■ 信楽の盆地 信楽町中心部
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■ 盆地に出る
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信楽町神山市場 大平橋から 左上流、右下流望 |
信楽町神山(こうやま)で、大戸川は信楽中心市街を抱く盆地に出る。
川幅はゆったりと広がり、明るく開けた盆地の東縁を北に向かう。流路は、市街地から愛宕山を隔てた郊外を、小丘を縫って続く。
河床の砂は、雲母が陽をはじいて輝く。ここ信楽が陶器の一大産地であるのは良質の陶土を産出する故であるが、その土と同じ成分が河床に見られる。このため、信楽の川には赤茶けた河床が多い。
■ 陶器の町
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信楽町長野 旭橋から 左上流、右下流望 | |
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旭橋 駅から続く炎の美通りに架かる | 旭橋下の河床 |
陶器神社のある愛宕山を巡った川は、信楽駅の西方・旭橋下で最初の大支流・信楽川を入れる。
川幅もますます広くなり、汀には特徴的な砂地を見せている。
旭橋は、駅から新宮神社に突き当たる「炎の美通り」と名づけられた道に架かる。
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旭橋上 市街地を望む | 店先のタヌキ群 |
旭橋には、特産のタイルで装飾が施されている。
近辺には早や多くの陶器店が軒を連ね、大小さまざまのタヌキが整列して客を迎える。
■ 紫香楽の盆地
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信楽町牧 牧大橋から 左上流、右下流望 |
市街地を過ぎた川は、勅旨(ちょくし)で一旦狭い谷地を通り、牧で再び広い野に出る。ここで国道307号や信楽高原鉄道と別れて西に流路をとる。
このあたりには古代、聖武天皇の紫香楽宮が造営された。幾度も繰り返された聖武帝遷都の宮のひとつで、僅か半年足らずという短命に終わった謎の多い宮である。
今は宮衙の面影も無く、雲井川も大戸川と名を変え、草深いなかを流れてゆくのみである。
市街地より自然度を増した川では、川中でがさがさと獲物を探る子らの姿が見られ、傍らではのどかな野を可愛らしい高原鉄道が走り過ぎてゆく。
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川ガキ | ![]() |
黄瀬の河岸から |
黄瀬(きのせ)までゆくと、一面の穀倉地帯の中を流れるようになり、多くの堰が設けられ水が取られている。
この岸辺から北を眺めると、第二名神の工事が山を削り着々と進む様子が見られる。
撮影日 2003/8/31