神崎川1次支流 ・流入先 〜神崎川〜大阪湾 ☆淀川水系一級河川 訓:いながわ |
兵庫県南東部を流れる、淀川分流・神崎川に注ぐ川。
兵庫県川辺郡猪名川町北部境・丹波高原の大野山(754m)に発しほぼ南流、猪名川町・川西市(池田市との境を流れる部分あり)・伊丹市を貫流、尼崎市東部の戸ノ内町と高田町との境で神崎川右岸に注ぐ。
一級河川の起点は猪名川町杉生の一岩、唖ケ平井。全長45km,流域面積398平方km。
猪名川支流 *猪名川に注ぐ川は太字 |
・西川 ・広瀬川 ・岩掛川 ・鎌倉川 ・柏原川 ・仁頂寺川 ・北谷川 ・前谷川 ・川床川 ・槻並川(←大谷川) ・阿古谷川 ・原川 ・野尻川(←猪渕川、肝川) ・一庫大路次川(←千ケ畑川、柿木川、譲川、山辺川(←岩谷川、白木谷川)、山田川(←日野川、長谷川)、田尻川(←小和田川、堀越川、野間川(←大原川、木野川)、黒川、保ノ谷川、ガウナイ川))、初谷川、北谷川) ・柳谷川 ・芋生川 ・塩川 ・前川 ・余野川(←切畑川(石田川)、木代川、北山川) ・最明寺川(←寺畑前川) ・神田川 ・内川 ・箕面川(←茶長阪川、石澄川) ・駄六川 ・藻川(分流) ・空港川 ・千里川(←芋川、箕面鍋田川) |
■ 源流
猪名川町杉生新田から源流の谷 | 奥猪名健康の郷内の橋から |
猪名川の源は猪名川町の北端の山から来る。上写真の山の向こうでは園部川の源流部・るり渓が北に向かって流れ出している。
源流は谷地田の端をちょろちょろ流れる細流(大谷川とする文献あり)で、兵庫県の保養施設・奥猪名健康の郷敷地に入り向きを南に振り流れてゆく。
施設内では親水護岸がなされていて明るい川辺となっているが、その他の部分では草深い里川である。
■ 上流
猪名川町杉生 不動橋下 | 猪名川町杉生西軽井沢 |
川は12号川西篠山線沿いに南下する。道は猪名川渓谷ラインと称され、川の美化を訴える看板が多く立っている。
ほぼ川と道しか無い谷が続き、川相は巨岩の転がる荒瀬となる。渓流魚が放流されていて、管理釣り場も散見される。
さまざまな樹種の木々が鬱蒼と茂り川面を覆い、なかなか水面が拝めない場所も多い。
■ 中流
猪名川町杉生中 | 猪名川町清水東 尾花橋から |
杉生中あたりに来ると谷は明るく広く開けてくる。川幅も広がり、流域の人口も増える。
耕作地も増え、川水の利用度は高く、堰堤が多く作られる。ゆえに川相は堰上の湛水域と堰下の浅瀬を繰り返すこととなる。
■ 屏風岩
猪名川が山峡を抜ける手前には奇勝がある。
猪名川町北田原の、道の駅の東・一本松山の北にある「屏風岩」は北摂一の名勝とも言われるもので、左岸に高さ30mの奇岩がそそり立ち、100mにわたって続く。
湛水域が映し込む木々、瀬を噛む荒瀬などみごとな景観で、景観を売り物にした旅館が対岸に建つ。夜間ライトアップなども行われる。
段差下にはアイガモがたむろしていて岸と汀を行ったり来たりしている。旅館で供されるものかも知れない。
屏風岩の奇岩 | 奇岩下の荒瀬 |
川西市水明台 天狗岩などの奇勝の裏手は新興住宅 |
川西市多田院 朱の橋は多田神社参道 |
猪名川町中心部を抜けた川は、川西市に入る。奇岩が瀬を噛む荒瀬が続く。
竹類の目立つ豊かな河畔林が沿うが、その隙間からちらちらと高台にある住宅の屋根がのぞく。
この付近には大規模開発された新興住宅地が多数立ち並ぶ。
多田神社(多田院)のこんもりとした森を左手に見て、川は大きく東に向きを振る。
ここまで下ると、ようやく川のまわりも大きく開けてくる。
池田市古江町から対岸の川西市を望む 左、能勢電鉄鶯の森駅付近、右、滝山町 |
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池田市古江町−川西市滝山町境付近 台風後で増水 |
阪神高速池田線の橋梁を望む 左手の山は五月山 |
川西市を貫いて流れたあとは伊丹まで、川西市と池田市の境をなして流れてゆく。
能勢電鉄、国道173号、阪神高速池田線などのライフラインが川沿いに通じている。
五月山を左手に見る付近までは深めの谷を刻み、処々に荒瀬も見える。
■ 下流
国道176号呉服橋(川西市−池田市間)から 左上流、右下流望 | |
阪神高速新猪名川大橋 | 中州 |
猪名川は、五月山の裾を洗って平野部に流れ出す。
河原もいっそう広くなり、堰堤下には浅瀬が見える。
五月山の下では阪神高速池田線が川を斜めに渡っている。
遠目にも目立つ新猪名川大橋は国内最大級の斜張橋で、その形から「ビッグハープ」の愛称を持つ。
ぴんと張られた白いケーブルが美しい造形美を見せている。
堰下の浅瀬には中州もあり、草深い汀とともに生き物の良き棲みかとなる。
猪名川は伊丹空港の傍を流れている。
空港を飛び立った飛行機は、猪名川を横切って旋回し、目的地へ飛び去ってゆく。
←左写真は伊丹市下河原の左岸から回頭を終えた飛行機を見たもの(雲の中の点が飛行機)。
神津大橋(伊丹市森本−東有岡間)から 左は上流、右は下流方向 |
川は猪名川低地から武庫平野に出たところで神崎川に注ぐ。
空港の西を流れる付近では豊かな河畔林が沿い、水量も豊か。
河口 尼崎市・淀川区境 神崎橋西詰から上流望 橋梁は山陽新幹線 |
上写真は神崎川との合流点。この直前に藻川を戻している。
この先は佃や中島等の輪中を流末に作り、大阪湾に注いでゆく。