飛鳥川  中流  明日香村中心部


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明日香村橘・岡境付近

南都銀行 石舞台古墳を右手に見て北上を続けた川は、明日香村の中心部へ入る。
河畔には竹林が密生し、笹が川面に垂れかかる。
河床は一面の砂地となり、あまり岩は見られなくなる。
あたりは町となり始めるが、銀行も左写真の如く景観に配慮したつくりとなっている。

明日香村川原・岡境 高市橋から 左上流、右下流望

 上写真の高市橋は県道155号多武峰見瀬線に架かる橋で、この西には村役場のある飛鳥の中心地。
この付近からは河床に岩も見られなくなり、ほぼ中流域の相を呈する。
川岸には、水が運んできた植物が繁茂する。

高市橋付近の川面

吉野川分水路 高市橋の北では、吉野川分水路のパイプが横断している。
これは東幹線水路で、このあと山中を暗渠で貫き桜井へ導かれてゆく。
水に乏しい奈良盆地にとって江戸期よりの懇願であった山向こうの豊かな水は、吉野・熊野地域の電源開発に伴い戦後に至って実現し盆地にもたらされた。
水は、冬季には流れていないことが多い。

橘寺 川原寺

 高市橋の西方には、聖徳太子生誕地とされる橘寺と、天智帝が母帝のため建立した川原寺が向きあって建つ。
北を望めば大和三山、この地に立つと古代のひとびとの息吹が聞こえるようである。

明日香村川原・飛鳥境 飛鳥橋から 左上流、右下流望
右写真左手の丘は甘橿丘

甘橿丘下 このあと、川は甘橿丘の東をめぐり、飛鳥の地を出て国中(くんなか)の中原へ流れてゆく。
河床には大量の砂が押し流され、砂州を形成している。季節によっては、取水の影響でほとんど水が無いこともある。
甘橿丘付近の川沿いには歩道が整備され、ここを歩いていると時おりカワセミが川を上下するの見る。
甘橿丘は蘇我氏が居宅を構えたとされる小丘で、付近には飛鳥寺や浄御原宮跡に水落遺跡と、史跡が多数残されている。
←左写真は甘橿丘の裾を巡る飛鳥川(明日香村飛鳥)、上流望


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