2016.10.9BSスカパー!/松竹
キャスト
片岡愛之助(伊之松) 前田亜季(おりつ) 山下容莉枝(おせい) 金井勇太(赤池一味・留三) 正名僕蔵(仁吉) 吉谷彩子(五度目の女房・おのぶ) 山内としお(名古屋の大工親方・甚助) 本城丸裕 仲野毅 美藤吉彦 西尾塁 大石昭弘 船津正康 浅田祐二 野口寛 大迫英喜 池田勝志 芝本正(下谷の長屋家主・政右衛門) 川崎あかね 田井克幸 細川純一 まつむら真弓 川鶴晃裕 浜田隆広 中村紗優子 藤原ひろみ 片岡愛一郎 下元佳好 蛍雪次朗(名古屋の大工棟梁・富五郎) 上杉祥三(赤池一味・小兵衛) 梨本謙次郎(赤池一味・友次郎) 山田純大(火盗改・井原新十郎) 高橋長英(赤池の綱右衛門) 本田博太郎(中屋利三郎) 山本陽子(おこう) ナレーション/中村梅雀
音楽/遠藤浩二 脚本/金子成人 監督/井上昭
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵
お盗めの度に、新たな地で新たな女房を娶る、本格の盗賊配下の「大工小僧」伊之松。彼はかしらに言われるままつとめを果たすが、どうしても「四度目の女房」のことが脳裏を去らない。
夫婦として過ごした濃密な愛の時間は互いの心を束縛するが、再び相見えることはついにかなわないのであった。
ロケ地
- 仕事を終え帰宅する伊之松、道具箱を担いで走り抜ける門は仁和寺中門(参道をのぼってくるのを内側から)。このあと長屋セットへスイッチ。
- おりつの父・佐太郎の墓へ参る夫婦、不明(立地は高台、大きな五輪塔などが目立つ)。
- 大川の川開きの日、雑踏で同じ柄の匂袋を買い求める夫婦、上賀茂神社ならの小川畔。川中に遊ぶ子らを配置、夫婦は河畔の祠に祈ったあと、近くにしつらえた露店へ立ち寄る。ここで留三のツナギが来る。
- 橘屋から盗んだ金を船に運び込む赤池の一味、広沢池観音島を船着に見立て。
- 女に未練を残し抜けようとした与平が制裁を受け消されるシーン、大覚寺五社明神祠脇〜有栖川河床。赤池の盗っ人宿近く設定で、伊之松はセットのそこから制裁を眺める画にしてある。
- 伊之松に去られたおりつが勤めるようになった池之端の出会茶屋・ひしやのくだり、不忍池イメージで出るのは大覚寺放生池北岸から放生池堤を望む図。
- 次の仕掛けをするため名古屋の商家の普請場へ入る伊之松、尾張名古屋イメージに名古屋城天守。
- ひしやの女将・おせいを待ち伏せて大金を渡し、一晩だけでもいいからおりつを手に入れたいと頼み込む薬種問屋あるじの利三郎、大覚寺護摩堂前。お堂の裏から見る図、池には蓮開花。
- 綱右衛門おかしらがこもる奥三河足助、渓谷イメージは保津峡(ロング)。
- ひしやを辞め中屋に囲われるようになっているおりつのくだり、中屋と会う茶屋界隈のイメージ(?)に八幡堀。荷船が行き来する。おりつは下谷の長屋に住まいしおこうを養っている。
- 向かいに越してきた仁吉に言い寄られるおりつ、大覚寺放生池堤(橋手前で立ち止まり池の方を眺める)〜護摩堂(縁先に仁吉がいて待ち伏せ、その後堂内へ連れ込まれる)。からくも逃れたおりつが逃げ去るシーンに天神島朱橋が映っている。おりつは、ひしやで客をとった帰りという設定。
- 次の仕掛けまでの間、但馬・豊岡に滞在する伊之松、釣りをしていると留三がツナギに現れる水辺は琵琶湖畔・第二なぎさ公園。導入、伊之松はヤナギに凭れて寝ている。沖ノ島や長命寺の山、三角州の先端などが見えている。伊之松はおりつの様子を見て来てくれないかと留三に頼み、掟破りだと拒否される。
- かしらの命令でもと銭神の手下・仁吉(かしらの大往生後、綱右衛門預かりとなった)とともに川越へ行く伊之松、二人がゆく東海道は琵琶湖畔松原。松並木越しに沖ノ島の島影がちらり・湖東か。
- 川越へ着いた伊之松、仁吉に案内されてゆく堀端は八幡堀堀端。白雲橋の上手。
- 川越でも大工仕事をはじめる伊之松、船頭に声をかけ行先を江戸と聞くくだりは八幡堀白雲橋から堀を覗き込む図。後段、江戸へ行くためこの船に乗り込むシーンがある。
- 江戸へやってきた伊之松、女の骸を掘り当てる上野山内青龍院裏の神木の根方は大覚寺天神島スダジイのもの。
- 川越へ戻り、仁吉を刺殺する伊之松、夜の河原は中ノ島橋下手河川敷、堰堤の落水が光っている。このとき、言い訳する仁吉の回想で、上野山内で仕出かした「別の女の絞殺シーン」で大覚寺天神島祠と木が映る(おりつを追っかけ見失うと、女が祠に祈っているところに出くわした次第→「神木」裏手へ)。
- 「生きていた」おりつを捜し当てるものの、姿を遠目に見ただけで「追っ手」に囲まれてしまう伊之松、連行され仕置きされるシーンは大覚寺遣水跡(ヤナギの根方に例の石仏あしらい、匂袋がここに飛ぶ)。いまおりつが住んでいるのは、南新網町という設定。
※日付はBSスカパーでの先行放送のもの、時代劇専門チャンネルでは同年12/10に放送。
参考文献 池波正太郎著 にっぽん怪盗伝所収「四度目の女房」 角川文庫
→ 鬼平外伝「夜兎の角右衛門」 → 鬼平外伝「熊五郎の顔」 → 鬼平外伝「正月四日の客」
→ 鬼平外伝「老盗流転」
|