下流部 交野ヶ原 大阪府交野市〜枚方市
■ 交野ヶ原
交野市星田北・天野が原町境・交野橋から 左上流、右下流望 左写真の鉄道はJR片町線 |
交野市では低い丘陵を縫って北西流する。平地に出てまもなく天井川となり、高い堤が続く。
流域は物部氏にゆかりがあり、古くから耕作が行われた。
桓武帝が星祭りを行った壇は交野にあり、百済からの帰化人が住み着いたことと併せ周囲に七夕伝説を多く残している。
また、交野ヶ原の情景は多くの歌人たちによって詠まれ、その風光を愛された。
交野橋から見た川面 |
川はよく砂を流し、ごく浅い。交野橋付近ではまだあまり濁りも入らず、淵は澄んで碧い。
多数の鯉が泳いでおり、釣り人の姿もよく見かける。
交野市星田北の天野川左岸には、長大な緑地公園が設けられている。
桜も多く、花期には交野桜越しの天野川を眺められる、市民のよき憩いの場である。
河床には古い床固工が見られる。泡がたつなど、些か水質に問題あるものの、サギやカモなど野鳥の姿は多い。
交野市私部西 | 左の堰上に飛来したコサギ |
■ 枚方
上写真は枚方市山之上東町の7号枚方大和郡山線・浜橋から上流を見たもの。右から藤田川が流入している。この付近は諸支流が集まってくるところ。
川幅はいよいよ太くなり、水量も増すが相変わらず浅く砂がち。
堤道も、このすぐ先でくぐる国道一号線もよく混雑する道で、延々と渋滞の列が続いている。
枚方市磯島南町・新町境 府道13号・かささぎ橋 |
かささぎ橋下の流れ 上流望 |
七夕伝説に因むかささぎ橋も渋滞スポット。この橋は天野川に架かる最後の車道。
川は枚方市駅の北方で大曲がりし、淀に向かう。
この最下流部では、護岸はコンクリートで固められ堤外地にはあまり緑は見られない。
堤は、直登するのが苦しいほど高く作られている。
河口 枚方市磯島・岡境 | 左写真魚道アップ |
天野川最下流部の、淀川に注ぐ手前には礫を利用した浄化施設が設けられている。
河口手前の堰にも、天野川の特徴である砂がしらじらと溜まっている。
魚道は、遡上するには少し難儀をしそうなタイプ。
上写真は河口右岸堤から国道170号の枚方大橋を遠望したもの。
橋と天野川河口の間の淀川左岸河川敷には「ひらかた水辺公園」が広がる。
ここは折々に各種イベントも開催される広大な施設で、往時の舟運をモチーフにしたデザインがなされている。