付き馬屋おえん事件帳1993/1-3 TX/松竹、第二シリーズ

キャスト
おえん/山本陽子
おさと/香奈美里
おしま/入江若葉
おかつ/芦川よしみ
村木鉄平/中山仁
浜蔵/丹野由之
又之助/小西博之
新五郎/山城新伍


第1話  吉原御法度破り!

 魔が差して振袖新造に無体の札差、きまりが悪く謝罪の機会を逸するうちに、ライバル店が馬屋の仕事に付け込み追い落としを企む。
前シリーズの結末はクリア、おさとは未婚でおうちの手伝い。

ロケ地

  • 見舞金を持ってくるものの躊躇し帰ってきてしまった千石屋が佇む川べり、上賀茂神社ならの小川畔。左岸に竹垣をあしらい町角を演出。三枡屋が駕籠で通りかかり声をかける。
  • おさとたちが祝言間近の千石屋の娘を拉致し閉じ込める相談をする尼寺の門、法然院山門。三枡屋の対談方が見ていて主に注進、娘らのプランに乗じ横から娘をさらう計画に。
  • お供を連れ町へ出る千石屋の娘、お参りのやしろは今宮神社稲荷社。お供が離れた隙におさとが連れ出す八幡さま(千石屋の男衆談)仁和寺九所明神、ここで三枡屋の人数が出ておさとらを当て落とし千石屋の娘を拉致。娘の悲鳴を聞き振り向く村木のダンナ、背景の甍は二王門か。
  • さらった娘を連れ込む三枡屋の根岸寮、中山邸門。

ゲスト 頭師孝雄/原田清人/大竹修造


第2話  雨に消えたおいらん

 続発する花魁の足抜きには裏あり、信じて金を払った挙句泣きを見る妓たちを見捨てておけぬおえん。そんな彼女を、父親に似てきたと新之助は笑う。
忍び返しを使い、羅生門河岸の塀を下りてお歯黒どぶを渡る、けっこう珍しい絵が登場。

ロケ地

  • 失踪した花魁の馴染みだった下駄屋に取り立てに行くおえん、事情を聞く水辺は広沢池観音島、ロングの絵も。花魁と同郷だった下駄屋の青年の住まいは下谷車坂町、設定は不忍池か。
  • 一味のやいとやが花魁の払った足抜き依頼料を仲間に渡す町角、今宮神社高倉下。坂を隔て向かいの若宮神社玉垣から又さんが覗いている。坂に通り過ぎる妓たちを配してあるので、吉原内と思われる。
  • おえんが一味と対決の夜の竹林、北嵯峨か。水辺での戦闘は広沢池か(あたりは真っ暗)
  • 形見の下駄を胸に故郷へ帰る「花魁」、大堰川堤か(堤に孤立木)

ゲスト 青山知可子/草川祐馬/山本清/椎谷建治/下元年世/石倉英彦/三浦徳子


第3話  吉原慕情

 花魁の暴言にカチンときたおえんは、取り立てが終ったにもかかわらず深入り。そのことが、真に愛し合う二人を救う。花魁の内面描写が秀逸。

ロケ地

  • 大川で殺された死体検分(あとで花魁の身請金を用意の馴染客と知れる)を見て手を合わせるおえん、広沢池東岸。訪問先のおしま宅から出てくる玄庵のシーンは東岸料亭(跡)
  • 花魁への「御用の筋」を聞きだすため色仕掛けで村木を連れ出しお月見のおえん、北野天満宮本殿裏手。
  • 花魁の母の墓へ参る源太、黒谷か。
  • 医師・玄庵宅、中山邸通用門。ラス立ちには庭も使用、無畏庵映り込み。
  • 玄庵が典医就任工作に行く松代藩江戸屋敷、大覚寺大門

ゲスト 竹井みどり/趙方豪/久保田篤


第4話  枕さがしの罠

 客の金品が盗られる事件が続発、お上に届けもならぬ妓楼は、困じ果てておえんを拝み倒す。二十余年も前の悪癖がつい出てしまったことは措き、許せないのは隠蔽工作な、喜の字屋一同なのだった。

ロケ地

  • 越前屋の正体を見定める仕掛けのくだり、柳橋の小唄師匠のもとへ通う越前屋の前に「思い切り作った」おえんが現れる夜雨の橋は中ノ島橋。又之助たちに挑みかかられた越前屋は、ひらりと身をかわし欄干に飛び乗りすたすたとその場を去る。
  • 吉原から朝帰りの越前屋に仕掛ける入谷田圃の林、走田神社。靄立ち込める参道が導入、脇の林も使い、おえんのフィニッシュは本殿外囲いのスリット使って鍵縄で吊るす。

ゲスト 西沢利明/野平ゆき/真田健一郎


第5話  裏茶屋の秘密

 吉原の掟を破ってまで花魁と密会していた肝煎には秘密、恋ではなく監視。しかし逢瀬を重ねるうち思いは本物になっていて、おえんは逆に頼まれごとをされてしまう。

ロケ地

  • 伏見屋が入るとおえんがいて煙草盆に委任状を挿んで差し出す茶店、今宮神社高倉下に床机等しつらえ。坂には通行人を演出。
  • 幼い花魁が目撃した箱根・畑宿での追い剥ぎ、谷山林道(両側切り通し)
  • 伏見屋の名で花魁が呼び出される聖天宮、妙顕寺。鐘楼脇から「回廊」下を使う。回廊は尊神堂・三菩薩堂の間にあった、例の反った渡廊。背景に慶中大菩薩が映り込み、伏見屋の死体は縁下の亀腹脇に莚を掛けて置かれている運び。夜間撮影。

ゲスト 川合伸旺/南条弘二/丸山真穂


第6話  もう一人の付き馬屋

 喜の字屋のお株を奪うライバル登場、手口の荒っぽさをたしなめるおえんだが、動機の健気さを知り妹分と思うまでに。新生を誓った笑顔を無惨に散らした者どもを、おえんは一人として許さない。

ロケ地

  • 本所割下水に三日月屋の「実家」を訪ね、身の上を聞くおえん、わら天神本殿裏手。六勝大神の朱玉垣も映り込む。

ゲスト 蜷川有紀/石山律雄/うえだ峻/牧冬吉/北見唯一


第7話  おいらん地獄

 花魁になった旧主の娘をいたぶる外道、しかし彼こそ花魁の父をハメた男だった。姉を苦界から助けようとした、極道な弟の哀話がからむ。

ロケ地

  • 花魁に恥をかかされたとして払いを渋る貝塚屋の寮、中山邸通用門。
  • 伊勢屋をハメた仲間とツナギをとる屋形船は広沢池東岸、後段金を強請りに来た花魁の弟が膾にされるのも同所・設定は江戸川端。
  • 品川へ調査に出た又之助がところを聞く橋、渡月小橋(物売りが店を広げている)。元伊勢屋で下働きをしていた老爺に話を聞く品川溜は罧原堤下汀
  • おえんの夢に出てきた幼い頃の花魁と弟、わら天神六勝大神前。
  • 花魁の弟が潜むお堂、神光院中興堂(中からのアングルもあり)
  • 弟の墓に参り新生を誓う花魁、西方寺小谷墓地(池辺に墓標)

ゲスト 古手川祐子/遠藤征慈/吉田次昭/深江卓次/桂川京子


第8話  母恋観音を抱く悪党

 色悪のお城坊主は母というトラウマを突付かれて観念するが、その途端禍々しい憑きものが背中から襲い命を奪う。そやつをおえんが仕留めてフィニッシュ。

ロケ地

  • 照菊花魁の野辺送り、北嵯峨農地か(畷のシルエット、六地蔵あしらい)
  • お城坊主の妾宅へ向かう喜の字屋一行、猪牙船がゆくのは広沢池東岸
  • 尾行中の浜蔵が「若様」に斬られドボンの橋、中ノ島橋

ゲスト 森山潤久/井上高志


第9話  女郎の夢

 手練手管が商売の女郎が騙されてしまう悲劇、因は盛りを過ぎた女が見てしまう絶望という哀れ。姐さんの行く末を案じる妹分の振袖新造に真実を告げ得ず、おえんの胸はきりきり痛む。

ロケ地

  • 尾上花魁が嵐の日逃げたのはこことおえんが見当をつけ見に来る大川、大覚寺大沢池畔・船着(小)付近。導入は池側から。
  • 起請文の名の男を探し当てシメる船小屋、広沢池東岸に小屋あしらい(夜、池水少なし)
  • 清二郎が逃げてきた花魁を騙り男に会わせる林、鳥居本八幡宮広場。

ゲスト 吉田美江/原田和代/頭師佳孝/立川三貴


第10話  火事場泥棒

 女を騙し火事場泥棒を働いたうえ、払いもバックレの大悪党。哀れな妓を看取ったおえんは、江戸を売る寸前の盗っ人どもに荒事を仕掛ける。

ロケ地

  • 薬研堀の叶屋に取り立ての帰り、又之助と手立てを話すおえん、上賀茂神社神事橋
  • 叶屋の女中に主の来歴を聞き込む浜蔵、上賀茂神社ならの小川(木の陰で手代が立ち聞き)
  • 手代といい仲の妓に事情を聞くおえん、今宮神社。高倉脇の坂を導入に、小鶴がお参りは稲荷社、話を聞く段は合祀摂社前で稲荷社側には忍び返し付きの黒塀があしらわれている。設定は吉原郭内の黒助稲荷。

ゲスト 草薙幸二郎/斉藤絵里/守谷佳央理/伊庭剛


第11話  親指百両

 来ぬ花魁に焦れた野暮天が芸者に無体、この際女は命に等しい指を駄目にされてしまう。治療代と詫び料の取り立てが発生、これまで大概悪いことをしてきた男は、闇裁きに。

ロケ地

  • 芸者の母の回想、鞠遊びの幼い娘との思い出、仁和寺参道石畳(娘の背景に塔、母の背後に中門。設定は京都市中)
  • 芸者に無体の大工頭の女房が前夫の墓参に行く寺、二尊院。紅葉の馬場〜墓地。坊主に聞き込みは黒門前。
  • 大工頭を強請って殺されたチンピラが土左ヱ門で上がる川端、中ノ島橋下手河川敷。駆けつける村木は橋上、大工頭の煙草入れが引っかかっているのは橋下手汀の草。
  • チンピラ殺しを目撃した芸者が大工頭を呼び出し強請る町角、大覚寺護摩堂。殺されかかるが天神島のほうから巡礼が来て水入り。
  • 芸者の回想、父の死後京にいられなくなった母子の二人旅、摩気橋(橋脚は木)摩気民家裏手田畔。野道や川辺で不明個所あり。

ゲスト 栗田よう子/森下哲夫/奈月ひろ子/浅田祐二


スペシャル  吉原を潰せ!

 斬られて死んだ花里花魁の件に、相手が紀州家だけに覚悟を決めて臨むおえんだが、踏み込んでみると吉原潰しの陰謀の匂い。突如現れた幼馴染の浪人とおえんの触れ合い、入牢させられたおえんの危機に昔馴染みの大物を引っ張り出す新五郎と、見せ場連続の最終話。御改革の大元が蟄居閉門、みんな出直しで明るく締める。

ロケ地

  • 喜の字屋を訪ねてきた幼馴染の「鉄ちゃん」をそこまで送ってゆくおえん、建仁寺三門(背景に法堂)
  • 花里の依頼でおえんが仕組んだ瓦版が売り出される紀州家下屋敷門前、随心院薬医門。大金をせしめた瓦版屋が浮かれて吉原へ向かう日本堤、嵐山自転車道
  • 花里の墓、西方寺小谷墓地か(池畔)
  • 紀州藩へ乗り込んだおえんが用人に証文を突きつける邸内の東屋、梅宮大社神苑・池中亭。咲耶池の切石橋上で藩士をふりほどき池へ落とすなどのシーンも。追われて逃げるのを助ける新五郎、随心院長屋門前を過ぎ角を曲がったところで追手に当身。からがら逃げ帰り一息つくのは北野天満宮本殿裏手。
  • 水野老中に摘発の成果を報告する南町奉行・鳥居甲斐守の段、江戸城イメージに姫路城天守・堀留からのアングル。
  • 夜鷹狩りの源森橋、中ノ島橋。橋下の背割におえんと鉄之進が潜んでいて見つかり、捕り方との争いに。
  • 紀州藩邸を見張る怪しい一団を見て尾行する新五郎だが気付かれ、斬られ落ちる橋、中ノ島橋(水面に血浮く)
  • 水野越前守邸、大覚寺大門
  • 北町奉行役宅、相国寺大光明寺(門〜石庭。庭にガーデンセットあしらい、片肌脱いだ遠山さまが女の生首の刺青を拭いているところへ、中仕切りから新五郎が声掛け)
  • 昔馴染みの須崎を見せに遠山奉行を連れ出すくだり、仁和寺塔前石畳(露店あしらい)広沢池東岸(水無、対岸が須崎という設定)
  • 目付衆や紀州の若様が吉原にやって来るくだり、駕籠がゆく日本堤は嵐山自転車道
  • 事後、花魁の墓に鉄之進から取り立てた六文銭を供えるおえん、西方寺小谷墓地か。
  • 久しぶりに女友達と会う料亭(?)嵐亭延命閣(生垣際に祠)

ゲスト 田口計/浜田朱里/内田勝正/山内としお/レッツゴー正児/大木聡/田畑猛雄/石倉英彦/梅宮辰夫/田村亮


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→ 第三シリーズ


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