大岡越前 第七部

1983年、TBS/東映

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第1話 1983.4.18

 老中・松平石見守の江戸家老は、悪徳商人と通じ抜け荷をはたらき、機密保持のためには虫けらの如く人を殺す大悪党。秘事の一端を大岡越前に握られたと知るや、刺客を差し向ける始末。しくじった討手が始末されかかるところへ、我らがお奉行はずんずんと乗り込んでゆく。

西本願寺

ロケ地

  • 松平石見守邸、西本願寺大玄関門。門番付き。
  • 薬が切れたため暴れ、町方に捕まっていた又平が藩目付に斬り殺される夜の橋、中ノ島橋。落ちる際の欄干が明らかなセット撮りなので、ドボンの水柱は下の川ではないと思われる。
  • 又平の死体が見つかる河原、嵐山公園中州下手。
  • 養生所を出される志保、しかし家へは帰らずここで働きたいと申し出る門、大覚寺大沢池木戸。木戸越しにのぞく風景、観音台手前に塀を設営。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 川本弥兵衛/佐野浅夫 高津屋八右衛門/嵯峨善兵 市木重次郎/亀石征一郎 松平石見守/竹内亨 留吉/大橋壮太 医師/楠年明 森八太夫/岡田英次 高島/松村康世 いく/小野朝美 徳蔵/国一太郎 又平/柳原久仁夫 小太郎/阿南忠幸 亭主/堀内一市 男/木谷邦臣 養生所々員/永野登志雄、高井清 妙/加藤治子 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案、脚本/葉村彰子 監督/山内鉄也

※柳原の御前が亡くなったことは、妙や辰によってまずさらっと語られ、伊織が帰着した際位牌の前で忠相が詳しく語る。
※ラス立ち福ちゃん入り、場所は高津屋なので用心棒の浪人と思われる。


第2話 「紅蜘蛛の娘」 1983.4.25

 凶賊の引き込みをつとめる娘は、殺戮の修羅場の中でひそかに幼女を救うなど、意外な動きを見せる。それもその筈、彼女はむりやり賊の手伝いをさせられており、的の富商を釣る生贄にもされかかっていた。
たぬきの看板娘・おけい誕生のお話。

嵐山公園

ロケ地

  • 呉服商・京屋を襲った紅蜘蛛一味、金を運び出し船に載せる川は嵐峡(左岸側、石積の上に塀を置いてある)
  • 凶賊について聞き込んでまわる風間と辰、嵐山公園林間、中州下手河川敷(中ノ島橋下手左岸の栗石敷き部分、橋映らず)
  • 風邪をひいた源さんのため養生所へ走る風間(辰曰く、志保目当て)、嵐山東公園か。
  • 両替商・分銅屋に潜入するための生贄にされかかり、祖父・猪之吉により船宿から逃がされたおけい、追っ手に迫られ川に飛び込むシーンは嵐峡か広沢池北岸か(けっこう崖をおりるほか、木など生い茂り/夜間撮影)。一味の男たちがおけいを捜しまわる川べり、渡月橋下桂川河川敷(右岸側、橋脚が見えている)嵐峡
  • 往診帰りの伊織が、倒れているおけいを見つけ保護するくだり、渡月小橋まわり。伊織は橋上を来て、女が右岸側高水敷に倒れているのを見る。その後橋たもとの石段を駆け下り、おけいを保護。このさまを、渡月小橋上手で船を操りながら、一味の鉄三が見つめている。このあとおけいを運び込むのはたぬき。
  • 分銅屋を襲うべく船を出す一味、嵐山公園中州水路。蔵のある堀端へ上陸するシーンはセットにスイッチ。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 紅蜘蛛の伝兵衛/小池朝雄 猪之吉/田中春男 分銅屋喜左衛門/遠藤太津朗 鉄三/黒部進 留吉/大橋壮太 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案、脚本/葉村彰子 監督/倉田準二


第3話 「相合傘の女」 1983.5.2

 運命に翻弄されつつも必死で生きてきた女は、さらなる悲惨に際会し先を諦めてしまう。取調べの折の、半ばキレた彼女の申し立てを聞いたお奉行は、悪の懲罰を約束するのだった。
お白州では、証人として呼んだ大家を誘導し、無実に持ってゆく「いつもの手」。

妙心寺

ロケ地

  • 阿漕な金貸しもしているヤクザ・源五郎が、金主である旗本の屋敷へ向かう道(辰が尾行)妙心寺玉鳳院前路地〜東海庵脇路地(東側)〜衡梅院(勘定方上席の矢部邸・大身旗本。門まわりのほか、内部も使用)
  • 源五郎方へ捕方が殺到、わざと親分の源五郎だけ逃がすと矢部邸へ逃げ込むくだり、妙心寺玉鳳院前路地〜衡梅院。三次が飛び出してくるのは東海庵脇の路地から。
  • 事後、巡礼姿で江戸を出てゆくおいち、桂川・松尾橋上手右岸汀。画面奥に中州合流点の瀬が見えている。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 おいち/山口いづみ 源五郎/藤岡重慶 六兵衛/小栗一也 矢野誠十郎/川合伸旺 岩吉/片岡五郎 綾乃/宝生あやこ おかん/西岡慶子 おくみ/安岡真智子 おこま/杉本マチ子 留吉/大橋壮太 用人/邦保 お甲/小柳圭子 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/居川靖彦

※妙心寺塔頭・衡梅院の内部は、苔庭と回廊が印象的。


第4話 「義賊あざみ小僧」 1983.5.16

 女義賊・あざみ小僧の跳梁と、終焉を描く。偽者とやりあって危機に陥った彼女を、お奉行自ら助けに出て、もつれた親子の因果も解いてやる。
シリーズでよく出てくる、義賊否定のロジックと、被害届出てなくて軽罪のパターン。

ロケ地

  • 父・清七の墓に参ったあと、皆に見送られ巡礼の旅に出るお葉、西方寺小谷墓地。お奉行と源さんは高みで見送り、高輪まで行って見届ける風間同心は旅姿。

大岡越前/加藤剛 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 六造/深江章喜 十兵衛/伊吹聡太朗 清七/原健策 横手屋主人/松田明 瓦版屋/芝本正 越後屋五左衛門/市川男女之助 権次/丘路千 武石五三郎/疋田泰盛 佐兵衛/大木晤郎 お葉/松坂慶子 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二


第5話 「夢で拾った五十両」 1983.5.23

 「芝浜」を事件ねたにアレンジ、正直者の女房が亭主を明るいほうへ導いてゆく。
綿引勝彦演じる極悪人が、がちゃがちゃ夫婦と乖離して妙な味わいを醸し出す。

仁和寺

ロケ地

  • 早く来すぎて暇な熊五郎、顔を洗っていると財布を引き当てる芝浜、琵琶湖岸。後で風間らが捜索する際は昼間、汀には葦原が広がる。河口州と思われる土手も見えている。突堤らしき構造物も映っていた。
  • 勘太郎が熊五郎に財布を返せと迫る林、仁和寺御室桜林。冬枯れの景色で、林間に塔ちらり。
  • 事後、お奉行に初鰹を持ってくる熊五郎とおかつ、相国寺大光明寺。導入は雪絵奥さまの生け花、方丈縁先で。熊五郎たちがどやどやと入ってくるのは石庭。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おかつ/小鹿みき おはな/遠藤真理子 熊五郎/桜木健一 勘太郎/綿引勝彦 幸兵衛/浜田寅彦 留吉/大橋壮太 竹/遠山二郎 大寅/田中弘史 おとみ/中塚和代 おとき/町田米子 老婆/木下サヨ子 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/居川靖彦


第6話 「見えない目撃者」 1983.5.30

 揉み療治を生業とする女が、殺人事件の現場に遭遇。見ていないものの、鋭い嗅覚で犯人を示唆するが、悪党は当然彼女を消しにかかる。そのさまを描いた、手に汗握るくだりが迫力。

ロケ地

  • 芋を奢って大黒屋の女中・おしげから情報を引き出す源さん、斉宮神社脇。材木置場が映り込む。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おはな/遠藤真理子 お久/水原麻記 かおり/上村香子 与七/田口計 仙造/宮口二郎 庄兵衛/市川男女之助 大黒屋の手代/有島淳平 おしげ/曽根千香子 妙/加藤治子 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/廣澤榮 監督/山内鉄也


第7話 「嘘つき親父の真実」 1983.6.6

 鼻つまみ者の岡っ引が、金貸し婆さんを殺して人に罪をなする。目撃者がいたのだが、ふだんからガセネタを掴ませて小銭を稼ぐ常習犯のダメおやじなうえに、当の「犯人」に脅されてだんまりを決め込む始末。犯人とされ打首の判決が下る若者は、おやじの娘の恋人なのだった。

常寂光寺

ロケ地

  • おきみが、父・枡吉にお時殺しを見ていなかったか問う坂、常寂光寺参道石段、仁王門越しの絵。二人は石段中ほどにいて、上ってゆく。
  • 母が養生所へ入れてもらったと告げに駆けてくる卯之吉、常寂光寺参道石段を駆け上がる。境内に、おきみが働く茶店が拵えてある。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 枡吉/谷村昌彦 おきみ/友里千賀子 卯之吉/真夏竜 千造/菅貫太郎 定/福本清三 お時/河東けい おみね/河野元子 およし/三浦徳子 養生所々員/高井清 野次馬/畑中玲一 居酒屋の親爺/疋田泰盛 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/山内鉄也

※福ちゃん、スガカンの下っ引。妙に動きが鋭くて笑える。
※伊織の血液鑑定は千造へのブラフ?それともマジ


第8話 「美女に迫る魔の牙」 1983.6.13

 凶行をはたらいたあと火をつけてゆく賊あり、火盗改同心がグルの模様。難事件に立ち向かう男たちを見たおけいと志保はフライング、囚われて大ピンチとなるが、南町の配備にぬかりは無かった。

金戒光明寺

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守、三国濠から大天守見上げの図。火盗改との職分を越えた件で、老中から叱責される段。
  • 火盗改同心に斬られた一味の男について聞き込みの三次、ひとこまは罧原堤下河原(桟橋と茶店設営)、他はセット撮り。
  • 同じく聞き込みの伊織、偶然盗人宿に当たってしまい、帰りに襲われる道、金戒光明寺長安院下坂。志保を盾にされ当身を食らい、よろけつつ追うも見失う坂、金戒光明寺永運院下坂。
  • 南町の裏をかいて的に向かう一味、船を出す川は桂川罧原堤下蛇行部分、汀につけて上陸。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。映画村セットの背景に持ってくる。

大岡越前/加藤剛 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 駒木軍蔵/原田剛 加古川の粂五郎/汐路章 山脇正兼/玉川伊佐男 久世大和守/飯沼慧 儀十/松山照夫 定八/河合絃司 駿河屋主人/溝田繁 留吉/大橋壮太 おとき/湖条千秋 才次/筑波健 倉次/広瀬義宣 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/松尾正武

※伊織とはちあわせした賊の一味が火盗改同心に始末されるくだり、駒木の部下の小者に福ちゃん。突棒持ってきりり。


第9話 「天下一品意地くらべ」 1983.6.20

 底に、南部藩のお家事情がある話。同心たちが足を棒にして捜し歩いた人物は、妙のもとに来た骨董品がらみで見つかるが、値打ち物を返す・受け取らぬで大モメ。決着がお白州に持ち込まれたことで、事態は建設的な方向へ。

姫路城

ロケ地

  • 元南部藩士のさる浪人を捜す風間と辰、仁和寺境内。辰が市兵衛に声をかけられる雑踏は観音堂前、塔なども映り込む。
  • 江戸城イメージ、姫路城天守(三国濠から見上げの図)。南部藩をなんとかするよう、将軍に求められる忠相の段。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おはな/遠藤真理子 初/丸山秀美 筧卜斉/大山勝巳 屑屋市兵衛/谷幹一 太兵衛/松本克平 芥山老人/久米明 毛馬内六左衛門/幸田宗丸 鬼柳兵庫/内田勝正 修理大夫利視/水上保広 留吉/大橋壮太 妙/加藤治子 村上源次郎/大坂志郎 徳川吉宗/山口崇

原案/葉村彰子 脚本/稲垣俊 監督/居川靖彦

※市兵衛の登場で、骨董好きだった柳原の御前の話がひとしきり・源さんが涙ぐむひとこまも。


第10話 「薬袋に仕掛けた罠」 1983.6.27

 伊織先生、投獄さるの巻。陰謀の主は、養生所に客をとられて焦る業突く張りの医者。忠相以下の奔走はむろんのこと、女たちも頑張るのであった。
爺さまへの、毒の利きっぷりも見事。

今宮神社

ロケ地

  • 父の医者代のカタに連れ去られかけるおみよ、大覚寺五社明神(逃走中)今宮神社絵馬堂(隠れるが見つかり)今宮神社絵馬堂脇坂(連行中、風間が介入/カメラ坂上から)
  • 風間の依頼でおみよ宅へ往診の帰り、襲撃される伊織と志保、今宮神社石橋付近。このあと境内祠脇へ連れ込まれ、立ち回りは石橋脇の切石橋上付近へ。
  • 養生所で父の薬を貰って帰るおみよ、弥吉にぶつかり薬を差し替えられてしまう道、大覚寺大沢池北辺並木。並木の尽きるあたりに茶店を設営、弥吉はここで待ち構えていた。
  • 伊織投獄後、お百度を踏む志保、今宮神社稲荷社。前の石畳に百度石を置いてある。聞き込み帰りの風間と辰がこれを目撃する運びで、二人は稲荷社西側の玉垣越しに見ている。設定は弥生神社。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 お香/斉藤とも子 おみよ/佐藤万理 弥吉/柴田p彦 桂木道山/永井秀明 中山出雲守/永井智雄 車坂の伝五郎/金井大 石川出羽守/永野辰弥 宗順/北町嘉朗 亀造/伊吹徹 遠州屋加兵衛/久遠利三 矢崎/田中弘史 吉兵衛/西康一 留吉/大橋壮太 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/津田幸於 監督/倉田準二


第11話 「裏切りの悲恋十手」 1983.7.4

 ある意味必然だった場所へ落ちてゆく青年の、重苦しい話。
救いは、運命の女と出会い共に死んだこと。誰も責めず、いい奴だったで終わらせる忠相の微笑が悲しい。

神泉苑

ロケ地

  • ドスで一突きされた、阿片中毒者の死体が見つかる大川、罧原堤下汀
  • 兵馬の回想、お袖に会った最後となった橋、神泉苑法成橋。西から東へ渡り、善女竜王社の前へ。お袖が黙って引っ越してしまったあと、雨中橋上に一人立ち尽くす兵馬のシーンもある。
  • 兵馬が、投げ文の「六、両」の謎を解き、風間や辰と張り込む両国橋、渡月橋たもと(右岸・下流側)。頬っ被りの男たちが汀を上流側へ走って行き、橋上手の中州水路側で荷揚げ・ここで「御用」。
  • 三崎屋の指示通り、町方を偽情報で張り込ませる神田橋、中ノ島橋。辰などは木の上にのぼっている。いたたまれず持ち場を離れ、荒瀬を見つめる兵馬、嵐山公園中州・桂川岸辺(増水ぎみ、堰堤が没する勢いの濁流)。このあと、「まだ間に合う」とこの汀を走ってゆく。
  • 実際に阿片取引が行われる吾妻橋、中ノ島橋(先の神田橋と、ちょっとアングルを変えてある…ほぼ同じだけど)

大岡越前/加藤剛 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 お袖/片桐夕子 たか/楠田薫 三崎屋吾平/須賀不二男 松吉/中田博久 酒井兵馬/村野武範 お駒/三條泰子 留吉/大橋壮太 弁天虎五郎/鈴木康弘 番頭/笹五朗 大家/森秀人 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/芦沢俊郎 監督/松尾正武


第12話 「鬼を泣かせた娘」 1983.7.11

 貰い子の娘に、女郎になって金を稼げと迫り、酔って殴る蹴るの仕打ちをする、アル中くそ親爺。ある日、金を作れないなら盗んで来いと折檻され、思い詰めた娘は人様の財布に手をかけてしまうが…。
お白州に尺を割き、鬼畜親爺が遂に改心して号泣するまで持ってゆく、藤岡重慶オンステージ。

大覚寺

ロケ地

  • アル中治療に養生所へ入れられるも即逃げ出す庄助、転びつつ走る道は大覚寺大沢池北辺並木
  • 金を盗って来いと言われ、裕福そうな夫婦連れを見て置き引きしかけるおくみ、大覚寺大沢池堤。おくみは農地側の土手法面から上がってくる。夫婦が休む「土手の茶店」が設営されている。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 庄助/藤岡重慶 相模屋庄兵衛/佐竹明夫 おたか/鳳八千代 七兵衛/西山嘉孝 お米/藤山喜子 おつね/宮田圭子 おかん/武田てい子 おくみ/大場久美子 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二


第13話 「目撃者はお高祖頭巾の女」 1983.7.18

 恋人を犯された男は激昂、刃をかざし相手を襲うが返り討ちに遭う。しかし相手は大店の倅で金にあかせて罪を逃れようとはかり、しかも目撃者は名乗って出られぬ身の上の哀れな女だった。
態度の悪い容疑者に怒った風間が打擲を加え、これが捻じ込まれて越前守あわやの事態にもなる。

大覚寺

ロケ地

  • 料亭で仲居のおしのを陵辱し、ご機嫌で帰る幸太郎が通る夜の和泉橋、中ノ島橋。追いついてきた佐吉と橋上で揉み合いになり、河川敷(橋下手右岸、栗石敷き)で佐吉が刺殺される。橋下に夜鷹の小屋がしつらえられている。頭巾を被った夜鷹・さわが目撃する運び。後段、身代わり出頭の「殺害犯」の供述で凶器を捜索の川は橋下手河床、常より増水ぎみ。また、おけいが夜鷹に化けて潜入する際にも同所が使われ、河川敷で丈助と話すおけいを、橋上から三次が見ている。
  • 見たことを口外せぬようさわを脅す丈助、大覚寺五社明神内陣。
  • 但馬屋に大金を要求する丈助、大覚寺観月台下有栖川畔〜大沢池に舫った屋形船へ(ここに但馬屋)。三次が尾行している。
  • 但馬屋が丈助に金を渡す筋違橋、大覚寺勅使門橋。導入は、御殿川河口の落水をナメてのロング。御殿川河床を来た丈助に、橋上から金を渡す趣向。丈助は西方向へ去る。
  • 金を渡した直後丈助を襲う山文一家、中ノ島橋。三次に入れ替わっており、丈助は水路端に連れ込まれ、風間に口を塞がれながら襲撃を見る運び。三次は橋から落とされる。

大岡越前/加藤剛 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おしの/三浦リカ さわ/金沢碧 葉山清之進/長谷川哲夫 但馬屋幸兵衛/神田隆 幸太郎/藤木孝 山本屋文造/福山象三 丈助/吉田豊明 佐吉/小林芳宏 定次/稲吉靖司 西尾隠岐守/江並隆 留吉/大橋壮太 養生所々員/永田登志雄、高井清 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/居川靖彦


第14話 「情けが仇の人助け」 1983.7.25

 新生活の資金を雪絵奥さまから貸して貰った辰三親分、帰り道で心中親子に出くわし、迷ったものの見捨てておけず、投げ出すように十両を置いて去る。その金額の多さと、名も告げなかったことがおおごとを出来させてしまう。

大覚寺

ロケ地

  • 北町奉行所、大覚寺明智門。忠相が、文造解き放ちを求めに行く段。晴れて釈放となった文造を、娘のお絹はじめ長屋衆が迎えに出る。忠相たちは、御殿川手すり際・松の陰で微笑みながら見ている。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おはな/遠藤真理子 お絹/松岡ふたみ おきん/三崎千恵子 中山出雲守/永井智雄 武蔵屋小兵衛/北村英三 文造/瀬川新蔵 忠兵衛/天草四郎 香取要助/山本清 権三/小田部通麿 留吉/大橋壮太 長屋のおかみ/川本美由紀、坂本和子 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/居川靖彦

※辰三の下宿先の荒物屋のおばさん・おきんが、店を畳んで娘のところへ行くことになり、辰三に店舗を買い取るよう持ちかける。ついでに嫁を貰う話に発展、奥さまから金が出る運び。金のことは解決するが、おきんは戻ってきてしまいおはなとの新世帯プランはパア。


第15話 「怨念秘めた唐人剣」 1983.8.1

 女たちの人気を一身に集める役者には、秘めた志があった。
大奥のお局さまの父はフィクサー、長崎奉行時代に豪商を陥れ一族処刑、からくも逃れた遺児が仇討ちを志す、というどこかで見たような筋立て。雪之助は実は女なので、二役は闇太郎ではなく志乃さん、身代わりをつとめるシーンもある。

大覚寺

ロケ地

  • 蘭堂隠宅イメージ、大覚寺大沢池を簾越しに見る図、奥に観月台が見えているので、位置は大沢池堤と思われる。水面にはびっしり睡蓮。山形屋の荷を臨検したことで忠相が叱責を受けた件をお局が嘲笑うくだり。
  • 雪之助に襲われ、多吉に刺され川に落ちた山形屋、翌朝死体が検分される川端は嵐山公園中州舳先。見物衆がいる中ノ島橋が導入。
  • 音羽の局の呼び出しを受け出向く雪之助、途中駕籠をおろされ船に乗り換える川端は広沢池東岸。夜間撮影。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保、雪之助/根本律子(二役) おはな/遠藤真理子 光太夫/浜田寅彦 多吉/橋本功 山形屋藤兵衛/須賀不二男 鳴海屋治助/近藤宏 音羽の局/一柳みる 権三/平沢彰 恩田左門/柳原久仁夫 坂田/安部徹(劇中呼称は坂田蘭山) 目付/川浪公次郎 一座の女/的野真衣、花柳陽要 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/葉村彰子、芦沢俊郎 監督/倉田準二


第16話 「見合い相手は殺人鬼」 1983.8.8

 おはなに縁談が持ち上がり、父親の棟梁は大乗り気。しかしおはなが「陰気」と思ったその通り、婿がねには暗すぎる過去があった。
おはなと辰の、漫才みたいな喧嘩で前後を締める。
あくまで否認する犯人を落とす忠相、時々やる「ホントの名前で不意に呼ぶ」。

大覚寺

ロケ地

  • 庭で素振りの忠相、嵐亭延命閣前。おはなの父・勘五郎が来たと雪絵が呼びに来る。
  • 絞殺された市造が遺棄される祠、大覚寺天神島祠裏。
  • 土左衛門として見つかる湯女・おたみ、広沢池東岸。これに先立って、ここの水に顔をつけての殺害シーンがある。設定は大川。
  • 事後、また喧嘩の辰とおはなを物陰から見て、笑いながら廊下を来る雪絵、嵐亭延命閣縁先。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 圭助/三田明 おたみ/三浦真弓 おくら/荒木雅子 中間/泉祐介 市造/山本一郎 勘五郎/藤岡琢也 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/櫻井康裕 監督/山内鉄也


第17話 「脱走者を待つ女」 1983.8.15

 恋人のため罪を犯し寄場送りとなった船頭は、帰還を期しておとなしく労務に就いていたが、こともあろうに寄場を避難所にしていた悪党どもに見込まれ、脱走する羽目に。
事情を十二分に承知していたお奉行の裁断は、大甘となる。

妙顕寺

ロケ地

  • 寄場へ送られる者たちを見送る船手番所、広沢池東岸土手に柵設置。
  • 石川島人足寄場、柳谷(石を砕いて運ぶ作業がなされている。切り立った岩の崖が見え、手前に細流あり・丸木橋を架けてある)
  • お島宅を見舞う風間と辰、途中通る、山王御旅所薬師堂は妙顕寺、導入は本堂西側〜南西角。普請風景が演出されているのは三菩薩堂前、お堂前に筵を張り巡らせ、石畳上付近で鉋掛け作業。設定は、茅場町薬師のことと思われる。
  • 寄場破りを受けて行われる海辺の捜索、広沢池に船を複数出して演出。西岸葦原に脱走犯の船が残されている。聞き込み風景にひとこまに東岸、釣人から聴取。
  • 寄場破り一味が隠れる縁下、妙顕寺か。
  • 事後、薬師堂の縁の下から見つかった壺の埃をはらう風間、妙顕寺尊神堂・三菩薩堂間の渡廊下(反った自然木の形態)
  • 再び寄場送りとなる宇之吉、船手番所は広沢池東岸。土手に同心たちがいて陰ながら見送り。
  • お島の弟の容態を見に、養生所を訪れる忠相夫妻、嵐亭庭。建物の縁先や祠、生垣の向こうには嵐山の緑が映り込んでいる。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 お島/高橋恵子 宇之吉/大場順 銀造/長塚京三 伝次/岩尾正隆 弥平/市村昌治 大家/中村錦司 留吉/大橋壮太 質屋の主人/蓑和田良太 役人/五十嵐義弘 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/葉村彰子、津田幸於 監督/山内鉄也


第18話 「女が墜ちた焦熱地獄」 1983.8.22

 家人を皆殺しにしてゆく凶賊が続けて出現、越前守失職の危機。
手がかりは風間の粘りで、突破口は雪絵奥さまの突撃と、ファミリーに支えられて事件は解決を見る。
悪役陣がまた見もの、忠相の後を襲おうとする旗本の憎態ぶり、怪しの女占い師の蓮っ葉さなど、名手が所を得て妙。

仁和寺

ロケ地

  • 両替商を襲った鬼面党を追う風間、あと一歩のところ撃たれてしまう竹林、わらびの里か。
  • 女占い師・白蓮の寺イメージ(?)仁和寺塔。蔵を前景に入れ、御室桜林越しの図。鬼面党がたむろするセットの堂内には、持物は無いものの愛染明王と思しき仏。
  • 白蓮の寺・風妙寺へ乗り込みブラフをかましてくる雪絵、修験者の手下・留次につけられて危ないところ、三次が出て喧嘩を吹っかけるシーンは大覚寺、雪絵が尾行される道は有栖川畔(河床から見上げの図も/河床は珍しく草ぼうぼう)。雪絵らが物陰に隠れ、留次が捜しまわるシーンは五社明神(本殿内外)
  • 名乗らず頭巾を被って白蓮と会う忠相、広沢池東岸に祠を設営、小橋で渡るようにしてある。白蓮の合図で殺到する浪人たちは土手の並木。忠相は三次が漕いできた船で「逃走」。
  • 大膳を尾行するおけい、大覚寺参道石橋〜大門。桑田邸と園周辺。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 桑田修理/川合伸旺 坂井大膳/石橋雅史 本田伯耆守/幸田宗丸 白蓮/湖条千秋 天草屋久造/須永克彦 道念/滝譲二 主人/市川男女之助 女将/山田富久子 留次/福本清三 佐平/入江慎也 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/芦沢俊郎 監督/松尾正武

※女占い師は、贖罪の昇天と称し火にまかれてみせ、逃げようとすると秘密の扉は口封じをもくろんだ仲間によって閉ざされているという、おきまりのパターン。
※福ちゃん、ポジションは白蓮のアシスタント修験者・道念の下で動くチンピラ。クレジットされているだけあって、かなり映る。


第19話 「仇討ち夫婦駕籠」 1983.8.29

 相棒を無礼討ちにされた駕籠舁きは、理不尽と納得せず、赤穂浪士よろしく仇討ちを志す。しかし相手は旗本なうえ、名うての性悪。挫けていたところへ助勢に来たのは、大岡越前守その人であった。

渡月橋

ロケ地

  • 亡き相棒の代わりに女房が片棒を担ぐ六助の駕籠、憎き稲葉源十郎をつけまわすが、逆に難癖をつけられる道、大覚寺大沢池畔。危ないところへ伊織らが通りかかるのは放生池堤。
  • 六助に事情を聞いた伊織、忠相に捻じ込みに行くくだり、忠相が庭木いじりをしているのは嵐亭延命閣前庭。雪絵とおはながお茶を持ってくるのは延命閣前縁。
  • 事後、名裁きとあいまって評判となる六助夫婦の駕籠、その話をしながら客を乗せて通る橋は中ノ島橋渡月橋併用(渡月小橋も使ってるかも)中州舳先の護岸法面(石積越しに橋が見えるアングル)に、釣りの忠相と伊織がいて、大岡大明神とか言われていることを伊織がからかう。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 六助/工藤堅太郎 おてい/左時枝 稲葉源十郎/船戸順 亀吉/住吉正博 銀次/岡部正純 惣助/秋山勝俊 養生所々員/高井清 老婆・きわ/岡嶋艶子 駕籠の客/吉田信夫 火の番/泉好太郎 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/廣澤榮 監督/松尾正武


第20話 「辞世に託した三千両」 1983.9.5

 「狐火」の翻案、演者の違いも含め、微妙な差異をたのしむ。
三千両のありかを解明できない奉行を揶揄する落首が門前に貼られ、また「越前蟹」呼ばわりとか。
金を盗られた勘定方からせっつかれても、微笑みさえ浮かべ悠揚迫らぬ落ち着きすぎの忠相とか。
今回は、きっぱり受け取り拒否のおせいを見てお上に返却と決め、手下の成敗を願って死んでいったとの「忠相の」解釈。

琵琶湖

ロケ地

  • 謎めいた投げ文をもとに、鉄砲洲へやって来る風間と辰、琵琶湖西岸河口州。鳥居と祠がしつらえてあり、波除稲荷という設定。釣りをしていた勘五郎と出くわすが、海へ逃げられてしまう。
  • 隠し金を求め墓地を掘り返す勘五郎の手下たち、不明(竹林際、墓石はあしらいものっぽい)
  • おせいを髪結床から連れ出し、隠し金のありかを迫る勘五郎の手下、中ノ島橋(円窓から橋上を望む図)。手下の男は、風間と忠相に挟まれ、川に身を躍らせ逃走。
  • 勘五郎が処刑される小塚原、酵素河川敷に幔幕と竹柵あしらい。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おせい/本阿弥周子 おはな/遠藤真理子 駒羽の勘五郎/土屋嘉男 西三/黒部進 与吉/長崎真純 留吉/沖田駿一 板倉勝茂/西山辰夫 富治/野口貴史 惣八/河野実 亀蔵/勝野賢三 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/廣澤榮 監督/山内鉄也

※勘五郎を刺す槍を持つ「刑吏」に福ちゃん。


第21話 「母は天下の御意見番」 1983.9.12

 大奥さま、市井の人々の難儀を見て「女忠高」になるの巻。
ヤクザと組んで暴利を貪る、悪徳金貸し。ふつうに裁けばとても極刑とはゆかぬ悪党を、苦味の利いた頓知で懲らす名奉行というのが主題で、どこかで見たような筋立てなのだが、端々に忠高を懐かしむシーンを入れてあって、懐かしくもしんみり。

招善寺

ロケ地

  • 上様がいないと影供が騒ぐ門、招善寺墓地入口門。門を見下ろす構図。
  • 上様が妙を連れてお散歩の土手、大覚寺大沢池堤。お城へ戻るよう諭す妙だが、上様は忠高の思い出話をしてハイテンション。
  • 女郎に売られていた茂七の娘を駕籠に乗せて養生所へ急ぐ源さん、大覚寺大沢池北辺並木

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 徳川吉宗/山口崇 六兵衛/花沢徳衛 銭屋唐兵衛/桑山正一 岩松/うえだ峻 不動の弥八/汐路章 お静/野口ふみえ おかね/岸久美子 茂七/谷幹一 由兵衛/武内文平 寅吉/森章二 市造/出光元 幸太郎/大木晤郎 お梅/末永厚子 銭屋の番頭/重久剛一 妙/加藤治子 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/倉田準二


第22話 「泥棒にされた御奉行様」 1983.9.19

 大昔に棄てた妻子に会いに、上方から出てくる元盗っ人。行方を聞くためたぬきに入り、そこでお忍び浪人姿のお奉行と出会う。このことが、彼の娘と孫、そして彼自身の運命を変えるのであった。

三宅八幡宮

ロケ地

  • 忠相が源さんを使って捜しだした、芦平の女房の葬儀が行われたという牛込の慈眼寺、招善寺。忠相と芦平が墓地へ行く道は墓地参道坂(坂の途中から)、墓もこの寺の墓地を使う。墓参のあと、この墓に参る人のことを和尚に聞く段、縁先と小庭が見えているのもこの寺か(塀が斜めに「上がっている」)
  • 芦平の孫でもある、近江屋の孫息子がさらわれる八幡さま、三宅八幡宮。犯人の浪人たちが、金の受け渡し場所に指定するのも同所。昼も夜も使い、大捕物も行われる。二の鳥居から境内を望む図、舞殿前、参道と使われ、境外・玉垣と民家の間の道も出てくる(この民家塀は現存)

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 おはま/鈴鹿景子 おはな/遠藤真理子 芦平/芦屋雁之助 近江屋吉右衛門/伊沢一郎 吉次郎/手塚茂夫 関三十郎/山本昌平 伍平/佐々山洋一 六造/海老江寛 宝山/中村錦司 矢部五郎太/滝譲二 留吉/大橋壮太 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/山内鉄也


第23話 「闇に閃く恐怖の邪剣」 1983.9.26

 口入屋の二大巨頭を衝突させ、漁夫の利を得んとする老爺あり、闇の殺し屋を使う。その手先となって暗殺を請け負う病持ちの浪人は、ほかならぬ忠相の剣友なのだった。

御香宮

ロケ地

  • 暗殺犯の浪人が咳をしていたという情報をもとに調査にまわる風間と辰、がまの油売りなど出ている雑踏は今宮神社境内、若宮社拝殿脇。
  • 政吉が手先の「井上」浪人に報酬の後金を渡しに行き、新たな仕事の依頼もする川端、広沢池東岸。浪人は汀に設けられた桟橋で釣り。後段にも出る。
  • 「井上」浪人の暮らしぶりを見てきた三次が、お忍びの忠相に報告する橋、中ノ島橋上。
  • 忠相の計略に乗り、政吉が「井上」浪人を差し向ける根津権現、御香宮。本殿裏手と摂社前を使う。忠相の説得の最中に町方が殺到、「板倉」浪人は逃走。

大岡越前/加藤剛 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 伊皿子の嘉兵衛/田中明夫 妙法院の政吉/遠藤征慈 佐久間七之助/田中浩 定吉/中田博久 道場師範/松本朝夫 志津/市丸和代 掛布の吉兵衛/小田部通麿 百助/平沢彰 乾分/木谷邦臣 瓦版売り/有島淳平 板倉銑十郎/佐藤允 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/廣澤榮 監督/倉田準二

※忠相の記憶にあった下段からすりあげる剣技、板倉が編み出すものの師範に邪険と判断された次第。試技の相手は忠相。
※画面表記には「掛布の吉兵衛」と記されていたが、劇中呼称および半纏の染め抜きは「掛札」。


第24話 「悪魔が狙った江戸小町」 1983.10.3

 小町娘の連続殺人は、決まって顔を切り裂かれているという猟奇事件。事件を解明する過程で、忠相たちはさまざまな心の闇を見る。
小倉一郎の狂態が見る者の心を凍らせるが、母親のおまさの語る忌まわしい過去の方が痛い。

今宮神社

ロケ地

  • 踊りの師匠が殺される夜の町、今宮神社。絵馬堂坂を下りてきて、稲荷社脇で殺された気配を出して、ピンク頭巾が摂社前をすたすた去ってゆく絵にしてある。翌朝、駆けつけてくる源さんは石橋を走り渡る。
  • 養生所からの帰り、忠相たちが大奥の女の駕籠を見かける道、大覚寺天神島。駕籠とお供は朱橋を渡ってゆく。後で御中臈と知れる駕籠の中の人は、その夜の被害者に。
  • 養生所へ行く途中、往診帰りの伊織とばったり会う忠相、藤棚は大覚寺か(一時あったように記憶している)

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 おまさ/中原早苗 直次/小倉一郎 寄居伝七郎/久富惟晴 大目付/永田光男 老中/志摩靖彦 奉行所同心/森源太郎 藪一/徳田興人 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/星川清司 監督/倉田準二

※忠相が囮作戦を打ち出すと、雪絵奥さまが内緒で出張るほか、風間と辰が女装。笑わせようとしてのこととは言え、和田浩治のはキモい。


第25話 「命を賭けた御用旅」 1983.10.10

 凶賊のかしらを一旦捕える風間と辰、しかし隙をつかれ傷を負わされ、あろうことかおけいを人質にして逃げられてしまう。
以降、斬られた足を引きずる風間と、彼を助けて動く三次とが、賊に翻弄されつつ甲州路を追ってゆくことになる。

大内辻堂

ロケ地

  • 風鈴の宗兵衛の情報を求め、タレコミ屋の石松と会う風間と辰、常寂光寺仁王門。
  • 痛む足を引きずりつつ街道をゆく風間、広沢池東岸。昏倒し水に転がり落ちるシーンもある。三次が追いついてきて合流、三次はそのまま先行。
  • 風鈴一味が巡礼に変装し出てゆく小屋、広沢池東岸葦原近くに設営。朝靄。
  • 身延講中として「法華の太鼓」叩きつつ街道をゆく一味、大内辻堂前。おけいが道隈の道標にマーキング。
  • おけいに刃を突きつけつつ街道をゆく一味、大内か(田畦、竹林も見える)
  • 遅れて来た風間、三次の笠に気付く茶店、大内・辻堂手前(南側)。奥に登り坂が見えている。
  • 三次が八王子へ着いた頃、一行がゆく山道、道端に材木置場のある山中の道。
  • 八王子の風鈴アジト、不明(建物はセット、周辺の道は山裾?の道の土手下に蔵と萱葺民家のある、暴将などでもよく出るアレ)
  • 一味の工作を見破り後を追う風間と三次、岩石落としに遭う山道は大内・亀岡道か(山肌ガレあり)。ピンチの二人を救いに、忠相が単騎現れる。
  • 一人馬で逃げた宗兵衛を追う忠相、幅寄せして落馬させる道は大内・八木道や周辺の田畦。
  • 一味を護送し江戸へ向かう坂、大内・亀岡道か。

大岡越前/加藤剛 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 風鈴の宗兵衛/南原宏治 一平/原口剛 亀造/上田忠好 岡田左平/中村孝雄 又七/灰地順 石松/井上茂 篠崎三郎兵衛/森下鉄朗 村上源次郎/大坂志郎

原案/葉村彰子 脚本/大西信行 監督/山内鉄也

※おけいが拉致される際、一味は見回りの町方を見て物陰に隠れるが、このときのお町のダンナが福ちゃん。首の振り方や背筋の伸び具合がいかにも。


第26話 「鬼より恐い古証文」 1983.10.17

 牢破りのせいで、因業金貸しを守るはめになった風間たちはかんかん。最後は、黒は黒とお奉行がシメてくれて皆の溜飲が下がる展開だが、各人の心の襞を丁寧に描写してあり、単純な話にはなっていない。
タイトルの古証文は、仏と言われた先代が「あるとき払い」で事実上施しだったものを、当代が厳しく取り立てて回り人死にも出るという次第。

ロケなしセット撮り

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 常蔵/河原崎次郎 一石堂喜之助/荒谷公文 おたき/二本柳俊衣 定吉/吉田紀人 棚倉軍兵衛/五味龍太郎 忠七/守屋俊志 町年寄/中村錦司 用心棒/小峰隆司 岩五郎/鈴木康弘 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案/葉村彰子 脚本/星川清司 監督/倉田準二


第27話 「将軍暗殺危機一髪」 1983.10.24

 目安箱に、忠相と伊織を中傷する訴状。しかしそれは二人が的ではなく、釣り込まれて出てくる上様の命こそが狙われていた。
心ならずも企みに加担させられる、気のいい剣客の哀話が泣かせる。

今宮神社

ロケ地

  • 伊織に恩を感じ養生所に寄進を欠かさぬ武蔵屋、彼が拉致され密殺される屋形船、広沢池東岸葦原から出る(夜)
  • 堺屋に取り込まれている徒目付・小森を尾行する風間と三次のくだり、今宮神社。まず、小森が下りてくる坂は絵馬堂脇坂。稲荷社前を過ぎる際若宮社拝殿の陰に風間がいて、わざと十手を出して見せる。このあと絵馬堂前〜楼門・ここで小森が風間に文句を言い脅しつける。このあと東門を出てゆく小森、ここから三次にスイッチ・堺屋へ入るのを見られる運び。
  • 始末された小森の死体が見つかる川、嵐山公園中州下手河原。中州舳先へ引き上げられる。斬られて落ちたのはセットの堀。
  • 再び目安箱にくだんの訴状、その護持院ヶ原へ誘い出す内容の訴状を吉宗から掏り取るおけい、今宮神社東門〜境内。おけいを追いかけてきた吉宗を、源さんと風間が捕縛・牢へ押し込める。
  • 堺屋と大竹が、刺客として高垣を仕立てて待つ護持院ヶ原、下鴨神社池跡。時間の経過を示す鐘は不明。

大岡越前/加藤剛 雪絵/酒井和歌子 風間駿介/和田浩治 すっとびの辰三/高橋元太郎 おけい/叶和貴子 猿の三次/松山英太郎 志保/根本律子 おはな/遠藤真理子 高垣軍兵衛/近藤洋介 堺屋善助/内田朝雄 大竹仙十郎/外山高士 小森英之進/可知靖之 武蔵屋総兵衛/野口元夫 千絵/荒川真美 有馬兵庫/江並隆 番頭/泉祐介 留吉/大橋壮太 浪人/高並功 仁兵衛/白川浩二郎 地廻り/秋山勝俊 徳川吉宗/山口崇 村上源次郎/大坂志郎 榊原伊織/竹脇無我

原案・脚本/葉村彰子 監督/倉田準二

※堺屋は尾張へ出入りという設定があるが、大竹の身分は語られなかったような。
※忠相が吉宗に化けて護持院ヶ原へ出向く間、伊織は高垣の娘を救出に堺屋へ。そこで用心棒の浪人とやりあうが、その一人に福ちゃん。


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