中流部 上野の盆地 三重県上野市 →木津川表紙
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■ 広い野へ
上野市下神戸−上林間 下神戸橋から 左は上流、右は下流望 |
伊賀盆地南端に流れ出した木津川は、国道422号や近鉄伊賀線といったライフライン沿いに北上する。
北上し始めた下神戸(しもかんべ)あたりでは、まだ両岸には小丘が点在する。
下神戸橋からは、よく晴れた日には南に室生火山群の特異な山なみが、北を眺めれば近江との境の屏風のような山なみが望まれる。
また、このあたりから木津特有の竹林の河畔林が目立つようになる。
上野市沖−下郡間 伊那古橋から 左上流、右下流望 |
伊那古橋(いなこばし)まで来ると、川まわりはかなり開けてくる。川幅も広がり流量も多くなり、大規模な堰堤が連続するようになる。水は広い河川敷の中を蛇行しつつ流れ下る。左写真のように、中州を縫っての派流も見られる。堤は道として利用され、川はまだ宅地よりずいぶん低いところを流れている。水は少し汚れを入れ、瀬のあとには泡が棚引くこともある。
伊那古橋からは向きを北西に振る。
■ 高い堤と河畔林
上野市伊那具−西出間 猪田橋から 左、橋北詰から上流望/右、下流望 |
猪田橋付近では堤は高く作られるようになり、堤外地には田畑も見られる。
この付近から近鉄伊賀線とは別れる。鉄道は伊賀上野中心市街へ向かい、川は市街地西方の広野へ流れてゆく。
河畔林はより密生した丈の高いものとなる。
■ 上野市街の西をゆく
上野市街地の西を悠然と流れる木津川には、四つの大きな遊水地が設けられている(木興、長田、小田、新居)。
上写真は長田地区のそれを南西端から遠望したもの。木津川堤と副堤に囲まれた野には広大な農地が広がり、家は建てられていない。洪水時にはここへ水を導き、市街地を出水から守る。上写真遠景、丘の上に聳えるのは上野城。写真左は天守、下写真は上野城天守から南西を見た木津川流域。
上野市市場−小田間 長田橋から 左上流、右下流望 |
上野市街地を西へ行き、鍵屋の辻を過ぎなお西へ行くと行き当たるのが、上写真の長田橋。
川幅はかなり太くなっているが、流れはごく浅い。
この区間には久米川、往古川、大戸川などの都市河川が流入する。これによる木津本流の汚濁が問題視され、現在官民一体の浄化に向けての活動が続けられている。
■ 服部川合流
岩倉大橋から二川合流を遠望 左が服部川、右が木津川 |
上野盆地の北西端では、大支流の服部川が合わさる。いよいよ流れを太くする木津川だが、ここからは山峡に入ってゆく。
服部川最下流部の左岸には小田、右岸には新居の遊水地がある。