川を訪ねる旅 布留川を全部見る
旧国道25号を更に東へ。天理市滝本町に入る。ここへは天理大学の南から新しいトンネルのある新道(こちらも扱いは国道25号)もできており、アクセスは良くなっている。車で滝やダムを訪ねる人も多い。
ダムへ差し掛かる手前、新道と旧道が交わってすぐの左手・布留川右岸に流れ込む小川の来る谷筋を上がっていくと桃尾の滝に出る。滝手前には駐車場もあり、訪問者もけっこうあるようだ。但し滝へ至る道は狭く、ハイカーも行き来するのであまり大きな車で人を押しのけて通るのは感心できない。
桃尾の滝遠景 | 滝壷から見上げる |
桃尾の滝は布留の滝とも言い、落差23mの直瀑で、オーバーハングして落下する。日本の滝百選に選ばれるような派手さは無いが緑深い山中に落ちる姿の良い滝で、芭蕉もここを訪れたことが残された書簡に記されている。
また、古くから信仰対象でもあり、水の落ち口の岩場は滝行の行場となったであろうことが推測される。滝の中ほどにはお不動さんが祀られている。
滝上から引かれた樋が設置されており、くせの無い甘い軟水が味わえる。水汲みのポリタン族は出ていないようだが、ネームバリューが無いせいなのか飲むのに適切でないのかは知らない。
滝上の跳水 | 滝壷は無く、巌に当たって落ちる |
滝前に立つと涼やかな風が吹き滝しぶきが顔に当たる。暑い下界とは一線を画する聖域である。ちょうど昼時で、バーベキューの支度を始めたグループがいた。近くに住んでいるとなかなか良いスポットなのだろう。
あたりにゴミ等も見られず、ここに来る人は行儀がいいように思われる。単に人が少ないだけかも知れないが。
滝を後に天理ダムを目指す。
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