川を訪ねる旅

伏見 川と水と酒と

−  淀堤  −

伏見区葭島三栖町 淀堤 宇治川

 伏見港公園から淀堤へ出る。豊かな河畔林を従えゆったりと流れる宇治川が陽をはじいてきらめく。遠くには油小路へつなげるのだろう高架橋が工事中。流れは思いのほか早い。
対岸は巨椋池干拓田で、河畔には凶暴なくらい草が繁っている。夏の終わりにはここへ渡りを控えたツバメの大群が集まってねぐら入りする。
 堤を西へ歩いて東高瀬川河口を見にゆく。「酒蔵と菜の花」の風景で有名なあの川である(表紙写真参照)。

東高瀬川河口 河口のテトラポッド上から
河口部の堰堤 上手の橋から

 東高瀬川河口部は堰堤の下に大量のテトラポッドが置かれ、水はそこで勢いを殺されたあと宇治川へ注ぎ込むようになっている。このような水制が要るほど暴れるのだろうか。

カヌーを操る人 淀堤から三栖閘門を望む
三栖閘門そばの古い建物 三栖閘門

 今度は淀堤を東へ。堤を歩いているとカヌーが一隻通り過ぎていった。三栖閘門付近は工事中で、閘門自体にもシートがかけられていた。
閘門に通じる水路も工事中だったが、その脇にちょこんと可愛い古い木造家屋が建っていた。何か特別な由緒でもなければ工事に伴って撤去されてしまうかもしれない。自分だったら補修して死ぬまで使うのにな。

濠川河口 河口の水門

 三栖閘門のすぐ東で濠川が宇治川へ注ぐ。大量の水を流すので轟々と音を立てている。この下はよいポイントとなるのか、釣り人の姿が目立つ。

河口から44kmの石標 近鉄の鉄橋

 堤をなおも東へ歩くと、近鉄のトラス橋が見えてくる。河川敷の石標によるとここは河口から44km地点であるという。
堤の北には府道7号・外環状線が通っていて、車の音が喧しい。堤の上を歩ける道はそのうち途絶え、高水敷に下りて観月橋のほうへ向かう。
川岸にはヤナギ類やセンダンなど川や鳥が運んだ様々な木が繁っている。

近鉄特急通過中 地下鉄車両通過中

 近鉄の鉄橋をくぐる。地下鉄東西線ができてからは相互乗入れとなっているので、近鉄特急のオレンジ色の車両が通ったかと思うと地下鉄の白い車両がことことと渡る。

観月橋 観月橋の下から見える月見館の三十石船

 観月橋(国道24号)の橋桁の向こうには川遊びの船がもやっている。橋のたもとにある料亭のものだ。
大阪から慰安旅行で北陸や四国へ一泊二日という駆け足で行って行き帰りに疲れ果ててしまうくらいなら、こういうところでゆったり川船を仕立てて遊ぶほうが粋だと思うのだがあまり受け入れて貰えないプランらしい。

宇治川派流流れ込み付近に浮かぶ船

 宇治川派流が流れ込む平戸付近では川の中にたくさんの船が繋がれていた。対岸には酒蔵があり、なかなかよい眺め。

宇治川派流平戸樋門 宇治川派流河口

 宇治川派流河口の平戸樋門の上では年配の男性が数人車座になってワンカップで酒盛り中。まだ日も高いのに顔を真っ赤にしてできあがっている。
派流が宇治川に注ぐのを見たあと、堤に上がり派流沿いに伏見の町へ。

撮影日  2001.12.2

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