淀川  ■ 伏見  京都市伏見区


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月見館 秀吉の分離工事により、それまでヨシ生い茂る浅い巨椋池で行われていた舟運が安全かつ迅速に行えるようになった。以降伏見は河港として発展を遂げ、堂島とともに米相場も立つようになった。
江戸期を通じて栄えた舟運は近代以降鉄道の発達により急速に衰え、河港も役割を終えたが、伏見にはその名残りが数多く残されている。
伏見港公園に残る再現された三十石船や、宇治川派流を行き来する観光用の十石船があるほか、宇治川に屋形船を出して佳肴を供する旅館が営業している。
左写真の「月見館」がそれで、観月橋たもとに建つ。旅館前の宇治川にはいつも数隻の屋形船が繋留されている。

 観月橋という名のとおりここは月見の名所で、橋の名はそこから来る。雅な名を冠される橋だが、国道24号の通じるよく混む道である。
幾度となく架け替えられた橋で、名も二転三転している。橋の無いときには渡船も出たという。
観月橋のすぐ下流には近鉄の鉄橋が渡る。河畔にはヤナギが依然として多いが、ヨシが増えてくる。

観月橋 近鉄京都線の鉄橋
三十石船 濠川流れ込み

三栖閘門 伏見の町を流れてきた濠川が三栖閘門(左写真)を経て宇治川右岸に流れ込む。
三栖閘門は宇治川と伏見港が水害防止のため分離された際通船のため作られたが、天ヶ瀬ダムにより宇治の水位が低下し上写真の如くとても船など通れる状況ではなくなり、役目を終えた。
閘門は現在親水施設として整備され、資料館となっている。

中書島南方の宇治川  右岸堤から

 川水は深い緑色を呈し、悠然と南西流してゆく。
右岸側は繁華な伏見の街だが、左岸側の堤外地には広大なヨシ原が広がる(下写真)
ここはツバメの集団ねぐらとして夙に有名で、毎年南方へ帰る前のツバメたちが羽を休めにやって来る。

伏見区横大路 R1宇治川大橋たもと 左岸側河川敷

三栖閘門下 あまり数は見ないが、このあたりでもカヌーを操る人の姿がある。
見た目より流速があるらしく、船はあっという間に走り去っていった。

 この先、川は国道一号線をくぐり、右手に淀の競馬場を見て木津・桂との三川合流地へと向かう。

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