河川用語解説  ら行、わ行

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流域 集水区域・灌域とも。ある河川に水を供給する範囲。その河川の分水界線に取り囲まれた地域。流域の平均幅を延長で割ったものが形状係数で、洪水の出方に関して治水上重要な数値である。長大で多くの支流もつ河川などは流域面積が大きい。世界最大はアマゾン川の705万平方kmで、日本最大は利根川である。
隆起準平原 準平原が隆起し高度を増したもの。この地形は新しい輪廻の原地形となる。以前からあった河川は嵌入蛇行して流れるようになり、更に新しく小河流が発達してこの地形を開析する。例;北上・阿武隈両山地、中国山地、美濃三河高原
流出率 河川流出量と降水量の比をいう。一定期間における河川の流出量を上流からその地点までの流域面積で割った商(流域全面に一様に広げたとしての水層の厚さ)と、その流域の平均降水量との比をもって表す。流出率は乾燥気候帯や平野では小さく、湿潤気候の地域や山地で大きい。日本では地形が山がちで降水量が多いので流出率は大きい。cf.主な河川の流出率 エルベ川27.8、ライン川44.2、ボルガ川31.6、ドナウ川32.5、ポー川65.9、ミシシッピ川23.5、アマゾン川27.7、ナイル川4.3、黄河19.8、揚子江39.1、石狩川98.2、富士川62.8(各数字は%)。
流水量 流量とも。河川を流れる水の量。ある地点の横断面を単位時間毎に流下する水の体積をもって表す。ふつう毎秒立方メートルまたは毎秒立方尺を単位とする。特に毎秒立方尺のことを個とよぶこともある。流水量を求める方法には堰測法・流速法・水位法・指薬法などがある。流水量は降雨や季節により変化し、年変化・日変化あるいは永年変化がみられる。
直径2mm以上の岩石の破片。風化・侵食により生じる。丸さにより円礫・亜円礫・亜角礫・角礫に分ける。粒子の大きさにより巨礫(?256mm以上)大礫(コブル、64〜256mm)中礫(ペブル、4〜64mm)小礫(グラニュール、2〜4mm)。礫が堆積し石灰質・粘土質で固められ礫岩となる。cf.◎大砂(1〜2mm)粗砂(1/2〜1mm)中砂(1/4〜1/2mm)細砂(1/8〜1/4mm)微砂(1/16〜1/8mm)沈泥(1/256〜1/16mm)粘土(1/256mm以下)
輪中 濃尾平野南部、木曽三川の下流一帯にある輪形の堤防で囲まれた低湿地をいう。また、この地域を輪中地域という。往古よりたびたび洪水被害を受け、対策として住民は部落ごとに堤防を築き、家屋は盛り土の上に建て、最も安全な高みに「水屋」を設けた。江戸初期までは農民自身の力で輪中を開いたが次第に出資者と開拓者が分かれ商人資本により開かれる場合もあった。現在同地方には約45の輪中があるが、治水工事の進歩により本来の意義は失われつつある。
湾処 河川敷にできた池状の入江。本川から独立した溜りも含めていう。本来は淀川のワンド地形に使用したが、現在は広くこういう地形を指して使用する。

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