■ 天ヶ瀬ダム 京都府宇治市
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天ヶ瀬ダムは、昭和28年の台風による淀川大洪水を受けて計画された淀川治水工事の一環として作られた。
ゆえに主な役割は洪水調節で、豪雨の前に予備放流を行い出水を受け止める働きをする。
その他京都府営水道の水源となり、約10万人に供給されている。
ダムのスペック | 堤高 72m 堤長 254m アーチ式コンクリートダム 有効貯水量 約2千万t |
延々と宇治川を堰き止めた長大なダム湖には、鳳凰湖という名がつけられている。一般公募による命名で、意はアーチダムが鳥の翼に似るところから。
ダムの上、右岸側の森林は天ヶ瀬森林公園として整備され、遠足の適地となっている。
天ヶ瀬ダム 上流から | 天ヶ瀬ダム堤体から上流 |
天ヶ瀬ダム | 天ヶ瀬ダムから下流を見下ろす |
左は平時の天ヶ瀬ダムを下流の白虹橋から見上げたもの。
放水時は地響きを伴う迫力で、足のすくむような光景。洗堰全放時などには、下写真の如く三つの口全てから放水がなされる(2014年8月14日撮影、洗堰全開中/宇治公園中州浸水・立入禁止)。
ふだんは、ダム下の流れは写真右手の煉瓦造りの建物・天ヶ瀬発電所からの放水のものとなる。ダム直下に見える水はここからの還流で、ダムからのものではない。
また、このダムには魚道は設けられていない(ダム下にカスケード様の施設が見えるが水は入っていない)。前身の大峰堰堤(志津川ダム)設置の際に琵琶湖と淀は分離され、以来そのままの状態が続いている。
また現在天ヶ瀬ダム再開発計画があり、是非について議論が交わされている。
淀川ダム統合管理事務所 天ヶ瀬ダム管理支所 |
関西電力 天ヶ瀬発電所 |
ニュージェック水理実験所 (旧志津川発電所) |
ダム堤体左岸側にはダムの管理事務所が建つ。窓からはダムを監視するのか、プロミナが覗いている。
ダム下には関電の発電所があり、MAXで92,000kwを発電している。
煉瓦造りの旧志津川発電所には現在民間のコンサルタント会社が入り、水理模型実験を行っている。
発電所放水のつくる激流 | 白虹橋から下流方向 |
発電所からの放水の量はけっこう多く、すぐ下では逆巻く激流となっている。
この下流には雰囲気のよい吊橋がかかり、河畔に降りて遊ぶ人の姿が多い。しかしやはりダム直下なことと、流れがどう見ても危険なので気をつけたい。ときおり水難事故のニュースを見ることもある。
ここから白川口を過ぎ槇ノ尾山の下をめぐると、2kmほどで山峡を抜け宇治市街へ出る。下写真は宇治市山王の水位観測所付近から見た宇治川の瀬、増水時。