■ 北白川の谷筋 京都市左京区北白川
白川の上流には、京都では珍しい天然温泉がある。北白川天然ラジウム温泉がそれで、けっこうな歴史も持つという。
約七万キュリーのラジウムを含有し、湯冷めしにくいと評判。宿泊施設もある。
温泉は支流・地蔵谷川が流れ込んでくる付近にあり、川と道しか無い狭い谷にへばりつくように建つ。
京都府に入ってからの白川は、深い谷を刻む渓流部分と整備された三面張り部分が前後して現れる。河床が砂がちなのは変わらない。
小さな谷筋や狭い崖地を利用して諸施設が作られるが、放棄されて久しいものも目に付く。現在はペット霊園が建設中であった。
北白川地蔵谷町 | 北白川琵琶町 |
山中を南西に蛇行していた流れが京都市街へ向けて西流をはじめるあたりには、砂利採集場が点在する。
今はどうか知らないが、朝になって採集場が操業をはじめるや白川は濁り出すという情景を覚えている。
ここで採られる花崗岩の砂は粒揃いよく角まるく、古来「白川砂」として作庭に珍重された。御所や諸寺の敷砂はこれを用いる。
また、観音竹などを植え込む際の栽培土にもひろく使われている。
河畔に積まれた採集土 | 精製されコンベアーで運ばれる白川砂 |
撮影日 2003/5/18