川を訪ねる旅   布留川を全部見る

田園地帯

 まず、天理市西郊を流れる布留川南流へ。天理市田町の和光デンキ横から堤防上の道を走り、一面の水田の中をゆったり流れる南流を撮影。支流の勾田川もここで撮影。田んぼでは田植えの真っ最中。作業する人を威嚇するようにケリが鋭い声で鳴きながら低く飛び交う。その鳥にカメラを向けていると、畔で一休みしている農作業のお年寄りに鳥の名を尋ねられる。図鑑を示し説明すると、この鳥は最近数が増えて、時には頭をコツンとやられることもあると教えてくれた。水入れ前に田の畔などに巣を懸けていたものが接近するヒトからヒナや卵を守ろうとしていると思われるが、気の強い鳥ではある。

布留川南流  勾田川流入点

  もう一本の布留川南流に注ぐ支流・越川(えちがわ)を探して周辺をずいぶん探すが見つからず、ひとまず布留川が大和川へ注ぐ河口へ。大和川に架かる大中橋の上から撮影。合流地点の下にある堰の影響で、布留川も大和川も、果ては布留川に注ぐ西門川までたぷんたぷんの水を湛えている。ここにはいつもアオサギなどの水鳥が陣取っている。水にはだいぶ汚れが入ってきている。
 田原本町との境から天理市へ取って返し、南部の諸河川へ。
まず、さきほど見つけられなかった布留川南流の支流・越川を永原町の旧村の中で撮影。このへんでもケリの姿を多く見る。
 次は、布留川支流とは言え、かなり趣を異にする西門川水系へ。

 天理市南郊は新興住宅地と工場と水田が混在するところで、ここを流れる西門川水系はほぼ用水路か溝かといった態の川である。例外なく三面張りで、水量乏しく水質もよろしくない。大和川を浄化するには、将来的にはこの辺の小河川も無視してはならないだろう。
 真面堂川・長柄川・新泉川・岸田川・鳥居川と北から順に郊外の農地を縫って走り回る。
真面堂川放水路起点付近は珍しい川の十字路となっており、用水取水の複雑さを思った。西門川を撮り終え地図を見るともう天理市の南端、桜井市は目の前の所に来ているのを確認し、ついでに大和川一次支流・烏田川へ。50号大和高田桜井線を走っていると、水田の中、耕運機の後を追い掛け回すアマサギを見かける。婚姻色の出た独特の羽毛が美しい。
 烏田川撮影を終え、帰路も西名阪で一路大阪へ。この日はコンフェデ杯決勝対フランス戦なので早々に撤収。

*最後を急いだせいか、西門川支流・渋谷川を落としていることに気づくも後の祭り。まあ、どうせ流路の全く判らない川なので仕方はないが。


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