服部川

淀川2次支流 ・流入先 〜木津川淀川 ☆淀川水系一級河川 訓:はっとりがわ

 三重県西部・阿山郡大山田村と上野市を流れる、木津川の主支流のひとつ。
大山田村東境の伊賀街道(国道163号)長野峠付近に発し西流、大山田村・上野市東部を貫流し、上野市街地の北西で木津川中流部右岸に注ぐ。
一級河川の起点は大山田村村上阿波の蓑輪谷・横尾。

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■ 上流 峡谷

大山田村上阿波
県道42号津芸濃大山田線・柳ケ瀬橋から
大山田村上阿波
林道船ケ谷線入口付近

 源流は大山田村の東端の山地から来る。国道163号伊賀街道長野峠付近からのものと、芸濃町へ抜ける県道から来るものとが合わさる。しばらくは道と川しかない狭い谷が続く。
周囲の山は植林地帯で、河畔には豊かな林が続く。樹種は様々だがケヤキの大木が目立つ。

■ 中流 狭い谷底平野

大山田村平松  子延橋から 大山田村下阿波  槙野橋から

 古い宿場・平松宿付近にさしかかると谷が開け、両岸には棚田が作られるようになる。
川は幅を広げ中流域の様相となるが、この付近でもオオサンショウウオが見られる清冽な流れである。
「おくの細道」紀行を終えた芭蕉がこの付近を通りかかった際詠んだとされるのが「初しぐれ 猿も小みのをほしげ也」の有名な句で、句に因んだ菓子も売られている。

■ 中流 山間の小盆地

大山田村出後  出後橋から 大山田村真泥  真泥橋から

 出後(いつご)からは広いめの盆地を流れるようになり、川幅もかなり太くなり河川敷も広くなる。
処々に大きな堰堤が設けられ、川水の利用度は高い。河畔林には竹林が目立つようになる。
大山田村の中心部で、役場もこの盆地にある。小規模だが山裾にはニュータウン開発が見られるようになる。

■ 下流 伊賀盆地

上野市服部町
国道25号服部橋から
上野市小田・三田境
国道422号新伊賀上野橋から
県道138号の沈下橋
木津川堤外地にある
木津川との合流
右・木津川、左・服部川

 大山田村を出た川は上野市との境で再び峡谷となる。これはごく短いもので、じきに広大な伊賀盆地へ出てゆく。
上野市街地の北で大支流・柘植川を合わせたあと間もなく木津川と合わさってゆく。

撮影日 出後橋 2001.8.15 新伊賀上野橋 2002.3.17 沈下橋・合流 2003.8.3 左記以外 2003.5.4


化石採集をする人 服部川が大山田村を流れるあたりはかつて古琵琶湖があったところで、約400万年前の古琵琶湖層群のひとつ・上野層群が河床に見られる。この地層は琵琶湖のルーツとなり新生代鮮新世当時にあった大山田湖に形成されたものである。伊賀盆地に分布する地層は古琵琶湖層群のなかでも古いもので、地殻変動で落ち込んだ盆地に水が流れ込み、大山田湖(380万年前の初期琵琶湖)が生まれた。これはその後大河川の流入により消失する。
その古琵琶湖層群からは数多くのゾウやワニの足跡の化石が出土している(大山田村平田)。化石が見つかった河川敷は公園整備がなされている。
*左写真は真泥橋下の河原で化石採集をする人。この付近は粘土層で、貝の化石が多く見つかるという。 ☆参考 琵琶湖の変遷


服部川支流

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