原案/池波正太郎
音楽/遠藤浩二
第1話 「大盗賊と御落胤」 2018.9.7
米屋が暴利を貪る江戸の町、「本格の盗賊」はそこを狙う。そして米屋の肝煎が関わっている御落胤その人が、雲霧に拾われる奇縁。
次の的へ仕掛ける雲霧一党、挑発しておいた火盗もぬかりなく手の者を繰り出してくる。
ロケ地
- 米問屋・奥村屋へ仕掛けるくだり、イメージに出る夕暮れの鐘楼は金戒光明寺鐘楼。町を合成。
- 天一坊一行が入る品川・常楽院、龍潭寺。参道〜山門、境内(墓地から俯瞰の図あり、町を合成)。
- 熊五郎の回想、奉公先の「マドンナ」お静が無礼討ちされかけた際の傷を手当てしてやる水辺、大覚寺遣水跡ヤナギの根方。
- お静の住まう長屋を見てきた帰り、「五十両」と呟く熊五郎、大覚寺天神島。金高は天一坊に差し出す猟官運動資金。
- 転がり込んだ青年(天一坊)を釣りに誘う仁左衛門、大覚寺放生池堤(北南両方からの画)。入水しかけた母子を助ける天一坊は護摩堂前。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる 大工小僧七松/大東駿介 富の市/渡辺哲 おかね/黒沢あすか お松/紅壱子 治平/山本亘 天一坊/永山絢斗 赤川大膳/佐野史郎 静/星野真里 武井半次郎/忍成修吾 伊勢屋正助/村杉蝉之介 柏屋清兵衛/イッセー尾形 弁治/須藤公一 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/尾崎将也 演出/山下智彦
※式部がらみで南禅寺と西の湖が出ているが、前回と同じ映像なので資料には入れず。
第2話 「米問屋襲撃」 2018.9.14
米屋を狙うと見た火盗が張る網、雲霧はそれを巧妙にかわし目的を遂げる。天一坊の件も、黒い霧に包まれつつ進行してゆく。
ロケ地
- 伊勢屋に侵入するも火盗に囲まれる雲霧一党、逃げる夜の水路は大覚寺御殿川河床〜有栖川河床。溢水口に至り、堰板をはずし追っ手を水責め。
- 常楽院、龍潭寺。参道、山門、境内を使う。若年寄・片岡と式部が訪ねてくるくだり、武井が仕官を願い出るくだりなどで出る。天一坊が大膳を問い詰めるシーンには、反った渡廊なども映る。天一坊が仏を拝むシーンの、天井画や仏像はありもの?
- おかしらに願い出て支度金用の五十両を持ち出すも躊躇う熊五郎、訝しんでついてきたお千代と話すのは大覚寺天神島、水路越しの画もあり。
- 天一坊が柏屋と会う料亭・菊水、大覚寺望雲亭。門の前に豪華な駕籠が控える。内部はセット撮り。
- 浪人たちから集めた支度金を常楽院から運び出すくだり、途中くぐる鳥居は大原野神社鳥居。このあと参道で武井ら騙された浪人たちと、火盗がバトル。
- 御落胤の証である懐剣を捧げ持ちお城の廊下をゆく重職たち、東福寺方丈。導入は回廊を東側から見た図。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる 富の市/渡辺哲 おかね/黒沢あすか お松/紅壱子 治平/山本亘 天一坊/永山絢斗 赤川大膳/佐野史郎 静/星野真里 武井半次郎/忍成修吾 伊勢屋正助/村杉蝉之介 片岡繁盛/小野了 柏屋清兵衛/イッセー尾形 弁治/須藤公一 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/尾崎将也 演出/山下智彦
第3話 「次なる将軍」 2018.9.21
御落胤の正体、果たして。
己のあずかり知らぬところで運命を狂わされた青年を悼み、おかしらは次の的を示唆する。
ロケ地
- 常楽院、龍潭寺。堂宇俯瞰の画、山門など出て、渡廊も効果的に使い、参道では夜間撮影も(火盗の捕方が殺到する段)。
- お静に金を届けたお千代、名乗らなくてよかったのか熊五郎に問うのは大覚寺天神島。水路越しの画が出て、前景の花は武井宅のそれと呼応。
- 式部の密命を受け紀州へ赴く政蔵たち、これより紀州と道標のある松林、および聞き込みの浜はマイアミ浜。ここは後段にも出て、おみつが赤子を連れて入水しかけるシーンには、長命寺山が映り込む。大膳がおみつをたばかり天一坊を連れ出すシーンでは、汀に生えたヤナギの大木や水制が映っている。
- 政蔵らの報告を受け、天一坊のことで若年寄に注進におよぶ式部、城内廊下は随心院に似る。これに先立ち出るお城イメージは二条城東南隅櫓。
- 御落胤を身ごもったお菊の家(庄屋宅)イメージ、日本民家集落博物館・越前敦賀の民家軒下から南部曲家を望む図。
- 大膳を始末した旨報告を受ける柏屋と老中・安藤帯刀、駕籠が入ってゆく屋敷は宝厳院通用門。夜間撮影。
- 武井の死を確かめてきた熊五郎、悲嘆にくれる川辺は桂川か。汀に立ち、きらきら陽をはじく流水をバックに立つ。
- 天一坊が磔刑に処される河原、大堰川河川敷。河畔林の前におかしらが立ち、天一坊と視線を交わす。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる おかね/黒沢あすか 天一坊/永山絢斗 赤川大膳/佐野史郎 静/星野真里 武井半次郎/忍成修吾 おみつ/小橋めぐみ 片岡繁蔵/小野了 柏屋清兵衛/イッセー尾形 安藤帯刀/小野武彦 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/尾崎将也 演出/宇喜田尚
※天一坊の母・おみつは、お菊宅の下女。庄屋のお嬢様が御落胤を身ごもるも死産し亡くなった経緯を見ていて、乳児を抱えて寡婦となったあと心中しかけるも死にきれず、息子のため主家にしまわれていた拝領刀を盗んだ次第。
※熊五郎が用立てた金で「就職」した武井だが、火盗カチコミの際金持って逃げようとした大膳を見咎め殺されてしまう。その大膳も夜道で暗殺される。
第4話 「鬼」 2018.9.28
的は悪の総本山・柏屋と決まるが、静を不幸に陥れたのは自分だと悩む熊五郎は惑いミスを多発。おかしらの一喝で迷いをはらいお盗めをしてのける彼だが、逃走にかかったその背に投げかけられたのは、静を処刑すると脅す式部の言葉であった。
ロケ地
- 安藤と柏屋が密会する茶室がある別業(?)、門は萱葺で扉まわり細竹編みの風雅な拵え、ぼんくら2の門に似る。外に竹林あって、ちょっと坂ぎみ。夜間撮影。
- 武井の墓、二尊院墓地。夫の墓前で自刃しようとした静を、熊五郎が止める。その際、腕の傷が見える運び。
- 安藤と柏屋が不敵な会話をかわす茶室イメージ、梅宮大社神苑・池中亭。
- まんまと柏屋から金箱を盗みとり船をやる仁左衛門、八幡堀明治橋下掘割。火盗が手をこまねいて一党を見遣る堀端は新町浜。夜間撮影。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる 富の市/渡辺哲 おかね/黒沢あすか お松/紅壱子 治平/山本亘 天一坊(回想)/永山絢斗 赤川大膳(回想)/佐野史郎 静/星野真里 武井半次郎(回想)/忍成修吾 柏屋清兵衛/イッセー尾形 安藤帯刀/小野武彦 永島源八郎/藤田富 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/松下隆一 演出/服部大二
※蔵の下へトンネル掘るの早すぎとか、あの距離で船に手を出せない火盗とか、ちょっとアレかもだが、それも味。火盗を小馬鹿にする柏屋のエピソードもいい味。
※永島源八郎は父のあとを継いだばかりの火盗の張り切りルーキーくん、地獄耳設定。
第5話 「大脱走」 2018.10.5
お嬢様を案ずるあまり、「鬼」の打った策に乗る熊五郎。そしてもちろん囚われの仲間を放っておく雲霧ではなく、奪還を当然のことと身構える火盗改と対決の時が来る。ここに増上慢の富商が入れた茶々は、まんまとネタに使われてしまうのであった。
ロケ地
- 火盗の手に落ちた静を思い佇む熊五郎、日吉大社走井橋下手大宮川右岸汀。ここへお千代が来るシーンでは俯瞰の画があり、竹林院の方へ導かれる水路も映り込んでいてキレイ。
- 柏屋が老中と会い不敵な話をする茶室のくだり、イメージに梅宮大社神苑・池中亭。
- 引き回し中の熊五郎を奪い船で逃げる雲霧一党、追った火盗改が地団駄を踏む船着きは大覚寺大沢池船着(大)。
- 安藤帯刀の上屋敷、東本願寺内事門(ほぼイメージ映像だが、門前を奴さんが通り過ぎる。堀端の柵は消したか取ったか)。熊五郎を奪われた件で式部が詫びを入れる座敷は金戒光明寺方丈、次の間に柏屋が控えていて、という画には虎の襖絵。
- 解放された静が旅姿で渡る橋、日吉大社大宮橋。欄干の上に撫子の花が置かれている。
- 陰ながら静を見送った熊五郎、お千代姐さんが接触する辻は妙心寺大庫裏・春光院間のクランク。二人が去ったあと、一党とおかしらがサインを送りあうくだりは大庫裏脇路地、露店の演出がなされている。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる 大工小僧七松/大東駿介 富の市/渡辺哲 おかね/黒沢あすか お松/紅壱子 治平/山本亘 静/星野真里 漁師の留造/山中崇史 柏屋清兵衛/イッセー尾形 安藤帯刀/小野武彦 弁治/須藤公一 永島源八郎/藤田富 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/岡本さとる 演出/服部大二
※熊五郎奪還は大胆な大仕掛けで見もの。このときにも出てくる雲霧一党の「サイン」の、襟をしゅっと扱く仕種がかっこイイ。
第6話 「黒幕分断」 2018.10.12
柏屋襲撃から半年が経つが、雲霧は必ずまた来ると式部。果たして予想は当たり、火盗改と大盗賊との死闘が繰り広げられる。その結果、悪党の片割れは見捨てられ潰えるのであった。
ロケ地
- 安藤帯刀邸の茶室、教林坊書院座敷。庭園も効果的に使われている。後段、柏屋が書付盗難を報告に来る際の座敷は萬福寺東方丈。
- 柏屋から金を盗るも火盗に露見、逃げ帰った一党がおかしらの前に出るお堂、天寧寺羅漢堂堂内。濡れ鼠のままのお千代は、火盗への潜入を願い出て許される。
- 金は火盗が確保するも、老中からのリークを書き付けた懐紙を盗られたと注進におよぶ柏屋、慌てて行く道は奥石神社参道。石橋を渡り南へ(鳥居の方へ)。舞殿の前に、尾行していた火盗密偵たちの姿がある。参道には茶店等露店があしらわれている。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる 富の市/渡辺哲 おかね/黒沢あすか お松/紅壱子 治平/山本亘 黒田作五郎/内田喜郎 柏屋清兵衛/イッセー尾形 安藤帯刀/小野武彦 弁治/須藤公一 永島源八郎/藤田富 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/森下直 演出/井上昌典
※お千代姐さん、熊五郎に注意されていた匂袋でドジ踏む次第。気付いたのは永島、異能は嗅覚にもおよぶ?
最終回 「最期の掟」 2018.10.19
雲霧の最終的な狙いは安藤とわかっていて進む話、盟友をあっさり切り捨てた男はさすがに狡猾きわまりないが、過ぎた欲はその身を冥府に引きずり込むのであった。
そしてまた、式部と仁左衛門は白刃をまじえることとなる。
ロケ地
- 安藤帯刀上屋敷、東本願寺内事門。式部と源八郎が入ってゆくのを凝視する仁左衛門は、三井寺光浄院門脇石垣際に立つ。式部が帯刀と会う座敷は、萬福寺東方丈座敷(石庭側と、緑あふれる池泉側と、外の景色が両方映る)。式部たちの帰途の風景は、三井寺金堂を北側から見上げる図。
- 帯刀が汚職の噂を払拭するため老中に賄賂をつかうくだり、教林坊書院・庭からの図。寺院設定、帯刀はここで座禅を組むと話している。
- 負傷したお千代を連れて安藤邸を脱出した仁左衛門、式部に見つけられ対峙する夜の竹林は大覚寺竹林。
- お千代と船に乗り逃げる仁左衛門、美崎公園新川。でかいヤナギの根方あたりから船を出す。
- 切腹を許された源八郎の墓に参る式部、土饅頭は三井寺境内林間か。
- 金沢城下で暗躍する雲霧一党、三井寺。唐院の石橋の上と下で小頭と熊五郎が合図しあう。梵鐘を打ち鳴らすのは富の市たち。参道の茶店にはお千代らがいて、金堂前縁にいるおかしらを見遣る。
雲霧仁左衛門/中井貴一 七化けのお千代/内山理名 三坪の伝次郎/近藤芳正 州走りの熊五郎/手塚とおる 大工小僧七松/大東駿介 富の市/渡辺哲 おかね/黒沢あすか お松/紅壱子 治平/山本亘 天一坊(回想)/永山絢斗 柏屋清兵衛(回想)/イッセー尾形 安藤帯刀/小野武彦 弁治/須藤公一 永島源八郎/藤田富 粂三/やべきょうすけ 浅草の政蔵/中西良太 山田藤兵衛/村田雄浩 安部式部/國村隼
脚本/森下直 演出/井上昌典
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