尼崎港流出河川 ☆淀川水系一級河川 訓:しょうげがわ |
兵庫県尼崎市を流れる、尼崎港に注ぐ川。
一級河川の起点は尼崎市東富松の柳緑、東貝原。
市街地を南流し、阪神尼崎駅の南方で二方にわかれ、一方は松島ポンプ場を経て左門殿川へ排出、もう一方は尼崎港へ流出する。
富松川、昆陽川を受け、旧左門殿川を分ける。
*昭和30年代の汚染も下水道整備や汚泥浚渫が実り、昭和63年には建設省(当時)から「ふるさとの川モデル」に選ばれた。また、2000年には水質改善やアメニティが評価され「甦る水100選」に。一連の改修の結果流れが甦り、魚の棲む環境が作られた。
庄下川支流 | ・富松川 ・昆陽川 |
参考 ・尼崎の運河 |
■ 富松の里
富松町・塚口町境 梅ノ木橋から 左上流、右下流望 |
上写真は起点付近。
富松(とまつ)の里は建て込んだ宅地であるが、ぽつぽつと田畑も残っている。
川相は三面張りの水路状、浅いがけっこう流れがある。
サギ等の水鳥も見られる。
■ 塚口
南塚口町・栗山町境 生嶋橋から上流望 | |||
コサギ | イヌタデ | 鯉の群れ | コサギ |
名神高速をくぐる手前、園田学園女子大付近で曲折するところから川幅が広がりだす。
堤には遊歩道が設けられ、堤上にはびっしりと桜並木が沿い木陰を作っている。
汀にはよく草が茂り、川中には無数の鯉が群れる。
■ 尼崎港へ
尼崎市中在家町・東向島境 五合橋から 左西望、右東望 左写真奥は旭硝子、右写真左手は住友金属 |
最下流部では、ほぼ流れのない運河となる。
阪神工業地帯の中心地ゆえ、運河には多くの船が停泊している。
河口 尼ロック敷地から北望 |
尼崎市東浜町と大高洲町の境で、尼ロックを介して尼崎港に通じる。
右岸側には尼崎東発電所、左岸側では現在も埋立工事が沖に向けて進行中。
尼ロック(尼崎閘門) 尼崎市東浜町から南望 |
尼ロックは、低平な海浜地域を守り、かつ船を通すための施設。
大がかりなもので、上のパノラマでも全貌は収まりきっていない。
日本では珍しい、パナマ運河方式の閘門。
閘門の背後に見える高架は阪神高速湾岸線。
尼ロック施設 | 警備艇 | 渡り鳥 |
尼崎海浜部の運河はたいてい尼崎港に通じるが、他の河川に通じるものもある。
国道43号をくぐったあと、庄下川は東西二方に分かれる。
東の一本は西を向いて、左門殿川に水門を介して通じている。
御茶屋橋から東望 尼崎市東本町・東松島町境 |
松島水門 手前は左門殿川 大阪市西淀川区佃から |
阪神の尼崎駅東方には尼崎城があり、この前浜は大物(だいもつ)浜で、平安期には港町として大いに栄えた。
ここに大物川という庄下川の分流があったが、現在は埋め立てられ緑道になっている。
大物浦は兄頼朝に追われた義経が船出した海で、後世芝居の舞台となった。
大物川跡 | 旧流路図 | 摂津名所図会 大物 |