名奉行 遠山の金さん2

第二シリーズ、1989年 テレビ朝日/東映


第1話 「帰ってきた桜吹雪」 1989.5.25

 マルチで庶民から金をふんだくる西海屋、裏には次期町奉行を狙う大目付がいて、これを焙りだすためお奉行初手から行方不明に。
仲間も平気で消すワルどもの跳梁と、彼らに母を殺され失語症に陥った幼女が立ち直る過程を描く。

愛宕念仏寺

ロケ地

  • 母を殺された現場で遺児・千代に聴取のお奉行、中ノ島橋(刺客出て(「堰下」にドボン→生死不明。設定は面影橋、親柱にシール貼ってある)。お供の同心は伝法。夜間撮影。
  • お城イメージ、姫路城天守。「北町奉行殺害」の件で、堀田さまが日向をはじめとする幕閣に詰め寄られるくだり。
  • 荒くれ男たちを飼ってある浜町・一休庵、大覚寺東塀木戸。表札を掛けてあるほか、鉄製の手すりを竹に擬装。
  • 大目付・日向隼人正邸、大覚寺大門
  • お紺たちとツナギをとる金さん、愛宕念仏寺(堂脇、石仏群前)
  • 堀田摂津守と話しながらゆく金さん、大覚寺放生池堤護摩堂前。

遠山金四郎/松方弘樹 水木新吾/東山紀之 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 大庭伊十郎/山内としお お千代/南風見恵子 疋六/宮路佳具 日向隼人正/長門裕之 鉄/宮口二郎 西海屋/江幡高志 窪田陣十郎/山本昌平 堀田摂津守/若林豪 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、胡桃哲 監督/宮越澄

※今回、新吾がやっと金さんの正体を知る。「あきれたもんだな」と言われちゃう遠山桜、「静まれ」なんて言い返すから笑える。半平と二八も健在、湯屋改装されちゃってるけど懲りずに潜望鏡でノゾキ。


第2話 「美少女を救え!隠密同心の怒り」 1989.6.1

 阿片摘発のお話、先に潜入の隠密回りが死体で見つかりのっけから緊迫。いよいよ隠密回りとして動く水木同心は総髪・袴姿で行動、潜入先の娘に惚れられたり恨まれたり。
焦点の諸産物問屋は、確たる信念で抜け荷はしているが実は篤志家、阿片を扱うワルは番頭で黒幕は大身旗本という捻りが入っている。旗本の白面の知識人を石橋蓮司が演じてなかなか、酷薄さも白州での憎態も良し。

西明寺

ロケ地

  • 北町の隠密回りが死体で見つかる汀、広沢池東岸
  • 水木同心を呼び出す金さん、仁和寺九所明神(文に「鷺神社・金」と記述)。後段のツナギ風景には同境内の経蔵が使われている。
  • 阿片中毒の女郎の死体が上がる汀、嵐山公園中州側岸辺
  • 阿片窟から逃げた甚九郎を追うと出る不動堂、大覚寺護摩堂。内部はセット(置いてある仏像は不動明王)、切り替えて護摩堂の扉が開く工夫。大黒屋の手下の浪人に斬られた甚九郎は堂前の茂みに。夜間撮影。
  • 抜け荷の品を隠してある大黒屋の別業、中山邸通用門
  • 大黒屋が孤児を養育している谷中・常念寺、西明寺山門。

遠山金四郎/松方弘樹 水木新吾/東山紀之 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 おこう/財前直見 結城仙之助/石橋蓮司 大黒屋仁左衛門/福田豊士 銀次/遠藤征慈 甚九郎/入江慎也 弥平/広瀬義宣 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、蔵元三四郎 監督/日高武治

※水木同心、捕物に到着の先輩に「ご苦労」、お裁きを陰で聞いて「甘い、あんなでよく奉行が務まるな」などと偉そうなのもご愛嬌。
※牢で大黒屋を密殺しようとするヤクザの手下に福ちゃん、このあとラス立ちにもいるし、お白州でも後列にちんまり座っている。


第3話 「風呂屋の亭主が謎の連続心中」 1989.6.8

 サブタイ通りの内容で、もちろん心中は偽装、狙いは高騰中の湯屋株。わざわざお上に願い出て湯屋の数を制限し、裏で悪どい真似をしてのける総元締を桜吹雪が黙らせる。
夫の心中を頭から信じない女将が潜入して危機一髪などのエピソードがあり、三つ目の心中はこの女将と桜湯のお紺をレズ仕立てで相対死のプランだったり。

今宮神社

ロケ地

  • 偽装心中用にさらわれる深川八幡の巫女、今宮神社本殿前。
  • 巫女と柳橋湯の亭主が死体で見つかる大川端、広沢池東岸汀。犯行時夜間撮影、検分は昼間。
  • 湯屋の総元締・赤坂林右ェ門の向島別業イメージ、料亭か。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お美代/本阿弥周子 赤坂林右ヱ門/御木本伸介 井筒屋長五郎/多々良純 曽乃/風見章子 三次/上野山功一 豊太/堀田真三 伊太郎/新城邦彦 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/山田隆之 監督/江崎実生

※別業で金さんとやりあうちんぴらに福ちゃん、桜を見せてるうしろでこそこそ。


第4話 「暴かれた二つの顔の美人妻」 1989.6.15

 勤続三十年の老従僕は、幼い頃より見守ってきたご主人様が大のご自慢。昌平黌をトップで出た秀才は遂に長崎奉行の内定を受けるに至るが、或る日強盗から逃れ走り寄ってきた娘を崖から落し死なしめるハプニングに遭遇、ここから苦渋のドラマが展開される。

神護寺

ロケ地

  • 宴会の帰途主従が通りかかり、娘を落としてしまう崖道、西明寺参道(指月橋や清滝河原も使われる)
  • 死なせた女の妹を呼び謝罪する飛鳥山寮、中山邸(通用門、庭)
  • 事後、妻を離縁し職を辞し巡礼となった大内兵庫がゆく寺院境内、神護寺石段(見上げ)

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お波/高部知子 作蔵/山田吾一 丹波屋/戸浦六宏 大内兵庫/南条弘二 和世/鈴鹿景子 おたつ/和田幾子 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/高橋稔 監督/斎藤光正

※タイトルの「妻」の父がトンデモ、兵庫を脅した「目撃者」の強盗を殺し屋差し向けて始末、しまいに謝罪の場に乗り込んで被害者の妹に加え従僕も殺せと指示する冷酷な札差、これが戸浦六宏。娘三人を典医、秀才(兵庫)、公家にそれぞれ嫁がせ閨閥を作り権力を握ろうとする野心ぎらぎらの闇将軍という設定。


第5話 「財テクの罠、狙われた美人画」 1989.6.29

 浮世絵で財テクが大はやり、寡作な画家・春重の絵が高騰するなか当の本人は変死を遂げる。
春重を買い漁り、入手できぬ分は人を殺してでもコンプリートを目指す両替商、浪人を仕官で釣って画を奪取のところに、お目付桜が舞う。

広沢池

ロケ地

  • 春重の「土左ヱ門」が上がる大川、広沢池東岸

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 山岡誠之助/並木史朗 琴絵/安永亜衣 山城屋治兵衛/草薙幸二郎 多岐川竜斎/小鹿番 秋野仁十郎/有川正治 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/猪又憲吾、永井かおる 監督/日高武治

※今回のワルはお白州で「金さんがやった、金さんを出せ」と自ら遠山桜を懇願という馬鹿な仕儀に。
※ラス立ち福ちゃん入り、浪人態で二回ヤラれている。


第6話 「甘い囁きは女の敵」 1989.7.6

 大旦那の信頼も厚い両替商の女大番頭、優男の誘惑にはまり危機一髪のところを金さんが救うお話。
道楽者で博打狂いの若旦那もついでに助けてやる。

下鴨神社

ロケ地

  • 元水月の女将が白骨死体で見つかる烏の森(導入にカラスの群れイメージ)下鴨神社河合社裏手。
  • 伊勢屋大番頭・お浜が優男に口説かれる神社、今宮神社稲荷社前。俯瞰あり。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お浜/黒田福美 巳之介/荒木しげる 幸吉/山田隆夫 蟹助/市川好郎 音羽の久蔵/浜田晃 綱五郎/草薙良一 伊勢屋/牧冬吉 左右吉/松田明 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/和久田正明 監督/江崎実生


第7話 「暗闇に一輪、桜小僧」 1989.7.13

 金さんに危ないところを救われた娘は、一年後肌に同じ柄の墨を入れて現れる。軽業一座にいる娘は夜な夜な盗み装束で出没、その行為は兄の仇を討つため。当の相手はまたぞろ悪事を計画中で、娘は探索中の金さんと出会うことになる。

大沢池

ロケ地

  • 幕閣立会いのもと洋式大筒の試射が行われる崖地、柳谷と思われる(黒い岩が大きく露出した、砕石場の跡のような山間の広場。「滝」もあるような感じ。崖下に設置した小屋を一個、木っ端微塵)。現場は高島秋帆が取り仕切り、火器洋式化で江戸に来る荷の護衛が、この場で北町奉行に任される運び。
  • 失脚した奥祐筆・滝沢外記邸、中山邸(通用門、参道)
  • 伝法同心が金さんに桜小僧の投げ文について報告する町角、大覚寺五社明神大沢池(木戸も映り込み)。ここで金さんが話す、一年前正田藩御用の鉄砲の荷が強奪された山道、酵素ダートか。
  • 桜小僧の目的について武太夫とお紺に話す金さん、愛宕念仏寺(堂内からのショット、バックに石仏群)
  • 釣りをしながら情報交換の堀田さまと金さん、大覚寺大沢池畔。大沢池堤の向こうに遍照寺山が見えている。
  • お袖がよそながら眺める、兄の葬儀中の正田藩邸、大覚寺明智門
  • 伝法同心を誘い出し、武器を奪う企みの蓑屋の計画を暴露するお袖、大覚寺天神島(対岸に偽役人の提灯、広小路土手設定。夜間撮影)

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お袖/三原じゅん子 滝沢外記/南原宏治 蓑屋藤十郎/深江章喜 備前屋/原口剛 疋六/宮路佳具 林之助/岩城力也 堀田摂津守/若林豪 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、蔵元三四郎 監督/宮越澄


第8話 「恋女房が危ない!べに花の秘密」 1989.7.20

 山形藩特産の紅花から上がる巨益を狙って起こる血腥い事件、紅花の色素定着に功績あった人の良い藩士が巻き込まれる悲劇を描く。
東北弁の朴訥な下級藩士を高橋悦史が熱演、死に際に至るまでとぼけた態度が見もの。

大原野神社

ロケ地

  • 青木吾平が回想の故郷の家、萱葺き門の前に緩いスロープのアレ、不明。出立の際信子といちゃいちゃ。二人耕す畑も不明・竹林際。
  • 山形藩邸お長屋付近の描写に妙心寺春光院南路地蟠桃院通用門
  • 神社へお参りの青木妻女、大原野神社本殿(狛鹿入り)、山伏らに拉致されるのは上に鳥居のある参道石段。
  • 妻女のことで青木が呼び出される麻布十番馬場、下鴨神社馬場、河合社前(夜)

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 青木吾平/高橋悦史 信子/二宮さよ子 おれん/朝比奈順子 最上屋/藤岡重慶 牧原長重/小林勝彦 黒川勘兵衛/吉田豊明 玄雲/佐藤京一 疋六/宮路佳具 権十/浜田隆広 腰元/たなかあけみ 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/本田英郎 監督/上杉尚祺

※ライバルを殺し家老と結託して後釜を狙う悪徳業者は藤岡重慶で、なかなか凶悪。これが使う怪しの山伏集団の一人に福ちゃん、お白州にもいて「証拠を出せ」と喚く。
※大名家に介入できぬ立場の金さん、悪家老の髷を切り落して証拠にしたり。


第9話 「女の挑戦!怪文書のカラクリ」 1989.7.27

 富商の内情を暴露した怪文書で大金を巻き上げる一味あり、探っていた寺社方小検使は心中だてで消されてしまう。彼に恩義を感じる密偵のお蝶は女だてらに一味に潜入、ここで借金こさえてドロンしていた亭主と出会ったり。もちろん一家にはお奉行の温情ある沙汰が下る。

今宮神社

ロケ地

  • 小検使が「心中」の船で流れ着く大川端、大覚寺放生池堤(堤上では野辺送り中)
  • 小検使殺害現場と目される墓地、不明(丘の上?大きな五輪塔あり)
  • 脅された商家のうち勇気をもって北町に駆け込んだ札差を使って一味を誘き出す上野広小路のうぐいす茶屋、今宮神社門前茶屋・一和(南町の馬鹿コンビ来てワヤ)
  • 金さんとお紺がお蝶に事情を聞く水辺、大覚寺天神島
  • 黒幕の大検使・八田の神田橋別宅、中山邸通用門

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お蝶/三林京子 美濃屋/和崎俊哉 八田平蔵/川辺久造 田之助/冷泉公裕 近江屋/外山高士 今朝三/江藤漢 壺八/中田譲治 疋六/宮路佳具 松吉/土倉有貴 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/和久田正明 監督/上杉尚祺


第10話 「誤審?殺人犯の妹」 1989.8.3

 金さん、フレームアップ事件を土壇場で解決の巻。
前科者につきまとうイヤな目明しは、悪党の手先をつとめ殺しの罪を弥之助に着せようとして立ち働くが、金さんの慧眼と、偽証したものの心痛める酌婦の情には勝てなかった。

妙心寺

ロケ地

  • 大川端の讃岐屋寮、中山邸通用門。金の受け渡し等のシーンに出てくる。イメージのみ。
  • 南町与力・春日井に接触するお紺、妙心寺大庫裏脇路地。弟が誤って人を殺めたが金で誤魔化してほしいと持ち掛けるが怪しまれ、凄まれるところへ金さんが出てへらへら笑って連れ去り。塀の上に庫裏の煙取りが映り込んでいる。凄まれるシーンは通用門前。
  • 偽証の褒美に証文をまいて貰い上州へ帰るお久、良心の呵責に耐え兼ね戻りかけるところ、池松とゴロツキが囲み刺される水辺の林は広沢池北岸。設定は板橋付近。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 弥之助/井上純一 春日井忠兵衛/清水健太郎 お久/長谷川稀世 お糸/立原ちえみ 池松/稲吉靖司 讃岐屋/中村孝雄 お滝/五代百絵 疋六/宮地佳具 中村錦司 阿波地大輔 司裕介 玉生賢司 春藤真澄 桑田範子 加藤正記 大迫ひでき 和歌林三津江 富永佳代子 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/高橋稔 監督/松尾正武

※春日井は病的な描写で、拷問シーンも執拗…あとで間が真似してみせるシーンあり。中村錦司は南町奉行。油問屋・讃岐屋は、家付き娘の嫁を殺しお滝に見られた設定、お滝は料亭の女将で、弥之助の就職を池松の口出しで断る運び→絞殺。お久は「犯行当夜」の弥之助の敵娼、岡場所の酌婦。お糸は弥之助の妹。お滝宅に勤める婆さんは和歌林三津江。ゴロツキに阿波地大輔、小峰さんほか。


第11話「税金に泣かされたおんな」 1989.8.17

 房総一帯を仕切る口入屋・武蔵屋の裏の顔は凶悪、娘を年季奉公に出して帰る父親を襲い金を奪う、世話した娘を引き込みに使い押し込みを働くなど極悪そのもの。また茂原在の農民たちが多く出稼ぎに出る事情はえげつない領主の苛政、この大身旗本と武蔵屋が組んでいやがる始末に、支配違いを飛び越えて桜吹雪が舞う。

大覚寺

ロケ地

  • 金さんが釣りをしながら見張る渡し場、広沢池東岸(桟橋、茶店設営)
  • 茂原から出てきたばかりのお房が、名主と世話役が出府するのに行き会う鎮守(?)大覚寺天神島
  • 武太夫を呼んで茂原行きを命じる金さん、大覚寺護摩堂
  • はじめ騎馬でゆく武太夫、落馬して腰を押さえつつ駕籠でゆく、大覚寺護摩堂裏手、五社明神。
  • 武蔵屋がお房を使って悪企みと金さんに報告のお紺、神護寺石段
  • 帰還途中の武太夫が、谷中門前地で茂原の名主たちが斬られるのに行き会う夜道、大覚寺有栖川(心経宝塔をライトアップ)

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 おふさ/藤奈津子 くら/風祭ゆき 榊原修理/鹿内孝 武蔵屋/田中浩 喜助/山下洵一郎 おこう/山口朱美 佐八/寺下貞信 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/本田英郎 監督/斎藤光正

※武蔵屋の用心棒・高倉喜十郎(漢字は当て字)に福ちゃん、冒頭の押し込みからラストのお白州まで出まくりの保存もの。武蔵屋探索のお紺をねめ付け「薄気味悪い浪人」なんて言われてて傑作。白州では大声張り上げて無実を主張、ラス立ち時金さんに取られた刀を投げつけられ、それ取って座敷へ斬り込み、お奉行に足蹴にされて海老反り。クレジットに名はあるもののベタ書きで役名表記無し、しかしお奉行さまはちゃあんと名を呼んでくれる。犯罪者だけど。


第12話 「裏切りの証拠!金さん指名手配」 1989.8.31

 悪徳商人やヤクザを束ね悪事の限りを尽くす「闇の一族」、元締は怪しの仮面男。北町の手及ぶを知り奉行暗殺を企むが、指示の末端には金の字がいたりする。
ヤクザの兄と、孤児養育ボランティアの妹が、親切面の篤志家に翻弄され永の別れとなる哀話が挿まれる。

神光院

ロケ地

  • 組織から抜けるつもりで北町に通じた男が消される専念寺境内、神光院中興堂前。夜間撮影。
  • おさわが兄・銀八の懐から銃を奪い投げ捨てる池、大覚寺大沢池(護摩堂前)。更生を懇願。
  • 孤児らを人質にとり監禁の下谷相生町の廃寺、中から見える風景に大覚寺聖天堂(墓石などあしらい、夜間撮影。奉行の身代わりで変装した伝法同心が岡っ引になつかれてバレバレ)

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 桂木孤風/大木実 銀八/誠直也 おさわ/五藤恭子 大庭伊十郎/山内としお 寅吉/有川正治 徳松/中田光彦 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/志村正浩 監督/江崎実生

※孤風園に金さんを受け取りに来るヤクザの一人に福ちゃん、運搬用の早桶の先棒。


第13話 「遠山奉行の涙!裁かれた聖母像」 1989.9.7

 妖怪・鳥居の陰謀、遠山奉行のミスを誘う策。金さんが私淑する元北町奉行が天誅騒ぎを起こすのに乗じた妖怪は、手先を差し向け自分とグルの商人を斬らせる方向に持ってゆく。結果は、お白州で蔭腹切っていた元奉行が果て、金さんの失政はなく鳥居の馬脚も露れず。

走田神社

ロケ地

  • 「天誅」を受けた渡海屋の番頭の死体が上がる水辺、広沢池東岸汀。
  • 鳥居耀蔵邸、随心院薬医門
  • 夜中、駿府奉行所へ馬を飛ばす伝法同心、谷山林道〜嵐山自転車道か。
  • 渡海屋の妻子が大村屋に落とされる駿府の海、間人の岬と海岸。
  • 鳥居の手先が大村屋を呼び出し折居に天誅を下させようとする神社、走田神社(参道、摂社、本殿前と内陣)
  • 折居と河原で話す金さん、大堰川河川敷。
  • 鳥居の手下・百蔵が始末される水辺、広沢池西岸湿地か。この直前に挿まれる、慎之介を止めようとして走る金さんが走る道は東岸堤。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 折原忠之/大出俊 早川慎之介/円谷浩 百蔵/樋浦勉 大村屋/西沢利明 大庭伊十郎/山内としお 渡海屋/芝本正 長谷川/楠年明 疋六/宮路佳具 鳥居耀蔵/中村嘉葎雄 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、胡桃哲、南賀明子 監督/松尾正武


第14話 「お目付け桜と姥ざくら」 1989.9.14

 老人の変死が相次ぐ。裏にはさみしい身の上の者を食い物にするワル、年寄り騙して掻き集めた金を高利貸しの資金にして荒稼ぎの極悪集団がいた。
金をとられた挙句ぶっ叩かれたお島婆さんと関わった金さん、親切に話を聞いてやり危機にはきちんと駆けつける。
スガカンの憎たらしさ全開、お白州でのバックレぶりも見もの。

大覚寺

ロケ地

  • 身投げしようとするお島婆さんを止める金さん、橋下に見えることにしてある堰は中ノ島橋上手の堰堤(金さんとお島が揉み合う橋は映画村の日本橋)
  • 首吊りと聞いて駆けつける南町助平コンビ、妄想に耽っていて後から来た伝法に追い越される町角、大覚寺観月台下付近。
  • 高利貸しの大元・越中屋について金さんに報告するお紺、中ノ島橋下河原(ここからお島婆さんを見かける設定、婆さんのいる橋は映画村の橋)
  • なんちゃって検校の竜源徳一邸、中山邸通用門

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お島/園佳也子 越中屋/菅貫太郎 長次/中田博久 大庭伊十郎/山内としお 竜源検校/岩尾正隆 酒田陣十郎/五味龍太郎 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/岡田正代 監督/江崎実生


第15話 「美女誘拐!悪事が匂う蔵の中」 1989.9.21

 老中職を狙う若年寄、猟官運動資金を調達するため御用達の菓子屋と謀り、饅頭の値段を吊り上げにかかる。このために邪魔な同業者を消し、また別の業者を娘拉致って脅し犯人に仕立てるという悪企み、巻き込まれた父子の人情話が描かれるほか、甘党の武太夫と伝法さんの食い物の恨みが面白い。若年寄も甘党で、饅頭の線からワルとつながり設定、菓子を食いながら香を聞くという、胸の悪くなるような趣味の持ち主。

仁和寺

ロケ地

  • お弓がさらわれる夕暮れの町角、今宮神社東門内石橋上。お弓拉致後、平六が新八に脅され。門越しに見えるかざりや店前に、灯を演出。
  • 夜参りのあと斬られる紅屋、今宮神社稲荷社
  • 若年寄の妙な動き等に関してツナギをとる金さんとお紺、仁和寺中門(内外両側からの撮影)
  • 脅されて罪を着た饅頭屋をお芝居で逃がす段、伝法同心が斬る真似して金さんと平六そろって川にドボンの橋、中ノ島橋
  • 御用達の菊屋について金さんに報告する伝法、仁和寺金堂前参道石畳〜石段。
  • 監禁の蔵で娘が嗅いだ甘い匂いを求めて市中を探索のお紺、妙心寺大心院前路地〜涅槃堂前路地付近。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 お弓/比企理恵 平六/織本順吉 菊屋利兵衛/遠藤太津朗 小池重房/久富惟晴 新八/遠藤憲一 清吉/山田良隆 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/猪又憲吾、永井かおる 監督/清水彰

※悪党に飼われていた浪人の一人に福ちゃん、お白州にも。


第16話 「江戸城大騒乱!将軍とおんな天一坊」 1989.9.28

 大御所・家斉が重篤という時期に持ちあがる、将軍・家慶の御落胤騒動。謎に包まれた将軍の子は長崎にいて、当時長崎奉行をつとめていた金四郎の父が関わっていたと知り、金さんは長崎へ。
御子には魔手が迫り、謎も深まるなか舞台は江戸に移り、「御母君」の意思が明らかとなる。

彦根城

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。体調すぐれぬ大御所は、家慶の世子・政之助を次期に据えよと迫るが、家慶は他の子の存在を示し猶予を願う。遠山奉行も出仕。
  • 家慶の御落胤について話しながら城を下がってくる若年寄・堀田摂津守と遠山、彦根城太鼓門櫓を出て坂をおりてゆく。
  • 至急遠山奉行に面会を求めた元遠山家用人・脇坂を連れて役宅から桜湯へ向かう伝法同心、黒イカ刺客が出て脇坂が難に遭う道は大覚寺大沢池堤。脇坂は池ポチャ、印籠がプカー(死んだことになる。場所は川設定)
  • 長崎、元木屋に保護された林少寺火災の生存者(病臥中、あとで中の人は住職と判明)が刺客に襲われ、水木(用心棒として潜入中)が防いだあと、女将の姪・お袖に話を聞く水辺、大覚寺大沢池船着(小)たもと。
  • 脇坂が持ってきた葵紋入りの産着を携え城へ上がる遠山、城を下がる際、側用人・近藤のふるまいについて堀田が話すシーン、彦根城天守下石垣際。
  • 南町奉行から遠山監視のための長崎行きを命じられる間のくだり、奉行所門は大覚寺明智門
  • 長崎に着いた金さん、大道芸や喧嘩沙汰を見るくだりは、萬福寺天王殿ポーチ、前庭。
  • 水木を呼び出し、身の父の御落胤への関わりを告げる金さん、萬福寺天真院前。
  • 長崎奉行所与力・荒木と大黒屋の密談を天井裏で聞くお紺、見つかり唐人に追われ、ヤバいところへ金さんが出て撃退する夜の林、大覚寺五社明神祠脇林間。
  • 水木ら用心棒を引き連れて、御落胤の行列がゆく街道、嵐山自転車道、東公園付近。
  • 江戸、御落胤・千丸さま御宿と看板が上がる尼寺・寂光院、常寂光寺仁王門。ここは以降何度も出てくる。
  • 墓に参るお千代、二尊院墓地十三重石塔。お供した水木は、お袖から「この世で最も不幸な人たちを納めた墓」と聞く。
  • 金さんがお千代に真意をただす寂光院境内、常寂光寺鐘楼脇。このとき、千丸が出て母を呼ばわるのは本堂基壇上。
  • 尼を尾行する水木、入って出てゆく庵は大覚寺望雲亭。庭にいたお袖と遭遇、話を聞きながら行く夜道は有栖川畔。
  • 開国を主張していた、父親である元木屋先代の遺志を継いだと告白するお千代、それに己の父・景晋も関わっていたと知った遠山奉行、助力を願うが退けられての戻り道、堀田が彼女の真意を語るシーンは二尊院紅葉の馬場
  • 近藤が大黒屋と密談をかわす屋形船、広沢池東岸から離岸。夕景仕立ての画。
  • 寂光院に押しかけた北町の役人と称する者どもがニセモノと気付いた金さん、水木や脇坂と駆け付ける夜道は大覚寺有栖川畔。
  • 刺客に撃たれ亡くなった千丸を葬ったあと、なお将軍に会う意思を示すお千代、二尊院墓地十三重石塔。
  • 遠山奉行が先導するお千代らの行列、駕籠をおりるのは彦根城天秤櫓前廊下橋。天守イメージには姫路城を。
  • 城を出てきた「千代姫」、水木がいるのに気付くシーン、廊下橋と二条城堀端を組み合わせ。
  • 近藤邸イメージ、妙心寺隣華院。うまくいったと祝杯をあげているところへ、遠山奉行が長裃着こんで現れる。このあと堀田さまに伴われ、将軍と世子も入ってくる。

遠山金四郎/松方弘樹 水木新吾/東山紀之 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 大庭伊十郎/山内としお 疋六/宮路佳具 お町/松岡知重 お千代/草笛光子 脇坂玄馬/川谷拓三 近藤伊勢守/佐藤慶 徳川家斉/岩井半四郎 徳川家慶/仲谷昇 お袖/高橋かおり 佐々木/伊吹剛 およね/春やすこ 荒木又八郎/外山高士 大黒屋/幸田宗丸 浦部駿河守/松本朝生 唐人/李一龍 千丸/草野康太 政之助/小野隆 遠山景晋/中村錦司 東竜子 新橋伸介 円尾紘一郎 笹木俊志 関根大学 遠山金次郎 峰蘭太郎 井上昭 有島淳平 森山陽介 福本清三 木下通博 山田永二 藤枝政巳 金沢秀信 浅田裕二 上野秀年 重見成人 辻本良紀 疋田泰盛 藤沢徹夫 志茂山高也 堀田摂津守/若林豪 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、蔵元三四郎 監督/日高武治

※この回はスペシャル、90分余の尺。


第17話 「仮面の女盗賊半平を狙う」 1989.10.12

 間のダンナ大ピンチの巻、抜擢されて囚人を護送中賊に襲われ逃がしてしまい閉門蟄居。彼を選んだのは南町与力、これが賊と通じあがりを掠める大ワル。金さんは凶行を目撃した少女を助け大活躍、半平ダンナの母にまで頼られるが、ご本人は最後まで脳天気で母堂のがみがみも頭上を通過、煎餅をぼりぼり。ふつうこういうお話では一回くらい見せ場とかあるのに、柳沢慎吾だからなんにも無しで、女の子に堀へ叩っ込まれておしまいなのだった。

金戒光明寺

ロケ地

  • 南町奉行所、大覚寺明智門
  • 護送中の襲撃、仁和寺塔下。
  • 賊の情報を金さんに報告するお紺、仁和寺中門
  • 賊のツナギとラス立ち、金戒光明寺本堂裏の墓地(ラス立ちは本所はずれ設定)。本堂脇の露仏も映る。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お玉/仁科幸子 間千代/宮園純子 神坂直知/有川博 青山忠良/鈴木智 夜嵐のお松/明日香尚 大庭伊十郎/山内としお せん/岸雅 暗闇の鬼三/伊吹聡太朗 堀之政/唐沢民賢 定吉/河野実 留/濱田堅志 辰造/宮城幸生 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/本田英郎 監督/清水彰


第18話 「富くじに踊らされた悪女」 1989.10.19

 妖怪・鳥居の魔手が伸びる。影富を密かに探らせていた与力が妓楼で頓死、不名誉なこの死に影富の講元との疑惑までかけて遠山奉行を追い落とそうという企み、与力の遺児がグレかけるお話も添えられる。金さんは彼の危機に駆けつけ富籤にたかる蝿も一掃、また一人部下をなくした鳥居の背に憐れみの視線を投げるのだった。

本法寺

ロケ地

  • 鳥居耀蔵邸、相国寺大光明寺門。
  • 与力を毒殺した花魁の死体が上がる川端、嵐山公園中州北岸(堰堤脇)。この見物衆の中にいた鳥居と話す金さん、大覚寺放生池堤〜護摩堂(鳥居に皮肉浴びせられ)
  • 伝法同心が、咄嗟に現場で隠した、「遺品の影富の束」を出して見て嘆息する夜道、大覚寺大沢池堤。鳥居の手の者が背後に忍び寄る。
  • 伝法が襲撃される夜の神社、吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居下。影富の束を金さんに渡す伝法、本殿前。
  • 富籤抽選所の東開山総慶寺、本法寺。楼門内外、本堂(前縁で金屏風立てて富突き)、多宝塔、境内石畳と、多人数入れてのロケ。鐘楼も芝居に使う。
  • 総慶寺で鳴らされた、合図の鐘を不審と聞く鳥居、相国寺方丈塀際。
  • 捕われた鳥居の手下が、連行中ら舌を噛み自死する夜道、相国寺大光明寺南路地。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 草野数馬/山本陽一 橘たか/渡辺千秋 杉野忠勝/勝部演之 蟹江/潮哲也 又五郎/宮口二郎 つる/弓恵子 大庭伊十郎/山内としお 鳥居耀蔵/中村嘉葎雄 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、杉昌英 監督/宮越澄

※吉原・松木楼の牛太郎に福ちゃん、クレジットはベタなれど台詞いっぱい。仲間に小船さんも。


第19話 「夜空を飛んだ女の執念」 1989.10.26

 奥祐筆の家にとり憑き、我が子を名家の養子にと願う母親を騙し金を毟り取る医師たち。物欲のほか色欲も旺盛な医師が女を襲い、はずみで殺してしまった一件から綻びがくる。その際の言い訳「黒ずくめの盗賊らしき者が逃げ去った」発言の辻褄をあわせるため、祐筆の兄で家を出た浪人の妻女に甘言を用い、盗っ人装束で屋根を飛べば息子は祐筆家の跡取りにと持ちかける…妻女はお庭番の家の出身で、お紺の軽業仲間などという無茶設定で頭ぐらぐら。

大覚寺

ロケ地

  • 養子縁組の話をしに行った屋形船で、呉服問屋の女将と船頭が殺されて見つかる川端、広沢池東岸
  • 医師宅に御隠居スタイルで入りカマかけた武太夫、背中を手荒くやられてよろばいつつくぐる木戸、大覚寺大沢池木戸。釣りの金さんに報告は大沢池船着(大)

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 佐和/白都真理 深尾兆安/西田健 笹乃屋利八/長谷川明男 きぬ代/原田千枝子 伊藤重清/芹沢名人 越前屋/水上保広 津坂織部/近藤準 菜穂/三浦徳子 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/山田隆之 監督/宮越澄

※桜を見せ暴れた金さん、最後に医師の背中をぼきごき…蒲生さんの意趣返し?その医師・兆庵の西田健、善人を装って相談事をうんうんと聞いてやる表情が、ワルいことをしている時より凶悪で怖い。祐筆の死体放置してるし。
※ラス立ち福ちゃん入り、医師と結託の船宿亭主の手下。


第20話 「マル秘大奥の女殺人者」 1989.11.2

 大奥御年寄筆頭・滝川さまは、最近京から来た御台様付年寄に対抗すべく大奥に金をばらまいて地位保全を図る。療養と称し拝領屋敷に入ってまず仕出かすのは大奥出入り商人のすげ替え、やり口は屋敷を出たとこで伊賀者に暗殺させるという乱暴さ。目撃者の遊び人をめぐり、陰謀渦巻くドラマが展開される。はじめ滝川さまはいい人と思わせ、腰元を匿った先の庵主さまの中の人は滝川さまでラストに正体を現す趣向。

相国寺

ロケ地

  • 滝川さまが療養と称し入る飯田橋の拝領屋敷、相国寺大光明寺(門、玄関、方丈、石庭、通用門、湯屋角と路地)
  • 武太夫とツナギの金さん、大覚寺大沢池畔に茶店セット。
  • 麻布白雲庵(尼寺)中山邸通用門

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 直次/石原良純 秋橋/南田洋子 滝川/池波志乃 すみ/丸山秀美 井筒屋/江幡高志 角九郎太/吉田豊明 後藤屋/瀬川新蔵 おりき/千うらら 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/本田英郎 監督/上杉尚祺

※ラス立ちとお白州に福ちゃん、フツーの家士。
※タイトルのマル秘は○の中に秘の記号。


第21話 「花火が見ていた悪の顔」 1989.11.9

 貧ゆえの殺しで父を斬罪に処された薄幸の女は、遠山奉行の励ましの言葉を支えに生きてきた。いままた彼女を襲う不幸は、博打狂いの亭主がらみ。賭場でこさえた借金のため、旧友から小金をせびる暮らしを続けた挙句女房に身売りさせるという際に金さん介入、これは同時に博徒とそれにつながる南町与力を断罪するゆくたてとなる。おまけに、博多で主家の金ねこばばしてトンズラの旧悪もチャラにしてやる、温情奉行なのだった。

今宮神社

ロケ地

  • 借金が不調に終わったと亭主に告げるお新、今宮神社絵馬堂下(茶店しつらえ/亭主は坂をのぼって去る)
  • 弥太の回想、唐津から博多へ帰る街道筋、不明(山道、林道か)
  • 博徒を追っていた南町同心の死体が上がる大川端、大覚寺大沢池畔。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 お新/山本みどり 弥太/高岡健二 立花祐之進/山本紀彦 丹後屋/柴田p彦 村瀬左近/内田勝正 藤兵衛/玉川伊佐男 筑前屋/北町嘉朗 仙吉/浜伸二 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/鈴木則文 監督/江崎実生

※博徒宅へ入る与力を迎える手下に福ちゃん。


第22話 「消えた犯人を探せ!助っ人は年上の女」 1989.11.16

 凶盗・蝮組を装いむごたらしい犯行を重ねる賊あり、裏には将軍家のお匙を狙う典医がいた。
勤務先で凶行に巻き込まれた女の息子が金さんや同心たちの間を泳ぎ回り、ちょっとお紺に惚れてみたり。お紺のことで金さんに反発を抱く若者だが、立ち回りを見て「かっけー」お白州に桜舞うを見て「参った」の運びとなり、お奉行からかって幕。

妙心寺

ロケ地

  • 伊之吉の働く普請場、神光院中興堂(本堂側にビケ組んで演出)
  • 典医と組んで殺し屋稼業をはたらく近江屋の向島寮、中山邸門。
  • 典医・室井玄庵邸、妙心寺養源院門。門前で急患を足蹴にするシーンは玉鳳院前路地、伊之吉が近江屋の手下に不審がられボコられるのは養源院塀際の松並木。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 室井玄庵/川合伸旺 近江屋/田口計 伊之吉/山口祥行 上州屋/森章二 大友源吾/黒部進 南海屋/河合絃司 八造/石倉英彦 お仲/小野朝美 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/岡田正代 監督/江崎実生


第23話 「江戸ゆきさん殺人事件」 1989.11.23

 抜け荷で暴利をむさぼる悪徳商人を懲らしめるお話に、江戸へ出稼ぎに出た人々の悲哀が重ねて描かれる。金さんは武太夫に渋い顔をされながら顔を突っ込んでゆき、悪事の証拠隠しに消されかかる若い男女を救ってやる。

北嵯峨農地

ロケ地

  • お秋の回想、女衒に連れられて行く信州の田舎道、北嵯峨農地田畦。
  • 泉州屋の荷に象牙を見つけてしまった老人足が、死体となって上がる大川端、広沢池東岸(祠あしらい)。殺されて投げ込まれる「沼」は観音島、後段で出てくる。
  • 金さんがお芝居で逃がした人足を追うも途中でへたりこむ南町のお笑いコンビ、大覚寺五社明神。その人足を訪ねてきた恋人・お秋と話す金さん、放生池堤

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 お秋/甲斐智枝美 安吉/西山浩司 武蔵屋/青木義朗 お糸/山村紅葉 鮫州の栄五郎/小島三児 大庭伊十郎/山内としお お袖/日向明子 泉州屋/大木正司 鬼辰/岩城力也 マムシの権八/佐藤晟也 虎松/脇坂奎平 疋六/宮路佳具 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/高橋稔、鈴木則文 監督/江崎実生

※桜湯に駆け込んできて伝法同心がサボってると黄色い声を上げる大庭同心、口調がほとんど「田中さま」。
※鮫州の親分の手下の一人に福ちゃん、ラス立ちにも登場・お白州では後列にちょんとお座り。殺陣の際、福ちゃんの切っ先にぺろんとめくれた銀紙発見…動きが激しいから…悪いことに目立つし。


第24話 「さらば金さん、打ち首獄門!?」 1989.11.30

 飛鳥山に第二吉原をとのプラン、老中から南町もグルのごり押しで住民を追い立て、反対者は消される騒ぎ。首を突っ込んだ金さんは密偵と認識され捕縛、罪をみんな着せられ処刑寸前に。しかしお紺の捨て身の働きにより脱出、お白州では理屈もそこそこに桜吹雪が舞う。

中ノ島橋下手河原

ロケ地

  • 北町奉行に訴えようとした長屋の住民が殺されて見つかる、中ノ島橋下手右岸河川敷。見物の民衆が橋上に配される。

遠山金四郎/松方弘樹 間半平/柳沢慎吾 伝法大介/小西博之 二八/志賀勝 お町/松岡知重 稲葉修理亮/近藤洋介 城所門之助/亀石征一郎 お美代/三浦リカ 大庭伊十郎/山内としお 三次/山西道広 仁助/下塚誠 千成屋/森幹太 文蔵/長谷川弘 清右衛門/西山喜孝 源太/森下鉄朗 お時/西尾知香 疋六/宮路佳具 堀田摂津守/若林豪 蒲生武太夫/名古屋章 お紺/池上季実子

脚本/小川英、胡桃哲 監督/上杉尚祺

※地上げヤクザの手下に福ちゃん、ラス立ちとお白州には登場せず。


※放送日について、ウィキペディアの当該項目(名奉行 遠山の金さん)を参照させていただきました。
  閲覧日/2013年11月27日


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