大岡越前 第八部

1984〜1985年、TBS/東映

∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴

第1話 1984.7.16

 殺人を伴う火事場泥棒の、金の持ち出し方がわからない。ヒントは、蕪木がクサって描いていた火事の絵から、文蔵親分が閃く。
新人同心・蕪木兵助登場、親の跡をいやいや継いだと広言して風間を怒らせるなど、鼻持ちならぬ若僧設定。先代から仕える岡っ引は、なんとか「若旦那」に手柄をと張り切るが、単独行動が仇となる運び。

嵐山公演

ロケ地

  • 伊豆屋の材木置場、不明(かなり大きな丸太がわんさか。1980年代では貴重な例かも)
  • 文蔵親分、怪しいと睨んだガエンのかしら・権蔵を見張るくだり、賭場から安蔵を連れ出してきた権蔵が、伊豆屋の寮へ行く際渡る夜の橋、中ノ島橋。寮はセット、床下に潜んでいて見つかった文蔵が囲まれて斬られ、川に落ちるシーンは中ノ島橋上手・中州犬走り

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい、お茂/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 鎌倉河岸の文蔵/佐野浅夫 伊豆屋善助/田中明夫 中山靫負/鈴木瑞穂 権蔵/藤岡重慶 安蔵/志賀勝 倉橋金太夫/江見俊太郎 老中/幸田宗丸 甚八/松山照夫 弥之助/大竹修造 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案、脚本/葉村彰子 監督/倉田準二

※文蔵親分は、おけいの父の盗人・弥之助をお縄にした「恩人」、当時おけいの母はおけいを妊娠中。文蔵の死を受け、おけいが願い出て跡を継ぎ岡っ引となる運び。
※お白州、立会いの同心の一人に福ちゃん。顔の振り方が鋭い。


第2話 「幽霊駕籠の仇討ち」 1984.7.23

 殺しを目撃するものの、後難を恐れ黙っていた駕籠屋だが、殺された女の妹と出会い翻心、「仇討ち」に加担する。
兵助の呑気な仕事ぶり、風間の暴走、そしておけいの初親分のエピソードが組み込まれる。

ロケ地

  • 助十・権三の駕籠屋コンビが、船から投棄される男女を見る夜の大川端、広沢池東岸並木道。船は雷鳴轟くなか葦原を来る。土手には「駒形堂」がこさえてあり、二人はお堂脇に隠れる。後日の幽霊芝居で、客を乗せて「ギャー出た」も同所。
  • 事後、姉の墓に参るお由美、不明(立地は高台、竹林が見える。墓標墓石はランダムで、有りものか作り物か判らない)

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 助十/桜木健一 権三/工藤堅太郎 お由美/山本郁子 おとよ/海老名美どり 藤次郎/堀内正美 惣吉/堺左千夫 朽木庄八/上野山功一 紋蔵/近藤宏 お美代/瀬戸あかり 卯兵衛/市川男女之助 駕籠の客/津村隆 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/山内鉄也

※幽霊をやっていたお由美は、以後たぬきで働くことに。


第3話 「殺しの依頼は能面の女」 1984.7.30

 お忍びの忠相は見込まれて、暗殺依頼を受ける。的はなんと伊織、ここから、堕胎薬で社会問題を引き起こしていた悪いやつらが、ずるずると炙り出されてくる。

招善寺

ロケ地

  • 町で乱暴者を懲らしめる忠相を見込んだ孫兵衛、つけてゆく道は相国寺鐘楼裏手塀際〜鐘楼脇〜宗丹稲荷前(ここで忠相が鐘楼から出てきて「何用」)
  • 孫兵衛の懇願を受けた忠相、駕籠に乗せられゆくルート、相国寺鐘楼裏手〜相国寺大光明寺南塀際〜招善寺墓地参道坂(墓地入口門の前へ駕籠が止まり、目隠しを外される/墓地や境内は映らず←後段、伊織や三次と帰ってゆくシーンでも同様)。「仮面の女」と会う「本堂」はセット撮り。
  • 美鈴の長屋を訪ねてくる、伊予西條藩用人・唐津、この間外へ出される娘の千夏、孫兵衛にあのヒト嫌いと漏らす塀際は大覚寺五社明神裏手塀際。
  • 伊予へ帰ってゆく美鈴たちを見送る忠相と伊織、大覚寺天神島朱橋。一行は大沢池北辺並木を行き、手を振る。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 藤枝美鈴/金沢碧 お由美/山本郁子 孫兵衛/河合絃司 唐津武太夫/名和宏 鳴海屋彦六/嵯峨善兵 樺島道節/吉田豊明 藤枝市之進/早川純一 産婆/木下サヨ子 千夏/伊藤與志子 高木/高井清 大店の主人/須永克彦 女将/富永佳代子 大店の内儀/島村昌子 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/芦沢俊郎 監督/居川靖彦


第4話 「万病治した娘の真心」 1984.8.6

 万病に効き、医者が匙投げた病人が治ったと評判の、高価な薬。父にせがまれ購いに行った娘は、分割で払うからと懇願するが相手にされず、身売りまで思い詰める。
一方、その薬を扱う商人は、むかし手放した娘を捜していた。
あくどい商いをしていた商人が、もっとも手痛いしっぺ返しをくらい、改心する筋立て。

罧原堤

ロケ地

  • 薬を買えず、萎れて河原に佇むおしの、罧原堤下河原か。身投げでもするのかと声をかけた辰に、おしのは吉原の場所を聞く。
  • 事後、真面目にリハビリに励むようになった太吉、養生所の庭は嵐亭とセット併用。嵐亭の庭には、歩行訓練の平行棒と、包帯の物干しがあしらわれている。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 おしの/石野真子 長命堂幸兵衛/根上淳 おせい/鳳八千代 お由美/山本郁子 太吉/玉川良一 十造/佐藤京一 和助/瀬川新蔵 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/山内鉄也


第5話 「十手が消えた女風呂」 1984.8.20

 能天気兵助、ついにやらかすの巻・失態はタイトル通り。
大筋は、本格の盗賊が手下に見返られる話。手柄顔の新米に腹を立てる風間が、ここを先途の切所には重傷をおして駆けつける「いい話」も入っている。

大覚寺

ロケ地

  • 伊勢屋の押し込みで唯一の手がかり「巳之吉」のことを聞き込む風間と辰、大覚寺心経宝塔前広場に露店あしらい。他の聞き込みシーンはセット撮り。
  • 三次とツナギをとるお忍びの忠相、大覚寺護摩堂裏手付近に茶店設営。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 おこう/泉じゅん 荒尾の庄兵衛/土屋嘉男 巳之吉/内田勝正 吟味与力/立花一男 高木/高井清 手代/新城邦彦 番台/島田秀雄 瓦版屋/妹尾友信 店の者/小谷浩三 小僧/廿枝靖 若い女/鈴川法子 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/倉田準二


第6話 「嘘つき婆さんの恩返し」 1984.8.27

 町方にガセネタを流しては小金をせびる、札付きのタレコミ屋の婆さんは、風間同心がお気に入り。ダンナの思いやりを知った婆さん、恩に報いようと張り切るが、今回見てしまった一件は相当にやばいヤマなのだった。

相国寺

ロケ地

  • 芸者が辻斬りに遭う夜の浜町河岸、嵐峡船着。昼間の検分の際には、嵐亭の生垣も映っている。後段、婆さんに振り回される兵助のシーンもある。
  • 神田上水堀に面した旗本寄合衆・大滝源之進の屋敷、相国寺玉龍院。塔頭前の放生池を掘に見立て、池の中に「水門付き塀」のたいそうな大道具を沈めてあり、西側から玉龍院を望む図。後段、忠相が掘に潜むシーンは、この池の天界橋で撮られている。夜間撮影。
  • おとら婆さんが松造らに襲われる神社、伏見稲荷。婆さんは千本鳥居の二筋の間で餅を食っていて、松造らは鳥居の隙間からぬっと刃を突き出す。逃げる際は鳥居下。
  • 松造の般若の彫り物のことを風間に注進するおとら婆さん、伏見稲荷境内。印籠の家紋を思い出すシーン、奉納の酒樽にあった鷹の羽紋を見るのは本殿後方の末社。
  • 忠相が家宝の名刀を餌に大滝を釣り出すくだり、相国寺嵐峡組み合わせ。上陸したあと、芸者を狙う夜道は上賀茂神社ならの小川畔、祠裏に潜んで待つが、芸者はおけいで三次のほか忠相にも出てこられ、髷を落とされる。松造たちは、神事橋を渡って逃げてくるが、風間らに捕まる。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 おとら婆さん/菅井きん 大滝源之進/鹿内孝 近江屋/永井秀明 相模屋/加藤和夫 木島/北町嘉朗 松造/片岡五郎 久六/河野実 夜鷹/野川愛 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/加瀬高之 監督/居川靖彦


第7話 「意地比べ江戸っ子気質」 1984.9.3

 何度目かの、三方一両損。そのときのメンバーの空気や、ゲストの差異など比較する、第八部。
市井の人々のみならず、たぬきや役宅でも「どっちの味方よ」論争巻き起こり、阿呆な対立も生まれる。
基本的に悪い人は出ないが、ちゃっかり宣伝に使う奴は出て、お白州でお叱りを食らうあたりは新味か。
佐吉の泣き言「正直者が馬鹿見る世の中」の厭世気分をこそ、町奉行は恐れるという寝物語も入っているが、酒井和歌子の雪絵奥さまは控え目。

映画村

ロケなしセット撮り

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 佐吉/赤塚真人 長兵衛/橋本功 六兵衛/花沢徳衛 政五郎/織本順吉 田島屋/多々良純 越後屋/西山辰夫 米屋/宮城幸生 炭屋/疋田泰盛 魚屋/有島淳平 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/居川靖彦


第8話 「美女を餌食の悪徳仁術」 1984.9.10

 薬代を払えぬ者に金貸しを斡旋するほか、女衒の真似までする、腕もヘボい悪徳医者。出している薬を見て怒った伊織が乗り込んで暴れたのを奇貨として、お白州での一発逆転が仕掛けられる。

中ノ島橋

ロケ地

  • 「昔の仲間」の清庵に金をせびりに来て、その場で絞殺される半造、死体が棄てられる水道橋際は中ノ島橋下手右岸河川敷。兵助と勘太は橋上を走ってくる。半造は、武州で医者殺しをした二人組の片割れ。
  • 半造の塒で聞き込みをするおけい(兵助や勘太もいるが主体はおけい)、夜鷹の苫舟が舫ってある岸は嵐峡
  • 事後、養生所へ伊織を誘いに来る忠相、先のお白州の件で口喧嘩になる庭は嵐亭庭。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 お千代/友直子 待田清庵/深江章喜 玄妙堂/遠藤太津朗 権六/黒部進 半造/宮口二朗 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/山内鉄也


第9話 「女賊を泊めた人情同心」 1984.9.17

 凶賊の引き込み女、養親によって売られる娘、二人は災禍によって引き裂かれ、奇縁によって再び出会う運命の姉妹。
源さんの優しさと、忠相の温情が、不幸だった二人を明日へと導く。

松尾大社

ロケ地

  • 成田屋に売られたおてる、再度会った兵助に「姉を捜して」と縋る段、場所を変えて話を聞く町角は松尾大社、水路石橋〜手水場。
  • 成田屋を篭絡する「七化けのおみね」、嵐峡汀。「癪に苦しむ旅の女」を見かける成田屋は、嵐亭生垣際を来る。嵐峡には、荷を載せた船が航行。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 おてる/浅沼有紀子 おみね/本阿弥周子 稲妻吾平/浜田晃 成田屋久造/田口計 茂作/南祐輔 おみね/尾崎美穂 高木/高井清 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/芦沢俊郎 監督/山内鉄也


第10話 「狙われた美人画の女」 1984.9.24

 病的な美人画を描く絵師はやはりキテおり、ジャンキー利用されまくりの巻。
モデルの美人芸者を殺したのも、罠を仕掛けて美女をゲットするのも、阿片がらみ。女たちは、阿片窟に放り込まれるほか、おぞましい目的に使われようとしていた。

広沢池

ロケ地

  • 芳国のモデルになった美人芸者が土左衛門で見つかる大川、罧原堤下岸辺。
  • 掛取りの金を掏摸にやられ、絶望した久吉が立つ川辺、中ノ島橋下岸。橋上を通りかかったおけいが、手荒く阻止。
  • 河奈屋へ入った影山が、店の裏から出て船で入る阿片窟、広沢池東岸に「扉」を設営、中から岸辺が見える図に仕立ててある。このほかの出入りもある。
  • 阿片窟へ潜入しようとしたおけいと勘太が乗せられる船、広沢池。勘太は怪しの唐人に当身されてドボン。
  • 瀕死の勘太が見つかる水辺、嵐峡汀。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 お町/風祭ゆき お由美/山本郁子 影山弾正/和崎俊哉 芳国/藤木孝 河奈屋/武藤英司 青竜/石橋雅史 井上近江守/中山昭二 水野伊賀守/永野辰弥 久吉/石垣恵三郎 岩蔵/鈴木康弘 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/倉田準二

※元長崎奉行の直参旗本・影山は猟官運動の真っ最中、老中と若年寄を接待するのに、阿片漬けにした女を唐人形を仕立てる。このビジュアルがどスケベ。このほか、老中たちが接待の場で着せられている、妙ちきりんな襟の付いたベストも必見、エリザベスカラーの変形?


第11話 「十手に隠れた悪企み」 1984.10.1

 心臓発作で担ぎ込まれたご婦人の、死罪になる倅は無実という訴えを、直感で信じる伊織。出てくるのは北の目明しの悪行、ほじくられては困る向きとの対決となる。

毘沙門堂

ロケ地

  • 患者・およねの倅の喜八のことで忠相を訪ねる伊織、再吟味が困難と聞かされ帰る道、毘沙門堂境内。
  • 風間が身辺に現れたことで、慌ててツナギをとる音吉たち、松尾大社本殿脇摂社。会話の間中、太鼓の音が響いている。
  • 小伝馬町牢を解き放ちになった囚人が、集合するよう指定された妙慶寺(字は適当)毘沙門堂薬医門まわりで撮影。薬医門内外と前の坂を使い、宸殿玄関も映り込む。
  • お白州を経て、晴れて無実となり解放され、母のいる養生所へ走ってゆく喜八、駆け下りる坂は毘沙門堂勅使門下坂

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おはな/香山まり子 志保/根本律子 喜八/真夏竜 およね/阿部寿美子 音吉/上田忠好 常/稲吉靖司 千太/根岸一正 おぎん/荒木雅子 牢奉行/波田久夫 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/芦沢俊郎 監督/倉田準二


第12話 「情は人の為ならず」 1984.10.8

 「…巡りめぐりて我身に返る」の俚諺どおり、過去の善行が濡れ衣を晴らすが、当の男は喜ばない。
文七元結のように見えて、金の素性や人間模様は違う。身を持ち崩した「恩人」が、幸せをあきらめてもおじさんに報いたい娘ごころに泣くあたり、左とん平の演技が光る。

渡月橋

ロケ地

  • お喜代の父母・幸助とお里が、幼いお喜代を道連れに身投げしようとした永代橋、渡月橋。導入は、上流側から東望のロングで早暁、川は増水ぎみ。橋上での、寄っての絵も渡月橋で撮られていて、賭場帰りの酔った佐八が通りかかって止め、叱りつけたあと持っていた十両を投げ捨てるように与えて去る。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 佐八/左とん平 お喜代/三浦リカ 安房屋新之助/荒木茂 上総屋次兵衛/浜田寅彦 おせつ/利根はる恵 幸助/島田順司 お里/志乃原良子 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二

※おけいの働きで佐八を見つけるものの、兵助がしくじって逃げられ、源さんに報告して叱られる段、御用部屋で源さんのうしろにいる同心に福ちゃん。何か書き物をしている。


第13話 「復讐唐人剣」 1984.10.15

 お忍びの忠相、夜道で襲撃に遭う商人を助けるが、何やら襲われた方が怪しい気配。果たして過去の悪行が炙り出され、事は重職にも及ぶ。
紋切りパターンの筋立てに、お白州で「見忘れたか/あの時の」も入ったノリのお話。

大覚寺

ロケ地

  • 昨夜傷を診てやった稲佐屋に、翌日押しかけ往診の伊織、帰り道に立ち寄り、見舞い客のことなど忠相に報告する茶店は大覚寺護摩堂裏手に設営。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 お絹/大塚良重 菊太郎/にしきのあきら 多々良頼母/岡田英次 稲佐屋久兵衛/神田隆 松浦屋卓造/須藤健 玉野屋与次郎/北村英三 水月の女将/香月京子 紋次/浜伸二 源五郎/岡田正美 高木/高井清 六助/波多野博 町役人/平河正雄 用心棒/藤沢徹夫 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案・脚本/葉村彰子 監督/倉田準二

※水月に押しかけ、お絹を連れ去る稲佐屋の意を受けたチンピラ、これについてきた用心棒の浪人の一人に福ちゃん。


第14話 「父恋し涙の花嫁」 1984.10.22

 祝言を前にして、父の名も生死も判らぬ、己が出自のあやふやさに悩む娘。また、せっかく娘の居所を突き止めたにも関わらず、名乗って出られぬ島帰りの父。
父親の悪い仲間が、あやうく娘の幸せをぶち壊すところに、お奉行の介入となる。

西方寺小谷墓地

ロケ地

  • 白昼殺される錺職の男、風間らが駆けつけて検分の町角は今宮神社稲荷社前。
  • 祝言の日延べについて、お清と若旦那が話しているのを立ち聞いた弥平、もう会えないと蹌踉と来る町角、今宮神社東門前。門を入ると、かねて仲間入りを迫っていた賊の手下の権三が現れる。突き飛ばして逃げるも、発作を起こし倒れるのは門内石橋たもと、志保が居合わせ診察、養生所行き。
  • お奉行に頼まれ、お清の素性を調べに聞きまわる三次、今宮神社月読社石鳥居下。
  • 母の墓に参るお清、西方寺小谷墓地。陰ながら見ていた弥平が、金造一味に捕まってしまい、娘のことも知られてしまう。池端に大きな切石が山積、お清は石段を下りてくる。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 志保/根本律子 お清/藤吉久美子 弥平/小林昭二 美春屋/佐竹明夫 お由美/山本郁子 保太郎/正道武 蝮の金造/井上昭文 岩吉/宮口二朗 お島/杉本マチ子 権三/山本一郎 お芳/島村晶子 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/加瀬高之 監督/倉田準二


第15話 「厩火事殺人事件」 1984.10.29

 女髪結いとぐうたら亭主、喧嘩の尻を持ち込まれた伊織は持て余して、居合わせた忠相に投げる。ここで孔子の故事が引かれ、「試してみては」となるのだが、その場はなんとお白州に。
亭主が殊勝に更生を期しているのであれっと思っていると、源さんがオチをつけてくれる。

映画村

ロケ地

  • 事後、夫婦して養生所へやって来るおはまと八五郎、不明(包帯とか干してある、よく出てくる設定の「庭」だが、いつものと違う。茶亭の前庭といった風情)

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 お由美/山本郁子 おはま/中原早苗 八五郎/山田吾一 お静/小畠きぬ子 彦四郎/松橋登 佐平/本郷淳 おとき/立枝歩 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/居川靖彦


第16話 「抜け荷暴いた娘掏摸」 1984.11.5

 タイトル通りの騒ぎがあって、主題は気の強い女掏摸と、叔父と名乗っていた実父の情話。抜け荷一味は父の元仲間という奇縁が付いてくる。

有栖川

ロケ地

  • 女掏摸・おぎん、手下の半助と落ち合い源造から盗った財布を開けてみる神社、不明(三つ踊り場のある、狭い参道石段の両脇にびっしり灯篭、橋蔵平次の終わりがけでも見たような)
  • 質屋に翡翠を持ち込んだ大工を追っかけて問い詰める風間ら、大覚寺大沢池畔〜五社明神本殿(内側)
  • 賭場で大工に翡翠ほ渡した男が土左衛門で見つかる川、有栖川河床(大覚寺望雲亭南側の部分、「死体」は堰堤上に)
  • 雑踏でターゲットをさがすおぎんと半助、大覚寺五社明神に露店あしらい。源造らに見つかって逃げる溝、大覚寺有栖川河床〜御殿川河床。兵助も現れる。逃げおおせたと思っていると一味が現れて捕まってしまうおぎん、大覚寺天神島
  • 大津屋の指示で割符を持って神田の稲荷、今宮神社稲荷社。父子二人始末されかかるが、伊織と忠相が介入。夜間撮影。
  • 抜け荷取引現場へ捕方殺到の船着、広沢池東岸に桟橋設営。船手頭が出て阻むが、お奉行出役。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 おぎん/三原じゅん子 半助/うえだ俊 お由美/山本郁子 宇津木/亀石征一郎 大津屋/武藤英司 源造/堺左千夫 権助/徳田興人 仁兵衛/内藤武敏 蕪木兵助/森田健作 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/加瀬高之 監督/居川靖彦


第17話 「らくだが死んだ」 1984.11.12

 落語の「らくだ」のエピソードを軸に、殺人事件をからめる。
落語のネタと、時代劇お決まりパターンとを楽しむ訳だが、勘太の大トラぶりとか、「半次」の剽げた芝居とかも面白いが、白眉は岸辺シローの死にっぷり。かんかんのうを踊らされる死体の演技が、もう。

化野念仏寺

ロケなしセット撮り

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 馬/岸辺シロー 丁目の半次/品川隆二 お由美/山本郁子 おしの/西岡慶子 源兵衛/立原博 八百寅/関敬六 魚八/三角八郎 おかね/美松艶子 おてつ/末永あつ子 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二


第18話 「名乗れぬ証人は将軍様」 1984.11.19

 陰供をまいてお忍びの上様、またやらかすの巻。
情けをかけてやった女が、その後悪党に陥れられ殺人犯に仕立てられてしまうが、証人が上様と雪絵奥さまだから、表立って動けない。
さあどうする、という騒ぎがお話の要諦で、とうとう証人として名乗って出なかったことへのフォローも付いているのがミソ。

広沢池

ロケ地

  • 失踪した上様と雪絵、二人は一緒なのではと想像する忠相、脳内映像は大覚寺大門、雪絵が訪問先の御目付役邸を出てきたところ、一人で歩いてる上様にばったりのシーン。ところは小石川、上様失踪も同所。
  • ホントに上様と一緒にいた雪絵、城へ戻るよう説得していると、在所の子・亀松が鯉を売りつけにくる水辺、広沢池観音島。設定は小梅界隈、後段にも出る。
  • 亀松の母・おしずと歓談し、雨宿りののち出てくる上様と雪絵、有意義な一日だったと吉宗が笑う帰り道は大覚寺大沢池堤
  • 借金返済と届け物のため隠居を訪ねるおしず、上様捜索中の風間らと行き会う雨上がりの道は大覚寺大沢池堤
  • 小梅まで出張ってきた忠相に、兵馬が駆け寄り吉宗目撃情報を報告する田舎道、北嵯峨農地竹林際。導入は畑地越しのロング。岡っ引の宗七が隠居殺しの下手人としておしずを連行してゆく道も同所。
  • 忠相の計略にはまった弥吉、隠していた金を掘り返す墓地は鳥居本八幡宮広場を墓地に演出、墓石や卒塔婆など多数あしらい。
  • おしず釈放後、フォローのため彼女に会いに行く上様と雪絵、見送られ帰る道は大覚寺天神島祠前。この後忠相らと合流し四人で行く道は天神島朱橋〜心経宝塔の見える広場付近。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 徳川吉宗/山口崇 おしず/北林早苗 亀松/芦田友秀 宗七/田口計 弥吉/松山照夫 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/山内鉄也


第19話 「闇夜に咲いた魔性の女」 1984.11.26

 忽然と現れたニンフォマニアに振り回され、伊織が殺人犯にされかかり、忠相も窮地に陥る。
淫婦は必然の運命に堕ちてゆき、関わった男たちの量刑が話のキモ。

南禅寺

ロケ地

  • 夜鷹・お百の死体が見つかる百本杭、広沢池東岸汀。ヒモの権次がたいそうに嘆いてみせる。
  • 小袖につきまとわれる日々、夜の町へ出た伊織とばったり会う忠相(案じて養生所へ行く途中)南禅寺僧堂坂鐘楼脇塀際。このあと二人は話しながら南へ、次いで三門下へ出る。
  • 小袖の死体が見つかる水辺、広沢池東岸。死体は寄り着いた船の中に。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 小袖/蜷川有紀 六之助/河原崎建三 お由美/山本郁子 疋田郡兵衛/北村総一朗 権次/市川好郎 そばや/瀬川新蔵 老中/江並隆 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/星川清司 監督/山内鉄也

※小袖の兄の御家人仲間に福ちゃんや出水憲司、クレジットはベタ。


第20話 「札つき婆命を賭けた大芝居」 1984.12.3

 ゆすりたかり常習犯のおげん婆さん、悪党が落とした宝玉を拾って金にかえようとするが、抜け荷の品だったからたいへんなことに。
これに、倅が嫁を連れて会いに来るので取り繕い芝居を、というよくある話と組み合わせてあり、婆さんの反省へ持ってゆく。

大覚寺

ロケ地

  • 抜け荷の品物を持ち出して殺された水夫の死体が見つかる川端、広沢池東岸
  • おげんをご隠居に仕立てて芝居の屋敷、入口を広沢池東岸にあしらい(壁を立ててあるものと思われる)
  • おげんの倅夫婦が浅草見物の帰り拉致される道、大覚寺大沢池堤(ぼんぼりあしらい、鐘の音演出)。お供をしていたおけいも拉致される。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 おげん/赤木春恵 啓之進/加藤純平 おいと/丸山秀美 肥前屋/嵯峨善兵 仙波弥十郎/船戸順 儀助/荘司肇 紋次/広瀬義宣 そばや/重久剛一 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案・脚本/葉村彰子 監督/倉田準二

※冒頭、高積見回り中の兵助がおげんの犯行と出くわす荷おろしの現場にいる人足の一人に福ちゃん。


第21話 「凶賊お役者小僧」 1984.12.10

 お役者小僧なる凶賊が跋扈、犠牲の多さから、南北両奉行は老中から叱責される事態に。ここで三次が大活躍、夜の甍で賊と対峙し手応えを掴むが、したたかな相手は三次を陥れにかかるのだった。

伏見稲荷

ロケ地

  • 三次がお役者小僧とやり合ったあと、気配に気付き追う夜のお玉ヶ池稲荷、伏見稲荷千本鳥居と周辺。
  • お小夜の勤める茶店があるお玉ヶ池稲荷境内、伏見稲荷境内坂上に設営。
  • 子供が木に引っ掛けた凧を取ってやる和助、伏見稲荷境内参道坂と木。
  • 夫婦者を装い高飛びするため、お小夜を強引に連れて行こうとする和助、伏見稲荷千本鳥居の内と外をトリッキーに使い大立ち回り。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 和吉/にしきのあきら お小夜/賀田裕子 お由美/山本郁子 諏訪美濃守/滝田裕介 新田大三郎/原口剛 八蔵/岡部征純 老中/西山辰夫 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/居川靖彦

※原口剛の北町同心、三次を執拗に追い回す鬼くさい役回りだが、ラス立ちでは思慮深く振舞う、ほんとはいいヒトで笑える。


第22話 「江戸から消えた御奉行様」 1984.12.17

 妙なかたちで、伊織に遠方へ往診の話が来る。どうやらそれが、先頃遭遇した事件と関わりありと見た忠相は、伊織と共に関宿へ。人間模様が交錯するなか、忠相は真の悪を見定めるのであった。
タイトルは、関宿藩のお家騒動に奉行が介入しないことの「言い訳」。

北嵯峨農地

ロケ地

  • 旅姿の武家の男女が闇討ちに遭い、男は斬られて死んだのを忠相が見届けたものの死骸が消えた事件、その男が葬られたと辰が調べてきた寺へ赴く忠相、金戒光明寺極楽橋(お供の風間と渡る/現在の擬宝珠付きのものではなく、旧態の石橋)。死んだ侍の墓へ行くと、そのとき黙って立ち去った娘がいて問い詰めるシーン、黒谷墓地と思われる(上に仏像が乗った集合墓あり)。設定は、辰の発言から牛込通寺町・松源寺(現・神楽坂)と思われるが、ょうげんじと言っていたようにも聞こえた。娘は関宿藩国家老・横山の子で、若君の守役。
  • 伊織と忠相が関宿へ向かう道、広沢池東岸汀。後から三次や汐路も通る。漁具あしらい。このあと、渡し船に乗るシーンもあり、同所の水上。
  • 関宿藩城イメージ、彦根城佐和口多門櫓東端。
  • 事後、倅・佐五平の墓に参る母のおりく(若君の乳母)北嵯峨農地小丘。江戸へ帰る忠相一行、広沢池東岸汀。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 汐路/奈良富士子 おりく/東恵美子 横山瀬左衛門/下元勉 田沢民部/玉川伊佐男 佐五平/三田村賢二 小森/早川純一 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二

※ラス立ち福ちゃん入り、次席家老の手下の藩士。波多野さんもいた。あと、汐路の許婚者で冒頭斬られる藩士は峰蘭さん。


第23話 「殺しを見ていた千両富」 1984.12.24

 仕事そっちのけで博打狂い酒浸りの職人、富籤惜しさに殺人現場に迷い込み、犯人に仕立て上げられてしまう。しかし彼の買った富籤は千両を引き当て、お奉行はこの偶然を利用し悪党を釣り上げるのだった。

永観堂

ロケ地

  • 富籤売り場へやって来た辰三、帰り道の橋は永観堂放生池弁天島参道石橋。売り場も境内と思われる。
  • 仙造が文治らと落ち合い、兄・大和屋殺害の報酬を払う水辺、広沢池観音島
  • 富突きが行われる瑞雲寺境内、永観堂御影堂前縁。お堂前に人だかり。
  • 文治が乾分らを引き連れ、うきうきと金を引き換えにやって来るところを捕える殺陣、永観堂御影堂脇塀際、お堂前。

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 万吉/工藤堅太郎 おとき/榊原るみ 大和屋/御木本伸介 仙造/中村孝雄 文治/黒部進 伍助/三角八郎 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/芦沢俊郎 監督/居川靖彦


第24話 「雪絵を狙った夜の奉行」 1985.1.7

 雪絵奥さま、さらわるの巻。相手は御用商人から曰くつきの金を強奪する賊、忠相は奉行としてでなく一個人として、首魁と目される旗本に会いに行くのだった。

大覚寺

ロケ地

  • 一味の中間が捕まって取調べを受けている最中、騙されて連れ出され拉致される雪絵、行き先が違うと指摘するや人数が出て囲む夜道は大覚寺護摩堂裏〜天神島朱橋付近。
  • 賊の首魁と推定した旗本屋敷を訪問するも不調、その帰り「夜の奉行」一味が出る夜道は大覚寺五社明神祠前。忠相は「投降」し、アジトへ連れられてゆく。
  • お奉行の行方を追っていた三次、および風間の注進で駆けつけた伊織が出会う町角、大覚寺五社明神。ここで忠相の印籠を拾い、この先に空屋敷があると三次。この二人に少し遅れて駆けつける風間と兵助は、有栖川畔を走る。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 志保/根本律子 大神正之祐/西沢利明 お由美/山本郁子 おちか/谷口香 伊勢由/田島義文 土井/幸田宗丸 権平/伊吹徹 弥平/冷泉公裕 大家/石浜祐次郎 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二

※盗賊「夜の奉行」の手下の一人に福ちゃん、クレジットはベタ。覆面なので目しか出てないが、台詞はたっぷり聞けるほか、ラス立ちではラス2くらいで斬られていてアップもあり目立っている。


第25話 「十手鈍らす過去の罪」 1985.1.14

 九年前の事件を掘り起こし、犯人を探し当ててみると、明日は娘の祝言という次第。式が済むのを待ってやる町方の人情と、怒りを抑えてそれに従う被害者の倅、そのあとはお奉行の名裁きで締める。憎さげで態度のわるい藤岡重慶のみドツボにはまる、結末はスカっと系のお話。

映画村

ロケなしセット撮り

大岡越前/加藤剛 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おはな/香山まり子 お由美/山本郁子 多吉/桜木健一 市兵衛/土屋嘉男 山吹屋/藤岡重慶 お糸/藤由布子 政五郎/小鹿番 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/星川清司 監督/山内鉄也


第26話 「将軍救った美女軍団」 1985.1.21

 上様、微行をきっちり狙われるの巻。
春を感じに出た上様は、あからさまに怪しい娘入りの駕籠と出くわしゴロツキを退治るが、助けられた娘の態度はなんかヘン。しかし変事を嗅ぎ取った忠相が止めてもダメなのはいつものこと、諫言は謹慎申し渡しになって返り、窮地にたった忠相の代わりに、伊織率いる「美女軍団」が活躍するのであった。

大覚寺

ロケ地

  • 城を抜け出し、根岸の梅屋敷で花を愛でる吉宗、大覚寺護摩堂(梅花はあしらいもの)。美佐を監禁して運ぶ駕籠は、放生池堤を来る。
  • 美佐と吉宗が休む茶店、大覚寺五社明神祠前に設営。変装して上様探索に出たおけいたちが見つけ、寄ろうとするところへ後ろから忠相。
  • 美佐の後ろで糸を引く尾州屋、作事奉行・石川と密会する屋形船は広沢池東岸に舫い(桟橋設置、夜間撮影)。三次が尾行していたが、石川の家来の遣い手・伝内に見つかり手傷を負わされる。
  • 伝内に始末された、美佐誘拐を演じた男たちの死体が上がる川端、嵐峡汀。見物衆の中にいた美佐はショックを受ける。
  • 川端から去った伝内を尾行する、飴売りに変装した風間、大覚寺有栖川畔。
  • 目安箱が置かれる辰ノ口、大覚寺大門。中に、美佐が忠相を告発する旨の訴状が入っている(尾州屋の捏造)
  • 美佐の訴状を見て外へ出てくる上様、雪絵をはじめとする美女軍団に胡乱の輩と決め付けられ拉致されるのは大覚寺五社明神脇、心経宝塔など映り込み、稲荷の祠はあしらいもの。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間俊介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 勘太/谷幹一 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/香山まり子 美佐/水沢アキ 尾州屋/田中明夫 矢島伊衛門/佐竹明夫 有馬兵庫/有馬昌彦 古場伝内/伊吹総太朗 石川淡路守/金田龍之介 徳川吉宗/山口崇 蕪木兵助/森田健作 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案・脚本/葉村彰子 監督/山内鉄也

※上様阻止は、まず雪絵奥さまが出て止めて癪を起こし、抱きとめてるところへ岡っ引姿のおけいが出て変態と決め付け、次いで伊織と志保が出て当身。このあと、伊織にぐるぐる巻きにされて監禁される絵を作ってあって大笑い。おけいと志保はラス立ち参加も。
※作事奉行は汚職発覚を恐れ吉宗暗殺をはかる運び、後釜に尾張をという話は出るが、具体的な描写は無し。
※屋形船の船頭に福ちゃん。


 →大岡越前 第一部
 →大岡越前 第二部
 →大岡越前 第三部
 →大岡越前 第四部
 →大岡越前 第五部
 →大岡越前 第六部
 →大岡越前 第七部
 →大岡越前 第九部
 →大岡越前 第十部
 →大岡越前 第十一部
 →大岡越前 第十二部
 →大岡越前 第十三部
 →大岡越前 第十四部
 →大岡越前 第十五部
 →大岡越前二時間スペシャル(2006)


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ