上流 布留の里へ 天理市滝本町、豊井町、布留町
源流/天理ダム/ダム下の里川/布留の里へ/市街地の都市河川/田園地帯の下流部
布留川沿いの国道25号は、名阪国道が作られて以来旧道となったが、今はそれにもバイパスが設けられ川と離れてトンネルで山を抜け、国道169号へ導かれる。滝本町の布留川平木橋以降、道は二つに分かれている。
川は、旧村を通る細い道沿いに流れ下ってゆく。
滝本町下滝本 左上流、右下流望 | |
下滝本の川面 |
下滝本の集落は道沿いの街村で、川は家々の背側をゆく。
川水は、まだダムの影響が残るのか生活排水の濁りか、時に泡も見られ透明度は高くない。
下滝本の町並み | 路傍の石仏 | 川と柿 |
町並みは、建てかわった家屋も多いがまだまだ風情あるものも残されている。
路傍の仏さんも、大事に祀られている。河畔には柿が多く見られ、晩秋にはよい風景となる。車を停めて写真を撮っている人も多く見かける。
豊井町の谷と棚田 |
豊井町まで下ると、いくぶん広くなった谷筋に棚田の数も増えてくる。
入梅の頃植えだされる青苗は、谷の景色によく映えまことに美しい大和の景となる。
石上 布留の早稲田の穂には出ず 心の内に恋ふるこの頃 抜気大首、万葉集巻7-1353
ここでは北々流の水が取られ、村の中を勢いよく流れてゆく。
河床にはゴロ石が少なくなり、浅い砂地の川となる。
時に岩盤に堰かれ、小滝を形成する個所も見られる。
河畔には鬱蒼と樹木が繁り、夏季にはなかなか水面を拝めないこともある。
ハタの滝(本流瀑) |
ハタの滝(支谷) |
ハタの滝は、石上神宮の杜を抜けて少し行ったところにある。
本流に懸かるものと、左岸に入る谷に懸かるものを、ともにそう呼ぶらしい。
そのかみは、石上神宮の儀式が行われたとも伝わる。
滝のすぐ下には「布留の高橋」(左写真)が架かっていて、山辺の道が通じている。
石上 布留の高橋高高に 妹が待つらむ 夜ぞ更けにける
万葉集巻12-2997 作者不詳
天理市豊井町・布留町境 左手の建物は島ヶ原詰所、奥の森は石上神宮社叢 ハタの滝から下は三面張りとなる |
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布留交差点から 左上流、右下流望 右写真の建物は「おやさとやかた」、川を跨いでいる |
国道25号が天理環状線と交差する布留の交差点は、布留川の谷口となる。
川相もここから一変、三面張りなのは同じだが、河畔林はなくなる。
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