宇陀川

淀川3次支流  ・流入先 〜名張川木津川淀川 ☆淀川水系一級河川 訓:うだがわ

 奈良県宇陀郡を流れ、三重県名張市で名張川に注ぐ、名張川の主支流。

宇陀川支流
・黒木川 ・本郷川 ・中山川 (芝生川麻生田川) ・笠間川 ・芳野川 (ほうい谷川車谷川ほうじ谷川入谷宇賀志川四郷川片岡川守道川母里川) ・町並川 ・池谷川 (香酔川) ・内牧川 (諸木野川八滝川矢谷川初生川西谷川) ・荷阪川 ・天満川 (宮川鰻守川) ・深谷川 ・大野川 ・室生川 (弁財天川黒岩川宮城川)・西の川石割川奥の谷川灰立川宇野川長谷川) ・北川 ・高寺川 ・仮屋川 ・滝谷川 ・阿清水川 (西谷川) ・滝川川 ・釜石川

■ 上流

 奈良県宇陀郡大宇陀町南西境の、吉野郡吉野町との境にそびえる竜門岳および桜井市との境の大峠付近の水を集め、宮奥ダムに流れ込む。
竜門岳の向こうには後に紀ノ川となる吉野川に流れ込む川が、大峠の向こうには大和川支流・寺川に流れ込む川が流れていて、宇陀川源流のここは紀ノ川水系・大和川水系・淀川水系の分水嶺となっている。
ダムを出た水は大宇陀町下宮奥地区を北東に流れ、関戸からは北に転じ、国道370号沿いに大宇陀の市街地へ入ってゆく。

源流部  大宇陀町宮奥  宮奥ダム湖
宮奥ダムから上流部の谷を見下ろす 宮奥の田園地帯を流れる上流部

■ 中流

 関戸峠の北で源流の谷を出た宇陀川は古い城下町の名残を伝える大宇陀の市街地へ入ってゆく。流域は谷間に開けた小盆地で、かつては伊勢と浪花を結ぶ街道の要衝であったが鉄道の開通とともに宇陀の中心はここより北の榛原へ移動した。
この高原地帯は万葉に詠われた「安騎野」で、「東の野にかぎろひの立つ見へてかへり見すれば月かたぶきぬ」の柿本人麻呂の一首で著名。大宇陀の古い市街地を貫流した宇陀川は市街地を出てなお国道370号沿いに北上してゆく。

大宇陀町野依・河合坂橋から 野依の宇陀川・クロイトトンボの産卵
大宇陀町平尾  カワセミの姿が見られる

 大宇陀町を出て宇陀郡榛原町に入った宇陀川は向きを西に転じ川幅を広げて、近鉄大阪線榛原駅の南を流れる。
榛原町萩原から萩乃里に架かる国道369号・榛原口の橋を過ぎてからは国道沿いに室生火山帯の山間部に入り、山中を蛇行しながら向きをやや北東に転じ流れてゆく。
この間の榛原の町は初瀬街道の古い宿場町で、旧道には名残りをよく残している。周辺では新興住宅地の開発がめざましい。

榛原町下井足
31号榛原菟田野御杖線・榛原大橋から
榛原町萩原・萩乃里境
橋はR369、墨坂神社前

 荷阪川を右岸に受けるあたりから流れは滞り始める。室生ダムによる室生湖のはじまりである。室生湖の湛水域は榛原町東部から宇陀郡室生村に及ぶ。
室生ダムを出た宇陀川は室生村大野で室生川を左岸に受ける。室生川合流のすぐ下には古刹・大野寺があり、宇陀川を挟んで対峙する対岸の岸壁には11.5mもの高さを持つ巨大な磨崖仏が彫られている。後鳥羽院の勅願になるものと伝える。磨崖仏を前に宇陀川は激しく瀬を噛み、大きく蛇行して流れてゆく。室生村三本松地区からは国道165号と近鉄大阪線沿いに北東流し、三重県名張市に至る。

湛水域 榛原町檜牧
平成榛原こどもの森公園
室生ダム(室生湖) 室生村大野
堤体上から
室生村大野
対岸は大野寺磨崖仏
室生村三本松
右手の建物は道の駅宇陀路室生

■ 下流

 三重県名張市に入った宇陀川は名張市南西部を北東流し、名張市の近鉄大阪線名張駅の西方・名張市黒田地区と中村地区の境で名張川中流部左岸に注ぐ。
流域は名張盆地の西端にあたり、ひろびろとした田園地帯となる。川岸には柳や雑木からなる豊かな河畔林が沿う。
川沿いには初瀬街道の旧道が沿う。

名張市赤目 名張市瀬古口
名張市黒田の河畔林 県道567号・初瀬街道

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