川を訪ねる旅 疏水の庭
■ 珍客 ■
司馬遼太郎氏の随筆だったか対談だったかで、岡崎のとある料亭にタヌキが出るという話を目にしたのは何年も前のことである。そんなエピソードはすっかり忘れていたが、今回その話に程近い場所でタヌキと出くわし記憶が鮮やかに甦ってきた。司馬氏は動物園からでも逃げてきたものかと書いておられたが、對龍山荘は東山にごく近く、南禅寺の裏山からここまでなら塔頭や料理屋の裏を抜けてやって来ても不思議はない。
ガイドの方も驚いた様子は無かったから珍しくもないものと見える。ひょっとしたら誰かがひそかに餌付けしているのかも知れない。
白昼堂々、南庭の築山からのっそりと現れ、南庭の遣水に降りて水を飲んだあと大勢の人の気配に逃げてしまった。
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ネズミやチョウセンイタチくらいしか普段野生の哺乳類を目にすることは無い。なかなか嬉しい邂逅であった。
■對龍山荘表紙 ■ 園池 ■大滝 ■南庭の流れ ■水車小屋 ■珍客