時代劇拝見日記
2006年11月

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて  ・サイトトップ

←2006/102006/12→

2006/11/30

■ 新選組血風録 第25話「流山」1965.12.26東映

 遂にやってくる近藤との別れ。まだ訓練も済まぬ若者たちを戦わせるわけにはいかず、官軍の出頭命令に応じる近藤。ふだんの顔をかなぐり捨てて泣きっ面で止める土方だが、とうに覚悟を決めていた近藤はただ一人刀も脱して屯営を出てゆく。

ロケ地
・武州・日野在イメージ、亀岡盆地か(田畔にはさ木が多数散見される)
・日野村名主・佐藤彦五郎邸(土方の姉・おのぶの婚家)、右写真の民家(現存、母屋の萱葺屋根は鉄板化)
・官軍の制圧から一人逃れた佐藤家の下女が渡る橋、七谷川か(斥候の原が渡るのも同所、七谷川だった場合は現存せず)
・佐藤彦五郎と妻子が連行される八王子の官軍本営、金剛禅寺(鐘楼門前に薩摩の陣幕、行商人に身をやつし窺う原の背後には現存する里の民家塀も映り込む。おのぶに加えられる打擲に耐えられず息子が流山のことを喋ってしまうくだりには境内を使っているが、本堂も庫裏も建て替わっているので貴重な映像)
・姉一家が官軍に捕われたことを聞き物思う土方、石を投げ込む堀は前話にも出た宇治川派流沿い伏見の酒蔵
・流山に近藤ありと見て江戸川を渡ろうとする官軍、不明(斥候に出た土方が馬をやる地道は涸れ川河床にも見える。官軍が展開するのは川堤、水深は把握できないがゆったりとした流れが見える)
・単身出頭する近藤がゆく野原、不明(遠くに見える幔幕は川堤上か。それ越しに望まれる山容は日野川堤越しに雪野山を見た図に似る。手前にはポプラが二本)
*憂愁に満ちた別れの言葉にはただ涙。送らないと強がりを言い出てゆく近藤に顔を背けていた土方が堪らず駆け出し近藤の背に喚ぶ絶叫、遠く江戸で近藤の叫びに呼応する沖田は痩せこけていて凄絶、泣きそうな顔で無言の斎藤も泣かせる。

■ 銭形平次 第308話「稲荷の鈴」1972.3.29フジ/東映

 同じ牢にいた囚人に娘への伝言を託された渡世人、彼が義理を果たす過程に奇縁悪縁入り乱れ、謎だった言づては親分が解いてみせる。
 ロケ地、久蔵の言づてを伝えに赴いた三次郎が立ち寄る深川八幡裏の屋台、御香宮本殿脇、藤八が追っかけてきて儲け話に乗せろと言うのは高倉前。伝法院一家と喧嘩はごこんさん境内か。三次郎がお近の「子守唄」を聞く水辺、大覚寺放生池堤。平次とお近らが出生を記した鈴を取りに行く袖擦稲荷、今宮神社稲荷社。陰ながら見ていた三次郎が宮を出て行くのは石橋東門
*三次郎に睦五郎、喧嘩沙汰で食らいこむものの筋の通った男で、伝言は謎のまま放っておけないし、世話になった女将のため証文も取り返してやるイイ奴。藤八は中田浩二でヤクザの親分は天王寺虎之助、実は大した悪党の屋台の親爺は沢村惣之助。

■ 眠狂四郎無頼控
 第6話「悪女の色香は殺しの匂い」1983.5.11テレビ東京/歌舞伎座テレビ

 国元でも江戸表でも命ぜられるまま汚れ仕事をしてきた居合の達人、狂四郎との出会いは自ら運命を清算する結果となる。
 ロケ地、品川宿で密書を持った男が斬られるのに出くわす狂四郎、大覚寺護摩堂。金八をお供に釣りに出かけた狂四郎が刺客に遭う葦原、広沢池北西岸(水無、後段狂四郎を待ち構える甚内も同所)。妻と上司を斬ってきた甚内が狂四郎に立ち合いを求める夜道、相国寺大光明寺南塀(去る狂四郎は墓地側の塀越し)
*野々呂甚内に高橋長英、欲深色魔の悪妻に本阿弥周子、留守居役は藤木孝。甚内の鍔、凝ったつくり。
2006/11/29

■ 新選組血風録 第24話「風去りぬ」1965.12.19東映

 沖田の最期を描く話、前話と時を重ね角度を変えてある。病の進んだ沖田は透明感を増し、哀しみに縁取られた明るさが袖を絞らせる。

宇治川派流と酒蔵ロケ地
・沖田が隠れ住む千駄ヶ谷の植木屋、不明(個人宅か)
・江戸城イメージ、皇居・北桔梗門か。埒の開かぬ重職方に憤激し下城する近藤と土方、知恩院黒門道
・品川の旅籠から引き移る大名屋敷、大覚寺大門
・原田らの誘いを断って帰る近藤と土方が斎藤と出会う道、東福寺一華院まわり。三人で誠の旗を広げてみせるのは北東角の霊雲院道標(現存)前。
・流山へ向かう騎馬の近藤、不明(物集女や大原野の昔に似る)
・流山イメージ、宇治川派流沿い・伏見の酒蔵
*次々やってくる別れに明るく笑って見送る沖田、去ったあと曇る顔が痛々しい。姉にも斎藤にも笑ってみせる沖田だが、土方には笑顔を作れず。島田順司の演技が光る。*前話にないエピソードは島田魁戦死(このお話での設定)、斎藤の会話に出てくる富士山丸で目をぎらつかせて歩兵操典を読んでいた土方など。

■ 銭形平次 第307話「びいどろを吹く女」1972.3.22フジ/東映

 御用達になることを渇仰する富商の内幕を描くお話。脇目もふらず商いに精を出す女房を諌めるため若主人が打った大芝居は、欲深い者の悪心を呼び覚ましてしまう。
 ロケ地、密告状通りに襲われる松前屋夫婦、相国寺境内か。襲撃犯を泳がせ突き止めるアジト、神光院中興堂
*タイトルの女は若旦那の従兄弟の厄介者、たらし髪に呆けた態度で吹くポッペンがハナっから怪しさ満点。

■ 眠狂四郎無頼控
 第5話「妖刃殺法!美女肌からくり将棋」1983.4.27テレビ東京/歌舞伎座テレビ

 細川の殿様の参勤交代時のお楽しみは、健気な娘に要らざる苦しみを与える。金と色で勝負を曲げる者どもの企みを暴く狂四郎、悪しき慣わしが廃止される「いい話」もついている。
 ロケ地、大磯宿代表の娘が勝つよう八幡さまでお百度を踏む娘たち、鳥居本八幡宮(カウント用の後生車あしらい。姉ちゃんを見て忖度の金八は小柴垣脇)。御前将棋の敗者方が負う苦役イメージ、柊野堰堤大沢池畔に普請場演出。狂四郎のお使いで二宮宿へ向かう金八、夜の川端は桂川か。二宮方の代表の娘の悪企みを探りに保土ヶ谷宿へ急ぐ金八の駕籠、桂川松尾橋下手右岸堤か。保土ヶ谷宿を発った細川候の行列がやって来る海沿いの街道、沖ノ島を望む宮ヶ浜と小豆ヶ浜間の山道。勝負に出かけたお汐を追って出る狂四郎と金八、北嵯峨農地畦道。細川候が泊まる古刹・高麗寺、毘沙門堂(茶の宗匠として入る将棋名人は薬医門、案内されるシーンに本堂・方丈間の渡廊も映る。対戦中の二宮方の娘に出される指図を高みから狂四郎らが見る俯瞰もある)。大磯を去る狂四郎と金八、北嵯峨農地
*お汐に奈良富士子、金と色で転ぶ細川の家臣に平泉征(宝蔵院流の槍で向かってくる)、狂四郎が渡りをつけにゆく側用人に中村錦司(古狸とか言われてるけど、あとでお詫びに来るしいい人にしか見えない)。*高麗寺は曽我物語の虎御前ゆかりと伝えられる寺、廃仏毀釈に遭い消滅。
2006/11/28

■ 新選組血風録 第23話「江戸の月」1965.12.12東映

 再建に向け奔走する土方だが、来た話は詐欺紛いの甲府行き。体よく追い払われた新選組が逃げ戻った江戸にはもはや居場所なく、同志も離れゆく。

拾翠亭ロケ地
・近藤が収容される幕府医学所、屯所や伏見奉行所だったオープンセットに板塀と冠木門あしらい。
・土方が面会にゆく老中・河津伊豆守邸、御所管理事務所門(東門)
・深川で英気を養う永倉と原田、屋形船は嵐峡、料亭は亀山公園裾。
・新選組は厄介者という永倉の剣友・芳賀の話を聞き永倉らが白けて帰る道、疏水分線端・大豊神社御旅所付近(哲学の道)
・甲府勤番支配の話を聞きに登城する近藤土方、江戸城イメージは皇居平川口付近か(橋の桁隠しが似る)
・官軍に散々に負ける甲陽鎮撫隊、戦闘の野原は饗庭か。
・甲陽鎮撫隊潰走後、牛込の屋敷(セット)を引き払った近藤が住む中野村の屋敷、御所拾翠亭門。
・芳賀の肝煎りで永倉・原田が近藤らを呼ぶ旗本屋敷、大覚寺大門。交渉が決裂し帰る近藤ら、参道石橋。中野村へ帰る二人が昔話をしながら歩む夜道、大徳寺境内か。八王子出稽古の回想シーン、不明(谷地田か)
*近藤の妻女・つね初登場。貧にも富貴にも変わらぬ、留守を守る女に好意的な歳さん、モノローグでもベタ誉め。

■ 銭形平次 第306話「隅田さわぎ」1972.3.15フジ/東映

 抜け荷摘発のお話、調査のすえ怪しい回船問屋に揺さぶりをかけ追い詰めてゆく。悪党一味に誘い込まれる貧しい浪人は清廉な人柄で、女子供を助けるため入り込むという挿話をからめ人情話に仕立ててある。
 ロケ地、抜け荷一味に狙われる川改番所、琵琶湖畔か(石積護岸に灯台と小屋あしらい)。十時浪人が働く普請場、琵琶湖西岸(対岸の山なみや岬・河口州の見え方から近江白浜か鴨川河口付近と推測される。砂浜と松原)。ちゃんが殺されると泣く坊に困り果てる八、大覚寺天神島祠脇(八が人さらいでないと判り詫びる姉が坊を座らせるのは嵯峨帝歌碑)。平戸屋から帰る姉弟を送ってゆく八が坊をおぶい渡る橋、不明。
*亡妻の遺言を守り息子を育てる心正しき浪人・十時(ととき)七郎太に大山勝己、ラス立ちではアクロバティックな迫力ある殺陣を披露。

■ 眠狂四郎無頼控 第4話「光る白刃に燃える女」1983.4.27テレビ東京/歌舞伎座テレビ

 業から逃れるため江ノ島の弁天へ願を掛けに行った女は、狂四郎と出会い光明への道筋を示されるものの内なる暗黒から逃れ得ず、悲しみの裡に逝く。
 ロケ地、小里が狂四郎と刺客の斬り合いを目撃する江ノ島へ一里二丁の街道、谷山林道か(大内の可能性あり)。狂四郎が雨宿りするお堂、大覚寺護摩堂(手前に移動壁あしらい、内部描写はセット撮りで行灯置場)。小里が語る、病の因となった幼い頃に目撃した仇討ちの斬り合い、桂川松尾橋上手右岸汀。無銭飲食の仇討ち侍を拾った小里が「病気」を出しかけるが遠目に狂四郎を見て思いとどまる水辺、不明(遠景に堤、溜池か)。庫之助と行く鎌倉へ14丁の道、大内か。駕籠舁きにからまれ庫之助が斬り捨てるのは藪田神社入口。庫之助と二人逃げた板橋宿で見つかり、小里の目の前で「亭主」の浪人が庫之助を斬る林、下鴨神社泉川(小里らが慌てて道をゆくシーンには参道石橋が映る)
*小里は佳那晃子、庫之助は内田喜郎で亭主は片岡五郎。亭主も小里も水野老中が邪魔な向きにつながりがあり、狂四郎殺害を命じられる運び。

■ 太閤記 〜天下を獲った男・秀吉〜 第4話 2006.11.28テレ朝/東映

 金ヶ崎退き陣、叡山攻め、浅井攻めを経て秀吉は長浜城主に。諸将に攻略ポイントが割り振られ、柴田勝家が援軍を乞うた件に喧嘩を売る段まで。
 ロケ地、金ヶ崎退陣の戦闘、井尻か。逃げ帰って京の町なみを望む峠、遠望風景は御室。帰着した秀吉を労う信長、座敷にやって来る廊下は粟生光明寺回廊、座敷は方丈(内外を使用、義昭将軍が来て上座に座り嫌味まくり)。義昭の挑発に怒った信長が岐阜へ引き上げる途次狙撃される千草峠、谷山林道切り通し。柴田勝家に嫌味を言われる岐阜城内廊下、粟生光明寺回廊(勝家の傍らにいる武将の一人に福ちゃん)。小谷城、丸岡城天守(炎上シーン等合成画面)。長浜城、長浜城歴史博物館(天守外観のほか天守から湖を眺める場面も)。勝家の陣に赴きこの戦無用と喧嘩を売る軍議の席、神護寺毘沙門堂。止める又左にかまわず去る秀吉、神護寺山門を背にして参道石段
*義昭追放で足蹴、叡山攻めを諌める光秀は怒鳴られただけ。珍しくお市が猿を嫌っていないばかりか親しげな設定だったが、自刃の場に踏み込み当身してさらってきて途中で落城を見てるから、ここから嫌いモードかも。いちいちメソメソ泣く表現はTX長尺でやった勘三郎の太閤記にちょっと似てて、寧々にお任せアドバイスは功名の千代そっくり。
2006/11/27

■ 銭形平次 第305話「夜の終り」1972.3.8フジ/東映

 大赦で八丈から帰ってきた男は、自分の女が弟と所帯を持っているのを知るが堪え、世間の冷たさにも耐えあくまで更生をはかる。しかし昔の仲間が彼の錠前破りの腕を欲し、弟夫婦をタテに迫るのだった。
 ロケ地、賊の浪人一味に追われ舌を噛む娘、下鴨神社河合社脇〜河合社前摂社玉垣内。大赦の御赦免船が着く霊岸島御番所、琵琶湖西岸(石垣の船着)。駕籠を襲う辻斬り浪人たち、下鴨神社河合社脇。来合わせた八が追うも丑松に邪魔されるのは河合社前の鳥居。賊一味が笠間藩邸へ押し込む「想像」シーン、神光院西門。普請場もクビになり川辺に佇む直次郎に誘いをかける丑松、日吉大社走井橋の上と下。直次郎の弟をさらった一味を追う八、駕籠を追う道と隠れ家床下へ侵入する石垣、不明。弟をタテに直次郎を呼び出す不忍池、大覚寺五社明神(水面映らず)
*直次郎に寺田農、弟に柴田p彦、「弟の女房」に北林早苗、酒肆親爺に永井柳次郎、賊の首領は五味竜太郎で森章二の顔も見える。*タイトルは魔手から逃れ再出発する直次郎を嘉した親分の言葉。「弟夫婦」は直次郎が永代橋から送られたことで帰還はないものと諦めていた設定。直次郎につっけんどんな酒肆の親爺は自分も島帰りで、最後に情を見せる。*為さん「男やもめ」発言あり。

■ 新選組血風録 第22話「海鳴りが呼ぶ」1965.12.5東映

 江戸への退却は軍船で、瀕死の山崎は隊士として死ぬことを欲し乗船をせがむ。看病していた許婚者もまた、先のないことを百も承知でもう意識も定かでない彼と祝言を挙げる。山崎の棺を呑んだ波濤に、「妻」も後を追ったと語られる。
 ロケ地、大坂城イメージに濠越しの本物。渦巻きは鳴門の渦潮か。「紀州の荒磯」は日本海っぽい。
*沖田と枕を並べて寝る斎藤さんが可愛い。

■ 眠狂四郎無頼控 第3話「魔性の血を宿す妻」1983.4.20テレビ東京/歌舞伎座テレビ

 身売りさせられたことで夫を詰った妻は、浪々の身はおまえのせいと逆に罵声を浴びせられ殺意を抱く。狂四郎は夫婦の心を再度結び合わせてやるが、前を向きかけた矢先、浪人は仇討ち坊ちゃん手配の人数の前に斃れる。
 ロケ地、宮部浪人を襲う刺客、上賀茂か。津軽藩上屋敷、相国寺大光明寺。妻女に夫の殺害を頼まれた狂四郎が宮部と対峙するお堂、仁和寺経蔵。長屋を仇討ち勢に襲われた宮部が外に逃れるも斬り伏せられる原っぱ、広沢池東岸(水少なし、水面映らず)。巡礼姿で旅立つ妻女、仁和寺塔下。道をゆく狂四郎に陰ながら頭を下げるのは参道見返り・狂四郎は中門の方へ歩み去る。
*妻に横恋慕した藩士を斬り片腕をなくし浪人した宮部に河原崎建三、情けない系用心棒のセンセイが絶妙。妻女は島村佳江、開き直ってチンピラに「これ下郎」とやる段の目が座ってさ加減が迫力。好色なヤクザの親分は千葉敏郎、狂四郎馴染みの女郎は三島ゆり子。*妻女の財布を掏った金八を邪慳に扱う眠のダンナがちょっと笑える。

■ 水戸黄門36 第17話「男度胸の鬼退治」2006.11.27TBS

 悪徳商人に魅入られる網元親子、娘を好きな青年は気弱さゆえに結婚を許して貰えないでいたが、老公らのサポートで度胸をつけ蛮勇を奮い悪に立ち向かってゆく。
 ロケ地、岡山イメージに岡山城天守。城下へ向かう老公に身内になってくれと乞う魚屋の太吉、嵐山東公園。老公に娘を会わせにやって来る太吉、一行が休む茶店は上賀茂神社ならの小川畔にセット。網元に会う老公、琵琶湖東岸浜辺(島影の見え方や松原等から、佐波江と思われる)。太吉と新助が肝試しに行く夜の墓場、金戒光明寺本堂裏手墓地。鬼の首塚へ行く道、不明(石段と鳥居、途中からセットにスイッチ)
*網元に中田浩二、悪徳商人に工藤堅太郎。ラス立ち福ちゃん入り、由美かおるに足払いかけられ宙を飛ぶ。
2006/11/26

■ 新・座頭市2 第10話「冬の海」1978.3.13勝プロ/フジ

 絵を描く娘と道連れになる市、養生所を抜け出してきた彼女は市を描き市と遊び、やがて命数を使い果たして逝く。いつものように襲い来る敵を薙ぎ倒し市が去ったあと、天駆けった天女の手からこぼれた絵が冬の渚に散ってゆく。
 ロケ地、市についていっていいか聞く娘、広沢池北西岸(水無)。二人が腰を落ち着ける渚の小屋、間人海岸
*娘は原田美枝子、迫力のアップの連続。語る言葉なし、ただ見るべし。市に助けられ懐く青年に谷崎弘一・暴将の久ちゃん、なかなか可愛くよく利いている…裸描きたい発言に即脱いで出てくるし。

■ 新・座頭市2 第11話「子別れ街道」1978.3.20勝プロ/フジ

 旅籠で隣り合わせた男から子と女を託される市、子は祖父のもとへ、女の因縁も市によって断ち切られる。
 ロケ地、子を託した男が追っ手に斬られる鎮守、鳥居本八幡宮広場。届け先の印旛沼の漁師の祖父宅、大堰川河川敷にセット。
*子を託す父は和崎俊哉、彼が連れて逃げた親分の女は范文雀、姐さんを取り戻しに来る追っ手に高岡健二や丹古母鬼馬二、親分は浜田寅彦。坊の祖父の今福正雄もいい味。

■ 新・松平右近 第4話「腰抜け武士道」1983/4-9

 油奉行と組んで値を吊り上げる商人、博覧強記の性ゆえ生き証人として狙われる元家来は、右近の強い勧めで告発を決心した矢先、凶刃に斃れる。
 ロケ地、油奉行の手の者に囲まれる飯田浪人、渡月橋下背割堤。立ち回りは河原へスイッチ、橋たもとの屋台にいた平四郎たちが悲鳴を聞いて駆けつけ。南の隠密回りに襲撃の理由を聞かれる飯田、車折神社参道。隠密回りが襲撃者に斬られるのは芸能神社付近。飯田が身を隠すお寺の縁下、愛宕念仏寺本堂。子らと遊ぶくだりでは石仏群がたっぷり映り込む。奉行所へ出頭する途中襲われ落命する飯田、下鴨神社泉川(境外へ通じる道に架かる橋の下手、堰板を嵌める柱が映り込む)
*飯田浪人に仲谷昇、剣技優れず勇気なく、しかし不正に目を瞑れずお役を退いたナイーブな男を好演。油奉行は名和宏で悪徳商人は嵯峨善兵。*屋根から覗き、泥酔して大胆にコケる、女誑し・穀潰しと囃す子らを追っかけるなどイチビリまくる正ちゃんが目立つ。
2006/11/25

■ 遠山の金さん 第48話「長命庵に散った夢」1976.9.2NET/東映

 蕎麦屋の親父の昔の女が現れるが、お奉行が都合よいお膳立てを疑ったとおり、正体は女賊、苦労してきたという女を労わった甚兵衛とお初の思いは空回り。
 ロケ地、金さんが甚兵衛の話を聞いたりお初を説得したり沈むお紋に声をかける池端、不明(小祠と鳥居、灯籠映り込み)。江ノ島へ出かける甚兵衛たちがゆく街道、不明(杉並木)。江ノ島、琵琶湖畔か。赤目から情報を取る金さん、仁和寺観音堂脇に茶店あしらい。
*お紋の役目は長命庵を留守にすること、賊は裏の両替商の蔵へ向け穴掘り。

■ 藤十郎の恋  1938.5.1東宝

 菊池寛原作の、芸の鬼・坂田藤十郎を描く一話。
元禄半ば過ぎの京が舞台、名人芸のやつし事で絶大な人気を誇る万太夫座の坂田藤十郎だが、江戸からやって来て向かいに一座を張る山下七三郎に耳目は集まってゆき、新しい芸を創出することに躊躇した藤十郎は飽きられ、万太夫座は一時休止にまで追い込まれる。
起死回生を希う藤十郎のもとに届けられた近松門左衛門の新作狂言は、まだ京の人々の記憶に新しい姦通事件を題材にしたもので、藤十郎は密夫の実芸を体得できず悩みに悩む。工夫つかぬまま迫る初日、離れで台本を被って不貞寝しているところへやってきた茶屋の女将を見た藤十郎は、貞女と名高い未亡人に心にもない秘めた恋の打ち明け話をしてのける。迫る藤十郎にただよよと泣くばかりの女が、吃と向き直り今の言葉は本心かと問うたその顔を見届けた「芸人」は天啓を得るが、生身の「男」は怖じて去る。
たった今得た「工夫」をすぐさま稽古に持ち込む藤十郎、女形に女将の仕草を叩き込む。公開の惣稽古は評判を呼び、わんさと人の詰め掛ける初日の幕が開く直前、今度の藤十郎の工夫は茶屋の女房に偽の恋を仕掛けて得たものと噂を聞いた女将は懊悩の果て奈落で自害、一座に動揺が走るが幕開けの拍子木が高らかに打ち鳴らされる。
*藤十郎に長谷川一夫、茶屋・宗清女将に入江たか子、吉左に藤原釜足。
*近松の新作は「大経師昔暦」、実際の姦通事件を脚色した世話もので、粟田口に刑死したおさん茂兵衛を描く。
*京の春を描くイメージカットの一部に松本酒造酒蔵?塔や友禅流しの川は不明。


■ 雪之丞変化  1935松竹キネマ

 奸計に落ち憤死した両親の仇を報じるため、満を持して江戸へやってくる遺児は、上方で名を成した人気役者。仇敵・土部三斎の娘で将軍家側室の浪路を籠絡し、父母を死に追いやった者どもを破滅に追いやる壮大な復讐劇。中村座初日から千秋楽までの間に事態が推移する。
見どころ抜粋
・初日の幕が開く直前、雪之丞は奈落で恨みを訴える父母の幻を見る。
・お初はかなり曲者、様々な妨害を仕掛けてくる。高笑いも怖い悪女、死んでいる侍から刃を抜いて持っているところを町方に見られて一巻の終わり。
・闇太郎、見せ場はたくさんあるが浪路の亡骸を三斎に届ける際の芝居は見もの。
・浪路は三斎の手下・門倉兵馬の邪恋に斃れるが、兵馬も浪路に刺されて死ぬ。
・長崎屋と弘海屋は諍いの果て見苦しく掴み合いの喧嘩の最中、鬼女の格好で現れた雪之丞を松浦屋と誤認し悪夢のうちに互いの首を絞めあい頓死。現場は中村座の奈落で、二人の死を見届けた雪之丞はそのままの姿でセリから舞台へ。
・三斎との対決は浪路の葬儀の日に。三斎が雪之丞の母に横恋慕していたことが動機など明かされ、わしは負けんと宣言した三斎は雪之丞のいる座敷の吊り天井を落下させる。
・ラストシーンは、無事「大願を果たし」楽の日を迎えた雪之丞の舞台挨拶。

キャスト
雪之丞・闇太郎・母/林長二郎 菊之丞/嵐徳三郎 浪路/千早晶子 お初/伏見直江 土部三斎/高堂国典
*拝見したのは1952年に作られた総集編、第1篇は1953/6/27、第2篇は10/1、解決篇は翌年1/5に上映。
2006/11/24

■ 新選組血風録 第21話「夕陽の果て」1965.11.28東映

 圧倒的な戦力差、吶喊も空しく雨と降る弾丸に次々斃れゆく壮士たち。後段は敗走が描かれ、負傷した隊士を実家に送り届ける永倉にスポットが当る。
現在の淀堤、奥の山は天王山
ロケ地
・大砲が発射される薩摩の陣地、吉田神社大元宮
・戦死者を荼毘に付す敗走の淀河原、不明(木橋の下、堤は高く草が猛々しく茂る。流れは湛水)
・宮田を桂の実家へ送ってゆく途中通る山崎の竹藪、不明(竹林のほか幼松が見える)
・宮田の実家近く・遠望の里、不明(亀岡か)。宮田の実家、不明(前にスロープ付きの長屋門、1991年の「また又三匹」第4話にも出ているからまだあるかも)
・宮田一家の死を見たあと永倉が大坂へ向かう街道、不明(川堤か)
*前段の戦闘シーン、薩摩の歩兵に福ちゃん。

■ 銭形平次 第304話「恋と十手」1972.3.1フジ/東映

 女を使い狙った先の男を誑かし荒稼ぎの賊、八五郎がまんまと誘いに乗ってしまう。舞い上がった分萎れる八だが、女には事情があり人のよい八を騙したことを悔いていたのが救い。
 ロケ地、一味が狙う旗本屋敷、相国寺林光院(門のほか、賊が捕り方に囲まれるくだりでは前庭も使用)。その屋敷の家来と会う一味の女、鐘楼裏手の碑脇。去る女を追ってゆく平次、弁天社前。逃げたおたきが入水しかけるのを止める八、中ノ島橋
*おたきに渋沢詩子、彼女の幼馴染の旗本の家来に北原隆、いたちの藤兵ヱに須藤健。*賊の手口には、誑かした男に戸を開けさせるのと留守宅にさせそこから侵入るのと二つのパターン、八がやられたのは後者で命は取られずに済むが十手持ちの面目丸潰れ、平次にも迷惑が及びかける。

■ 眠狂四郎無頼控 第2話「生肝頂戴つかまつる」1983.4.13テレビ東京/歌舞伎座テレビ

 町で異常行動をとる若侍に暗い翳を見る狂四郎、彼は不幸な生まれ性のうえ藩の捨て石に選ばれてしまっていた。
 ロケ地、狂四郎に斬りかかりいなされる大導寺兵庫、金戒光明寺三門三門前石段上。藩の刺客に斬られる兵庫、中ノ島橋(お蘭が来かかり保護)。兵庫の無縁塚、不明(丘の上、一本松の根方)。そこで名誉の死を遂げよと兵庫が命じられていた向島・祥雲寺へ赴く狂四郎、門は大覚寺勅使門、老女と会う茶室は梅宮大社神苑(ゲストハウス、池中亭)。藩邸へ乗り込み江戸家老を追い回す狂四郎、金戒光明寺境内路地参道石段
*兵庫に加納竜、江戸家老は睦五郎で手下の刺客は五味龍太郎、権高な老女に長谷川待子。*名誉の死は腫瘍を発した将軍家息女への生肝献上、兵庫の無駄死にに怒った狂四郎が家老のそれを充てる運び。*金八、駕籠屋へ入ってきて「恵まれない雲助たち」とタコ社長の如き言辞を吐く。
2006/11/23

■ 新選組始末記 三隅研次監督作品 1963.1.3大映

 山崎蒸を中心に、芹沢暗殺から池田屋までを描く。雷蔵演じる山崎は、近藤勇の漢に感銘を受け入隊した、侍になりたい男。理想とのギャップに苦しむが、池田屋探索で功を成し認められる次第。
 芹沢の悪行に怒りを覚え近藤に訴える山崎だが容れられず、しかし近藤らはその直後芹沢を暗殺したばかりか葬儀の場では惜しい人をなどと嘯きしれっと涙してみせ、咎める山崎は坊や扱い。そして或る日、沖田に強要され大坂町与力を斬るハメになった山崎は罪をおっかぶされ微妙な立場に。腹を切るという山崎に、近藤は不逞浪士の企みを阻止できれば隊の危機も去ると示唆、探索がはじまる。

ロケ地
・新選組を騙った三条河原の晒し者、渡月橋下手河原(町衆が橋上に詰めかけ、欄干に擬宝珠あしらい)
・深傷を負って見苦しくのたうつ新選組隊士を「介錯」する山崎、北嵯峨か。
・力士を無礼討ちにした藤堂が大坂町与力に捕縛される天満界隈、本法寺門前(小川の橋、裏千家の門、楼門等が映り込む)
・山崎に大坂町与力を斬らせる路地、相国寺か。
・池田屋に潜入するも、以前経緯のあった土佐浪士に見つかり逃げる山崎、狭い路地は石塀小路か木屋町界隈か。犬が吠える川端は高瀬川か。
・池田屋討ちこみ後、外での戦闘の一部に上賀茂社家町金戒光明寺裏手墓地など。
*山崎には女医の志満という恋人があり、侍を嫌う彼女とは遂に相容れず。*近藤は山崎の誠心を信じるが、土方は性格を危ぶみ不信を持ち続け、突撃が池田屋と四国屋に二分される設定。池田屋へは捕まった同僚を案じた山崎が入り込み、囲まれるところへ近藤隊が駆けつけ戸を叩くという筋立て。

■ 必殺仕事人 III 第12話「つけ文されたのは主水」1982.12.24ABC/松竹

 悪党の罠にはまり父を殺され店は欠所になってしまうお嬢様、呆けた彼女を引き取り慈しむ男がいるものの、結局二人とも口を封じられてしまい恨みの筋が託される。
 ロケ地、伝吉に段取りをつけさせ菊弥太夫と屋形船でデートのお嬢様、乗り込む船着きは渡月小橋下手の階(右岸側・オルゴール店側に竹垣あしらい、橋は見えないように撮ってある)
*長崎屋令嬢のお波に仁和令子、伝吉は元長崎屋奉公人で狂言作者志望の若者。太夫は堀田正美、元旗本無頼で現勘定方の侍や狂言作者などとつるみ盗みのほか内部情報を取る賊・暗闇小僧。*タイトルは夜鷹に岡惚れされた主水が貰う恋文で笑い話、代書をしている伝吉につなげる挿話。*順ちゃんは探索を終えると「年末で忙しいから」消え、おりくさんが旅から帰り途中参加。

■ 必殺仕事人V激闘編 第18話「主水、お嬢様に振り回される」1986.3.28ABC/松竹

 遊ばれただけのお坊ちゃんは相手に縁談と聞き逆上し怒鳴り込むが逆に殺され、というだけでも酷いのに上乗せの因縁。残された母が夜鷹にまで身を落し作った金は闇の会へ、恨みの筋は息子と夫と父母の分。
 ロケ地、仙之助が道場を抜け出して武蔵屋の娘とデート、北野天満宮本殿裏手。娘のことで武蔵屋へねじ込んだチンピラが金の配分をしていると怖い筋が出てきて始末されるお堂、大覚寺護摩堂。加代がお嬢様養成講座を開く寺(?)相国寺大光明寺。武蔵屋の娘が仙之助を呼び出す出合茶屋、亀山公園裾・見返りの構図では嵐峡が見えている。武蔵屋の娘をつける仙之助の母、娘が遊び相手に金を渡すのは中ノ島橋下。武蔵屋に乗り込んだ仙之助が用心棒に連れ出され自刃を装い殺されるのは大覚寺五社明神舞殿前。
*放送当時萌した風俗をカバー、世はこのあとバブル突入。
2006/11/22

■ 新選組血風録 第20話「その前夜」1965.11.21東映

 伏見奉行所に陣を張る新選組だが、脱走者相次ぎ長州の軍勢は公然と門前を通り、挙句近藤が御陵衛士の残党に狙撃され戦線離脱。年が明けて間もなく戦端は開かれ、情婦のお産のため京に「出張」していた原田は、弾雨をかいくぐり戻ってくる。
吉田神社 大元宮
ロケ地
・近藤が狙撃される墨染の竹林、北嵯峨か。
・伏見奉行所は「不動堂村」屯所と同じオープンセット。
・薩摩軍が砲兵を配置する高台の龍雲寺、吉田神社大元宮鳥居前に堡塁あしらい。御香宮のほうは不明。伏見奉行所に照準を合わせた四斤山砲が配置される龍雲寺からのビュー、吉田山の竹中稲荷あたりから真如堂方面を見たものか。
大坂城、濠越しに天守見上げは本物。
・男児誕生を見た原田が伏見へ駆け戻る道、東高瀬川堤(松本酒造酒蔵前も通る)
*原田の京行きは土方が公務扱いで許可、近藤離脱後微妙に土方のキャラクターは変化している感じ。監察の用がなくなった山崎蒸が原田や永倉と談笑する場面も出てきて面白い。沖田は大坂で療養と語られ不在、なぜか斎藤も不在。

■ 銭形平次 第303話「洲崎弁天横丁」1972.2.23フジ/東映

 大店の婿養子に納まった男は、出先で幼馴染の愛しい女が苦界に沈んだ姿を見る。そのとき彼らから五年の月日は消え去り、哀しくも美しい純愛が戻ってくる。
 ロケ地、「誘拐された」弥之助の身代金引渡しに指定の芝・増上寺、永観堂御影堂前。お加代にお咎めなしの裁きを聞き平次らが出てくる南町奉行所、大覚寺大門
*お加代に赤座美代子、蓮っ葉な酌婦の純情な内面を好演。品川の旅籠の欲深主は藤尾純、とって代わろうとする悪党の用心棒に小林勝彦。*家付き娘の言動にハナっから眉を顰めていた親分、亭主の心配より暖簾を先に気に掛けるのを見てキツい一言。

■ 眠狂四郎無頼控
  第1話「殺さないで私の子を 異人妻の絶叫!」1983.4.6テレビ東京/歌舞伎座テレビ
  *本放送時第1話はスペシャル、時専chでは前後編で放送

 室矢の企みを阻止しようとした中揩ヘ消され、次なる的は狂四郎。誘き出しに新吾がさらわれ、狂四郎は松子に父か子かの選択を迫る。
 ロケ地、室矢邸は相国寺林光院で変わらず、家を飛び出した松子のくだりで路地、弁天社が映る。心を開かぬ新吾を馬に乗せて駆ける海岸は琵琶湖、初めて会った海岸に連れてゆき自分も混血児と告げるのも先と同じ琵琶湖東岸、汀には特徴のある砂州が見えている。新吾のこれからを話し合うくだり、入水する狂四郎の母は桂川か。狂四郎が室矢邸に乱入のくだり、相国寺林光院門を入り中庭をゆき式台玄関を上がる(土足)。長崎へ帰る母子を見送るのは金戒光明寺本堂前、去る狂四郎は石段・背景に三門。
*松子に加賀まり子、室矢醇堂は永井智雄、三浦は水原まき、備前屋は田畑猛雄。
2006/11/21

■ 新選組血風録 第19話「あかね雲」1965.11.14東映

 風雲急を告げ幕府方は京を退去、新選組も屯所を引き払い伏見に陣を構えることとなる。その情勢下、斎藤一は辻占売りの女児と知り合い彼女の行く先を心にかけるが、彼が京を去るその日、小さな魂は現し世を駆け去ってゆく。
ならの小川
ロケ地
・佐幕派の秘密会合が持たれる寺、不明(向唐門を入ると広壮なお堂、華頭窓はお東さんの接待所に似る)
・親方に怒られたと屯所へやって来た辻占売りのおしづに餅を奢ってやる茶店、上賀茂神社ならの小川神事橋たもと(右岸側)。里の子らに遊びの輪に入れて貰えず泣くおしづ、奈良社
・竹田街道を伏見へ向かう新選組の列、渡る橋は17話の銭取橋と同じ。
*物静かな男・斎藤が「しぃちゃん」の亡骸に語りかける、実のある言葉が泣かせる「日本中の海岸を歩いてもきっと」。

■ 銭形平次 第302話「ある絆」1972.2.16フジ/東映

 大店の嫁に望まれ幸福の絶頂にいた娘だが、父の過去が黒い影を落とす。しかし娘の年齢と調べ書きを突き合せた平次は、父親の前身のほかにも隠されていた真実に行き当たり、娘の縁談を復してやる。
 ロケ地、仕事を強要した賊一味のもとへ赴く佐平をつけた平次が浪人に襲われる森、下鴨神社糺の森。佐平を捕まえシメる凶賊・疾風の銀三郎、河合社裏手。一味を取り逃したあと佐平にはもっと大きな秘密がと呟く平次、河合社前
*佐平に島田正吾、お絹に八木孝子、銀三郎は戸浦六宏。*万七親分、番所でのんびりお茶啜り壺坂霊験記を唸る太平楽で今回も平次のおこぼれを狙ったり相変わらずだが、佐平に縄をかけられず「殺生だよぉ」なんて場面も。

■ 眠狂四郎無頼控
  第1話「殺さないで私の子を 異人妻の絶叫!」1983.4.6テレビ東京/歌舞伎座テレビ

 青い瞳の子を連れて旅する女を見た狂四郎は、子を庇う女に己が母を思い出す。江戸に戻るやさっそく武部のじいさまが現れ、大奥がらみの難題を持ち込んでくる。
 ロケ地、狂四郎の前に我が身を買えと立ちはだかる女、琵琶湖東岸(遠景に沖ノ島と雪嶺、女が春をひさぐ祠や青い目の坊が回す後生車をあしらった葦原が砂浜に控え、奥には松原)。江戸城イメージ、二条城濠と隅櫓。母子が入る法印・室矢醇堂邸、相国寺林光院。大奥へ潜り込む金八を乗せる汚穢船に話をつけるお蘭、大覚寺放生池源頭部。狂四郎を狙う忍びが大八の箱から現れる路地、妙心寺大庫裏脇路地。金八を乗せた汚穢船が検問を受ける堀、大覚寺有栖川(検問は大沢池木戸下、御殿川も有栖川も満々と水を湛えている)。醇堂の示唆で薦に包まれ運ばれる青い目の坊、広沢池西岸→その後船から投棄←船宿の親爺が拾い上げ。金八のツナギを受け急遽宿下がりした中掾E三浦の駕籠がゆく夜道、下鴨神社河合社脇。

★眠狂のデータは下記のサイトを参照させて頂きました。お世話になります。
火野正平出演TVドラマリスト眠狂四郎かまゐます(HOME)

2006/11/20

■ 新選組血風録 第18話「油小路の決闘」1965.11.7東映

 伊東甲子太郎は遂に分派するが、自信満々の才子はうまうまと誘い出されて粛清の刃を受ける。伊東の片腕・篠原泰之進の描写に尺を割く。
大徳寺総門
ロケ地
・篠原泰之進が浪士を殺さず逃がしたことが問題となる奈良事件の市中、三井寺唐院前参道、唐院参道と門前。
・あとで伊東の差し金と判明する土方襲撃、大徳寺境内路地。
・御陵衛士屯所の高台寺月真院、大谷祖廟北通用門。
・伊東が暗殺される七条界隈、大徳寺総門内側付近。衛士たちが伊東の亡骸を取りに来る油小路、平康頼塔付近および境内路地(油小路と刻まれた大きな碑をあしらい)
*篠原が後ろ傷を受けたことが分派決意のきっかけなのは原作と同じだが、傷を隠匿したことが篠原の心持ちを変えた件はドラマでは描かれず。この酔っ払いの喧嘩、相手の浪人の一人に福ちゃん。

■ 銭形平次 第301話「城を出た女」1972.2.9フジ/東映

 大奥出入りの袋物問屋が罠にはまり、御側室の不興を買い遠島に。とばっちりで暇を出された腰元は恩ある桔梗屋のため命を賭して動き、平次や樋口さまもまた職分を越え奔走する。
 ロケ地、お蓮の方が墓参の相国寺、相国寺林光院(相国寺と書いた表札、桔梗屋はそうこくじと発音)。江戸城イメージ、姫路城天守。父の墓に参る波津江をチンピラが襲う、金戒光明寺本堂裏手墓地
*波津江に葉山葉子、平次や波津江の行動を粋に黙認する上役に御木本伸介。お勝さんが波津江のお供で腰元に化ける一幕も。平次に「キンキラキンの御殿女中みたいな格好」で出たと怪しまれる。

■ 水戸黄門36 第16話「銘酒を守った頑固者」2006.11.20TBS

 美酒を醸す蔵元を蹴落とそうとしたライバルは城代と結託、利き酒に細工をするが老公らの働きで企みは暴かれる。厳しすぎて弟子を失いかける頑固杜氏の情話が主体。
 ロケ地、宮島厳島神社縮景園賀茂鶴酒造酒蔵など現地ロケ。広島城天守も。
*杜氏に長門裕之、大殿に寺田農で側近が福ちゃん、城代は栗塚旭。
2006/11/19

■ 新・座頭市2 第8話「そこのけそこのけあんまが通る」1978.2.27勝プロ/フジ

 火の車のお家のため分家に輿入れする幼い姫様、しかし道中身辺に怪しい影。嫁に行くなと出るお化けに脅えた姫は逃げ出し、市と道連れに。これが姫の命を守る結果となる。
 ロケ地、街道をゆく琴姫輿入れの行列、大内亀岡道(青柳藩の先手物頭が出迎えるのは辻堂前、渡世人たちがやって来るのは八木道から)。琴姫の宿、摩気民家(翌朝逃げ出す姫は川側の塀伝いに出てきて、門前の見張りの目を避け川に下りてゆく)。姫の犬が市にまとわりつき、里の子と服を取り替えた姫が現れる橋、本梅川若森廃橋。里の子らと縄跳びに興じるお宮さんは藪田神社境内。日暮れて帰る子ら、残される市と姫、大堰川河川敷。姫不在のまま空駕籠で出立する輿入れの行列、摩気民家摩気橋。市が姫と当座暮らす小屋と周辺、大堰川堤の傍か。市と別れ迎えとられてゆく姫、大堰川堤か。
*いちまさんのような琴姫は斎藤こず恵、市と遊び睦むさまが可愛らしく物悲しい。姫付きのじいと侍女は稲葉義男と中山麻里、姫への刺客だった先手物頭は工藤堅太郎、市を狙うヤクザに大木正司。*姫は赤津藩佐治家息女で本家筋、輿入れ先は分家の青柳藩。行列の道筋は赤津・青柳藩領境、位置等詳細不明。

■ 新・座頭市2 第9話「まわり燈籠」1978.3.6勝プロ/フジ

 百姓のため代官所を焼き打ちした親分は追われ逃げ回る日々、たった一人残った子分は疲れ果てたすえ地回りと組み親分を手にかける。この経緯に、恐れを知らぬ腕自慢の若者がからみ、悪党の目論見を引っ掻き回す。
 ロケ地、ほぼ流れ橋と周辺。冒頭義助を狙う賞金稼ぎは橋下、市と三次が出会う茶店は堤下、旅籠の娘といちゃつく三次は堤・河原・汀、義助が裏切りに遭うのは橋下。
*三次に石橋正次、親分を裏切る一の子分に平泉征、つるむ地回りは小林昭二。

■ 新・松平右近 第3話「地獄から還った男」1983/4-9

 同心殺しで追われる岡っ引だが話は全然違い、近頃奉行所で大はやりの夜鷹狩りにまつわる黒い霧が関与してハメたもの。彼の無実を明かすとともに哀れな女たちを救うため、右近は捕り方の前に立ちはだかる。
*ロケなしセット撮り、岡っ引がハメられるくだりの背景がウルトラQ。岡っ引は伊吹剛、騙されて彼をハメる恋人に金沢碧。一般人を含む大勢の前で正体を現している右近が気になる…。
2006/11/18

■ 遠山の金さん 第47話「奉納絵馬 呪いの祝い唄」1976.8.26NET/東映

 絵馬師がはめられた札差殺し、お奉行は無実を訴える彼を破牢させ悪党を燻し出す。
 ロケ地、弥助が隠れているお堂、大覚寺護摩堂。金さんがここへ至る道に観月台から手すり越しに見下ろした大沢池畔。弥助を匿う船小屋、広沢池東岸に小屋セット。お白州、「御出座」の声に被る甍は大覚寺五大堂はじめ諸堂の屋根や松籟。
*弥助に島田順司、判決後牢破りの手引きはと聞くおとぼけが「嫌だなぁ土方さん」の口調に似て妙味。女房は赤座美代子。ワルの番頭に睦五郎、ヤクザの中に志賀勝の姿も。

■ 必殺仕事人V激闘編 第16話「主水、クモ男を捕り逃がす」1986.3.14ABC/松竹

 年老いた義賊の哀話、かつて彼の女房を死に追いやった男に再びハメられ刑場の露と消える。闇の会に乞うも叶わなかった願いは、彼が情けをかけた娘によって果たされる。
 ロケ地、女房の祥月命日だと享年の数の灯明を上げる茂平次、化野念仏寺。茂平次の別邸、大覚寺望雲亭
*クモは茂平次が壁を伝って侵入るさま、政に鍵と道具を作らせる場面もある。茂平次は村田正雄、殺しの的の吉原の元締は牧冬吉。

■ 必殺仕事人V激闘編 第17話「江戸の空にハレー彗星が飛ぶ」1986.3.21ABC/松竹

 欲深い上に手前勝手が過ぎる富商を始末、わがまま息子がいじめの大将だったり、言い寄られていた加代が大名暮らしをあきらめて仕事にする逸話が散りばめられる。
 ロケ地、彗星に惑う民衆に空気を売りつける加代、露店は北野天満宮本殿裏手。三吉を集団でボコるも反撃されるや一発で参るお坊ちゃん、広沢池東岸。元締に異例の処置を願い出る加代、下鴨神社糺の森。信州へ発つ三吉を見送る政、不明(丘の上の一本松)
*ハレー彗星は中村家コント等に使われる程度で、天変地異は地震だったり。

■ 必殺仕事人 III 第11話「恋の重荷を背負ったのは秀」1982.12.17ABC/松竹

 秀に技を教えた男の娘が、亡き父の遺志を果たすため仕事人になってやって来る。的は秀が親しくしている飴売り娘の父で、仲間を売り足を洗った土蔵破り。彼には二重に過去のしがらみがまとわりつく。
 ロケ地、飴売り娘に修理した簪を届けに来る秀、今宮神社境内。仕事帰りの飴売り親子、広沢池東岸堤〜汀にあしらった小屋が家(夜間撮影)。飴売り親子が昼をつかう水辺、広沢池観音島(水無し、サギ多数群れる)。飴売りの治平が自ら殺されに行くとお六に約した汐見橋、中ノ島橋(お六は橋下で待つ。捕り方が橋の上を走り、治平が追ってきた賊一味に襲われ果てるのは河川敷、栗石に光が当たり印象的)。主水が賊とつるんでいた同心を殺る祠はセットと判断したが、背景に石垣が光るのがちょっと五社明神っぽい。
*治平に北村英三、お六は竹井みどり。
2006/11/17

■ 新選組血風録 第17話「鴨川銭取橋」1965.10.31東映

 隊内で立場を失くした士たらぬ阿諛つかいは、即座に組織を裏切る。細心の注意を払っての内通は、関わりのない事件から発覚する。
鴨川・勧進橋付近
ロケ地
・武田観柳斎の洛北の私邸、上賀茂・社家町
・参寧坂で斬られて死んだ隊士の情婦が勤める料亭・あけぼの、不明。
・武田の五番隊巡察風景、不明(塀際の地道)
・武田が斬られる鴨川銭取橋(現・勧進橋)、不明(川堤は高く屋根と同じくらい、橋は欄干が木製で橋台はコンクリート。流れは湛水で返す波が立っている)
・武田を迎えに出るものの沖田に阻まれ逃げ帰った薩摩侍が中村半次郎に次第を報告する道、不明(控壁塗り込みの塀際)
*原作とは観柳斎裏切りの時点と契機が異なるが、人となりが招いた必然なのは同じ。ドラマのほうが、武田の惨めさを強調した作り。

■ 銭形平次 第300話「島破り」1972.2.2フジ/東映

 寄場を脱走した囚人が立て籠もった先で発覚する奇縁。浅蜊売りの老爺と囚人の青年が親子と知る、潜入した平次。ぎりぎりの切所で甦る血の絆が涙を誘う。
 ロケ地、浅蜊売りの老爺が棲む寺、不明(立て籠もりは蔵設定のお堂、前に短い階あり脇に回廊らしき構造物)
*老爺は北村英三、息子は高橋長英。

■ 逃亡者おりん 第5話「母が守った花嫁御寮」2006.11.17TX/C.A.L

 襲撃から逃れ昏倒したおりんを助けたのは、駿府代官所の役人。彼の母は亡くした娘そっくりのおりんを引き止め、娘のために用意した白無垢を着て欲しいと懇願、三人の暮らしがはじまるが幸せな時はもちろん続かず悲しい犠牲者を出す。己が罪を糊塗するため手鎖人とつるみ、役人親子を死に追いやった卑劣漢を討つおりん、その頬に一筋の涙。
 ロケ地、旅籠での襲撃を逃れたおりんが崖を滑落する夜道、酵素か。傷ついた体を休めるおりんが辻斬りを見る宿場はずれ、大覚寺五社明神裏手。釣りの倉沢におりんの落ち着き先を告げる佐介、清滝河原。旅籠での襲撃失敗を受けて道悦が放った追っ手がゆく街道、酵素ダート(崖の木陰から倉沢が見ている)。事後、おりんがゆく山道、谷山林道頂上付近崖際杣道、熊笹の茂み。
*代官所役人は西村和彦、母に宮園純子。辻斬りが代官の変態息子だったため悲劇に。今回のレオタード出現は白無垢脱ぎ捨てての立ち回り場面で。
2006/11/16

■ 新選組血風録 第16話「襲撃木屋町二条」1965.10.24東映

 新入見習隊士の悲劇、初めての任務をしくじった青年は再び得た機会に気負い、無茶な吶喊の果て散る。彼を隊に誘い目をかけてやった者も、彼を厳しく鍛えた者も、その無惨に悄然と立ち尽くす。

琵琶湖流入河川河口ロケ地
・近江の田舎で隊士徴募の源さん、集合を待つ茶店、牧が村娘と別れの小橋、琵琶湖(茶店は湖畔の地道・松原で汀は葦原、小橋は小川の河口直近に架かるもので流れ込みとその先のエリも見えている)
・源さんに率いられた新徴隊士らが大石鍬次郎の手荒い出迎えを受ける山科の峠、不明(小丘の切り通しか)
・見どころのある見習隊士三人も参加しての浪士狩り、潜伏先の建物は東福寺通天橋(茂みから見上げ、壁や戸に見えるよう布か板をあしらってある)。ここへ行く坂道や、大石が逃げてきた浪士を斬る塀際は不明。
・先の襲撃の際の残党狩り、潜伏先の木屋町二条の料亭、祇園・白川左岸の料亭。浪士たちが入って逃げる高瀬川は白川
・また隊士徴募に赴く源さんが行く田舎道、仰木の棚田か。
*源さんの人のよさが仇になるのも、大石鍬次郎の愛の鞭が裏目に出るのも深い。源さん、娘と対峙していたたまれないからって総司に振ってやるなよ。*屯所は不動堂村へ、建物も変わりオープンセットに。

■ 銭形平次 第299話「一度死んだ女」1972.1.26フジ/東映

 化粧っ気もなくDV亭主に虐げられるだけの日々を送る棒手振り女、或る日その亭主が殺され彼女が捕縛されるが、平次は僅かな手がかりから真実に迫ってゆく。
 ロケ地、駕籠舁きを聞き込み、亭主が殺された晩女が賭場へ行ったことを突き止める平次、今宮神社東門前に駕籠溜り(門と一和の間に葭簀張り)。女房の回想、死んだと思った心中相手と賭場の男の手引きで再会した神社、今宮神社稲荷社前。賭場を張る一家の三下(情報リークで口封じ)が死体で見つかる川端、大覚寺勅使門橋たもと・御殿川畔。賭場の親分を引っ掛けに行く文吉、下鴨神社河合社裏手の糺の森
*己を苛み早く恋しい人のもとへ行きたいと生きてきた女に真屋順子、事後はんなりと装った姿になるのがいじらしい。心中相手だった元大店の若旦那で今は渡世人の文吉に中野誠也。五百両の富籤を当てるもそれが元で殺されるDV亭主に汐路章、ヤクザの親分は加賀邦男。*女が一枚だけ隠していた晴れ着が謎解きのきっかけ、この伏線に平次夫婦の痴話喧嘩が挿まれている。
2006/11/15

■ 新選組血風録 第15話「脱走」1965.10.17東映

 脱走に至る山南の心情を、伊東甲子太郎や沖田の逸話をからめ没骨の墨絵のように描く。山南の切腹後には、土方が強行したと囁く声が満ちはじめていた。

音羽の滝ロケ地
・屯所、民家長屋門
・伊東の宴からの帰り、藤堂に疲れたと漏らす山南、三井寺唐院から晩鐘への坂。
・医師・半井玄節邸、不明(妙心寺大雄院に似るような)
・沖田が玄節の娘と行く清水寺、本物。三重塔、舞台が映り音羽の滝へ。「あも」を食す茶店は滝の脇、子安塔への道が見えている。
・娘と別れた沖田に声をかける山南、三井寺村雲橋。このあと話しながら歩く道は唐院前。
・脱走した山南を追い大津で見つける沖田、琵琶湖(窓外に湖を望む建物や葦原、松の庭は唐崎か)
*山南の処分について幹部連にはかる近藤、各人の個性が出て傑作。一番に名指されて混乱し壊れたレコードみたいな源さん、アタシならと的外れな原田が笑えるが、永倉の逃げが最終的に土方に来て「局中法度」の流れは見事。明里の登場はなく、切腹も沖田が刀を拭っているシーンで表現され終始抑制が利いている。

■ 銭形平次 第298話「女房関白」1972.1.19フジ/東映

 番頭あがりの婿養子で恐妻家の京屋の主、その割には客の芸者にべたべたしたり、挙句は茶屋女に手を出し美人局に遭う始末。この脇の甘い男と、愛する我が子とお店を守るため女将がとった奇策を解き明かすのが主題のお話。事件解決後、もう一枚打たれていた布石が「生身」で出てきて、悪い癖を出しかけていたやもめの亭主はけちょんけちょん。
 ロケ地、成田参詣から急遽戻ってきた京屋の坊が襲われる街道、北嵯峨農地竹林際。
*婿養子は玉川良一、女将は姫ゆり子でラストに出てくる遠縁の女と二役。小憎たらしい小僧は雷門ケン坊、美人局のワルは黒部進。本家の大旦那に雇われ坊を襲うチンピラの一人に福ちゃん、潜んでいた親分たちに石ぶつけられ腕ひしがれて散々な目に。

★本日の刀舟先生に彦根城使用例発見、イメージだけど。同じくヨロキンの破れ奉行、津波のテロップ入っちゃった…こないだの長七郎には地震のぶるぶるマーク(けっこう可愛い)が左隅に入ってた。スカパーしか見てない人もいるから仕方ないしあれぐらいは許容範囲、ふだん時報入ってても気にしないし。地上波だったら点滅の地図入りだもんね。
2006/11/14

■ 新選組血風録 第14話「狂った盃」1965.10.10東映

 禁門ノ変後、長州征討について喧しい世情に、各方面を周旋して回る総長・山南。根回しを頼んだ隊士に口止めしたことが、無用の死を呼ぶ。
建仁寺 開山堂
ロケ地
・世論沸騰を語るナレーションに被り二条城隅櫓と会津本陣、前者は本物で後者は大谷祖廟通用門。
・佐野が斬った浪人の死体を運ばされた職人の話から事実を突き止めた目明しが、河合に耳打ちする市中、建仁寺茶碑前。
・佐野が斬った浪人の遺族に山南からの金を届けに行った沖田と原田だが、引っ越したあとで会えず帰る道、建仁寺両足院前〜久昌院(浪人の妻女と知らず風車を拾ってやる)開山堂前。屯所は民家長屋門
*孤立しはじめる山南を描くのに持ってくるエピソードは陰惨、酒乱気味の佐野がパニくって見るぐるぐるイリュージョンが効果的。佐野に好意を抱いたことを恥じる浪人の妻女と沖田らが行き違うのも、よく利いている。

■ 銭形平次 第297話「盗ッ人の涙」1972.1.12フジ/東映

 三年前犯した盗みを深く反省し生きてきた左官の棟梁、そっくり返すつもりで貯めた金を狙う元の仲間、また盗まれた先で勤めをしくじり浪々の身に妻子を亡くした男と、それぞれの思惑が交錯する展開。娘を救いに入り刺された棟梁が差し出しお縄を乞うたた血塗れの手は、力なく落ちる。
 ロケ地、左官の棟梁・政蔵が浪人に襲われる夜道、金戒光明寺東坂下石垣際〜極楽橋。政蔵の娘がさらわれ、金持って来いと指定の下谷満願寺、金戒光明寺石段・鐘楼(浪人が飛び出してくるのは長安院下坂側から)。上総屋へ乗り込み政蔵に口を割らせると番所を飛び出し走ってゆく浪人、娘の無事を祈り水垢離をとる政蔵を見る神社、木島神社(水垢離は元糺の池、浪人と平次が見遣るのは舞殿脇)。旗本屋敷から逃げたルートを調べ、可能か船頭に聞き込みに行く大川端、嵐峡(嵐山は紅葉)。十手を持たず政蔵を諄々と説く平次、吉田神社竹中稲荷(三高碑への石段、舞殿脇)。船頭の徳松がさらった娘を隠している霊岸島の船小屋、上賀茂神社ならの小川に船と漁具をあしらい船着きとし、奈良社北神饌所にライトが当っている(船小屋内部はセット)
*政蔵に水島道太郎、徳松は穂積隆信、浪人は尾上鯉之助。

■ 太閤記 〜天下を獲った男・秀吉〜 第3話 2006.11.14テレ朝/東映

 お市の方浅井へ輿入れ後、すぐに義昭を奉じ京に旗をたてる信長。藤吉郎は、千宗易に聞いた見せ場をここと見定め、金ヶ崎城退き陣の殿軍を買って出る。

ロケ地
・岐阜へ義昭を招く信長、織田の家来居並び迎える寺、神護寺石段。御所は京にと義昭に宣言するのは毘沙門堂縁先。
・浅井へ嫁ぐお市の方のお供をつとめる藤吉郎、谷山林道。襲撃を受けるのは酵素ダート。小谷城城門、彦根城太鼓門櫓
・上洛する信長、京イメージの塔は仁和寺塔。義昭を入らせる御所、二条城二の丸。織田軍が宿舎を構える寺、随心院大玄関(現地設定に非ず/信長が宿所にしたのは主に洛中の法華の大寺)。お市が娘を産んだことを京の信長に報告にやってくる長政が通る道、随心院裏塀
2006/11/13

■ 新選組血風録 第13話「強襲十津川屋敷」1965.10.3東映

 純朴な勤皇の志に燃える十津川郷士が、尊王の旗手たる水戸の志士を斬る皮肉。薩長の密約成り情勢がめまぐるしく動くなか、鉄砲玉にされる田舎剣士の哀れを描く。
保津峡
ロケ地
・十津川郷の民がゆく山川、保津峡落合河口
・郷士たちが京を目指してゆく道、保津峡落合崖道崖下桟道
・十津川屋敷を出た長州藩士たちが刺客に使えそうな者の忖度をする帰り道、白川畔。
・刺客に「抜擢」され潜伏場所へ案内される十津川郷士の若者、白川巽橋を渡り辰巳大明神脇を通る。
・新選組屯所、民家長屋門
*長州藩士に加賀邦男と波田久夫。波田氏が水戸浪士の「替え玉」の正体を見たときの表情が傑作。

■ 銭形平次 第296話「初手柄娘岡ッ引」1972.1.5フジ/東映

 年老いた目明しが捕われの賊を逃がす失態、娘はお上の冷たさに憤慨し仲間を語らって捜査に当る。なにしろ凶悪な相手なので人質になってしまったりするが、解決は彼女の働きとする平次、駆けつけた老父に縄尻を渡し手柄を譲るのだった。
 ロケ地、仲間の鳥追い女を始末した血刀を洗う賊に立ち向かうお清たち、広沢池東岸(漁具あしらい。平次のお説教は堤の並木)
*お清に大川栄子。平次にも剣突を食わせるお転婆。

■ 水戸黄門36 第15話「お娟が挑んだ女の対決」2006.11.13TBS

 水禍を蒙った民を救おうと、藩祖の宝櫃を開ける決心をする徳山の殿様。その藩主の命を狙うのは、凄腕の雇われ女忍者だった。
 ロケ地、先乗りのお娟が手荒な誰何を受ける街道、酵素ダート。峰蘭太郎の馬廻組が女忍者にやられるのはこの先の広場。下城してくる馬廻役を出迎え宿の礼を述べるお娟、金戒光明寺鐘楼裏手〜長安院下坂。ここへ襲撃をかけた女忍者を追い込むお娟と助格、墓地。逃げる女忍者を見かけるアキ、東坂。女忍者が手下の山伏と潜む小屋、酵素河川敷(強襲を受け爆破して逃げる)
*殿様に江藤潤、悪家老に成瀬正孝、馬廻役に冨家規政。福ちゃんは馬廻組で、お娟誰何と小屋強襲場面に登場。
2006/11/12

■ 眠狂四郎 炎情剣  三隅研次監督作品 1965.1.13大映

 仇討ち真っ最中の女に助けを求められた狂四郎は、望みのものを与えるという女の言葉を聞き介入。しかし夫の恨みを晴らし家名を復す天晴れ貞女と見えた女は、実はとんだ使命を帯びた冷血の女。大藩の家老が仕出かす悪事も豪商の都合も知ったことではない狂四郎だが、か弱き者に魔手が伸びるのを放置できる男ではなかった。

ロケ地
・仇討ち現場に行き合わせる冬ざれの田地、亀岡か(田には霜がおりている)
・仇を討った檜垣ぬいと共に赴く藤堂藩江戸屋敷、仁和寺本坊表門、大玄関。
・吉原裏の浄閑寺、不明(墓地)
・札差の鳴海屋が置いていった女・小笹を藤堂藩江戸家老のもとへ駕籠で連れてゆく路地、不明(大寺境内の路地ふう石畳、角地に腰板塀の蔵)
・鳥羽水軍の末裔が隠れ棲む品川の漁村、琵琶湖(遠景の砂州と汀の植生から判断。湖西か湖東かは不明。漁帰りのおりょうとやり合う水辺には、葦のほかヤナギが群生)
・鳥羽水軍末裔の最後の一人である下働きの健気な娘・かよを狙った檜垣ぬいを阻止したあと、彼女の夫の法要が行われる寺へ乗り込む狂四郎、永観堂。ぬいや藤堂藩江戸家老に藩士らが僧侶に続き進む廊下は御影堂裏手廊下、ぬいの悪行を指弾する狂四郎が回廊から現れる。家老の命ではじまる立ち回り、臥龍廊を駆け上がり開山堂へ通じる高みでチャンバラ。さまざまなアングルで撮られていて、上手に塔がのぞき、諸堂の甍が映し出され、ピントは合っていないが市街地遠景も入っている。死屍累々の剣戟は御影堂正面へ移動、ここで家老を討ち果たす。この間に狩場で鳴海屋の通報を聞いた藩主が馬を走らせ駆けつける道が挿まれていて、下鴨神社の馬場。家老の助勢に駆けつける一隊は阿弥陀堂への石段を駆け上がり、やって来た藩主に制されるのは御影堂前(家老個人の悪行で切腹を命じた・他の死者は病死と宣言する藩主は狂四郎の嘲笑を買う)
・ラストシーンは冒頭の田地と同じ、ぬいが声を掛けるや狂四郎の刀が一閃。
*家老の手先で鳥羽水軍の末裔を探るスパイの檜垣ぬいに中村玉緒、かよを殺しに来る際の目つきは血も凍る怖さ。冒頭「仇討ち」でぬいに殺される、実は鳥羽水軍関係者の浪人に伊達三郎、尺は短いが存在感たっぷり。妙にぬいを庇い立てする、色香に迷った男の一人の藤堂藩家中の腕利きに上野山功一。鳥羽水軍から取り上げた財宝を私し、末裔を全て始末にかかる悪家老は安倍徹。家老とつるんでいては危ないと踏み狂四郎に接触する札差・鳴海屋は西村晃、藩主にチクったタイミングを自慢・かよに会って上機嫌の怒らせたり、直後役人に捕まってたり。偶然鳴海屋の下働きをしていた末裔の一人・かよは姿美千子、再びやって来た狂四郎を見て「お侍さんまたお腹空いたの?」が可愛い。鳴海屋が狂四郎に仕込んでくれとか言って差し出す「身分の高い女」で実は妾の小笹(あとで気の毒な結末)の入墨、乞胸お雪の「まさぐり金太郎」にそっくり。

■ 恋や恋なすな恋 内田吐夢監督作品 1962.5.1東映

 浄瑠璃の名作を映画化、悲劇の恋人たちを大川橋蔵と嵯峨三智子が演じる。謡や踊りがたっぷり散りばめられ、ユーモラスな狐表現もあり、二人が子を生して暮らす和泉の里の家は舞台仕立ての書割なのも面白い。
 東に将門、西に純友が挙兵し不穏な空気が漂うなか、白虹月を貫く兆が現れ、天文博士の加茂保憲に解読の命が下る。養女の榊を快く思っていない保憲の妻女が画策し、保憲は暗殺され榊は責め殺され、愛する女の死に打ちのめされた保名の狂乱がはじまる。榊と、妹の葛の葉と狐のおこんは嵯峨三智子の三役。
 ロケ地、参内する保憲が「野盗」に襲われる糺の森、下鴨神社河合社脇。加茂家炎上後、狂気の態で彷徨う保名がゆく街道、涸れ川河床或いは干上がった池底から堤を見たものか。姫はいずこと野の仏に縋る丘、亀岡盆地か。「恋重荷」の舞のあと一転庄司たちのいる野、起伏のある芝地に松の疎林。都大路を駆け抜ける騎馬武者、下鴨神社馬場。葛の葉を榊と誤認したままの保名が野遊びに連れ出され豊穣祈願の念仏踊りを見る丘、芝地の向こうの田畑は合成か(芝地中央に刻まれた谷が飛火野に似る)

■ 新・松平右近 第2話「父娘を結ぶ神田川」1983/4-9

 涙の親子再会もの、一目父にと願う娘にとても会わせられぬチンピラを更生させる右近。説得に応じ中間として働き始める男だが、彼が雇われたのは勘定奉行の金脈である、斬罪が確定した山師の身代りにするためだった。
 ロケ地、勘定奉行の家来が囚人の身柄を渡すよう牢屋敷の友人に頼む茶店、大覚寺心経宝塔前広場に床机あしらい。小伝馬町牢屋敷、大覚寺明智門。なかなか父親であることも認めない松造を根気よく説得する右近、大覚寺護摩堂大沢池池底(庭湖石が露出)。牢の火事で解き放ちになった山師の仙吉と松造の服を替えさせる瑞泉寺鐘楼、相国寺鐘楼
*松造に小池朝雄、悪役陣は近藤宏に平泉征、成瀬正に八名信夫。勘定奉行の家来に福ちゃんがいて、乗り込んできた右近に腕をひしがれている。
2006/11/11

■ 新・座頭市2 第6話「五本の長脇差」1978.2.13勝プロ/フジ

 渡世人を気取る悪ガキ五人組、子供を死なせたくない市は好まざるヤクザの出入りに関わるが、ガキどもは性懲りも無く口車に乗り、遂に一人が命を落とす。仲間の死に号泣しドスを捨てる若者たち、もちろんガキを使嗾したヤクザは血の洗礼を受ける。
 ロケ地、上州・室田宿近くの野道は谷地田や小川等出てくるが不明。市をスカウトしに来ていた藤五郎一家と事を構えてしまう五人組、鳥居本八幡宮に縁日あしらい。鱗田一家に唆された五人組が藤五郎一家の使いに仕掛ける山道、谷山林道か。仲間の死体を乗せた大八を引いてゆく若者たちが渡る木橋、不明(下に市、彼らが川に投げ捨てたドスのしぶきがかかる)
*市を用心棒に斡旋する道中師に夏純子、鱗田の親分に山本麒一。

■ 新・座頭市2 第7話「遠い昔の日に」1978.2.20勝プロ/フジ

 市の幼馴染が二人登場、トメちゃんとは旧交を温めるが、村を出る市に花をくれた少女は凶賊の情婦と成り果てており、無惨なすれ違いとなる。
 ロケ地、庄屋宅を襲って出てきた賊とはちあわせ斬ってしまう市、摩気橋たもと民家前。凶賊出没のため検問が行われている街道、不明(坂道)。座頭市を連れてこいと命じられるも、相手が幼馴染の市と知り逃げられたことにして報告する賊の情婦、不明(丘の上の池堤)。トメちゃんがよろずやを開いている宿場の寺子屋、普済寺(市が宿場にやって来るシーンで総門、お師匠さんや子らを人質にした賊が呼ばわるのは鐘楼門、市が村人に撲り倒されるのは参道、子らが監禁されているのは本堂)
*冷酷非情な凶賊の首領は石橋蓮司、情婦に李礼仙、トメちゃんに草野大悟、寺子屋師匠に大出俊。粗暴なうえ人の心を弄ぶレンジ怖すぎ、覆面している場面が多いが声で却って怖さ倍増し。

■ 新・松平右近 第1話「稲荷小路に春が来た!」1983/4-9

 いろは長屋に越してくる藪太郎先生、さっそく馴染むが早々と事件も出来。身重の女房を抱える左官の浅吉は仕事にあぶれ、思い詰めて借金の証文を盗みに入るが、つい悪心を起こし盗った切り餅を包んだ袱紗には、普請奉行が商人と取り交わした密約の書付が入っていた。
 ロケ地、普請奉行・鏑木邸、相国寺大光明寺(門、石庭と方丈縁側)。鏑木の指図で書付泥棒を捜すため牢から出された盗っ人・卯三郎に殺された男(四人目)の検死、大覚寺大沢池・放生池流出口汀。鏑木の意を受けた北町与力とツナギをとる卯三郎、大覚寺天神島祠脇。浅吉の前に立ちはだかる卯三郎、今宮神社合祀摂社(後段の口封じも同所)
*浅吉に小倉一郎、女房に今出川にしき、普請奉行に青木義朗、つるむ口入屋に伊達三郎で番頭は森章二、卯三郎は藤岡重慶。

■ 遠山の金さん 第46話「恐怖の真昼に舞う風車」1976.8.19NET/東映

 遠山奉行を深く恨む盗賊は、失脚を狙い放火殺人等凶悪な所行を重ねた挙句、目安箱に遠山を罷免すれば犯行をやめると投書。窮地に立つお奉行だが、探りあいに競り勝つ。
 ロケ地、おすみが金さんに南町奉行がお城に呼ばれたと寄ってくる市中、仁和寺境内。大がかりな放火でお奉行への怨嗟が満ちるなか、身を捨ててもとお不動様に祈るおすみ、仁和寺水かけ不動尊。手当たり次第の殺しが連続するくだり、死体発見の場面二つは大覚寺五社明神祠裏と御殿川河床。水野老中の指示で一時役宅から私邸に移る遠山の駕籠を襲う刺客、大覚寺参道参道石橋。おすみが情報漏れは茶飯屋と気付くシーン、不明(手すり越し)
*お奉行に協力した密告者の女房に岡田可愛、奉行焼死と聞き花を供えに行って一味に見つかってしまう。賊の首領は南道郎、奉行は死亡と思い込み望むお白州での表情が傑作。

■ 必殺仕事人V激闘編 第15話「主水、卵ひな人形をこわす」1986.3.7ABC/松竹

 蔵にいっぱい集めたのを眺めるのが至福という、雛人形フェチの大身旗本。妻を早くに亡くした人形師は、遺言を守り嫁ぐ娘に一世一代の作品を持たせようと励むが、その雛が旗本に阿る悪徳商人に狙われてしまう。
 ロケ地、父も許婚者もワルに殺され放心した娘に雛を届ける加代、嵐山自転車道
*「卵雛」は田中さまが手慰みに作る「手芸」。旗本の接待には「人間雛」なる悪いお遊びもあり、職人の娘も女雛に仕立てられ毒牙にかかる寸前の寝所に主水。

■ 必殺仕事人 III 第10話「子供にいたずらされたのは主水」1982.12.10ABC/松竹

 一分金に紐をつけて大人をからかう坊、食い詰め浪人の逆鱗に触れ斬られてしまう。坊の親父は裏で顔役とつるんでおり、浪人は私刑・妻子は始末の仕儀に。顔役と浪人には経緯あり、裏の顔を知られたくない事情があった。
 ロケ地、顔役の手下に連れ去られた子らを追った順ちゃんが二つの死体を発見する溝、今宮神社石橋下。
*顔役は堺左千夫、殺された坊の親父は波田久夫。
2006/11/10

■ 新選組血風録 第12話「紅花緒」1965.9.26東映

 田舎侍に侮られ屈辱を受けた青年は、武士の身分を得るため新選組に。腕はからきしだが妙な経緯で採用され勘定方となるも戦闘集団に身を置くには欠格、必然とも言える落とし穴が口を開けていた。

辰巳大明神ロケ地
・下駄屋の清作が行商中侍にからまれ荷を損じる祇園町、祇園・白川畔の石畳
・姉への贈り物を買いに、見立て要員の原田と町へ出る沖田、祇園・辰巳大明神脇〜白川新橋
・屯所、民家長屋門
・高田清作が公金受領に赴く会津本陣、大谷祖廟北側通用門。強盗に変じた護衛の隊士に斬りかかられる壬生村の川端、不明(橋標に御旅橋の表記)
*下駄屋の兄妹は橋爪功と土田早苗、公金を強奪する隊士の一人に川谷拓三。*高田の悲惨な切腹のあと、夜道で刺客に遭った土方が草履を痛め買いに入ったのは清作の実家というエピソードは、同趣向の話が結束信二脚本になる「維新の篝火」にも出てくる。映画ではヘマを仕出かし腹を切る平隊士が里見浩太朗で、履物屋で土方が罵声を浴びるのは同じだが親父は生きていて志村喬。

■ 銭形平次 第295話「餅搗きの音」1971.12.29フジ/東映

 非常召集がかかり町方総出で追う大事件を放擲し、お店者が掛け取りの金をカツアゲされた「ちんけな事件」を選ぶ平次。万七の下衆の勘繰りを耳にした手代が絶望し、とんだ事を仕出かしかけてドラマに起伏をつくる。
 ロケ地、手柄手柄とうるさい八を置いてカツアゲ事件の調査に出る平次、追っかけてきた八が平次を見かけ追うが見失いもとの所でばったりの神社、下鴨神社河合社(入口前、東塀際)。これは強盗事件解決のヒントとして樋口さまに言上←賊の逃走経路でもめているところへ一石、足もとを見よのアドバイスに。
*樋口さまに逆らってまで手代を救おうとする平次、責めは己一人にとどめようと八を樋口さま預けにする気遣いも見せる。これを聞いてた八っつぁん滂沱の涙。これをかぁるくブチ壊してくれるのが万七親分、平次は俺様を出し抜くつもりで手代の件に着手とおだを上げる…これを聞いていきなり包丁を手にする手代もちょっとアブナい。*タイトルは毎年忙しくて平次が餅を搗いてくれない件、今回はぎりぎり間に合い杵を振るう。それにしても臼とりするんなら手洗えよハチ。

■ 逃亡者おりん 第4話「哀紡ぐ女の里」2006.11.10TX/C.A.L

 野盗に襲われる娘を助けるおりん。娘の里は女ばかりで特産の織物を紡ぐ山里、野盗は道悦の姑息な入れ知恵で、里の奥に眠る信玄のお宝を狙っていた。
 ロケ地、倉沢が「助けて」メッセージ入りの布を拾う川、清滝川(これに先んじて映るタイトルバックの富士山を合成した川は不明、野洲か愛知か或いは大堰川か)。千寿の里、家居は美山・北村の集落で、全景のほか個人宅や民家資料館などたっぷり使われる。柵を立てて野盗と攻防のシーンは酵素河川敷。野盗のアジト近くの鎮守は鳥居本八幡宮、広場を中心に鳥居前などを使う。おりんがゆくルートを高みに立ち忖度する道悦、谷山林道頂上付近。里の奥にある、白糸の滝と同脈の龍神を祀る禁域、谷山林道を入ってすぐの谷山川端の波切不動。里を発ったおりんに密書のことを聞く倉沢、谷山林道頂上付近。おりんは愛宕道のほうへ去り、巡礼姿で街道をゆくEDでは切り通しのほか作業場から向かいの崖道を見るアングルも。
*倉沢に遺恨ある男が手鎖人になって現れたり、道悦が女たちに囲まれ姑息に逃げて慨嘆したり、入浴中に野盗の襲撃を受けたおりんがレオタード姿になったり、なんか荒っぽいけどとにかく派手。野盗の中に福ちゃんもいて賑やかで、海老反りはおりんのが派手。江戸城では忠光がブイブイで宗武は登城禁止言い渡されたりしてて、若き田沼意次も出てくる大風呂敷。
2006/11/9

■ 新選組血風録 第11話「槍は宝蔵院流」1965.9.19東映
清水寺・子安塔
 烈士に紛れた不純物は取り除かれる。近藤の縁戚であることを振りかざす中身の程も怪しい追従者は、口先ひとつで斎藤一に失態の責めを押し付けるが、真実を知った土方は近藤の名誉を守るかたちでの処断を考えていた。

ロケ地
・屯所、民家長屋門
・大坂町奉行に乞われ出張する三番隊と七番隊がゆく京街道、穴太の里付近(一行が渡る欄干の低い橋の親柱に「あなおはし」の記述。現在犬飼川にこの名の橋は無く下河原橋なども架け替わっているが、或いは現在亀岡運動公園になっている所かもしれない)
・大坂、浪士が集まる天神境内、不明。七番隊を全滅させた浪士らが気勢を上げる北新地の料亭・二軒茶屋、不明。
・妾宅から出てきた谷三十郎が斎藤一と試合う「清水坂」、清水寺・子安塔(茂み越しに清水さんの堂塔が霞んでいる)
*谷に対する幹部連の態度が傑作。ことに、七番隊が全滅したのは斎藤が悪いと谷がわぁわぁ騒ぎ立てる座敷に、浪士らを斬って返り血を浴びた斎藤が入ってきた際、それまで谷に辟易し渋面を作っていた土方はじめ沖田や大石も満面の笑みに変わるのがいい。

■ 銭形平次 第294話「八五郎が縛られた」1971.12.22フジ/東映

 父の死後番頭と再婚した母が許せずグレる青年、若いしかわいそうな奴なんだとおイタを見過ごす親分だが、彼の父の死にも関わる悪党が荒事に出てきて物騒な展開に。おしまいは、平次の説諭に感じた青年が家業に目覚め、番頭を父と認める成長ぶりを示すめでたい展開。
 ロケ地、弥市と伊吉がおゆきに無体を仕掛ける駿河台の神社、松尾大社(お松がおゆきを誘い出し入ってくるシーンは楼門をバックに、弥市がおゆきに悪罵を浴びせながら迫るのは舞殿脇、駆けつけて二人をとっちめた八が逃げる背に匕首を放るのは用水の橋付近、伊吉が背に匕首を突き立てた死体で見つかるのは楼門脇の塀際・用水脇)。悪党の使嗾を受け弥市を操っていた専造が「水死体」で見つかる花川戸の大川端、宇治川右岸・朝霧橋たもとの屋形。騒ぎを見ていた船頭に潮目を聞いた平次らがやってくる、専造の死体を投げ込んだと推測される柳橋の大川端、宇治川中州・橘橋たもと(川端に朱玉垣、ずっと行くと「伊勢屋の寮」が仕立てられていて、派流越しに宇治川左岸堤が見える)
*弥市に池田秀一、伊吉に「正ちゃん」二瓶康一、弥市の母に加藤治子。*腹立ち紛れに伊吉に匕首を投げつけた八っつぁん、一時殺人犯として極刑も覚悟の立場に追い込まれてお気の毒、万七親分があまりゴネなくて良かったね。
2006/11/8

■ 新選組血風録 第10話「刺客」1965.9.12東映

 公家絵師の情報漏洩は尊攘派の怒りを買い、天誅を加えようとする向きに狙われる。所司代の意向で新選組からも人が出るが、もはや無価値となった男の護衛が長丁場に及ぶことに誰しも倦むのだった。

仁和寺参道ロケ地
・冷泉為恭邸へ「天誅」に向かう長州浪士たち、仁和寺参道(背景に塔)。ここは冷泉家の下女・お清の回想シーンでも出てきて、内儀とお清が雪景色にいる。
・冷泉為恭邸、不明(萱葺の門で塀は細竹編み、料亭ふう)
・長州藩京屋敷、御所管理事務所東門
・為恭を狙う浪士たちがツナギをとる市中、仁和寺水場下。
・田舎へ帰るお清が都を振り返る山道、御室霊場脇を鷹峰へ抜ける道か(地道)
*同じ作者になる「幕末」に『冷泉斬り』があるが、趣向は全く違う。ドラマは、内儀が尊攘浪士に斬られたのは自分のせいと気に病む下女と、「任務」を黙々と果たす大石鍬次郎と、妾にうつつを抜かすほかお清にもちょっかいを出す為恭と、三様の思惑が交錯する。冒頭、為恭は唾棄すべき男だが護衛は任務としつこく言う土方がおかしい。*下女に御影京子、為恭を狙う長州浪人に戸上城太郎で手下の十津川郷士に西田良。

■ 銭形平次 第293話「お鯉の仇討」1971.12.15フジ/東映

 痴情の果ての意趣返しを仇討ちの美談に仕立て上げる、とんだ女狐。しかし脅迫者を殺した一件から、騙しおおせたはずの平次の目が真実に向き始める。
 ロケ地、お鯉が旗本の鈴木又兵ヱを付け狙い「討ち果たす」神社、不明(暴将第1シリーズ「将軍の花嫁なんていや!」でも出てくる神社←後段平次が偽の文でお鯉を呼び出す天神さまも同所の摂社と思われる)。船頭・文吉が殺されて見つかる大川端、桂川河川敷。お鯉が密会に使っていた屋形船、船頭・忠助の回想の材木町河岸は嵐峡
*お鯉に弓恵子。
2006/11/7

■ 新選組血風録 第9話「池田屋騒動異聞」1965.9.5東映

 土方の信頼も厚い監察・山崎蒸の秘話、過去の経緯から長州を憎む彼は池田屋探索に精励、薬屋に化け入り込んだところ、憎悪のおおもとの男を見る。「武士の鑑」であるはずの男が見苦しく逃げ回るのを仕留める山崎、肉薄の殺陣が見もの。

御所管理事務所東門ロケ地
・屯所、民家長屋門
・大坂船場・高麗橋の鍼医・林屋五郎兵衛邸、上賀茂・社家町屋敷の一つ。
・山崎が目録を授けられたのを祝い芝居に誘う道場主の娘、御所九条池畔か。
・山崎が大高忠兵ヱと長州藩士に面罵される長州藩大坂屋敷門前、御所管理事務所東門
・池田屋への紹介状を貰うためまず伏見の船宿の馴染みになる山崎、薬屋のなりで歩く京街道は松本酒造前東高瀬川堤
・池田屋に入り込み浪士の会合について情報を掴んだ山崎がツナギをとる高瀬川、山崎が渡る橋は白川巽橋、お薦さんで張り込んでいる同じく監察の島田魁は白川新橋の上。
*大高忠兵ヱは赤穂義士・大高源吾の子孫、山崎は大石内蔵助の片腕なるも離脱した千石取りの重臣・奥野将監の子孫という設定。原作の、道場主らが薄々知っていた設定を変え、大高出現までは師匠の娘や道場仲間とは和気藹々で前途洋々だった山崎が一気に突き落とされる、わかりやすい図に仕立ててある。先祖のことを聞かされるのが父の臨終というのも小説とは違うが、これも絵的に効果高し。

■ 銭形平次 第292話「平次撃たれる」1971.12.8フジ/東映

 手術をしくじり妻を死なせて以来、身を持ち崩した蘭方医を立ち直らせる感動もの。事件は贋金作り、医師との関わりは呑んべ医者に金を立て替えて痛い目に遭った為さんつながり。捕縛の際弾を浴びた平次は、彼に治療を要請する。
 ロケ地、一味が利用する座頭を尾行し取引現場を押さえる平次、弥ノ市が渡る橋は今宮神社石橋、ヤクザと座頭金を交換するのは境内にしつらえた茶店。
*蘭方医・花井順庵に谷啓、おちゃらけたキャラクターが、抱えるトラウマを際立たせる趣向。辛い思いを酒で誤魔化し、陽気にカッポレを歌う彼を覗き見る親分の表情が秀逸。谷啓のお笑いも楽しいが、せっかく順庵が小判落として合図してるのに「耳鳴り」で見逃す万七、撃たれた按摩を運び込んで順庵に手術を迫るシリアスな場面で「お前さんもう手術の用はなくなったわ」がけっこうブラックなお静などレギュラー陣もいい。

■ 太閤記 〜天下を獲った男・秀吉〜 第2話 2006.11.7テレ朝/東映

 墨俣に橋頭堡を築き美濃を攻略し、天下統一の意思が示される過程を描く。藤吉郎は軍師・竹中半兵衛をくどき落し自軍に迎え、岡惚れしたお市の方の輿入れに激する。

ロケ地
・藤吉郎をお供に遠乗りの信長が次はあれと美濃を指す峠、谷山林道
・竹中半兵衛の隠宅を訪ねる藤吉郎、直指庵本堂。
・尾張領内に内緒で建ててある道三の墓に参るお濃とお市、普済寺墓地。
・お市の方の野遊びにお供する藤吉郎、沢ノ池。お昼をつかう水辺は東岸汀(花々あしらい)、帰りがけお市が藤吉郎の妹にと匂袋を渡す野は堰堤下手の地道。
・墨俣橋頭堡、日野川→参考・日野川中流域
・お市の方浅井に輿入れで絶叫し水辺を走る藤吉郎、琵琶湖岸

■ 必殺仕事人V風雲竜虎編 第19話「主水ひとりぼっち」1987.7.31ABC

 最終回は大仕事で解散のおきまり、的は大奥のお局さまで仕事料は千両。仕掛けはとんとんと進むが、この日御金蔵破りも同時に起きて大騒ぎ、からくも逃げおおせるものの金は取れず、主水を残し仕事人たちは散ってゆく。
 ロケ地、雲龍の元締が主水を呼び出す湯島天神境内、大覚寺五社明神(背景にライトアップされた心経宝塔。後段、元締が町方に捕われるのも同所で昼間)。お城イメージ、姫路城天守。雲龍一座がお城へ向かう堀端、彦根城内濠端。城門、彦根城天秤櫓。芸を見せる大奥の庭、枳殻邸印月池畔芝地(御席はゲストハウスに、お女中が渡るのは侵雪橋)。脱出の地下水路、大覚寺有栖川に蓋。御金蔵破りが金箱を運び出すのは彦根城佐和口多門櫓と濠。逃げた仕事人たちが落ち合う行徳河岸、流れ橋。政がゆく野道、北嵯峨農地田畔。影太郎とお玉が別れる山道、谷山林道(お玉は下り道を、影太郎は登り道をゆく)
*雲龍の元締は島田順司。
2006/11/6

■ 新選組血風録 第8話「長州の間者」1965.8.29東映

 竹生島参詣で縁のできた女と深間にはまった浪人は、結婚のための就職でとんだ役目を与えられる。言われるまま新選組に入るも、間者として何の働きもないまま僅か二日で露見し処断、眩暈のような恋は終わる。

三井寺唐院・経蔵間石橋ロケ地
竹生島宝厳寺、本物(竹生島の西側が映し出される際には飛び立つカワウの群れが見え、木も一部枯れている)
・帰り船が着く長浜港、湖西の漁村か。帰途の彦根手前の街道、湖西の小河川堤道か(はさ木のような並木が続く)
・京へ入る前に二人が参詣するお堂、浮御堂(通常のルートからははずれている。寄り道?)
・京都へ帰り着いた二人が再会を約するお寺、三井寺唐院三重塔下。再会のデートも唐院。塔や潅頂堂が映り、経蔵へ渡された石橋が効果的に使われる。
・二人が逢瀬を重ねる出合茶屋、錦水亭
・屯所の門、民家長屋門
*心象風景に何度も挿まれる水面や、彦根の旅籠の明滅する行灯などの視覚効果も面白く、半ばまで新選組など全く出てこない、細かい経緯をばっさり省いたシナリオとよく合っている。

■ 銭形平次 第291話「蒲鉾の板」1971.12.1フジ/東映

 清吉殉職で涙の葬儀という展開が長々と続くが、弔いが終わるやひょんと現れる本人。ひょっとして俺ホントは死んでるのかな、なんて呟く落語じみたおとぼけをかます清吉だが、死体は彼の双子の弟で、小田原城御金蔵破りに関わっていた経緯が明らかとなる。
 ロケ地、「清吉」の土左ヱ門が上がる大川、罧原堤下河原。正体を現した最後の賊が清吉の弟の女房をタテに割符だった「蒲鉾の板」持って来いと要求の水又神社、御香宮(本殿脇、祠や摂社が使われる。お宝を埋めてあるのもここ)
*いつもに増しておとぼけ風味の清吉だが、割符を持っていく役目や、弟の遺児に父の死を告げる役目を買って出る侠気も見せる。雷門に捨てられ養父に死なれあちこち盥回しのすえグレかけていたのを万七に拾われ、という身の上が出てくるのにも注目。親は九十九里の漁師。

■ 必殺仕事人V風雲竜虎編 第18話「身代わり大名悪人討ち!」1987.7.24ABC

 影太郎の双子の兄の殿様が登場、病の殿様をよいことに藩では悪企みが進行中だった。もちろんタイトル通り太郎さんが化けてお屋敷に入り、悪を懲らして一巻の終わり。
 ロケ地、影太郎が藩の事情を聞きこんだ腰元(じいの姪)を問い詰め、やりすぎで殺す家老一味の高遠藩士、大覚寺五社明神船着(小)。その検分、大沢池北西畔。影太郎の回想、幼い日山寺に訪ねてきてくれたじい、不明(お堂は蔀戸、背後に回廊)。じいにツナギをとった政が影太郎のもとへ連れてゆく橋、大覚寺天神島朱橋。二人が再会するのは護摩堂。使者が語る、若君が死んだ笹子峠、谷山林道か。
*悪家老に内田勝正、じいに内藤武敏(依頼人)。

■ 水戸黄門36 第14話「父子結んだ石州和紙」2006.11.6TBS

 頑固親父に反発して家を出た息子が戻る話、和解のプロセスに職人対決なんかあって、悪事に利用されていた息子が囚われるのは印籠で解決。
 ロケ地、津和野入りの一行が和紙製造のために筋トレ中の職人親子(頑固親父と亡き長男の嫁)に出会う坂、不明。城下イメージに鯉群れ泳ぐ津和野の掘割。お小夜が戻っている義弟・恭平(次男坊)を訪ねる仕事場、酵素民家セット。石州和紙横流しの探索に出る一行が渡る橋、中ノ島橋(覗き込む水面に群泳の鯉をインサート)。横流しを持ちかけにゆく庄屋屋敷、民家門。津和野を発つ一行、酵素河川敷
*頑固親父に綿引勝彦、未亡人の嫁に長山洋子、庄屋に津村鷹志。次男・恭平を襲う一味の頬被り侍の一人、およびラス立ちの裃侍に福ちゃん、ほんのチラっと。
2006/11/5

■ 信長の棺 2006.11.5ANB

 信長を敬愛する書役・太田牛一は、焼け落ちた本能寺から遺体が見つからなかったことに拘り続け、曲折を経て真実に辿りつく。時間の推移は本能寺ノ変直前から太閤の死まで。ドラマの主体である謎解きのほか、太閤に強要され歴史を曲げたことに落胆するさまや、亡妻に似た侍女とのロマンスも見どころ。

ロケ地
・安土城、外観はCGで内部は信長の館
・秀吉の要請に応じ京へ発つ信長が出る城門、姫路城菱の門
・本能寺、門は大覚寺大門(高所からのクレーンショットと内側)、内部の建物は例の砕石場様の崖下にセットを組んだ模様(焼いてるし)
・光秀の軍勢がゆく街道、大堰川堤か。
・信長から託された五つの箱を埋める林、鳥居本八幡宮広場
・謎の手勢に拉致された牛一が目隠しされ連れてゆかれる道、酵素ダート
・十ヶ月の間幽閉される海辺の村、間人
・幽閉場所から連れ出された牛一が前田利家と秀吉に会う金沢城、本物(外観のみ)
・旅の途中顔を洗う牛一に追いついてくる楓、清滝河原
・信長の法要、三法師ぎみを抱き輿でゆく秀吉の行列、仁和寺参道
・牛一に切りつける小鶴(一回目)大覚寺有栖川畔。
・大坂城勤務の牛一、イメージに大阪城天守
・牛一が遺骨を必ず見つけだすと胸に期する大坂城下の道、大覚寺大沢池畔/小鶴に襲われるのは天神島朱橋(二回目)
・太閤軍紀を書き上げたあと隠居した牛一が住まう天満の屋敷、宝厳院通用門
・光秀が本能寺へ向かったルートを検証する牛一が辿る洛中の道、中ノ島橋大覚寺心経宝塔を合成。
・愛宕神社の神官に聞いて訪ねる茶屋四郎次郎の別邸、不明(萱葺の門)
・大坂城に呼ばれ信長公記の編纂を命じられた牛一に、変当日本能寺にいた娘を引き合わせるお鍋の方、姫路城好古園お屋敷の庭
・太田梅庵と弓を競う牛一が、娘に聞いた信長の本能寺襲撃時の態度について疑問を話す弓場、上賀茂神社北神饌所裏手(奈良社に幔幕あしらい)
・本能寺の地図を検証し浮かぶ抜け道出口の南蛮寺、宇治・興聖寺山門(外観のみ)
・抜け道を探っていてリンチに遭った楓を療養させる有馬の湯、不明(岩風呂)。有馬の太閤の湯、不明(石樋)
・「山の民」の楓の祖父を訪ねる丹波の里、酵素(崖際に窯あしらい、家は民家セット)
・楓の祖父が差し向けた、遺骨の在り処を知る僧が属する京・阿弥陀寺、普済寺(山門の内外ほか境内)
・太閤の死後、僧が牛一を案内する信長を密葬した墓地、大覚寺遣水跡
2006/11/4

■ 遠山の金さん 第45話「雨ふり花」1976.8.12NET/東映

 美人局を生業とする亭主に更生を約させ、罪を一身に着て遠島となった女の哀話。御赦免となるも出迎える者なく、亭主は悪さをやめていないばかりか娘を使って荒稼ぎをしていた。
 ロケ地、お参りして出てきたおりきを囲む美人局一味、大覚寺五社明神。死んだと聞かされた娘の墓へ行くおりき、ロケかセットか不明。おりきが一味の娘・おさちに若旦那との祝言をやめろと迫る祠、大覚寺天神島。雨降り花を摘み母が帰ると喜ぶ幼い「おさち」、大沢池畔か。白州へ向かうお奉行、大覚寺回廊。白州を下がってくるお奉行、大覚寺宸殿裏廊下
*実の娘を手にかけたおりきに情けをかけ罪一等を減じてやるも、感謝しつつその場で果てる悲劇に、お奉行のシメの文句も「これに…これにて一件落着」と湿る。おりきは高田敏江、亭主の美人局親方に中山昭二。*雨降り花はコヒルガオ、摘むと雨が降ると言い伝え。雨降りの時しか傍にいてくれない母を引き止めるため、おりきの娘が手いっぱいに折り取る。

■ 必殺仕事人V風雲竜虎編 第17話「恐怖の辻射ち!」1987.7.17ABC

 講武所の新設が決まり、教授方のポストをめぐり醜い企みがなされる。父に代わって鍛錬のすえ強弓を見事引いてみせた息子と、倅の成長を喜ぶ父は、殺された挙句汚名を着せられてしまう。
 ロケ地、競射が行われる御弓場、相国寺法堂方丈の間に幔幕張ってしつらえ。警備に狩り出された主水は回廊に座り込む。見物衆が取り付く竹矢来は方丈西塀際にあしらい。影太郎が夜鷹たちとともに射られたことを主水に告げに来るお玉は法堂基壇。大貫流弓術道場、大光明寺。大貫流の若様が稽古の林、大覚寺天神島
*ブルワーカー設計して政に作ってもらう大貫の若様は大橋吾郎、ライバル道場の父子は中田浩二と伊庭剛(夜鷹を的に稽古)。中田浩二、矢持ちすぎ。

■ 仕掛人 藤枝梅安 2006.11.4CX

 悪逆の大身旗本親子に仕掛ける話、調査と遂行の間に梅安の日常もしっとりと描かれる。削られている逸話もあれば、他の話から引いてきた肉付け部分もある。
小杉との出会いは的と梅安を間違えたことから。「蔓」の元締は音羽の半右衛門。

ロケ地
・冒頭、梅安の説明になっている役者殺しの段、八幡掘明治橋堀端(屋形船で商家の女将と密会のところを仕掛ける。梅安は船頭で)
・殺しのあと彦次郎宅に泊まった梅安が翌朝の帰り道に渡る橋、八幡掘白雲橋
・品川台町、梅安宅近くの雉子の宮、大原野神社二の鳥居付近を中心に使う。
・呼ばれて行って逆子を取り上げる梅安、酵素民家セット
・的の若様を尾行する梅安と彦次郎、八幡掘堀端(上下二段の個所)
・安倍長門守が倅の取り巻きの道場主に近江屋から金を毟った件について話す座敷、智積院書院(築山から縁側を見るのと、座敷から庭を見るのとアングルは二方から)
・若様を嗅ぎ回っていた岡っ引の死体が見つかる川、中ノ島橋下手汀(若様と道場主が橋上から見ている)
・音羽の元締と会い話を引き受けると告げる梅安、大覚寺天神島祠裏手。
・若様に仕掛ける源森川、西の湖園地(待ち構える三人は湖畔、梅安が船に飛び降りる源森橋は園地水路の橋)
・小杉に仇討ちを頼んだ飯盛女の弟である炭屋の小僧を呼び止める梅安、真如堂(梅安がいるのは茶所、参道を楽しげな親子連れが通る。見て寂しそうな顔になる坊に寄ってゆき芋を与える梅安は水場と塔の前)
・長門守と近江屋へ仕掛ける寺島村の料理茶屋・大村、宝厳院通用門。
2006/11/3

■ 銭形平次 第290話「死者の証言」1971.11.24フジ/東映

 普請場の事故で落命した親方が臨終に際しわざわざ平次を呼んでした「告白」は罪作り、娘を思っての行為がかえってとんだ泣きを見せる羽目に。
 ロケ地、大工の親方・勘五郎の墓、黒谷墓地。勘五郎の「証言」により釈放される乙松を待つ平次、小伝馬町牢屋敷は京都御所管理事務所北門(平次がいるのは向かいの官舎の門)。乙松にツナギをとろうとした遊び人の前に現れる平次、下鴨神社河合社裏・池跡(巨倒木あり)。巡礼姿の乙松を誰何する万七(ちょっと聞いただけで見逃し)下鴨神社参道(鳥居前)。平次がいるのにも構わず乙松に抜け荷で得たお宝を要求し襲いかかる九紋竜の伝造一味、六郷の渡しは木津堤(主に堤法面を使い、茶店などあしらい。堤上からわっと一味が出てくるほか、立ち回りは茶畑でも行われる。渡し場なので橋はけして映さない)
*やはり悪党で罪も本当だった大工の弟子・乙松に佐藤充、慕ってくれる親分の娘には誠心を見せ仲間の教唆にも乗らず。親方は原健策。

■ 新選組血風録 第7話「菊一文字」1965.8.22東映

 勧められて行った医者で余命を告げられる沖田、そんな彼の手もとに古刀がやってくる。七百年というその刀の寿命に比べ己が命の儚さを嘆じる沖田は、身に危機が迫っても刀を損じることを恐れ使えない。しかしそのとき抜かなかったことが、沖田に尽くしてくれた親ほど年の離れた篤実な男を死に追いやってしまう。

東福寺 一華院・同聚院間路地ロケ地
・倅も同じ病で死んだと話し、沖田に診察を受けるよう勧める一番隊配下の日野、八坂神社境内(本殿や拝殿など派手なものは映らず、灯籠や献灯、玉垣などでそれと判る)
・新選組隊士が陸援隊の戸沢に斬られる路地、長楽寺参道
・医師・半井玄節邸、不明(大寺の塔頭様)
・玄節に余命を告げられた沖田が、帰途言い渡された療養方針を守れないと呟く橋、祇園・白川巽橋(心象風景に川面も映る)
・そのあと訪れた刀屋で菊一文字を渡された沖田が、戸沢の襲撃を受ける路地(原作設定は松原通堀川下ル)東福寺一華院・同聚院間路地
・一番隊の出動、屯所の門、民家長屋門(沖田は菊一文字を佩びず)金戒光明寺参道石垣際〜三門下石段(山崎丞が逃げられたと告げに来る/沖田発作)〜引き上げる一番隊を見下ろす戸沢らは参道石垣上・背景に浄源院。
・沖田の薬を取りに行く日野のくだり、町を走る戸沢一味は東福寺一華院北東塀(ラウンド部分)、日野が斬られるのは一華院門前
・日野の死後仇を討つため菊一文字を佩び戸沢を捜す沖田、日野の死んだ現場で山崎に戸沢の動向を聞かされる段、隊には知らせるなと言って去る沖田が登ってゆく石段は東福寺大機院石段。
・大坂へ下るという戸沢を高瀬川で待ち構える沖田、川は二つの異なる個所が使われているが不明。ひとつは往路のシーンで、落差工のある川端に水車、待ち構え斬り合いのシーンには木橋、いずれも三面張りの都市河川っぽいが前者は中流、後者は谷口付近と思われる。この間、玄節の娘に声をかけられる街路が挿まれるが、これも不明。
*戸沢一味が引き上げる一番隊を見下ろすくだり、福ちゃん発見。ぼさぼさ髷で濃いメイク、最後のほうは西田良の顔に隠れて見えなくなる。

■ 逃亡者おりん 第3話「哀しみの乙女恋唄」2006.11.3TX/C.A.L

 三島宿で追い詰められたおりんは、かつて父の配下だった男の家に保護される。男は孫娘の幸福を先途と生きる世捨て人で、おりんを助けることを旧主への恩報じと動くが、悲惨な結末となる。
 ロケ地、おりんが追っ手の山伏に襲われる山道と崖、酵素か。追っ手をやり過ごしたおりんが「五色米」の合図を見る河原、清滝河原。おりんの父の配下だった藤七の家(元は隠密宿)酵素民家セット。藤七の孫が男に孕んだと打ち明けるも、相手は元締に命じられたおりん捜しに夢中のくだり、神護寺五大堂毘沙門堂。藤七がおりん探索の噂を確かめに行き見つかってしまうくだり、仁和寺塔付近(経蔵前に崩れ塀をあしらい)。藤七が「隠密宿」を爆破し追っ手を防いだあと、おりんの前に現れる追っ手、鳥居本か。追っ手を仕留めたあと血塗れの手を洗うおりん、神護寺大師堂(倉沢とのやりとり)。男の亡骸を乗せた大八を引いてゆく藤七の孫、神護寺石段下。
*藤七に長門勇。
2006/11/2

■ 新選組血風録 第6話「鴨千鳥」1965.8.15東映

 虎徹を届けた女と再会する土方、二人の機微が描かれる話。女が親しくしている芸妓は幾松で、桂小五郎が気障にからんでくる。土方に女というので、隊士一同忖度するのがおかしい。

御香宮ロケ地
・浪士に襲われる土方がおみねに出会い料亭に匿われるくだり、夜道や料亭・千鳥は円山公園あたりか。
・屯所、民家長屋門
・長州の間者になれと迫られ千鳥を辞めたおみねが筵を広げ人形を売る三条室町の辻、御香宮境内東域、舞殿の南の玉垣際。店を仕舞い帰るおみねが御高祖頭巾の幾松とばったり会う市中は本殿脇。人目を避け物陰で話す二人は境内北西隅の摂社脇。
・桂小五郎の潜伏先へ出動する新選組、料亭らしき建物、不明(萱葺きの門は斬り捨て御免第1話などでも出てくる建物、他の入口や沖田が押し渡る川等は見当つかず。設定は東山の見える鴨川沿い)
・幾松に教えられた三条室町の辻へ行く土方、先述の御香宮境内。おみねを伴い歩く土方、本殿脇〜参道(ここでおみねの荷物を持ってやり、鴨河原へ誘う)
・鴨河原、岸辺と水面ぐらいしか映らず判断に苦しむが、桂川だとすれば嵐山の臨川寺地区くらいしか該当せず、ケヤキ並木や川幅も些か苦しい。昭和40年の鴨川なら撮れたかも知れないが特定し難い。
*「ごこんさん」は各所を違う場面にうまく使ってある。北西隅の立木の向こうの境外は、今は建て込んでずいぶん様子が違う。*幾松姐さんや女将に按摩の京言葉がよくできているので、「歯切れのいい江戸女」のおみねが引き立つ。原田に「女にかけては坊や」と言われている歳三、その通り少年のような態度がかわいい。

■ 銭形平次 第289話「いつか青空」1971.11.17フジ/東映

 角兵衛獅子の幼な子は親方に拾われた捨て子、失敗すると声を荒げ怒る親方だが実は優しく子らにも慕われている。ここに贋金事件と坊の身元がからみ、人情劇が繰り広げられる。
 ロケ地、お静が角兵衛獅子を見る町角、上賀茂神社ならの小川(お静の背後に藤棚、途中で雨が降ってくる)。良太の親を捜していると札を下げている蝦蟇の油売りに声をかけるお女中、相国寺湯屋。角兵衛獅子が営業しているところへ、良太の親が見つかったと走ってくる芸人仲間、上賀茂神社北神饌所前。番町の旗本・宗方邸、相国寺大光明寺に似るが不明。
*角兵衛獅子の親方に西村晃、別れ際に見せるベタな泣きが圧巻。猫ババの件で早合点の万七に捕われた際にはいかにも下手人って名と顔とか言われてて笑える。その万七、賭場潜入で浪人に変装のムシリ頭なかなかお似合い。*伝兵衛を引き取ってきた親分がひょうたんで飯を振舞うのに呼ばれたお静は「勘定奉行」。

■ 必殺仕事人 III 第9話「年末賞与を横取りしたのはせんとりつ」1982.12.3ABC/松竹

 お城の畳替えの仕事を取りたい商人と、横領の穴埋めをしたい役人が結託。ハメられるのはライバル店の職人で、前科を利用される。
 ロケ地、子を捜す政吉に誘拐したと告げ錠前師の腕を貸せともちかける以前の仲間、広沢池池端。
*政吉に平泉征。*順ちゃん試験勉強で仕事パス、自宅謹慎中の主水にツナギをとるため加代は熊野権現の札売り巫女に。

■ 必殺仕事人V風雲竜虎編 第16話「白か黒か大商人誘拐騒動」1987.7.10ABC

 お城の畳替え入札を競う三つの店、出し抜こうとする悪党は一人を殺し自分は誘拐された芝居で、残る一人を罪に落とす。悪党の女房がヤクザの妹というのがちょっと捻り部分。
 ロケ地、お城イメージに姫路城天守。談合持ちかけが不調に終わった宴席の帰りに誘拐される大蔵屋、大覚寺五社明神。船に乗せられるのは大沢池船着(小)。誘拐された筈の大蔵屋が女房と屋形船にいるのを目撃する下女、大沢池(柳原堤)

★紹介してくれるのは光栄だけど、京都を全て回ったとか書くのやめてよ…全然行けてないし、だいたい記事のそこらじゅうに××不明○○不明って書いてるでしょが。恥かしいよホントに…社寺の説明だって覚えてること書き散らしてるだけなんだから、穴掘って入りたくなるよ。
2006/11/1

■ 必殺仕事人V風雲竜虎編 第15話「江戸大仏からくり開眼」1987.7.3ABC

 砂町にできた金ぴかの大仏は見たとおりの銭吸い仏、非難した者は罰と称し殺される。的に蝶丸の昔馴染みが含まれていて、悪たれ坊主もさすがに沈む。
 ロケ地、不覚の名を絵馬から消そうとして影太郎に阻まれる蝶丸、大覚寺護摩堂。大仏一味の巫女と寺社方吟味役の駕籠をつけるお玉、有栖川畔。悪事に気付き逃げ出した不覚が追われ、その駕籠へ助けを求めてしまうのは五社明神、不覚がここへ至るのにくぐるのは大沢池木戸。不覚の女房を見送る蝶丸とお仙、北嵯峨農地
*不覚は津村隆。

■ 新選組血風録 第5話「海仙寺党全滅」1965.8.8東映

 新選組三番隊隊長・斎藤一の人柄を活写する一話、ものに拘らないお人よしな面と豪胆さがないまぜの男・斎藤が巧者によって顕現する。お話は、あるかなきかの縁で斎藤を頼り入隊した男が、入隊動機だった情婦に見返られ間男に斬られた件で、斎藤が紹介者として「責任」をとるもの。侍にあるまじき死に方をした男の一分を守ってやる斎藤、たった一人で誰もが手を焼く暴れ者の水戸藩士たちを殲滅する。

三面大黒天ロケ地
・斎藤を語るナレーション部分、ひとり町をゆく斎藤(中倉に呼び出され酒肆へ赴く道筋)大谷祖廟参道石畳大覚寺明智門前〜祇園・白川畔。
・中倉が情婦・お小夜の家へ行く道、石塀小路
・三番隊の巡察、長楽寺参道
・水戸の過激分子・海仙寺党が高歌放吟しつつ闊歩する町、出てくる水戸家京屋敷は大覚寺大門、ゆく道は祇園閣を望む大谷祖廟参道、アジトの海仙寺は不明(門越しにお堂)
・女衒が海仙寺党首領の赤座を引き合わせるお小夜の家、石塀小路(赤座を内偵中の岡っ引が見張っている。セットと併用)
・お小夜の家で中倉を斬った赤座が、お小夜を連れて逃げ込む寺、三面大黒天
・中倉の死を見届けた岡っ引が斎藤を呼び出し経緯を告げる市中、知恩院放生池橋たもと(背景に納骨堂が映り込む。原作では屯所が不動堂村だがドラマでは定かではなく設定不明←沖田と将棋中に呼び出されすぐ帰ってくるので屯所近く)
・斎藤が単身入る海仙寺、不明(塀は五本線入り、門からお堂へはさして距離なし、門前に大きめの碑、門は普通の棟門)
・三番隊を率い巡察の斎藤、大谷祖廟参道祇園・白川(以降二件不明、円山公園内に似た石段と東屋/伽藍を望む丘の上・塔入り)
*原作を大幅に変えてあるが、主人公のスタンスは斎藤によく似ている。お小夜は三島ゆり子を配したゆえか妖艶な悪女設定で、家の設定は原作通りの寺町ではなく祇園界隈かも知れない。

■ 銭形平次 第288話「明暗一節切」1971.11.10フジ/東映

 お上から表彰の沙汰もある篤志家の裏の顔は悪辣、捕えたと思いきやもう一枚裏があり、お静を含む女たち危機一髪の切所には、平次の心意気に感じた頼もしい助け手が現れる。
 ロケ地、万七が御用の帰り道で怪しい事態を見るもしくじる夜道、今宮神社東門(虚無僧にやられ昏倒)かざりや(裸足の呆けた娘がふらつく)。お調子者の金太がお町を待つ門、日吉大社東本宮楼門(お町が本命とデートは境内)。水戸街道をゆく平次、坂本か。一月寺、慈眼堂(山門、廟所前)。事後、お参りの平次ファミリー、木島神社(本殿、舞殿)
*悪党の手下の偽虚無僧が暗躍、これの攻略が見どころで、樋口さまが尺八好きなのから説き起こし普化の詳細が語られる。神君認可云々のアレは時代劇の決まりごとでフィクションだが、銭形平次というかっちり作られたスタンダードなドラマでの描写ゆえ貴重な一件。*平次の捨て身の訴えを聞く一月寺の重鎮・竜耳軒に田崎潤、元与力と匂わせる憎い設定。「篤志家」の平戸屋は沢村宗之助。*偽ぼろんじが娘をさらう手口に催眠術なんかあって笑える。親分もやられかけるが、根性でしのぎ銭で仕留める。
←2006/102006/12→

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて  ・サイトトップ