淀川分流 ・流路 淀川〜//〜大阪湾 ☆淀川水系一級河川 訓:かんざきがわ |
大阪府北部を流れる、淀川の分流。
摂津市一津屋地区西端にある一津屋水門で淀川右岸から取水、東淀川区北部を西に貫流、吹田市の南端をかすめ曲流しながら吹田市・大阪市淀川区・豊中市・兵庫県尼崎市の境をなして流れ、西淀川区で左門殿川・中島川・西島川を分けて西淀川区中島と西島の境で大阪湾に注ぐ。流程は約21km、流域面積は627平方km。別称を三国川という。
かつては西国と京をつなぐ舟運に重要な水路として使われ、江口や高浜などの津は川港として発達した。
←左は淀川からの取水口
■ 一津屋 摂津市
一津屋水門 背後の堤は淀川のもの 水難事故多く危険 |
分流直後の神崎川 一津屋新橋から下流望 摂津市一津屋 |
一津屋で取られた水は、江口の里を西流してゆく。
安威川を入れるまではまっすぐの河道で、幅も末流ほど太くない。
上写真右の煙突は大阪市環境事業局東淀工場。
大阪市東淀川区相川 安威川合流点 上右/右岸から上流望・鉄橋は阪急京都線 上左/合流点望 |
安威川を右岸に迎え、川幅は一気に広くなる。
この地点では安威川の方がはるかに太く、本流に見える。
■ 三国 豊中市・淀川区境
三国橋から上流望 豊中市・淀川区境 |
阪急宝塚線が渡る 堤法面には落書き |
安威川を入れてからは川幅がぐっと広がり、大河の相となる。
ここからは吹田市と大阪市の境を成して激しく蛇行する。
猪名川合流までには、国道や高速道路、鉄道などのライフラインが次々と渡ってゆく。
高水敷には遊歩道が設けられている。堤は高くなりはじめる。
■ 加島 尼崎市・大阪市境
淀川区加島4丁目左岸堤から上流望 橋は山陽新幹線 右岸から来る猪名川との合流点 |
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左岸堤 | 旋回する飛行機 | 神崎橋 |
猪名川合流付近では、輪中地形が見られる。堤は高いうえに嵩上げもされている。
堤からは、伊丹空港を飛び立った飛行機が機種を上げ旋回するさまが眺められる。
■ 佃 西淀川区
西淀川区佃・出来島境 阪神高速から |
猪名川を入れ南下をはじめた川には、東海道本線や国道2号・43号などの大動脈が渡る。
R2の橋は高潮時、ゲートを封鎖して閉鎖される。
上写真は阪神高速から見た佃島。手前の橋梁は阪神西大阪線。
■ 中島、西島 西淀川区
城島橋から左上流、右下流望 西淀川区中島・西島境 中島川・西島川を分けたあと 上右奥の高架は淀川通で、阪神高速湾岸線にスイッチする |
神崎川は末流において、たくさんの州をつくり分流する。
護岸は鉄板で覆われ、壁のような高い堤が続く。もはや川堤でなく、防潮堤となる。
神崎川河口 西淀川区中島・西島境 左岸・西島矢倉緑地の端から 左岸には小規模な干潟が残されている |
■ 神崎川の歴史
神崎川は古くは淀川下流部の派流で、八世紀頃には淀から別れた独立水系になっていた。
785(延暦4)、和気清麻呂の手により淀川と結ぶ三国川が洪水防止のため開削された。
この工事は舟運に多大な恩恵を与えることとなる。
しかし治水対策としては、淀からの堆砂が災いし安威川に逆流をみるなど問題も多かった。
堤切れのあと行われた1878(明治11)の改修で現在の直線化された姿となり、一津屋−別府間の河道は廃された。その後安威川のほうにも改修が施され、幹線用水路の整備等もあわせ淀川右岸地域の排水対策が終わったのは戦後になってからであった。
神崎川流入河川 |
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神崎川分流 ・左門殿川 ・庄下川(←富松川、昆陽川) ・中島川 ・西島川 ・尼崎の運河 |