淀川  ■ 最下流の橋梁群   大阪市福島区・此花区・西淀川区


淀川インデックス
琵琶湖から瀬田川へ/石山、南郷/瀬田の峡谷/瀬田川から宇治川へ/天ヶ瀬ダム
宇治/澱川のはじまり/伏見/三川合流/摂津と河内を境する北水
大阪市へ/十三大橋周辺/最下流の橋梁群/海へ
淀川トップ/サイトトップ


 たもとに干潟を持つ十三大橋から下にも、淀川には大きな橋が幾本か架けられている。
いずれも国道や高速道路、鉄道といった重要なライフラインである。

JR神戸線と阪神高速池田線 工事中の緊急時船着き

 十三大橋の次に架かるのは、東海道本線(JR神戸線・上流側)と11号阪神高速池田線(下流側)である。
二つの橋はほぼ隣接している。橋下の汀には土留工か、木杭が並んでいる。
左岸の河川敷には、災害時用の緊急船着きが工事中。先の震災でも輸送に船が活躍したが、こうしたところから舟運の見直しが始まるかも知れない。

淀川大橋 阪神本線と阪神高速神戸線

 次に架かる橋は淀川大橋、国道2号線が通じる。
そのほか、この真下をJR東西線が通っている。海老江(えびえ)駅と御幣島(みてじま)駅の間で、初めて乗った時はこの上が淀川かと落ち着かない気分だったのを覚えている。
 淀川大橋からいくらも行かないところに、阪神本線(上流側)と阪神高速神戸線(下流側)が架かる。神戸へ向かう際の車窓からは、のびやかに明るい淀の末が眺められる。
 水際は、手の入り方で表情が変わり、石のごろごろした泥海だったり、砂州ができていたりする。生き物の活動が盛んなところでは磯の匂いが強い。

ホシハジロ ヒドリガモ カワウ

 黄色と黒の標が張られているところは、人の近づけないことを知ってか、鳥の楽園となっている。
冬季には、驚くほどの数のカモたちが羽根を休めている。フロートフェンスの上にはサギが立ちこみ、どこかしら杭を見つけてはちょこんと乗っかっているカワウの姿が見られる。大きな鳥が多いので、双眼鏡を持たずとも観察できて楽しい。

西淀川区姫島 右岸堤から南望 此花区高見 左岸堤から北望

 神戸線と伝法大橋の間、右岸にあたる姫島は、難波八十島のひとつ・比売島の跡とも、牧の設置された媛島とも言われる。
大昔は州の点在する海だったところで、時とともに流送土砂で埋まってゆき、上代には津もできていたようである。戦国期には築城の歴史もある。
姫島の、高速の橋下にはマリーナが設けられている。河川敷にはグラウンドもある。
 左岸の河川敷には草原が広がり、あまり人の気配が無く、野犬が出没し危険。河川敷へおりる梯子にも「野犬注意」のプレートが付いている。

此花区高見 左岸堤から下流望 堤下の町 此花区伝法

 淀川もいよいよ流末の西淀川や此花は、たびたび水害に悩まされた、いわゆるゼロメートル地帯である。
ゆえに堤はかなり高く作られている。川堤ではなく、防潮堤である。堤から町を見ると、三階の窓がちょうど目線に来る。
築堤のほか、現在浸水対策として「淀の大放水路」が工事中である。

阪神西大阪線鉄橋 北望 阪神線の防潮堤(格納中)
阪神西大阪線鉄橋(下流側から)

 阪神西大阪線は、最も下流で淀を渡る鉄道。尼崎と弁天町を結ぶ。福駅を出たあと大阪に向かう車窓から右手を見ていると、淀の大パノラマが見られ、これだけでも乗る価値がある。
この鉄橋は、橋脚のずいぶん上まで水が来る。堤は鉄道より高く作られていて、電車の幅だけ切られている。この部分は高潮時閉鎖できるようになっている。阪神線の直下に架かる伝法大橋も同様の仕組みを持つ。台風が近づくと、ここが閉じられる様子がニュース配信される。

左伝法大橋、右阪神西大阪線 北望 伝法大橋上での釣り風景
伝法大橋から 南望 伝法大橋(上流側・左岸から)

 伝法大橋は、淀に架かる最後の橋である。
現在、歩道を伴う伝法大橋(上流側)と、車道の新伝法大橋(下流側)の新旧二本の橋がほぼ並行して架かっている。両方とも国道43号扱い。
末流に架かるだけあって長大で、ゆうに鉄道の一駅分はある。
この橋付近はかつて中津川・神崎川が乱流していたところで、末流のひとつには伝法川という川もあった。
ここに渡しがあり、渡船は新淀川開削後しばらくはあったという。

コノシロのプレート カワウのプレート

 橋上は、釣りのおっちゃんたちで賑やか。バケツを覗かせて貰うと、スズキらしい魚がぴちぴち跳ねていた。淀のこのあたりでは、大きなシーバスが川中から身を躍らせて跳ねる姿がよく見られる。歩道には、ここで見られる野鳥や魚を描いたプレートが埋められている。ひとつひとつ見て歩くのも楽しい。

前頁「十三大橋周辺」へ戻る 次頁「海へ」へ進む


*フレーム解除

▲淀川トップ  ▲サイトトップ