅野家家中の腰元視点で描かれる。
父の死後、村松に求婚されるもやむなく赤穂を出た琴は、桂昌院の使いとして浅野上屋敷に出向き、恋人と再会する。愛を確かめ合う二人だが、松の廊下で殿様が刃傷に及んでしまい、事情は一変するのだった。
ロケ地
- 大典侍が大奥入りしたあと、柳沢と庭で高笑いの桂昌院、枳殻邸庭。「枯れ木」が見える。
- 浅野上屋敷に桂昌院の使者として赴く琴、亡父が丹精した盆栽を見るバルコニー、枳殻邸臨池亭。対岸の池畔に村松が出て、琴は彼に走り寄る。その後二人話す庭は遣水脇。
- 勅使院使接待のくだり、お城イメージに姫路城天守。
- 内匠頭刃傷後、上屋敷を続々発ってゆく藩士たち、上屋敷門は妙心寺涅槃堂に似る。
- 御台の中臈に取り立てられ、参詣のお供をする琴、永観堂御影堂。村松が絵馬を納めにくる茶店は別撮り。
- 村松と同志が出てくるくぐり戸、不明(片方は石垣の際)。このあと通る塀際は多段に刻みが入ったもの。
2011/8/18
■ 大奥 第十一回「犬将軍とお端女中」1968.6.15関テレ/東映
お伝も右衛門佐も去った大奥では、相も変わらず好色な将軍が新たな女に手をつけ、お局さまたちは手駒を求める。
そんななか、隆光の託宣を真に受けた桂昌院は希代の悪法を触れ出させ、悲劇が出来する。
ロケ地
- お城イメージ、姫路城。天守のほか、にの門など映る。
- 桂昌院に呼ばれ御廊下をゆく柳沢、枳殻邸園林堂。
- 大典侍局の行列がやって来る道、妙心寺石畳か。
2011/8/17
■ へそ曲がり新左 1987.5.14テレ朝/東映
泰平の世には生きにくい、戦国期を知る男・新左。殿様を篭絡する君側の奸を斬るが、女衒紛いの諂いに怒った理由は、遠い日の記憶にあった。
今度も報われそうにない新左だが、臍曲がりの二代目候補は決まりそうなのだった。
ロケ地
- 登城風景、彦根城天秤櫓の内外。
- 側用人・篠井右京が不正をしたという話で出る、砂金を生じる谷、清滝川。
- 新左の回想、ロングの戦場は不明(バンクフィルムと思われる)。足を負傷した14歳の少女が隠れていた小屋は酵素河川敷にあしらい。
- 殿様の寝所から逃げてきた佐久を助けるくだり、妙顕寺。佐久が隠れているのは尊神堂縁下、新左は尊神堂・三菩薩堂間の渡廊(以前あった反木の一件)をくぐってやって来る。単衣で裸足の佐久をおぶって帰る新左を囲み誰何する追っ手、本堂・方丈間の渡廊下。このシークエンスは夜間撮影。
- 篠井を斬って帰宅した新左、平四郎に語る昔話で出る、助けた少女を殿の伽に供した図書に食ってかかるシーン、陣中の殿様の寝所は永観堂御影堂(放生池石橋越しのショット、夜間撮影)。
- 篠井一族の報復もなく、去り状を渡した妻も戻りめでたしのラストシーン、新左宅の門は妙心寺大龍院か(向かいの塀や通用門も使用か・セット併用の模様)。
2011/8/16
■ 水戸黄門43 第7話「家族愛にまさる宝なし」2011.8.15TBS
その日の暮らしにも困る民をよそに、悪徳商人とつるみ私腹を肥やす悪家老。ひもじさにあえぐ子らを一行が識り、事が発覚する。
ロケ地
- 玄心和尚の寺、普済寺鐘楼門。老公と助格が雨宿りしていると鐘がゴーン、撞いていたのはここに滞在中の八兵衛。この寺で開かれている賭場はセット撮り。
- 道端でお昼を使っていた弥七、子らの視線に気付き食べていた染飯を与えるのは酵素ダート待避所。
- 百姓・吾助の家、酵素河川敷木のそばに小屋あしらい。以降、小川や葦原も使われ、吾助が吊りかける木は「隠宅」前の木(もちろん隠宅セットは無く、家の裏にあった木も映り込む。きれいに「無い」状態を明瞭に使うのは初か)。
- 田中藩家老・牧野邸、等持院。外観イメージに門横の塀と松を映し、老公らが通される廊下は方丈縁側で庭も映り込み。家老の孫娘が鯉に餌をやるシーンで池泉が使われ、女児は切石橋の上。
- 老公に命じられ江戸の藩邸へ向かう弥七、走る街道は酵素ダート他。
2011/8/11
■ おんなの密書 1987.6.18テレビ朝日/東映
女房にも侮られつつ暮らす下級武士は、酒肆で朋輩とおだを上げるのが関の山。ある日、その帰り道で斬られかけている腰元を助けたことで、彼はお家騒動に関わってゆくが、ご褒美は思い切り拍子抜けなのだった。
ロケ地
- 登城・下城風景、彦根城天秤櫓内外。
- 国家老・本多邸、相国寺大光明寺。織江が斬られるのは屋敷の裏手、ロケは南路地の通用門前。このほか、門や湯屋角、方丈塀際なども使われる。
- 若君と三坂が推進する新田開発、普請現場は不明(谷地田の奥、山裾に切り通しで大内に似る)。
- 半九郎が三坂の刺客に遭ったあとに潜む馬医者宅、植藤。呼ばれた甚内がここへ走る道は北嵯峨か。
2011/8/10
■ しぶとい連中 1987.6.25テレビ朝日/東映
身投げ女とその子を助ける極道者、母子は彼の家に居着く。困り果てる男だが、やがて情も湧いてきてしまう。彼らのため命を張って金を得ようとする男、ズタボロになって帰り着いた家には、母子の姿が消えているのだった。
ロケ地
- 冒頭、熊蔵たちの営業のくだり、逃げる男女は大覚寺有栖川河床、追う男たちは大覚寺御殿川河床・勅使門橋下手。熊蔵が立ちはだかる竹林はセットにスイッチ。
- 熊蔵がみさと子らの入水を止めるくだり、中ノ島橋。母子が袂に石を入れているのは橋たもと、入水を止めるのは橋上。
- 母子に金をやって去った熊蔵、夜鷹たちに引っかかる夜道は大覚寺五社明神。姐さんたちは本殿前で焚き火をしていて、それっぽいあしらいものがなされている。熊蔵についてくるみさ母子、有栖川畔(壁にシルエット)。
- 始末屋の対抗勢力である流れ者の博打打ちが塒にしている荒れ寺、入口は大覚寺大沢池木戸。草とかいっぱいつけてある。お堂はセット撮り。
- 幼馴染の目明しが、ちかごろ狂言自殺の女が出没していることを熊蔵に告げる橋、中ノ島橋上。むしゃくしゃしての帰り道、身投げごっこを子らに教唆するみさの倅を目撃する小橋、上賀茂神社ならの小川神事橋。
2011/8/9
■ 夢ぞ見し 1987.8.6テレビ朝日/東映
倦怠期の夫婦は、一陣の風の如く巻き起こった椿事により「槍の錆」を払われ、めでたく遅まきの子を得る。
原作では、啓四郎の危機に駆けつけた夫が見せる剣技に感心する描写が、最大の見せ場。それはドラマでも同じだが、なにしろ昌江が岩下志麻なので、内心のボヤキや、啓四郎さまによろめく年増女の妄想など、傑作な絵が撮れていて、そっちに目を奪われてしまう。
ロケ地
- 家老が側用人差し回しの刺客に殺られる夜道、大覚寺放生池堤。お供の新之助は池ボチャ、這い上がってきて瀕死の家老の言を聞く。
- 昌江の実家、不明。石垣続きの門、後段では塀際の経塔(?)や、林間の宝筐印塔など映り込む。
- 昌江が啓四郎と屋根から望むお城、伊賀上野城天守。
- 落合へ釣りにゆく昌江と啓四郎、清滝川。啓四郎が昌江の肩を抱くが、見張りがついているゆえの行動。
- その夜、昌江の見る夢に出てくる、啓四郎と二人盃を傾けつつ愛を確かめ合う湯宿、日吉山荘。飛龍の滝にはスモークが焚かれている。二人がいる座敷は河畔の屋台、背景に山荘の建物。このあと妄想は駆け落ち→刀ふりかざしての夫の追走。
- 甚兵衛宅を出た直後、刺客に襲われる啓四郎と新之助、小柴垣際の道は北嵯峨か(垣根の向こうは竹林)。
2011/8/8
■ 水戸黄門43 第6話「海道一のじゃじゃ馬娘」2011.8.8TBS
町を仕切る鉄火娘は父と不仲、余命を宣告されている父は娘を案じ婿取りを急ぐが、意は通じず。来合わせた老公が中に入るが、オヤジの病というのが何やら怪しく、たくらみの匂いがぷんぷんしているのだった。
ロケ地
- 駿河入りの一行、茶畑は和束の里。
- 清水港、八幡堀新町浜。荷揚げ風景を演出。
- 格さんがお蝶と話す海辺、琵琶湖岸(松原、漁具等あしらい)。
2011/8/7
■ 大奥 第十回「鼓の音哀し」1968.6.8関テレ/東映
誤解から寵は離れ、失意のお伝。追い討ちをかける事象が更に続き、桂昌院の本性も見えるが、絶望の裡にも顔を上げ、お伝の方は運命を選択する。
ロケ地
- 右衛門佐のもとに駆けつけようとするお伝を止める桂昌院、廊下は大覚寺か。
- 牧野の誘いを受けよと綱吉に進言する柳沢、勧修寺宸殿縁先。燈籠が映り込んでいる。
- 牧野邸でのアクシデントのあと、廊下に崩れ折れ嘆くお伝、大覚寺回廊。
2011/8/6
■ 大奥 第九回「子別れの唄」1968.6.1関テレ/東映
泣く泣く幼い娘を嫁がせたお伝の方を、更なる悲しみが襲う。そして、彼女のあずかり知らぬところで、桂昌院が陰謀を巡らせているのだった。
ロケ地
- 阿久里のことを知り落ち込むお伝の方を気遣う桂昌院、子らも連れて逍遥する庭は勧修寺庭園池畔(南岸から北望の図)。
- 鶴姫輿入れのくだり、仁和寺大玄関〜本坊表門(内側)。玄関前に駕籠が用意され、出発したあとで母を呼ぶ声を聞き、お伝の方が駆けつけてくるが牧野に止められ泣き崩れる。
- 取り立てられはじめた柳沢と話す桂昌院、不明(御殿脇の池畔)。
- 御台所主催で行われる、藤の花を見ながらの歌会、勧修寺庭園(池北側の芝地に幔幕張り)。踏み台を取り替える企みの桂昌院と侍女は観音堂の陰にいる。
- 右衛門佐が流産と聞き駆けつけるお伝の方、走る廊下は大覚寺回廊か。
2011/8/5
■ 歌ごよみ お夏清十郎
冬島泰三監督作品 1954.11.1新芸術プロダクション/新東宝
悲恋の定番「お夏清十郎」を翻案、苦難を乗り越えて結ばれるハッピーエンドに仕立てた娯楽作。
米問屋の令嬢・お夏は、手代の清十郎を慕うも、物堅い彼の鈍さにやきもき。しかし平和な日常は、内にも外にもいた悪党により無残に砕け散り、店は潰れ清十郎は島流しに。
或る日、島で新入り囚人に但馬屋が潰れた真相を聞かされた清十郎は島抜けを敢行、悪党が我が世の春を謳歌する城下町に戻ってくる。
ロケ地
- 姫路の港町、不明(突堤等ある港、背景に岬、その続きの山に棚田)。
- 清十郎の代わりに勘十郎を連れてお参りにゆくお夏、町中は祇園・白川巽橋付近。参る恵比寿さまは不明(額づくお夏の背後に蔀戸のある建物)。
- 清十郎の引き回し、町並みの奥に塔の頂部。
- 清十郎が送られる島、不明(マジ海の岩浜、丘の斜面等)。
2011/8/4
■ 八丁堀の七人7 第7話 2006.3.6テレ朝/東映
黒沢の死後も放火は続き、目付のほか火盗改も跋扈。彼らを追い詰める北町だが、手足を切り捨てて恬と恥じぬ巨悪が隠れていた。黙っておれぬ男たちは、死を覚悟して「上御一人」に訴えかける。
ロケ地
- お咲を捜し走り回る火盗改を目撃する源吾、八幡堀堀端。
- 青山さまが若年寄に駕籠訴のくだり、お城イメージに姫路城天守。下城してきた戸田若狭守の駕籠の前に出る道、大覚寺参道(東望、大門映さず)。
- 鰻重につられた磯貝がお奉行にお咲の居所を喋ってしまい、お咲がさらわれるくだり、皆にののしられたことをぶつぶつ愚痴垂れながら磯貝が歩いていると、お咲を横抱えにした者どもが走り去るのを目撃する堀端、八幡堀舟橋付近。左岸の階も使われる。目印に置いていくのは、返すため持っていた食べかけ入り重箱。
- お咲を取り戻しに、丹羽らのアジトに乗り込む北町、逃げ出した丹羽らが若狭守に消されるのは大覚寺天神島(夜)。
- それぞれに「家族」と別れをしてきた八兵衛と青山さま、ふたり合流する堀端は八幡堀新町浜。あとの五人も同行し開門を呼ばわる江戸城城門は映画村入口、天守イメージに姫路城天守。
2011/8/3
■ 八丁堀の七人7 第6話 2006.2.20テレ朝/東映
幸薄き女の心に付け入り、非道を働く男。その正体を知った黒沢は、苦しみ悲しむ人々の思いにつまされ、自分もまた道具だったと覚る。
ロケ地
- 一大事と八兵衛を引っ張ってゆく磯貝たち、八幡堀堀端(新町浜対岸)。磯貝が弥生に求婚している堀端は明治橋上手左岸堀端、茶店仕立て。二人を見る八兵衛は明治橋上。
- おとせが放火犯だと偽証した若者たちが殺される神社、日牟禮八幡宮本殿裏手玉垣際。虫の息で犯人が誰かを言い残し。
- 釈放されたおとせ、男に会いに行くも斬られてしまうお宮さん、吉田神社竹中稲荷本殿裏手摂社群。
- おとせの墓に参る八兵衛、吉田山か(丘の上、林の中)。
2011/8/2
■ 八丁堀の七人7 プレ6話 2006.3.4テレ朝/東映
黒沢左門は、「蔓」から命じられた探索を、隠密方の若者に一任。しかし賊の懐に飛び込んだ彼は、正義感と恋から、抜き差しならぬ状態に陥っていた。
ロケ地
- 物思う高岡に声をかける八兵衛、上賀茂神社ならの小川畔。的の賊が義賊ゆえ惑う心情を吐露する高岡、彼を彦七が祠の陰から見ている。
- 彦七の娘・お葉が入水しようとする濠、二条城内濠端。阻止した青山さまが事情を聞く道、仁和寺観音堂脇石畳。
- 事後、事件の核心になった小判の話をする青山さまと八兵衛、仁和寺御室桜林脇石畳。
2011/8/1
■ 八丁堀の七人7 第5話 2006.2.13テレ朝/東映
黒沢左門の怪しい動きを追うと出てくる、キナ臭い大名。彼らに使嗾されていた青年あり、八兵衛は夫婦の哀しい終わりを見る。
ロケ地
- 梅島が亀島藩家老と会う屋形船、大覚寺大沢池。
- 国入りを前におちせを呼び寄せる新之助、ここへ八兵衛が出て自訴を勧めるが、亀島藩一行が出て新之助を撃ち、以降出役した北町と立ち回り、沢ノ池東岸。
- 物思う八兵衛に声をかける青山さま、上賀茂神社ならの小川畔神事橋たもと。
■ 水戸黄門43 第5話「女スリがさがした秘密」2011.8.1TBS
たった一人の子をさらわれた女は、亡父との約束を破り掏摸稼業に復帰、必死で手がかりを求め続ける。ある日狙った懐は助格、不要の印籠を捨てたことから、老公に事態が知れる結果となる。
ロケ地
- 箱根を過ぎ三島へ向かう途中の山道、不明(山は雑木)。
- 助格の財布を掏ったお蔦、盗ったものを改め不要の品を捨てる川、上賀茂神社ならの小川畔(神事橋上手右岸)。印籠がどんぶらこは楓が発見。
- 助格に責められ啖呵を切るお蔦、脱ぎかけてみせた衣を整えるのは上賀茂神社北神饌所裏手、木の傍ら。
- お蔦が老公に身の上を語る段、同業の仲間に聞いた白狐一味の取引現場、嵐峡船着か。
- 一味が子を隠してあるアジト、砕石場か(柳谷には見えず/切り立った崖のほか、花崗岩と思しき岩がごろごろ)。
- お蔦母子と別れる一行、嵐山自転車道。導入は公園の木越しフレームの絵。
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