巻向川 上流部   ・中〜下流部 ・巻向川表紙


■ 源流の谷

50号 巻向川源流の谷は、50号大和高田桜井線に沿う。
左写真はその道の山間部、桜井市辻と三輪の境付近。道の奥は初瀬川源流域の笠へ通じている。
このあたりは北に龍王山、南には巻向山と三輪山が尾根続きになっている。
一帯は植林杉の山で、鬱蒼として昼なお暗い谷である。

巻向山北麓の谷 砂防ダムと渓流

 谷には砂防ダムが多い。堰堤上は砂で埋まった浅瀬、堰下では岩を噛む荒瀬となる。
ふだんの流量はさほど多くなく浅いが、豪雨時には道まで水びたしになっていることもある。
人気のない谷ゆえ不心得者も出て、道端に投棄スポットができていたり、川中への荒物投棄も見られる。

谷
←↑桜井市三輪・三輪山北麓付近
 この写真を撮った当時、谷には1988年の大型台風の爪跡がまだ残る個所が見られ、川に倒れかかった木が放置されていたりした。
谷口近くでは簡易水道の取水も見られる。
河床には大きめの石が転がる。

■ 山の辺の道

 山の辺の道(やまのべのみち)は、奈良から桜井に通じる、日本最古とされる古道。
巻向川は、今は東海自然歩道としてハイキングの人が多いこの道と、山裾で交差する。

桜井市三輪車谷 50号沿い民家小屋脇から
上右は現役の水車
桜井市三輪・箸中境付近 取水堰 左の堰から導水される水
導水路の川面 山の辺の道沿いの水路

 山の辺の道と川が会う付近には取水堰があり、かなり多くの水が取られている。
分水は山の辺の道沿いの水路に導かれ、ハイカーの足元をさらさらと流れてゆく。
この水路に板を渡し、季節の果物や菜を分けてくれる無人販売が歩く人に人気である。
市場に出回る作物と異なり実が小さかったり不揃いだったりするが、味の良さで定評がある。

みかん山の裾をゆく谷 山辺道から見下ろした谷

 山の辺の道付近の巻向川の谷筋には果樹園が多い。
明るく開けた谷の斜面で陽を浴びている果樹は梅に柿、蜜柑とさまざま。

■ 谷口の丘

谷口の丘から西望 巻向川は三輪の裾野の丘をめぐって、ようやく平地に向かう。
丘からは西に二上山の秀麗な山容が望まれる。
三輪とともに古代の人々に尊崇を受けた山である。

桜井市箸中 丘の裾をめぐる

 川は最後の谷を丘裾に刻んで流下する。この間にも堰があり、水脈は絶え絶えとなる季節もある。
丘は雑木の山で、多数の鳥がすだいている。夕刻に通ると、ねぐらへ帰ってきたカラスの声がけたたましい。

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